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AI(人工知能)を利用したビジネスモデルって儲かるの?がっちり調べてみました!

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ビジネスにAI(人工知能)を本格導入する企業、最近ますます増えてますよね。AI(人工知能)を活用したさまざまなビジネスモデルが作られ、利益を上げて成功している例もいろいろ紹介されています。

けれど、「AI(人工知能)を活用したビジネスモデルは昔からあったよね。でも話題だけで何も変わらなかったでしょ」「今回もどうせ、大したことはできないんじゃない?」とネガティブに捉えている人も多いかもしれません。

でも、今のAI(人工知能)のビジネスシーンでの盛り上がりは、昔と大きく違う点があるんです。その「昔と違う点」が、利益を生み出している理由だったりします。いったいどんな理由があるのか、また実際にどんな事例があるのか、気になるでしょう。

そこで今回は、AI(人工知能)を活用したビジネスモデルの成功例などについてお伝えします。

AI(人工知能)を活用したビジネスモデルはディープラーニングで変わった

ディープラーニングのイメージ

現在、AI(人工知能)を活用したビジネスモデルが次々と考えられ、成功している大きな原因の1つは、「ディープラーニング」という方法を使っていることです。

ディープラーニングとは、「人間のように学習することで、知能が成長する」ことですが、これじゃ何のことかわかりませんよね。例をあげて説明しましょう。

ディープラーニングの例として有名なのが、2012年にGoogle社が行ったAI(人工知能)の実験です。どんな実験かというと、YouTubeに投稿された映像からランダムに1,000万枚の画像を取り出し、AI(人工知能)に「猫の種類」を学習させたんです。その結果、AI(人工知能)は大量の画像の中から、猫を見分けることができるようになりました。

「AI(人工知能)が猫を見分けたんだ…ふーん。で、何がすごいの?」と思われるかもしれません。ところが何がすごいかって、人間が何も教えていないのにAI(人工知能)がトライ&エラーを繰り返し、自力で猫を認知したことなのです。つまり十分なデータ量があれば、人間が関わらなくても、AI(人工知能)が自分で考えて、データから特徴を見つけ出せるようになりました。

AI(人工知能)にディープラーニングを活用できるようになったことで、いろいろな分野への応用が可能になりました。

例えば、囲碁でAI(人工知能)がトップ棋士に勝ったり、Twitterで有名な女子高生AI(人工知能)「りんな」ができたりしました。つまり、AI(人工知能)がディープラーニングを使って、人間の脳のような知的活動により近い動きができるようになったんです。

それに伴って、AI(人工知能)のビジネスへの実用化が一気に進み、利益を上げている会社も増えました。「AI(人工知能)をビジネスに活用しても、あんまり変わらない」という感想は、もしかしたら過去のものかもしれません。

それを確認するために、AI(人工知能)を活用したビジネスモデルの実例を見ていきましょう。

AI(人工知能)を活用したビジネスモデル3つの事例

ペッパーのイメージ

ここでは、たくさんの例の中から、AI(人工知能)活用による3つのビジネスモデルを紹介します。1つめは、老舗和食店が考案したビジネスモデルです。

AI(人工知能)の活用で利益10倍を実現 ゑびや「来客予測AI」

創業100年以上の歴史をもつ、三重県の老舗和食店「ゑびや」は、長い間、経験と勘で行われていた経営判断を、数字で見るやり方に方向転換しようと考え、2012年にAI(人工知能)の本格導入に踏み切ります。

お客さんが来るタイミングや人数を予測できるAIがあれば、仕入れもお店を回すのも、もっと効率よくできますよね。

最初は、スタッフの皆さんがエクセルの使い方を覚えるところから始めたというこのプロジェクトですが、試行錯誤をしながら来店客データや天気、過去の経営数字などをデータとして活用するなど、どんどんステップアップしました。

そしてとうとう、翌日の来店客数や売上を予測するAI(人工知能)システムを、外部の会社と共同で開発するレベルまでいってしまいました。

このシステムによってムダな仕入れを防げるようになり、材料の廃棄コストが低減し、さらに料理の提供時間も短縮でき、従業員数は変わらないのに売上は4倍、利益はなんと10倍になったのです!

