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【初心者向け】意外と身近な自然言語処理(NLP)の活用事例まとめ

【初心者向け】意外と身近な自然言語処理(NLP)の活用事例4つ

AI(人工知能)と聞いて、人間のように自然な会話ができるドラえもんやしゃべるロボットを想像する方も多いですよね。このようにコンピューターを使って人間の言葉を取り扱うことを自然言語処理(NLP Natural Language Processing)といいます。

自然言語処理については、昨今のAI(人工知能)ブームの中でも多くの研究がされていて、なんと人間よりも高精度な読解を行えるような研究成果も多数報告されています!そんな自然言語処理ですが、実は身の回りでも多くその技術が用いられています。自然言語処理がどのように活用されているかを知ることで、日常生活でそれらの技術が取り入れられているシステムをうまく活用できるようになったり、ビジネスでもどのように活用すれば良いかを考えるきっかけになるかもしれません。

そこで今回は、身近な自然言語処理の活用事例についてご紹介します。

自然言語処理(NLP)とは

文のイメージ
自然言語処理とは、英語でNatural Language ProcessingといいNLPと略されます。プログラミング言語などと対比し、人間が会話で使う言葉のことを自然言語と呼び、この自然言語をコンピューターを用いて処理する技術のことを自然言語処理といいます。

基本的な自然言語処理では文章を要素で分解し、単語ごとの意味を照会して文章を解釈します。人間が使う言語はプログラミング言語のようなコンピューターで用いられる言語に比べて曖昧であり、この曖昧性を無くしコンピューターに解釈させるために様々な研究がされています。特に昨今ではディープラーニングを活用したモデルが文章生成や翻訳などで成果を上げ、自然言語処理の可能性の高まりに注目を浴びています。

自然言語処理を使うと何ができるのか

データのイメージ
世の中の情報は、ほとんどが「言葉」で記述されていますよね。自然言語処理を用いれば、これらの情報を活用することも可能です。例えばアンケートデータやSNSの投稿データなどの大量のデータを扱う場合には人間より圧倒的に早く処理することが可能になります。

また、「チューリングテスト」という人工知能が人間のように対話可能かを確かめる有名なテストがありますが、近年は対話でもまるで人間のようにできるようになりつつあることが確かめられています。他には、文章を解析して構文や単語がいい意味なのか悪い意味なのかを解析させることでポジティブなことを言っているのか、ネガティブなことを言っているのかを分析できるとのこと。

このように自然言語処理では人間の言葉に関して様々なことができます。これを使いこなせれば、いろいろなことに応用できるかもしれません。それでは身近な自然言語処理の活用例を見ていきましょう。

自然言語処理(NLP)の活用事例その1:予測変換システム

PCのイメージ
まず最初は、スマートフォンやパソコンで使われている変換システムについて解説しましょう。読者の皆様も物心ついたときから何気なく使っているかもしれません。そんな変換システムにも、様々な自然言語処理の技術が使われています。

例えば、ひらがなの文字を入力したときに様々な漢字や絵文字が変換候補に出てきたり、文字や言葉を入力して変換し終えた後にそれに続きそうな言葉の候補が表示されたりしますよね。これらは自然言語処理の技術によって可能になっています。

この予測変換システムは様々な会社や組織から出され、スマートフォンでよく使われているSimejiや、Microsoft IME、Google日本語入力、ジャストシステムのATOK、オムロンのWnnシリーズ、ソニーのOBox、東芝のモバイルRupo、アップル社のiOSなどがあります。

実は、これらの変換システムはそれぞれでどのようなアルゴリズムで行われているかが異なるため。得意な分野が異なるとのこと。仕事用やプライベート用など用途によって使い分けてみるのも面白いですよね!

自然言語処理(NLP)の活用事例その2:検索エンジン

検索のイメージ
次に紹介するのは検索エンジンです。Googleなどの検索エンジンには自然言語処理の技術が活用されています。単純なデータベース内の検索であれば、文字が一致するものを調べ上げればよいです。しかしWebの検索はそれほど単純ではなく、膨大なデータの中からユーザーが調べたいこと検索ワードやその人の特性から判断し、必要な情報を優先して表示しなければいけません。

そのため、言語の判別や意味処理などの機能が自然言語処理によって行われます。最近では2019年10月25日にGoogleが「BERT」を検索エンジンに導入したと発表したことが話題になりました。ニューラルネットワークを用いたモデルである「BERT」はそれまでのモデルより文脈を読む力に優れており自然言語処理分野において非常に高いパフォーマンスを挙げている手法です。

このように検索エンジンについても自然言語処理の発展とともに年々変化しています。インターネットの発展にも、自然言語処理は欠かせません。

自然言語処理(NLP)の活用事例その3:機械翻訳

翻訳のイメージ
3つ目は、機械翻訳です。機械翻訳とはその名前の通りコンピューターを用いた翻訳で、Google翻訳やYahoo!翻訳などが機械翻訳を用いています。これらのサービスは人手で逐一翻訳しているわけではなく、コンピューターによってもっともらしい翻訳を行う、自然言語処理の技術によるものです。機械翻訳があれば構文や単語を自分で調べて逐語訳する必要がなくなるためとても便利ですよね。

その翻訳が不正確であることや人の心理を読んだ上手な翻訳はいまだ難しいことが欠点として挙げられますが、機械翻訳の精度も年々向上していることが報告されています。下手に自分で翻訳するよりうまく訳せているなんてこともあるかもしれません。

最近では聞き取った音声を翻訳してくれるデバイスやアプリが続々と登場しています。言葉がわからなくても、不自由なく海外旅行ができる時代になってきていますよね!

自然言語処理(NLP)の活用事例その4:AIアシスタント

AIアシスタントのイメージ
最後に紹介するのはAIアシスタントです。AIアシスタントとはiPhoneに搭載されている「Siri」のように音声や文字による入力に対してさまざまな質問やお願いに応えてくれるAI技術のことです。自然言語処理を用いて意味を解析し、スピーカーやWebでの検索などを自動で操作してくれます。

AppleのSiri以外にも、GoogleのGoogleアシスタントやAmazonのAmazon Alexa、MicrosoftのMicrosoft Cortanaがあります。使われる場面は多岐にわたり、Amazon EchoやGoogle Homeといったスマートスピーカーや企業の案内に用いられるチャットボット、さらに現在ではAIアシスタントを搭載した大型家電や車も開発が進んでいます。

AIアシスタントの活用の幅は広く今後も拡大・普及していくでしょう。人間の言葉による指示で生活の大抵のことができてしまうSFのような未来がすぐそこまで来ているのかもしれません。

このほかにも、自然言語は実際にSNSの投稿を分析して、企業での戦略策定を行ったり、株価の分析に役立てていたりとデータ分析にも使われています。

まとめ
さて、今回は自然言語処理の身近な活用例についてご紹介しました。

  • 予測変換システム
  • 検索エンジン
  • 機械翻訳
  • AIアシスタント

など、私たちのふだんの生活の中にも自然言語処理の技術が活用されているものがありましたよね。

一見自然言語処理という言葉に全く聞き覚えがなかった方や自分にはあまり関係ないと思っていた方にも、自然言語処理は人工知能が社会や普段の生活で活躍するために必要不可欠な技術で実際に役立っていると感じたでしょう。

世の中のほとんどの言語は自然言語で記述されています。そう考えると自然言語処理活用の幅はとても広いかもしれません。ぜひ、自然言語をうまく活用して便利なアプリ・サービスを開発しましょう。

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