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今、エバンジェリストが求められている!その役割と理由について解説

今、エバンジェリストが求められている!その役割と理由について解説

情報化社会と言われてから20年以上経過して、メーカーやサービス業はもちろんのこと、農業や漁業のような第一次産業までIT技術が活用されるようになりました。いまではIT技術が全く使われていない業界を探すほうが難しいです。スマートフォンやインターネットがこれまでの私たちの生活を変えたように、今後はAI(人工知能)やドローン、ARやVRなどの技術が私たちの生活をさらに便利に変えていくことでしょう。

ですから「エバンジェリスト」という人材が重要です。

このエバンジェリストとは、不特定多数の人たちに業界のトレンドや最先端の技術を分かりやすく伝え、さらには自社製品の魅力も正しく伝えることができる人のこと。

IT技術の普及とともにソフトウェア、ハードウェア、サービスを開発している企業も増加して、情報産業は一つの大きな産業となりました。一方で情報業界は技術の進歩が著しく早いため、専門外の人に最新の技術を正しく伝えることがだんだん難しくなってきましたよね。

例えばスマートフォン。みなさんはいま発売されているスマートフォンで「このメーカーはこの点が優れている」ということを明確に説明できるでしょうか。スマートフォンに関わる仕事を行っている人以外はなかなか答えられないでしょう。ちなみに私自身はメーカーの違いはわからないため、ブランドイメージだけでiPhoneを使い続けています。

スマートフォンの例から分かるように、どれだけ便利な製品を開発しても実際に製品を利用する人たちに製品の魅力が正しく伝わらなければ売上につながりません。

そこで今回はエバンジェリストについて、その役割ならびに必要なスキルを紹介します。

エバンジェリストとは

エバンジェリストとは

エバンジェリストは元々キリスト教の「伝道師」という意味を指す言葉です。

専門外の人たちに技術的な背景を分かりやすく伝えていく様子が、世の中の人に宗教の教えを分かりやすく伝える伝道師に似ていることからこの用語が生まれました。

エバンジェリストという役割を初めて設けたのはアメリカのApple社。
コンピューターの必要性などを伝えるため、1984年にエバンジェリストというポストが設けられました。1980年代というコンピューターがまだ普及する前の時代に、コンピューターの可能性や自社製品の素晴らしさを世の中に伝えていくのは大変だったと予想されます。しかも1980年代は今ほどプレゼンテーションが重視される時代ではありませんでした。そのような時代にいち早くエバンジェリストという仕事を作ったApple社の先見の明は驚嘆すべきものと言えるでしょう。
その後IT業界の発展に伴い、他社もエバンジェリストを設置するようになりました。

マイクロソフトやオラクルのようなアメリカの企業のほか、ソフトバンクや富士通などの日本企業もエバンジェリストというポジションを設けています。また、エバンジェリストというポストがなくても同じような業務を行っている人がいる企業は増えています。

エバンジェリストの役割・活動内容

エバンジェリストの役割・活動内容

エバンジェリストに求められる役割は自社製品の素晴らしさを伝えることだけではありません。

自社だけではなく、業界全体の最近のトレンドや最新の技術についても分かりやすく伝えることが求められます。そのような全体の流れを伝えたうえで、自社製品はどのようなビジョンのもとで生まれ、どの点が優れているのかというストーリーを語ることがエバンジェリストには求められているのです。
また、エバンジェリストには様々な場面でプレゼンテーションを行います。
代表的な場面は大きなイベントや展示会などのステージに立ち、多数の記者やユーザーの前で自社を代表してプレゼンテーションを行う場面。皆さんもこのようなプレゼンテーションの場面が一番想像しやすいのではないでしょうか。スティーブ・ジョブズや孫正義など、著名な経営者がステージで自社のビジョンを語る、そのような場面に近いシチュエーションとも言えますよね。
その他にもエバンジェリストは個別の企業に対してデモンストレーションを行ったり自社製品の魅力を伝えることもあるほか、社内の営業や広報部門などの技術部門以外の人に自社製品の魅力や最新技術を伝えることもあります。