「これは他の業界でも使えるだろう」と、いずれは「来店予測AI(人工知能)」を新規サービスとして、外部に販売する予定とのことです。

続けて、2つめの実例を紹介しましょう。

AI(人工知能)でタクシーの待ち時間を短縮 NTTドコモ「AIタクシー」

2017年、NTTドコモはAI(人工知能)を使って、タクシーに乗りたい人や、タクシーの需要が高そうな場所を予測して教えてくれる、「AIタクシー」を始めました。これはスマートフォンの位置情報から人の流れをチェックし、天気の崩れや電車遅延の情報なども考慮して、タクシーの需要が高まりそうなエリアを認識してくれます。そして現在から30分後までの、未来のタクシー乗車台数の予測を、10分ごとに配車システムに提供します。

お客さまがいそうな場所を予想して動けるので、慣れていない新人ドライバーでも、効率的にお客さんを獲得することが可能になり、これがタクシー会社全体の増収アップにつながりました。

さて、最後に紹介するのは、かわいいキャラクターが登場するAI(人工知能)活用ビジネスモデルです。

AI(人工知能)がユーザーにぴったりな旅をおススメしてくれる 日本航空「マカナちゃん」

AI(人工知能)であるIBM Watsonをベースに、2016年にスタートした、ハワイのバーチャルアシスタント「マカナちゃん」。これはレストランや観光スポットなど、ハワイの現地情報をお客さまの好みに合わせておすすめしてくれます。

また、TwitterやFacebookなどSNSとも連携。ユーザーの過去の投稿内容から、独自の算出方法で、ユーザーのキャラクターを9タイプに分類して、性格判断などもできるようになりました。これで、単なるFAQから、ユーザー個人のニーズに応える機能が実装されました。

その結果、月間利用者は初期の2.5倍にアップし、ハワイ旅行に興味がない層も巻き込むことに成功しました。

マカナちゃんの成功を受けて、2018年夏には同じくWatsonを使ったグアムのバーチャルアシスタント、「マイラちゃん」も誕生しています。今後の活躍も楽しみですよね!

以上、AI(人工知能)を活用したビジネスモデルの、3つの成功事例を紹介しました。どの事例もしっかり利益を出していますよね。

実はすべての例に共通する、ある「ポイント」があるのですが、気づいた方もいらっしゃるのでは?そこで続いては、そのポイントについて紹介します。

AI(人工知能)をビジネスに活用するポイント

ロボットのイメージ

AI(人工知能)を活用したビジネスモデルに共通するポイントを知るために、まず、それぞれの事例が、AI(人工知能)のどんな能力を活用したのかを見てみましょう。

  • ゑびや「来客予測AI」→データ分析、(翌日の来客数など)未来の予測
  • NTTドコモ「AIタクシー」→データ分析、(数十分先の)未来の予測
  • 日本航空「マカナちゃん」→データ分析

成功した3つの事例は、どれもAI(人工知能)が持つ、高い「データ分析力」「数十分~翌日くらいの、少し先の未来を予測する力」を活用していますよね。

これらが、AI(人工知能)の得意分野といえるかもしれません。つまりAI(人工知能)の得意分野を最大に使うことが、AI(人工知能)を活用したビジネスモデルを成功に導くために、欠かせないポイントではないでしょうか。

過去のAI(人工知能)は、入力などの単純作業をひたすら繰り返す、大量のデータを瞬時に処理する、などの作業に適しているといわれてきました。

しかし冒頭で紹介したように、AI(人工知能)にディープラーニングという方法を使うことによって、「分析したデータを使って、予測分析ができる」ところまできています。

今後、AI(人工知能)の予測分析能力はさらに進化するでしょうから、それを活用したビジネスモデルもバラエティ豊かになっていくはず。例えば、本人の代わりに人生プランを決めてくれるAI(人工知能)が発売され、一家に一台という時代がくる可能性もあります。

