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AIでSDGs!人工知能を活用した地球温暖化の取り組みについて調べてみた

AIでSDGs!人工知能を活用した地球温暖化の取り組みについて調べてみた

最近はあらゆる場所や業界で人工知能(AI)が利用されるようになっていますよね。昨今話題になっているSDGsや、それに関わる地球温暖化などにも、人工知能(AI)を活用した取り組みが行われているのです。

なお、SDGsとは国連に採択された17の持続可能な開発目標のことであり、この中には地球温暖化に関わる目標がいくつか存在しています。地球温暖化は私たちの将来にも大きな影響をもたらすので、重要な話題とも言えるでしょう。

そこで今回は、人工知能(AI)が本当に地球温暖化を解決するのかについてお伝えします。合わせてSDGsの意味や人工知能(AI)が地球温暖化に取り組む具体的な事例や問題点、人工知能(AI)と地球温暖化の未来についても解説します。

SDGsについて知っておこう

世界平和のイメージ

それでは、最初にSDGsというものがどのようなものであるのかを簡単に説明しましょう。SDGsとは、2015年に国連に採択された持続可能な開発目標のことを指します。具体的には世界中のあらゆる人がよりよい生活を送れるように貧困問題やエネルギー問題、地球環境になどについて取り組むべきことをまとめたものを指します。

これにより世界の平和や幸せな暮らしができるようにするため、「持続可能な開発目標」と呼ばれているのです。

そして、これは17の異なる目標をクリアすることで実現できるようになっており、代表的なものを抜粋すると以下のようになります。

  • 貧困
  • 飢餓
  • 教育
  • エネルギー
  • 経済成長と雇用
  • 気候変動
  • 平和

なお、この記事のテーマである地球温暖化に関しては「気候変動に具体的な対策を講じる」などで目標が設定されています。また、より詳しく説明すると目標がただあるわけでなく、個々の目標に対してのターゲットや指標が細かく設定されています。

例えば、「貧困」では、一日1.25ドル未満という著しい貧困生活を送っている人をなくすというターゲットが設定されていますが、これは該当する人口割合(性別や年齢、都市別などに)を指標にしています。他にも「飢餓」の項目では、貧困層や幼児などの人々が十分な栄養を取れるようにするというターゲットがあり、こちらは栄養不足蔓延率(PoU)を指標にしています。

ですので、これらが達成されているのかを確認していくことで、見える化しながら持続的な開発を進めることが可能です。ちなみにこちらのSDGsは2030年を期限となり、現在は日本を含む先進国や発展途上が協力して、これに挑んでいます。

これを踏まえて私たちがSDGsを達成するために、どのように人工知能(AI)が関わっていくのかを次の章から説明しましょう。

人工知能(AI)が地球温暖化を解決するって本当か

地球温暖化のイメージ
人工知能(AI)は私たちの身の回り、例えば普段よく利用するスマートフォンなどで利用されている優れた技術ですよね。しかし、SDGsにも含まれている地球温暖化問題を人工知能(AI)で本当に解決できるのでしょうか。

ここでは、そんな疑問を再生エネルギーの代名詞である太陽光発電を例にして、わかりやすく以下の2点で説明します。

  • 太陽光発電のコストは技術進歩によって減っている
  • 人工知能(AI)が組み合わさればよりコストが減少し、より効率的にCO2排出を抑えられる

実は太陽光発電に関してはこの10年ほどで大きく状況が変わっているのです。まず、太陽光発電に関しては導入に関してコスト、太陽光パネルの費用などがかかりますが、技術が進歩したことで性能の高いパネルを安く手に入れることができるようになりました。

つまり、技術革新により発電に掛かるコストを減らせているので、CO2を削減しやすい環境ができているのです。加えてここに人工知能(AI)が組み合わさることで、さらに効率化ができるようになっています。

例としてオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント株式会社の人工知能(AI)を活用した取り組みをみていきましょう。こちらでは発電が正常に行われているのかをドローンと人工知能(AI)を活用して、解析する試みを行いました。具体的にはドローンから得られたサーモ画像を人工知能(AI)が解析することで、パネルに発生している異常を検知できるというものです。これによってそれまで人間が目視で行っていた作業を軽減することに成功し、その手法をアナログからデジタルなものへと転換させました。結果としてこの取り組みは発電効率を向上させて収益を700万円も増加させることに成功し、これを基にして再生エネルギーの普及を推進しています。

したがって、人工知能(AI)というデジタル技術で同じように業務の効率化ができれば、得られた結果から地球温暖化対策を進められる場合があるので、他分野のものについても適切に活用すれば人工知能(AI)で地球温暖化を解決できるかもしれません。

この章では地球温暖化問題を人工知能(AI)で本当に解決できるのかを、太陽光発電という例で説明しましたが、次の章ではこれに関する他の事例についても触れていきましょう。

人工知能(AI)が地球温暖化に取り組む事例3つ

川のイメージ
それでは、人工知能(AI)が地球温暖化に取り組む事例を以下の3つ紹介していきましょう。

  1. Panasonic社のAiSEG2
  2. 福岡県直方市の市内一級河川樋門のIoT遠隔監視制御システム
  3. Google社の洪水警報システム

まず、1のPanasonic社のAiSEG2は人工知能(AI)を活用したIoT家電です。お家で利用するさまざまな機器のハブになり、それらをコントロールできるようにするIoTになります。スマートフォンやGoogleHomeと併せて利用することで、電化製品を声などで命令できたり、防犯対策など広く利用可能です。

そして、Panasonic社は太陽光発電を天気予報を参考にして効率化してくれるAI ソーラーチャージ®機能で行っています。こちらは、エコキュートやELSEEV(EV・PHEV充電用の充電器)などを連携させることで利用可能です。

この機能は太陽光発電を自宅で行っている場合に、その電力の蓄電量などを自動的に調節してくれるため、余計な電力消費を抑えたり、家庭でも人工知能(AI)で地球温暖化に取り組めるでしょう。

次に、2の福岡県直方市の市内一級河川樋門のIoT遠隔監視制御システムは、人工知能(AI)で地球温暖化による災害に備えるための取り組みです。地球温暖化によって河川の氾濫や洪水といったことは近年増えていますが、福岡県直方市ではそのリスクを避ける目的で企業や大学と連携して、樋門を遠隔で操作できるように、基幹システム内やクラウド上で人工知能(AI)を活用した分析を行いました。

具体的には水位や流速などをセンサーで検知し、そのデータから人工知能(AI)を利用したIoTユニット(エッジシステム)で樋門を電動、もしくは手動で操作するというものです。また、現場から得られた情報はクラウドのシステムに送られ、そこでも人工知能(AI)による推論分析が行われる仕組みとなっており、樋門に関する情報がリアルタイムで得られるようになっています。

したがって、樋門の管理にも役立つ人工知能(AI)活用ともいえるでしょう。なお、過去の例では2020年に秋田市茨島地区で水門の管理不十分から浸水被害が発生する事故が発生しました。このようなシステムがその際にあれば問題が発生したタイミングで素早く対処することで、被害を未然に防ぐことができたかもしれません。

地球温暖化に関しては私たちが環境に配慮することも重要ですが、同時に私たちもその環境の中で生きていかなくてはならないので、そのための対策としてこの取り組みは有効なものでしょう。

さらに、3の人工知能(AI)を活用したサービスを展開するGoogle社では、人工知能(AI)で洪水予測を行う取り組みを行っています。こちらは過去のあらゆる洪水データを人工知能(AI)で解析することで予測が可能なモデルを作成し、これによってGoogle検索から洪水警報をリリースできるようにしました。現在では世界の中でも洪水の頻度が高いインドやバングラデシュでこちらが導入されています。

加えてGoogle社ではこの洪水予測システムを利用できない人に対しても、情報が得られるような試みも行っています。これは国際赤十字などと協力して、スマートフォンがなくても警報を受け取れるネットワークを構築するというものです。最新の機器がなくても必要な情報が得られるのは非常に有益ですよね。

