最近ではスマホを使って銀行決済ができたり、音楽を聴いたり、手元にある端末一つでいろんなことができるのが当たり前になっています。これがさらに進んで、身の回りのことだけでなく仕事に関わるあらゆることを、確認できたり操作できたらさらに便利になりますよね。
でも実はそんな便利な世の中が、人工知能(AI)と密接にかかわるIoTとDeep Learningという技術を活用することで実現しつつあります!ちなみにDeep Learningとは、人工知能(AI)をより効果的に動かすためにコンピューターに行う機械学習のことで、この学習させた人工知能(AI)を日常生活のあらゆる面に浸透させて活用できれば、ものすごく効率的になるんです。
それを実現させるのがIoTと呼ばれる手法で、これを使えば例えば外にいながら家の家電を操作したり、人では管理しきれない大量のデータを収集、分析したりできます。どんな仕組みなのか、気になりますよね。
そこで今回は、そんなloTの仕組みを解説するとともに、IoTとDeep Learningを組み合わせてできるスゴイ活用例を紹介します。まずは、IoTの仕組みについて解説していきましょう。
IoTとDeep Learningの仕組みはこうなっている
IoTとは「internet of Things」の略で、直訳するとモノのインターネットとなります。これが意味するのは、今まではインターネットとは無縁だったさまざまなモノがインターネットに接続されるということです。
例えば家の鍵や部屋の様子、各種センサーや電子機器などのこれまでは独立して機能していたものがネットワークに接続されると、インターネット上で一括管理できるようになりますよね。これらは相互でつながっているため、こちらからアクセスするだけでなく向こう側からの信号も受信することができます。そうすることで、緊急時の連絡や自動操作も今までよりスムーズになります。
そこで、そのデータを人工知能(AI)に学ばせるために必要なのがDeep Learningです! これによってはじめて人工知能(AI)は、私たちの日常生活の動きをサポートしてくれます。では続いて、このIoTによってできることは何かを見ていきましょう。
IoTを使うと、遠隔操作やデータ収集が簡単になる!
今までその場で操作しなければいけなかったものでも、IoTでネットワーク化してしまえば手元の端末からすぐに操作できます。
つまりその場にいなくても操作できるということは、たとえば各種機械を取り扱う企業などで大きく役立つに違いありません。なぜならオンオフを管理することもスムーズになりますし、さらに収集したデータをもとに、離れた場所でもすぐ動作に反映できるので、ものすごく効率的ですよね。
またこれまでネットワークに接続されていないものは、データとして知ることができませんでしたが、IoTを使うと見えてくるようになります。
さらに、Deep Learningを効率的に行うため必要な大量のデータ収集にも、IoTは大きな力を発揮します。参照するデータが多ければ多いほど、Deep Learningの正確性が高まりますので、大量のデータを収集するIoTは、Deep Learningとも非常に相性がいいといえますよね。それでは実際に、IoTとDeep Learningを組み合わせた事例を見ていきましょう。
IoT×Deep Learningの事例①遠隔操作で家電や機械を一括管理できる
寒い日に家に帰ってきて暖房をつけ、部屋が温まるまで凍える思いをした人は少なくないでしょう。今後はIoTで暖房器具をネットワークに接続すれば、帰宅する前にスイッチを入れられるようになります。
家庭の電化製品の自動化/LinkJapanの「eRemote mini」
すでにスマートリモコンを使えば、エアコンやレコーダーを始め、照明やテレビなどをまとめて遠方から操作ができるようになっているんですよ。LinkJapanで販売されている「eRemote mini」という商品を例に見てみましょう。
このスマートリモコン「eRemote mini」を使うと家電をマクロで一括管理し、スマホを用いてどこにいても自由に操作ができます。そして遠隔操作のみならず、温度や湿度によってエアコンのオンオフを切り替えるような自動操作も可能です。
さらにはAlexaやGoogle Assistantにも対応しているため、おなじみの「アレクサ、電気つけて」と音声で呼びかけることもできます。使いこなせば家電の管理がぐっと楽になるでしょう。そしてこれらの商品は決して特別なものではなく、通販で気軽に頼めるものでもあります。すでにこのレベルの自動化は実用的になっているんですね!
また、人数の少ない夜間でも一か所で一括操作できますので、大手企業だけでなく、従業員数の少ない中小企業こそ活用していきたい技術ですよね!
IoT×Deep Learningの事例②データ収集で効率的な在庫管理や新商品も開発できる
IoT×Deep Learningを使うと今まで以上のデータを収集できるため、企業では効率的な在庫管理・新商品の開発が進んでいます。
在庫管理・集客分析に活用/リーバイス・ストラウス社
例えばアメリカのリーバイス・ストラウス社ではデニム等の在庫管理に、intelのIoTを活用した管理センサーを導入しています。同社の商品はデニムなど個々の見分けが人の目にはつきにくいのですが、天井に設置された読み取りセンサーが商品につけられたRFIDというタグを読み取ることで、サイズや種類がどこにあるかをリアルタイムで管理してくれるのです。これは便利ですね!
さらに店内のカメラ映像から顧客の動向をデータに変換し、生産工場やPOSデータに反映もしています。
身に着けるだけで身体チェックを行う衣類/TORAY(東レ)
IoTを利用したDeep Learningは衣服にも適用されており、身に着けるだけで心拍数や血圧、体温などを自動測定する衣類も開発されています。
現在TORAY(東レ)が開発しているhitoe®という衣服は、衣類内のセンサーが体から発する生体信号を受信し、服を着ている人の身体がどんな状態か分析してくれるというすぐれもの。私たちはただ服を着ているだけなので、より自然な状態で継続的に計測できます。
このように、集めたデータを分析すれば、体に掛かる負荷や体調の変化がわかるようになるので、トレーニングなどの分野で特に力を発揮する商品が今後もどんどん開発されていくでしょう。
すでに一部の店ではこれらの情報から買い物客の行動パターンを分析するシステムを利用していて、お客さんへの声かけのタイミングやおススメ商品の把握などに役立っているんです!
IoT×Deep Learningの事例③集めたデータを元に位置情報も正確に予測できる
IoTによって周囲の景色やセンサーを同期させ、Deep Learningを活用すると、三次元的に見た現在位置の予測ができるようになります。
屋内のデータ予測サービス/株式会社ブレインパッド
たとえば都心のターミナル内など入り組んだ場所では、自分の現在位置を正確に把握できませんよね。それはGPSで分かるのは上から見た現在位置だけであり、自分のいる高さまでは把握できないからです。
ですから、もし自分の座標だけでなく、周りの景色やセンサーからも情報を共有することができたら高さを含めた現在位置を割り出せて、屋内でとても役立ちますよね!
現在、株式会社ブレインパッドでこのセンサーの開発が進められており、導入すればスマートフォンを介して屋内外の人の位置情報が正確に把握できるようになります。今後さらに増える高層ビルで正確な現在位置を知るためには、なくてはならない技術です。商業ビルなどでは顧客の動きが細かく可視化されるため、マーケティングにも役立てられますよね。
さて、今回はIoTの仕組みを解説するとともに、Deep Learningを用いた活用例について紹介しました。現時点では、まだ駅の測位システムのように実用段階でない部分もありますが、人工知能(AI)の進歩により、近い将来日常生活に浸透してくるはずです。
今やインターネットを利用したネットワークは、パソコンやスマートフォンだけがつながっているのではありません。日常生活にあるさまざまなものをネットワーク上で管理、操作し、共有できる時代になってきている、ということです。
特に、これまでは目の届かなかった場所や、細かすぎて人間の力では集められなかったデータをIoTを使って集め、Deep Learningで学習させることにより、今まででは見えなかった事実が、データとしてはっきり見えてくるのです。
これからもIoTとDeep Learningの組み合わせは、私たちの生活の質や仕事のやり方を、大きく変化させていくに違いありせん。どんな未来が訪れるかを考えながら、新しい事例にも注目したいですよね!
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