「今つきあっている男性と結婚すると、20年後に後悔します。今後の雇用状況の変化と、本人の健康状態データから予測しました。早く別れるべし」などはシビアだけれど、すごく便利かもしれません。

AI(人工知能)をビジネスに活用するメリットとデメリット

ミーティングのイメージ

できることが日に日に増えていくAI(人工知能)。「うちもそろそろ、本格的に導入を…」と思っている方も多いことでしょう。でも「流行ってるし、いろいろ良さげだから導入するぞー!おー!」という勢いだけでは、なかなか導入に踏み切れませんよね。

そこで、本格的にAI(人工知能)を導入する際のメリット・デメリットについて考えてみました。まず、メリットについて紹介します。

AI(人工知能)をビジネスで活用するメリット

AI(人工知能)をビジネスに導入する代表的なメリットは、次の3つです。

業務の効率化

データの分析などはAI(人工知能)の得意分野。大量のデータ分析が必要な仕事なら、必ず役に立ってくれるでしょう。

コスト削減

AI(人工知能)は事務作業や計算などの決まった作業をさばくのも得意です。そういった作業をAI(人工知能)に任せれば、人件費の削減につながります。

ミスの軽減

人間が担当している以上、ミスや失敗は必ず起きてしまうもの。その点、AI(人工知能)なら単純ミスを起こす恐れはありません。

では、AI(人工知能)のビジネス活用で考えられるデメリットは何でしょうか。

AI(人工知能)をビジネスで活用するデメリット

最大のデメリットは「お金がかかる」ことです。お金、かかっちゃいますよね。例えば、AI(人工知能)を活用したビジネスモデルが存在することを前提として、最低でも次のようなお金と手間がかかります。

  1. PCなどの端末やサーバーなどのハード機器が必要
  2. データを収集する手間がかかる
  3. AI(人工知能)の開発・検証をしないといけない

ちなみにAI(人工知能)を開発するには、数百万から数千万円が必要といわれています。やはりコストがすごい…と感じる方も多いでしょう。

もちろん、自社でAI(人工知能)を開発するのではなく、パッケージ化されたAI(人工知能)サービスを導入する方法もあります。これには月々、数千円のコストで使えるサービスもあるみたいです。

例えばGoogleやMicrosoftなどが提供する「AI(人工知能)プラットフォーム」をカスタマイズするのも、1つの方法です。この導入方法は、社内にシステムに詳しい社員がいる会社におススメです。

握手のイメージ

さて、今回はAI(人工知能)を活用したビジネスモデルについてお伝えしました。

その内容を通して、

  1. AI(人工知能)はディープラーニングを獲得してから、ビジネスにおいても、できることが飛躍的に増えたこと
  2. AI(人工知能)を活用したビジネスモデルで、実際に利益を生み出している会社が増えていること
  3. AI(人工知能)を活用したビジネスモデルで利益を出すには、AI(人工知能)の得意分野を活かすことが重要!
  4. AI(人工知能)をビジネスで活用するときは、メリット・デメリットにも注意を

ということがわかりましたよね。

過去のAI(人工知能)ブームでは、「まずAI(人工知能)の導入が先、ビジネスモデルは何とかなるだろう」という傾向が強かったのですが、でも現在は、AI(人工知能)をより現実的にとらえ、「利益を出せるAI(人工知能)活用ビジネスモデル」を編み出している会社がたくさんあります。

今回ご紹介した成功した3つの会社は、AI(人工知能)に使われているのではなく、AI(人工知能)の長所を理解した上で、AI(人工知能)を使いこなしているという印象を受けますよね。AI(人工知能)を使いこなせれば、「AI(人工知能)に仕事を取られちゃう!」という心配をしなくてもよいのでは?なんて、希望が湧くでしょう。

とどまるところを知らないAI(人工知能)の進化。AI(人工知能)と対立するのではなく、利点を最大限に活用しながら共存していける未来が実現したら、素敵ですよね。

参照元 中小企業のAI活用事例!利益10倍を実現した「ゑびや大食堂」に学ぶデータを活かすという意識
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