テクノロジー

トレンドは知っておきたい!国内最新のディープラーニング活用事例

トレンドは知っておきたい!国内最新のディープラーニング活用事例

時代はAI(人工知能)で、とくにディープラーニングは注目を集める技術ですよね。そうなると、ディープラーニングに関するトレンドを調べることもあるでしょう。ここ最近のディープラーニングの活用事例を知ることは、IT業界のみならず、あらゆる業界で生き残っていくうえで重要です。また、AI(人工知能)やディープラーニングに関わる仕事に就きたい、と考えている人にとってはディープラーニングの概要や活用事例を押さえておくことは必須に違いありません。

とはいえ、ディープラーニングについて、ありとあらゆることを知るのは困難を極めますし、時間や労力も割けない人がほとんど。そこで今回は、ディープラーニングについてと、その活用事例を解説します。まずは、そもそもディープラーニングとはなにか、について確認しましょう。

そもそもディープラーニングとは

猫のイメージ

ディープラーニングとは、機械学習(データの特徴を見つけ出すコンピュータの学習方法)の一つで、十分なデータがあれば人間が手助けせずともコンピュータ自身でデータの特徴を発見する技術です。

例えば、ネコの画像を見分けるようなAI(人工知能)を作りたいときに、ディープラーニングを使えば、人間があれこれせずとも適切な処理を施した大量のネコの画像を与えるだけで特徴を見つけ、ネコの画像を見分けることができるようになります。

ディープラーニングを支える技術にニューラルネットワークと呼ばれるものがあり、これは人間の脳のニューロン(神経細胞)のつながりを模して作られた人工的で数学的なモデルのことを指します。ニューラルネットワークは外部からの入力を受ける入力層、情報の処理をおこなう隠れ層、結果を出力する出力層からなっており、隠れ層が複雑になればなるほど分析精度は上がります。この隠れ層が複雑に、いわば“深く”なったものをディープニューラルネットワークと呼び、これがディープラーニングの要の技術の一つとなります。

さてディープラーニングについて確認したところで、なぜディープラーニングが注目を集めていくのかお伝えします。

今ディープラーニングが注目されている理由

画像の分析のイメージ

ディープラーニングがなぜ重要な技術かというと、なによりも従来の機械学習に比べて圧倒的な精度を誇るためです。例えば、監視カメラや顔認証などの画像認識のレベルは人間を超えるほどですし、十分な安全性を求められる自動運転技術では精度の高いディープラーニングの技術が必要不可欠になります。ディープラーニングは革命的な技術といっても過言ではありません。

さて、このディープラーニングという技術が今注目を集めるまでになったのは、大量のデータの確保が可能になったこと、コンピュータの処理能力が向上したことの二つの要因からです。ビッグデータという大量のデータの集まりの利活用が活発になったり、IoTと呼ばれるモノとインターネットがつながる技術が進み、データの収集能力が向上したりしたことにより、大量のデータを使うことができ、ディープラーニングが十分に活躍できるようになりました。また、ハードウェアの進化により、複雑なプログラムの処理が可能となり、精度の高いディープラーニングが実現しました。

これらの背景によりディープラーニングは今や注目すべき技術の一つとなり、そのトレンドを追うことは必要不可欠でしょう。

ここからは、ディープラーニングの具体的な活用事例について紹介します。まずは製品や部品などの外観検査業務の高度化・省力化についてです。

ディープラーニング活用事例その1「製品や部品などの外観検査業務の高度化・省力化(日立製作所)」

検査するイメージ

製造業では、人手不足の解消や匠の技の伝承といった課題の解決のためにディープラーニングが用いられており、その事例の一つに外観検査業務(見た目で不備がないかの検査)の高度化・省力化があります。製品の多様化で複雑になっている生産ラインの検査工程の省力化に注目が集まっており、その課題を解決するのが今回販売された日立製作所の「Hitachi Visual Inspection Application (外観検査アプリケーション)」です。

「Hitachi Visual Inspection Application 」では画像認識に必要な再学習機能や、データの前処理と解析結果を表示する基本的な機能を提供しており、また検査環境に応じた柔軟なカスタマイズにも対応しています。また、継続した利用や学習の繰り返しで、高精度な外観検査ができるという、成長する機能があるというのだから驚きですよね。もちろんダイレクトに私たちの生活に関わる技術ではありませんが、製造された製品の値段が下がったりするなどの恩恵が受けられるでしょう。

