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【初心者向け】PythonをLinuxで使うための基本項目をまとめました

【初心者向け】PythonをLinuxで使うための基本項目をまとめました

エンジニア就職やスキルアップのため、プログラミング言語を学びたいという方は多いですよね。そんな方には、Pythonがおすすめです。Pythonは近年、人気の高まっている言語で、

  • 学習コストが低い
  • コミュニティが多い
  • ライブラリやフレームワークが充実
  • 機械学習、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなど活躍の場が広い

のような特徴があります。IEEE(米国電気電子学会)が昨年に発表したプログラミング言語の人気ランキングでは、Pythonは52の言語の中で1位に輝きました。これだけ人気のあるプログラミング言語なら、ぜひ身につけたいスキルですよね。

PythonはLinuxを使えば簡単に始められます。LinuxとはOS(コンピュータ全体を管理するプログラム)の一種で、環境構築が容易なためプログラマーに人気があります。そのため、IT系の仕事をする上でもLinuxはよく用いられる重要なOSです。

そこで今回は一から PythonをLinuxで始める方法についてお伝えしましょう。

そもそもLinuxとは

Linuxのイメージ
Linux とは OS(コンピュータ全体を管理するプログラム)の一種です。OS というと馴染みのない言葉かもしれませんが、OS の他の例としては Windows や macOS、iOSがあります

Linuxはサーバー・スマートフォン・スーパーコンピューター・セキュリティシステムなど様々な所で活躍しています。プログラミング言語の環境構築が容易なため、初めてプログラミングをするには最適でしょう。また、Linuxはカスタマイズ性が高いのも人気の要因。プログラミングができれば個人個人に最適化した自分専用のLinuxを作ることもできます。

Linuxが他の OS と違う点の一つは無料で使用することができ、オープンソースで開発されているという点です。つまり、この記事を読んでいて Linuxをインストールされていないという方も、無料ですぐにインストールできます。

例えば、Linuxのディストリビューションの一つである ubuntuは公式ホームページからダウンロード可能です。また、Windowsを使用されている場合は、Windows Subsystem for Linuxを用いることで、Windows 上で Linux を使用できます。

LinuxでPython(プログラミング)をすることのメリット・デメリット

プログラミングのイメージ
Linux で Python(プログラミング)をすることのメリットは

  • Pythonのインストールが簡単
  • ターミナル上での操作の自動化と組み合わせ可能

の2つがあります。

Linuxではあらゆる操作をターミナルからのコマンドで行うことができます。Pythonのインストールも同じようにコマンド一つで済み、Windowsに比べて非常に簡単に棲むので楽でしょう。詳細なPythonのインストール方法は次節でお伝えします。

ターミナル上での操作の自動化と組み合わせ可能とは、Linux上ではターミナル上での操作自体を専用のプログラミング言語(コマンド言語)を用いてプログラム化できることです。

このプログラムをPythonのプログラムと組み合わせることで、Windowsでは出来なかったような幅広い操作の自動化ができます。実際、ファイルの編集・サーバーへのアクセス・プログラムの管理などでこの二つのプログラムの組合せが大活用しています。

一方Linuxのデメリットは「操作に慣れるには少し時間がかかる」という事です。WindowsやmacOSではマウスで様々な操作ができるのに対して、Linuxではほとんどの操作をターミナルからコマンドを打ち込んで行います。すべてのコマンドを覚える必要はないのですが、基礎的なコマンドは一つずつ覚えていく必要があります。そのため、操作に慣れるには少し時間がかかるでしょう。

では、PythonをLinuxで扱うにはどうしたら良いのでしょうか。次の項目で見ていきましょう。

PythonをLinuxで使うためのインストール方法

インストールのイメージ
実はほどんどの Linuxのディストリビューションには Pythonが最初からインストールされています。しかしながら、バージョンが最新版ではないことが多くそのままではプログラムとバージョンの不整合から、エラーが多発してしまいます。

あらかじめインストールされているバージョンを確認するには、ターミナルを開き、

“`
python3 –version
“`

と打ち込みましょう。するとターミナルには出力結果として

“`
Python 3.6.9
“`

のようにバージョンが表示されます。Pythonの後ろの数字が 3.8.3(2020年7月時点) よりも小さければ古いバージョンなので、最新版に更新しましょう。更新方法は Linux のディストリビューションに依存しているため、ここでは Linux のうち 最も人気のある Ubuntu のみを説明します。

