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人工知能同士を繋ぐAIネットワークで実現予定のこんな未来

人工知能同士を繋ぐAIネットワークで実現予定のこんな未来

AI(人工知能)は今や、私達の生活の様々な分野においてなくてはならない存在になりましたよね。現在、様々な企業において自社システムへのAI(人工知能)適用が行われていますが、今後、これらのAI(人工知能)を組み込んだAI(人工知能)システムがネットワークで繋がる、すなわち、AI(人工知能)ネットワーク化する時代が来ると考えられています。

AI(人工知能)ネットワークを構成しているそれぞれのAI(人工知能)システムが力を合わせることにより、さらに大きな成果が期待できそうですが、はたして私達の社会にはどのような影響がもたらされるのでしょうか。

そこで今回は、AI(人工知能)ネットワーク化が私達の社会にもたらす影響(メリットと課題)について一緒に考えてみましょう。

AI(人工知能)ネットワーク化に向けて

ネットワークのイメージ

AI(人工知能)ネットワーク化が私達の社会にどのような影響を与え、どのような問題が発生するのかについては社会全体に関わる重要な課題であることから、現在は総務省が中心になって検討しています。具体的には、総務省が2016年より「AI(人工知能)ネットワーク社会推進会議」を開催し、AI(人工知能)ネットワーク化について社会的/経済的/倫理的/法的な観点から検討を進めています。

検討事例としてはAI(人工知能)開発ガイドラインがあります。これは、AI(人工知能)については今後、国際的な場で議論を進める必要あることから、国際的な議論のための開発原則として定めるものです。

開発原則とは、例えば、OEDCプライバシーガイドラインやセキュリティーガイドラインなどを参考に、AI(人工知能)開発において留意すべき事項などを整理したものです。

それでは次に、AI(人工知能)ネットワーク化が私達の社会にもたらす影響について見てゆきましょう。

AI(人工知能)ネットワーク化がもたらす影響(メリット)

メリットのイメージ

それではまずは、AI(人工知能)ネットワーク化が私達の社会にもたらすメリットついて見てみましょう。以下は、AI(人工知能)ネットワーク社会推進会議が考えるメリットです。いずれも、もし実現できれば私達の生活はかなり改善されることが期待できますよね。

(行政)

  • SNS等により発信される市民からの情報、各種の統計データ(人口/出生率/失業率等)や経済指標(GDP/株価/物価指数等)等の情報より、行政として取り組むべき課題を洗い出し政策に反映することができます。
  • スマートメーター(電力/水道使用状況測定機)で検出された不在状況に即応した自動パトロールや見守りサービスを実施します。
  • 市民のプロファイリングデータに基づき、能力/適性等に応じた就職先を提案します。

(交通)

  • 自動運転によりバス/タクシーの自動化/無人化が実現します。
  • 交通量に基づきリアルタイムに信号制御を行い交通渋滞の緩和を実現します。また、刻々と変化する道路状況に応じて渋滞予測や回避ルートの随時提示を行います。
  • 急患発生時、病院側の受入態勢と専門医とのマッチングを行い最適ルートをリアルタイムに提示します。

(住まい)

  • 趣味/嗜好や家族構成/経済状況等により最適な住居地/居住形態/間取り等を提案し、市民と住居とのマッチングを行います。
  • 生活情報/健康情報等より生活改善や病気予防のためのアドバイスを実施、病気の際には遠隔診断を行います。また、カメラ映像等を使用した高齢者等の見守りサービスを実施します。
  • 大規模災害発生時、被災者の健康状態/家屋損壊状況/復旧の困難度合い/家族構成等を勘案して、仮設住宅や復興住宅の割当てを行います。

AI(人工知能)ネットワーク化がもたらす影響(課題)

課題のイメージ
AI(人工知能)ネットワークが私達の社会にもたらす課題としては、セキュリティ対策と法的責任の問題があります。

(セキュリティ対策)
今後は攻撃側はAI(人工知能)が行うことが予想されており、AI(人工知能)システムやロボットが攻撃された場合には個人情報の流出などのリスクが懸念されています。AI(人工知能)からの攻撃に対して、我々はAI(人工知能)で対応する必要があり、今後のセキュリティー確保の在り方について検討を進めていく必要があります。
(法的責任)
AI(人工知能)が誤った判断をした場合の法的責任についてはどのように考えれば良いのでしょうか。AI(人工知能)が判断に使用した根拠である学習材料は我々人間が与えたものですので、どのような学習材料を与えたか、人間の判断に対し責任が問われる可能性もあり法的責任について検討を重ねていく必要があります。

 

さて、今回は、今後AI(人工知能)ネットワーク化が私達の社会にもたらす影響について一緒に考えてきました。

(メリット)

  • 行政:各種統計数値の政策への反映、自動パトロールの実施、就職先マッチング。
  • 交通:バス/タクシーの無人化、交通渋滞緩和、病院側と専門医とのマッチング。
  • 住まい:市民と住居とのマッチング、遠隔診断、災害発生時の仮設/復興住宅割当。

(課題)

  • セキュリティ対策:AI(人工知能)によるサイバー攻撃への対応。
  • 法的責任:AI(人工知能)が誤った判断をした場合の法的責任への対応。

セキュリティ対策や法的責任などいくつかの課題はあるかもしれませんが、AI(人工知能)ネットワーク化により私達の生活は間違いなく良い方向に進みそうですね。

ところで、今後AI(人工知能)ネットワーク化が進んだ場合、私達は複数のAI(人工知能)システムをきちんと制御できるのでしょうか?

2018年、ディープマインド社(アルファベット社の子会社)は「複数のAI(人工知能)システムを協力させる方法」をAI(人工知能)に学習させる手法を発表しました。これは、複数のAI(人工知能)システムが共通の目的に向かって互いに協力し会えることを示しており、さらに驚くことに、この複数のAI(人工知能)システムに人間が参加し互いに協力し会える、とも報告されています。

AI(人工知能)ネットワーク化によって繋がった複数のAI(人工知能)システムに人間が加わることができれば、AIシステム達の暴走を未然に防ぐことができるかもしれないという、ちょっと希望を感じさせてくれるニュースですよね。

参照元 AIネットワーク化で行政はさらに高度に
AIネットワーク化が社会・経済にもたらす影響
人工知能同士をつなぐ--「AIネットワーク化」が社会に与えるインパクト(前編)
人工知能同士をつなぐ--「AIネットワーク化」が社会に与えるインパクト(後編)

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