このようにエバンジェリストが説明する相手の立場、知識は様々であり、相手や場面に合わせて効果的なプレゼンテーションを行うことが求められるのです。

エバンジェリストは、主にどんな業界で活躍できるか

エバンジェリストは、主にどんな業界で活躍できるか

このエバンジェリストですが、エバンジェリストが最も活躍できるのはIT業界です。

技術の進歩が非常に早いIT業界において最新の技術やトレンドを把握したうえで自社製品の魅力を分かりやすく発信する人材は必須とも言えるでしょう。

今はイベントや展示会におけるプレゼンテーションが映像として保存され、ウェブで誰でも見ることができる時代です。

だからこそ自社製品の魅力、そしてその製品の裏にある企業のビジョンやストーリーを伝えることができるエバンジェリストは企業のブランドイメージに関わる存在であるとも言えます。そして業界のトレンドや自社製品の魅力を不特定多数に分かりやすく伝えることができる人材の需要はIT以外の業界でも今後は高まっていくと予想されます。

製品自体がすぐにコモディティ化してしまい、製品を購入するときに性能だけを重視する人が少なくなってきた今の時代、製品の魅力やストーリーを不特定多数に伝えることができるエバンジェリストの存在はどの業界の企業も必要としています。

エバンジェリストに必要な能力

エバンジェリストに必要な能力

このようにエバンジェリストには様々な能力が要求されます。

当然ですが業界全体や自社製品に関する専門的な知識が必要です。そして常に最新のトレンドを押さえられる情報収集能力や新しい技術を短期間で学び取る力も求められるでしょう。
もちろんプレゼンテーション能力も重要。
エバンジェリストには聴衆のレベルや聴衆が求めている情報を適切に把握し、印象に残るプレゼンテーションを行うことが求められます。そのためには上手く話したり印象的なプレゼン資料を作成することはもちろん、話し方、振る舞いなど非言語的な部分で聴衆に好印象を与える工夫も必要です。

またエバンジェリストは不特定多数へのプレゼンテーションのほか、ユーザーや社内の人たちとも関わる機会が多いです。

そのためプレゼンテーションのような一方的な会話だけではなく、双方向のコミュニケーション能力もエバンジェリストには求められます。

エバンジェリストになるための心構え

エバンジェリストになるための心構え

エバンジェリストは不特定多数に対して自社を代表してプレゼンテーションを行います。

従って大前提として、自分のプレゼンテーションが自社の売上やイメージに関わっているという自覚、責任感は欠かせません。そしてエバンジェリストは不特定多数からプレゼンテーションを評価される立場です。

聴衆から思ったような反応が来なかったり、発表の内容に関して否定的なことを言われることもあります。そのような反応、結果をしっかりと受け止め、謙虚に自分の発表の改善点を探して次回のプレゼンテーションにつなげられる精神的な強さもエバンジェリストには求められます。

このように不特定多数から評価されることや、否定的な反応も含めて受け入れる覚悟がエバンジェリストにとっては何よりも大事な心構えとも言えます。

 

エバンジェリストのイメージ

今回はエバンジェリストの役割と必要な能力について紹介しました。

分からないことはウェブで検索すれば答えが出てくる今の時代、ただ知識を持っているだけの人材を企業は求めていません。一方でコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力が高い人材の市場価値は相対的に高まっています。専門的な知識を有しており、かつ不特定多数に対する高い発信力を持っているエバンジェリストは今後、多くの企業に求められる人材になることでしょう。

エバンジェリストになるためには様々な能力が必要です。中にはコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力など、すぐに身につくわけではない能力も多々あります。

だからこそエバンジェリストを目指す人は今から社内外の人と関わる機会を利用して能力を高めていきましょう。そして人との関わりを通して相手の反応を素直に受け入れ、自分自身を改善できるような精神的な強さも身につける必要もあります。

このようなコミュニケーション能力、そして精神的な強さはエバンジェリストに限らず、幅広い業種で役立つことは間違いありません。是非これらを理解してエバンジェリストを目指しましょう。

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