次に紹介するのは、試験での不正行為を監視するというディープラーニングの活用事例です。

ディープラーニング活用事例その2「ディープラーニングでカンニングを見つける(ユーザーローカル)」

試験のイメージ
大学入試や資格試験で困ったことの一つに、カンニングなどの不正行為とその発見があげられますよね。そんなお悩みを解決してくれるのが株式会社ユーザーローカルの開発した、受験者の姿勢や骨格、視線から不正行為を暴くシステムです。動画で、姿勢から被写体となっている人が何をしているのか把握するのもディープラーニングが使われた例の一つです。

このシステムは大規模な設備を必要としておらず、ウェブカメラなどの端末を会場に取り付けるだけになります。これで、目視では死角となっていたようなところを監視したり、試験監督を増員して対応する必要がなかったりと不正発覚の精度が上がるでしょう。

また、AI(人工知能)によって監視されているということは、逆に試験監督によるいわれのない疑いの解消にもつながり、安心して公正な受験ができるという受験者のメリットもあります。

つまり受験をする機会のある人にとって、このディープラーニングの事例は喜ばしいものですよね。最後に紹介するディープラーニングの事例は、自動車のタイヤのグリップ力を可視化する技術です。

ディープラーニング活用事例その3「自動車の「タイヤ力」を可視化(TOYO TIRE社)」

タイヤのイメージ
自動車の「タイヤ力」(≒タイヤのグリップ力。TOYO TIRE社の造語)をリアルタイムで可視化する技術をディープラーニングによって開発した事例があります(TOYO TIRE社)。これは、乾いていたり、濡れていたりなどの路面の情報やタイヤの空気圧、摩耗状況、自動車の速度などの情報を元に、「タイヤ力」を推定する技術です。これにより、現在のタイヤで安全に走り続けることができるかどうかを運転手に伝えることができるでしょう。

また、この「タイヤ力」可視化技術は、他の技術と組み合わせることにより、より一層安全な走行の支援ができることが見込まれているのだとか。例えば、自動ブレーキ技術と組み合わせることで、自動車の制動距離(ブレーキが効き始め、自動車が停止するまでに走行した距離)をより正確に予測できるようになり、障害物を前にしたときに停止するか、回避するかの判断を運転手に提案できるようになることも。

TOYO TIRE社のディープラーニングの事例は、さまざまな応用が期待でき、より安全な運転ができるようになるに違いありません。

ここまでディープラーニングの活用事例を紹介してきました。最後に、ディープラーニングはどのような未来をもたらすのかお伝えします。

ディープラーニングがもたらす未来とは

ディープラーニングのもたらす未来のイメージ
ディープラーニングの登場により従来の機械学習では難しかった処理をおこなえるようになりました。そして、ディープラーニングはこれからも発展を続け、たくさんの活用事例を生み出すでしょう。

ディープラーニングの活用事例はこれまで紹介した製造業や教育、運転技術のみならず、農薬の散布効率をアップさせたり(農業)、ソフトバンクの人型ロボットPepperによる接客(サービス業)などにも広がっています。そして、各業界でこれからさらに高度化、拡大化し、欠かせない技術として根付くこと間違いありません。ディープラーニングの発展は明るい未来をもたらすでしょう。

まとめ

さて、今回はディープラーニングについて解説し、活用事例を紹介しました。ディープラーニングはデータの特徴を見つけ出すコンピュータの学習方法の一つで、人間の脳を模したニューラルネットワークによって実現しています。そのディープラーニングという技術が注目を集めるまでに成長した背景にあるのは、大量のデータとコンピュータの性能の飛躍的向上です。

今回紹介したディープラーニングの活用事例は次の通りです。

  • 外観検査業務の高度化・省力化を支援する
  • カメラで撮影し、試験の不正行為を見抜く
  • 自動車のタイヤのグリップ力を可視化する

いずれも最先端の事例で、これから応用、実用化され、社会に広まっていくことでしょう。

そしてディープラーニングは大量のデータとコンピュータの性能によって支えられています。ディープラーニングのプログラム向上はもちろんのこと、これら二つの成長も発展には欠かせません。これからの未来、ディープラーニングによってますます発展するのが待ち遠しいですよね!

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました