DX(デジタルトランスフォーメーション)

DXを進めるなら知っておきたい!基幹システムの活用方法と導入時の課題

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近年様々な企業でDXの推進が検討されている中で、基幹システムの見直しの必要性もさけばれています。

これまで企業を支えてきた基幹システムが、DXの推進に際してボトルネックとなっているケースもあります。

2018年9月の経済産業省が発表している「DXレポート」では「2025年までに基幹系システムの刷新を集中してしなければ、DXを実現できずに崖に落ちる」とも記載しており、警鐘を鳴らしています。これも基幹システムの便利であるが故の特徴から発生しているのでしょう。

しかしこの基幹システムについて知らなくてはDXを推進することは難しいですよね。2018年当時よりもDXの推進がさらに急務となっている現代では、より基幹システムの理解が求められています。

そこで今回は、この基幹システムの基本的な概要からご紹介しましょう。

基幹システムとは

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そもそもの話になりますが、基幹システムとは何を指すのでしょうか。

基幹システムは英語では「Mission-Critical System」と表記され、「任務や業務の遂行に不可欠なシステム」と定義つけられます。平たく言うと、止まってしまうと事業運営上、甚大な影響を及ぼすシステム。

基幹システムというと「在庫管理システム」や「仕入れ管理システム」を想像されることもあるかもしれませんが、企業の事業内容によって重要度が異なってくるため必ずしも特定のシステムが基幹システムにあたるということではありません。

また、基幹システムは定義上、事業運営に直結しており、その業務に合わせて非常に便利に設計されています。
そのため、日々多くの社員に使用される完成度の高いシステムであるのですが、大規模なバージョンアップがなされていなかったり、設計当時の業務プロセス以外には適応しにくかったり。
結果として、多くの企業では基幹システムが老朽化したり、複雑化、ブラックボックス化したりしていると言われています。

ですからDXのような事業構造から変革が進む際には、事業と実務をつなぐ基幹システムの変化が難しい特性がボトルネックとなる可能性もあるのです。

基幹システム、業務システム、ERPとの違い

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それでは次に基幹システムと混同されやすい「業務システム」「ERP」との違いについてもご説明します。

まずは「業務システム」について。
基幹システムは事業運営上「必要不可欠」であることに対して、業務システムは「業務を円滑に遂行するためのシステム」とされています。

つまり、便利ではあるものの、最悪止まってもどうにかなるシステムと言えますよね。これは社内SNSやスケジュール管理システムなどが業務システムにあたります。

次に「ERP」について。
ERPは「Enterprise Resources Planning」の略で「企業資源計画」と訳され、元々は経営効率を上げるための概念であり、マネジメント手法です。近年は統合基幹業務システムとも言われています。

このERPの大きな特徴は「統合」。社内の各部門からデータ連携をとり、一元管理を行い、可視化することによって経営戦略に役立てることが可能です。

基幹システムとERPでは、そもそもがシステムでなく概念である点や、近年で理解されているシステムの側面でも企業の業務全体を管理する大規模なシステムである点で違いがあります。

基幹システムの活用方法

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それでは次に基幹システムの活用方法についてお伝えしましょう。

まず、基幹システムを活用することで得られるメリットは「業務効率化」と「業務の標準化」「データの可視化」。

これまで人力で行ってきた業務を半自動化、機械に任せることができるため、工数削減はもちろんのこと人為的なミスも減らせるため、非常に効率的です。

また、各担当内で蓄積されていた俗人的な情報もシステム管理ができるため、社内で情報やノウハウの展開ができたり、積極的に基幹システムを参照することで、経験が浅い社員にも一定の知識をインストールができ、組織として力の底上げも期待できますよね。

そして蓄積ができることから、今後の戦略検討におけるデータの分析にも活用が可能でしょう。

基幹システム導入時の課題

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このように基幹システムは非常に便利ではありますが、社内へ影響が大きなシステムでもありますので、導入に際しては注意が必要です。そこで、導入時の課題やポイントについてもお伝えします。

最も大切なことは基幹システム導入の「目的を明確にすること」。

もちろん目的は業務効率化、ひいては業績の向上になりますが、失敗例としては様々なシステムの機能やメリットに目が奪われて、導入したは良いが全く業務改善が行われなかったという事例も多く存在します。

そのため、基幹システム導入に際しては、はじめに導入目的は的確に定め、現状の課題点の洗い出し、運用を見据えて現場サイドの意見を取り入れることが肝要です。

また、導入後は長い期間システム運用をすることが想定されるため、不測の事態に備えて余裕を持ったスケジューリングを組むことも大切。

そしてもう一つの失敗事例としてシステム検討段階でベンダーやシステム部門に丸投げをしてしまうことがあります。

専門家に頼ることは円滑な導入に際して大切ではありますが、リテラシーの高い人目線の設計となってしまい、肝心の現場が必要とされている機能がわかりにくかったり、不要なオプションが多かったりなど実用性に乏しいケースあるでしょう。

そのようなことを避けるためにも業務プロセスを把握している人間をプロジェクトにアサインしたり、現場と密に情報交換をすることでより利用されるシステムに仕立てることができます。

基幹システム運用時のポイント

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さて、せっかく基幹システムを導入してもその後運用されなければ意味がありませんよね。運用に際しては導入後の定期的な効果測定が重要になってきます。

導入段階である程度基幹システムリリース後の反響は想定しますが、実際にシステムが稼働することで、現場からも様々な声が上がるはず。それを丁寧に拾い上げることで、さらに業務改善を検討してきましょう。
また、ユーザーである社員への教育も大切です。基幹システムがカバーする事業範囲の全社員が利用できるようにリリース後もフォロー、サポートを行いましょう。

冒頭でも触れた通り、DX推進にあたって、基幹システムがネックとなって進まない事例も存在します。

そして今後もこれまで以上に変化のスピードは早くなっていくことが予想されます。

そのため「業務にシステムを合わす」のではなく「システムに業務を合わせていく」という発想で必要に合わせてシステムも刷新、変化させていくことも重要です。

 

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ここまで基幹システムについてご紹介しました。

業務を効率化し、会社が成長していくためにも非常に有用なツールとなります。また、一度導入をして現場で適切に運用がなされれば新しく入った社員にもノウハウが受け継がれますので、システム部が介入せずとも定着をしていくでしょう。

一方で基幹システムは社内へ大きな影響を与えるツールですので、使い勝手の悪い仕様になってしまうと業務推進に悪影響が出ることが想定されます。企業の事業や仕事の進め方によって様々な仕様が存在しますし、課題も異なってくるでしょう。

導入を主導するシステム部、ベンダーなどの専門家、利用者である現場が連携を取って計画的に導入することが大切です。

また、今後より事業構造が変わっていったり、仕事の進め方が変わったりしていく中で、変化に強い基幹システムを持つこと、基幹システムを変化に対応させていくことは競合に対しても強みとなっていきます。

適切に基幹システムを導入することで、DX化の波に乗りましょう。

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