地球温暖化により洪水の頻度は増えていくので、多くの人の命を守るためにもGoogle社のような人工知能(AI)を活用した地球温暖化対策の取り組みは世界的に需要があります。今後より便利でかつ正確なシステムとネットワークで、洪水による事故を少しでも減らせるようになることを期待しましょう。

人工知能(AI)が地球温暖化に取り組む問題点

エネルギーのイメージ
人工知能(AI)が地球温暖化に取り組むことには、「環境リバウンド効果」という課題があります。

「環境リバウンド効果」とは、技術の進歩によりエネルギーなどに関する効率が上がることで消費率が下がるという予想が、実際には活動率の上昇や使用料の増加によってほぼ変わらない、もしくは悪化するという問題です。例えば、車を例にとって説明すると、より燃費の良い車が開発されれば、環境負荷が軽減され、1台当たりにかかるコストも下がります。こうみると問題ないように見えますが、その分車の利用に対するハードルも下がるので、車に乗る時間が増えたり、利用機会が増えるでしょう。

そうなると果たしてこの燃費の向上が、本当に環境負荷の軽減につながっているのか疑問になりますよね。私たちの歴史の中ではこの問題がよく起こっており、人工知能(AI)が地球温暖化に取り組んだ場合にも、この環境リバウンド効果がネックになるのではないかといわれています。

したがって、人工知能(AI)が地球温暖化に取り組む場合にはこの問題を理解した上で、CO2を削減できるように適切な活用をしていく必要があります。次の章では解説した内容を踏まえた上で人工知能(AI)と地球温暖化の未来をお伝えしていきましょう。

人工知能(AI)と地球温暖化の未来

AIのイメージ
これまでの内容を踏まえていくと人工知能(AI)と地球温暖化の未来は次のようになるでしょう。

  1. 人工知能(AI)によって地球温暖化対策は加速していく
  2. 企業だけでなく民間でも効率化がなされていく

まず、1にあるように人工知能(AI)によって地球温暖化対策は加速していくでしょう。技術革新と人工知能(AI)の組み合わせは相性がよく、より効率を上げられるというメリットがあります。

こちらに関しては実際に多くのビジネスが生まれており、SDGsなど世界的な動きもあるので、国家としても人工知能(AI)を活用した地球温暖化対策はより一層と行われるはずです。また、2にあるように企業だけでなく民間でも効率化がなされていくでしょう。

例えば、機器を導入することで家庭単位で人工知能(AI)を活用した地球温暖化対策ができます。ですから、人工知能(AI)による地球温暖化対策は国家という大きな枠組みだけでなく、私たちの身の回りに当たり前に存在するものとなっていくのではないでしょうか。

ちなみに人工知能(AI)を利用した「ゼノブレイン」の分析によると、今後の地球温暖化では抑制を行った場合では農業に、抑制を行わない場合では加えて感染症のリスクなどに影響があるようです。これらに関しては人の命にもかかわってくるので、私たちもより地球温暖化に対する意識をより向上させましょう。

まとめ
さて、今回は人工知能(AI)が本当に地球温暖化を解決するのかについて、以下の点をお伝えしました。

  • SDGsとは2015年に国連に採択された持続可能な開発目標であり、地球温暖化対策も含まれる
  • 技術革新によってコストの減少や効率化が見込まれ、結果としてCO2が削減できる
  • 企業などと連携して人工知能(AI)が地球温暖化に取り組んでいる
  • 人工知能(AI)が地球温暖化に取り組むことには環境リバウンド効果という問題がある
  • 私たちの生活の中で人工知能(AI)は地球温暖化対策に役立てられていく

地球環境問題は私たちだけではなく、私たちの子孫にも関わる問題です。どうやって環境を維持したまま時代へと継承していくのか、SDGsなどを参考にして持続可能な方法を人工知能(AI)というアプローチで探っていけば、きっとその答えは見つかるはずです。

ぜひ、明るい未来を創っていくためにも、今から人工知能(AI)を活用した地球温暖化対策をみなさんも模索しましょう。

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