まず

“`
sudo apt-get update
“`

によってパッケージの情報を更新します。パッケージ情報をインターネットからダウンロードするため少し時間がかかります。そして、以下のコマンドを打ち込むとPythonの最新版がインストールされます。

“`
sudo apt-get install python3
“`

注意として、パッケージ情報の更新やパッケージのインストールを行うためにはスーパーユーザーとしてログインあるいはスーパーユーザーの権限でコマンドを実行する必要がある点に気をつけてください。会社や学校のパソコンでスーパーユーザーの権限が制限されている場合は、パソコンの管理者と相談し、スーパーユーザーとして実行してもらう必要があります。

LinuxでPythonの開発環境を作る方法

開発環境のイメージ
Pythonのインストールができれば、Pythonで書かれたプログラムの作成や実行ができる状態になっています。しかし、実際にプログラムを組み込みのテキストエディタを用いて作成すると、文法エラーに気づきにくく大変ですよね。そこで登場するのがIDE(統合開発環境)

IDEとはプログラムを作成するための機能を兼ね備えた専用のテキストエディタです。文法ミスの発見や入力補完、コードの整形など様々な機能があり、使用すると生産性が劇的に変わります。

Python の IDE は色々ありますが、おすすめは Jetbrains 社の PyCharm (Community Edition) です。PyCharm は Python 専用のIDEであるため、複雑な設定なしに使用でき、機能豊富であるのが特徴です。PyCharm は公式ホームページからダウンロードできます。ダウンロードしたフォルダは linux のホームディレクトリに移動して

“`
tar -zxvf pycharm-community-2020.1.2.tar.gz pycharm-community-2020.1.2/
“`

によって解凍してください。その後、ダウンロードフォルダ内のbin/pycharm.shを下記の通り実行してください。

“`
~/pycharm-community-2020.1.2/bin$ bash pycharm.sh
“`

実行が成功すると、インストール画面が立ち上がります。インストールは指示に従って設定を行うだけです。インストールが終わると、PyCharmが立ち上がります。

では PyCharmを使ってみましょう。Test.py という名前のファイルを作成してください。ファイルには例えば、

“`
print(“Hello, World”)
“`

と打ってみます。すると、途中で補完が登場します。関数名がうろ覚えの最初は入力補完が役立ちます。また、Ctrl+qを入力補完中に押すと、入力中の関数に対するドキュメント(説明書)が表示されます。これらの機能を使うとコーディングが格段に楽になるでしょう。

また、printをprimtのように打ち間違うなど文法エラーが生じると赤線で教えてくれます。PyCharmにはほかにも様々な便利な機能があるので、使いながら覚えましょう。

最後にShift+F10を押すとプログラムが実行されて、「Hello, World」と表示されます。

PythonをLinuxで使うときのポイント

注意点のイメージ
Python を Linux で使うときの注意点があります。それは先頭に

“`
#!/usr/bin/env python3
# -*- coding: UTF-8 -*-
“`

と書くことです。1行目はShebang(シバン)と呼ばれ、複数のPythonのバージョンがインストールされている場合、どれを用いるかを指定する役割があります。例えば、Python2がインストールされている場合、Python3の代わりにPython3が立ち上がることを防げるでしょう。

また、2行目は文字コードを指定しています。これは文字コードを指定しない場合、もう一度ファイルを開くときに文字化けしてしまう恐れがあるためです。

そのため、PythonをLinuxで使う場合は常にこの2行を先頭につけておきましょう。

まとめ
さて、今回は Linux で Python を始める方法をお伝えしました。Python は学習コストが低く、機械学習、ビックデータで主流として使用されている、学習メリットの大きい言語です。

今回の記事の内容を以下でまとめましょう。

  • Linux とはOSの一種で、Pythonを簡単に始めることが可能
  • LinuxでPythonをするメリットは「インストールが容易」・「Linuxの操作に慣れるには時間が必要」などがあり、デメリットは操作が難しいことがある
  • Linuxではapt-getコマンドによってPythonがインストールできる
  • 文法チェックやコード補完を備えた統合開発環境PyCharmを使って生産性を高めよう
  • Linux で Python のプログラムをするときは、Shebang・文字コードの指定を忘れないことに注意

Linux上であれば簡単に Python をインストールすることができ、他のコマンド言語と組み合わせられるなどさまざまな利点があります。PythonをLinux上で書く時のポイントはIDE(統合開発環境)のコーディング支援を用いてコーディングのストレスを減らすことです。

ここまででPythonでプログラミングをする準備が整ったはずです。PythonをLinux上で使えば生産性を大きく向上できますので、ぜひ活用していきましょう。

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