Pythonでの開発を始めるときに、0からすべてのコードを記述するのは大変ですよね。そんな時には、Pythonのライブラリ(ある機能を記載したPythonファイルまたはPythonファイル群)をインストールするとよいでしょう。
Pythonは、機械学習をはじめとしたAI(人工知能)開発、データ分析やWeb開発など様々な分野の開発において非常に力を発揮します。その理由の1つが、豊富な外部ライブラリの存在。Pythonの外部ライブラリをインストールすることですぐに開発を始めることができます。そして、Pythonの外部ライブラリをインストールするための道具がpipコマンドです。
そこで今回は、Pythonの外部ライブラリをインストールするのに利用するpipコマンドについてお伝えします。ぜひ、pipコマンドをマスターして様々な分野の開発を始めてみましょう。
pipコマンドとは
pipコマンドとは、Python Installs Packagesの略のコマンドのこと。主に外部ライブラリのインストールや削除、バージョンの確認、一覧表示やアップデートなど様々な操作を行えます。Pythonの開発を始める際に、このpipコマンドを利用することで外部ライブラリをインストールでき、容易に開発を始められます。
ライブラリをインストールする際は、Pythonをインストールした時に同梱されている標準ライブラリ、標準ライブラリにない機能については外部ライブラリから探します。Pythonには、PyPI(Python Package Index)と呼ばれる外部ライブラリを管理しているサイトがあります。PyPIには、世界中の様々なプロジェクトで作成されたライブラリがオープンソース(商用、非商用に関わらず利用可能)で利用ができる点が特徴です。
そして、そのPyPIから様々なPythonのライブラリをインストールするために利用するのがpipコマンドです。
pipを使う前にバージョンを確認しておこう
Pythonの外部ライブラリをインストールするためにpipコマンドを使う前に、まずはpipのバージョンを確認しましょう。
普通は、Windowsの場合は、コマンドプロント、macOSの場合は、ターミナルに、pip –versionまたは、pip -V(←大文字であることに注意)というコマンドを実行すれば、pipのバージョンを確認できます。Python3または、Python2のどちらか一方しか入っていない場合は、この方法で確認が可能です。
しかし、Python2とPython3が両方入っている場合は、注意が必要。Pythonには、Python2とPython3という大きく2種類のPythonが存在します。その中で、Python2.X.XやPython3.X.Xのように細かくバージョンが分かれています。pipについてもPython2およびPython3でそれぞれバージョンが異なります。
Python2とPython3が共存しているときは、Python2ではpipコマンド、Python3ではpipではなくpip3と記述する必要がある点に注意してください。そのうえで、pip –versionまたはpip -Vおよび、pip3 –versionまたは、pip3 -Vでバージョンをそれぞれ確認しましょう。
pipコマンドでライブラリをインストールしてみよう
ではpipコマンドを利用して、Pythonのライブラリをインストールしましょう。まずはインストールしたいPythonの外部ライブラリを探します。そして、Windowsの場合は、コマンドプロント、macOSの場合は、ターミナルにおいてpip install ライブラリ名でインストールできます。
また、複数のバージョンが存在するライブラリにおいては、場合によってバージョンを指定してインストールをする必要があります。例えば、TensorFlowではGPUを利用する場合は、利用しているCUDAのバージョンなどからバージョンが指定されています。
バージョンを指定してPythonのライブラリをインストールする方法は、pip install ライブラリ名==X.X.Xというように、バージョンを具体的に指定して実行しましょう。例えば、TensorFlowのバージョン2.1.0をインストールする場合は、pip install tensorflow==2.1.0というようにコマンドを実行すると意図通りのバージョンのライブラリをインストールできます。
pipコマンドでライブラリをアンインストールしてみよう
pipコマンドを用いて、インストールしたPythonの外部ライブラリをアンインストールする方法をお伝えします。
まずはアンインストールしたいPythonの外部ライブラリを探します。そして、Windowsの場合は、コマンドプロント、macOSの場合は、ターミナルにおいてpip uninstall ライブラリ名を実行します。Proceed(y/n)と 確認をされますので、yを入力するとアンインストールが実行されます。インストールの例で紹介したNumPyをアンインストールする場合は、pip uninstall numpyと実行すればよいでしょう。
pip uninstall ライブラリ1 ライブラリ2…というように、複数のライブラリを半角スペースを入力して並べて実行することで複数のライブラリを一括でアンインストールできます。すべてのライブラリを消去したい場合は、pip uninstall allとすると、すべてのライブラリを消去できます。
その他のpipコマンドまとめ
ライブラリをインストール、アンインストールする以外のpipコマンドをお伝えします。
インストール済のライブラリの一覧を確認するコマンド
pip listとpip freezeでインストールをしているライブラリの一覧とバージョンを確認できます。listとfreezeの違いは、listはすべてのライブラリが表示されるが、freezeはライブラリを管理するためのパッケージ(setuptooolsやwheelなど)は表示されず、機能を持ったライブラリのみが表示されるという違いがあります。自分がインストールしたパッケージを確認する際にこのコマンドを使いますが、パッケージの数が多い場合は、freezeを利用するとよいでしょう。
インストールされているライブラリを最新版にアップデートする
pip install –upgrade ライブラリ名または、pip install -U ライブラリ名というコマンドを実行すれば、インストール済のライブラリを最新版にアップデートできます。これらは、ライブラリが最新でないとプログラムが動かない場合に利用します。
さて、今回はpipコマンドを使ってPythonの外部ライブラリをインストールする方法についてお伝えしました。ここで今回お伝えしたかった内容は以下となります。
- Pythonには、PyPI(Python Package Index)と呼ばれる外部ライブラリを管理しているサイトがあり、PyPIから様々なPythonのライブラリをインストールするために利用するのがpipコマンド
- pipコマンドのバージョンを確認するには、pip -Vまたはpip –versionを実行
- Pythonの外部ライブラリをインストールするpipコマンドは、pip install ライブラリ名、バージョンを指定してインストールする場合は、pip install ライブラリ名==X.X.X
- インストールした外部ライブラリをアンインストールするためのpipコマンドはpip uninstall ライブラリ名
- その他のpipコマンドには、インストールしているライブラリ一覧を取得するpip list/pip freeze、インストールしているライブラリを最新版に更新をするpip install -U ライブラリ名
pipコマンドを使うと、様々な外部ライブラリを利用して様々な分野の開発を容易に始めることができます。pipコマンドによって、労力を最小にしながら開発を始めてみましょう。