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製造現場では必須の「生産管理」とは?その課題と解決法まで徹底解説

生産管理

生産管理の仕事は「生産計画をする部署」くらいのイメージで見られがち。でも実際は意外と業務範囲が広くて大変ですよね。

「今月の生産目標、また達成できそうにない」
「生産トラブルがあったせいで、納期が厳しい」
「毎日精一杯やっているのに・・・何かいい改善方法ないのかな」

こんなふうにお悩みの生産管理担当者のあなた、顧客と製造現場、目標の板挟みで身動きがとれなくなっているのでは?

また経営者のあなたは生産管理部門を強化する必要性、もうお気づきですよね。そもそも現場の状況をリアルタイムで把握できないと経営判断にも影響が出てきます。

今回はこのようなお悩みをもつあなたのために「生産管理の基本」から「課題」と「解決法」、そして近年導入が進んでいる「ERPについて」も解説。

生産管理がスムーズに機能するようになると、製造現場や営業など他部署もウーンと働きやすくなります。顧客の信頼をガッチリ得られて、業績アップも見込めそう。

これを読んで、あなたの会社の生産管理部門強化にぜひお役立てください。

生産管理とは、その仕事内容について解説

生産現場のイメージ

ここでは、「生産管理とは」と「生産管理の具体的な仕事内容」について解説します。

生産管理とは

生産管理とは、日程や時間を軸に「人・物・設備・作業方法」を適切に組み合わせ、利益拡大を目指して計画・統制していくこと。

ちょっとわかりにくいですよね。もう少しかみ砕いてご説明しましょう。

一般的に「生産管理」には2つの概念があります。

  • 狭義:生産をコントロールすること
  • 広義:「生産のコントロール」プラス「経営視点を持ってお金の回転をよくする」

生産管理は狭義では「品質やコスト、納期に応じて、生産をコントロール」すること。そして広義では入金や支払いなど「お金の流れをコントロール」する仕事も含まれます。

たなべ吹き出し
たなべ

生産管理は「お金の流れ」の管理も含まれるので、仕事内容は意外と幅広いのです。

生産管理の仕事内容

生産管理の仕事内容は、大きく次の3つにわけられます。

  • 計画
  • 手配
  • 統制

ではこの3つを順にみていきましょう。

【計画】
過去の実績や景気状況、競合他社の動向などをもとに需要を予測。その上で生産計画や資材調達計画を行います。在庫管理やお金の流れも考慮することが必要。

【手配】
生産の指示を出して計画通り実施。資材購入の手配、外注の手配も含まれます。

【統制】
生産状況に応じて計画を調整。トラブルや急な案件にも対応できるよう生産をコントロールします。

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たなべ

忙しい時に急ぎの注文が入ったり、製造工程でトラブルがあったりすると調整が大変です。

このように生産管理の仕事内容は「計画・手配・統制」の3つを軸に、「効率の良い生産のコントロール」と「経営視点を持ってお金の管理をする」ことが大切になります。

では次に生産管理がどうして必要なのか、もう少し掘り下げてみてみましょう。

生産管理はなぜ必要なのか

疑問のイメージ

生産管理を怠っていると「注文が増えた時に生産が追い付かず、注文が減ると製品が余ってくる」というような困った事態が発生します。

また材料の調達が間に合わないと生産ラインが止まってしまうことも。注文が減って材料が大量に余ると、そこからは利益を生み出せないため資源のムダになります。

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たなべ

増産時に人が足りなくて困ることもよくありますよね。

このようなことを防ぐため、生産管理部門が生産をコントロールしていくことが必要になります。コントロールする具体的な内容は次のとおり。

  • 品質・コスト・納期の管理
  • 適正な在庫管理
  • 注文のバラつきに備える

生産管理がコントロールすべき、これら3点について順にご説明しましょう。

【品質・コスト・納期の管理
顧客の求める品質・納期に見合った生産ができるように管理する。

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たなべ

必要以上に高品質を目指すとコストがかさんで利益がなくなります。

【適正な在庫管理
生産管理は「材料→製品→お金」のサイクルをいかに早く回すかが大切。工場内で未完成のモノが増えないように管理。

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たなべ

モノを循環させてお金を生み出していくことが大切。

【注文のバラつきに備える
コンスタントに一定量の注文が入ればいいのですが、季節や期間によって注文量は変化するもの。生産の前倒しや人員配置の工夫で、変動に対応していくことが必要。

このように生産管理は多方面の調整をしながら、最適な方法で利益を生み出すようコントロールしていく難しい仕事なのです。

それでは、生産管理の現場ではどのような課題があるのでしょうか。

生産管理の現場における課題

工場のイメージ

生産管理は製造業では最も大切な仕事のひとつ。難しい仕事だけに現場では次のような課題があります。

  • いつどのような注文が入るか予測が難しい
  • 受注生産だと、納期に間に合わないことも
  • 注文の変更や、緊急の発注が入った時の対応
  • 会社の販売計画を達成しなくてはいけない
  • 忙しい時と暇な時ができないよう生産量を平準化
  • 材料の原価変動にも対応
  • 材料の調達状況の確認
  • 品質クレームをなくすための対策
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たなべ

顧客対応や他部署との調整だけでも大変ですよね。

忙しいのに成果が出ないと辛いですよね。生産管理がうまくいっていないと社内の各部門がどれだけがんばっていても、効率が悪く利益に結びつきません。

このような課題を解決する方法の1つとして「生産管理システム」があります。次で生産管理システムについてご説明しましょう。

生産管理の課題を解決する生産管理システム(ERP)とは

データのイメージ

効率よく進めるのが難しい生産管理。「何か良い手はないか・・・」と考えてしまいますよね。そんな時は生産管理システムの導入がおすすめ。ここでは「生産管理システム」と「ERP」についてご説明しましょう。

生産管理システムとは

生産管理システムとは、生産をITによって効率的に管理するシステム。

具体的には次のようなシステムが含まれます。

  • 納期管理システム
  • 在庫管理システム
  • 工程管理システム
  • 原価管理システム

生産管理システムは「モノ」と「情報」の流れを一元管理することで、業務フローを最適化することが可能。

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たなべ

業種によって生産管理システムの対応する範囲は違ってきます。

企業によっては顧客管理システムや配送管理システムなどを含む場合も。また最近は会計管理システムや販売管理システムなどといった、生産管理以外のシステムも統合した「ERP」を導入する企業も増えています。

ERPとは

ERPとは、企業の基幹となる複数の業務システムを統合し、データを一元管理するシステムのこと。「統合基幹業務システム」、「基幹系情報システム」と呼ばれることもあります。

企業の基幹となる主なシステムは次のとおり。

  • 生産管理システム
  • 在庫購買管理システム
  • 財務・会計管理
  • 購買管理システム
  • 販売管理システム
  • 人事・給与管理システム

ERPはこのようなシステムを統合管理することによって業務効率化はもちろん、企業全体の状態をリアルタイムで把握することができるので経営戦略にも役立ちます。

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たなべ

ERPがあれば、顧客から問い合わせがきてもすぐに対応できます。

なかなか便利そうなERP。導入するにあたり知っておきたいことを次にまとめました。

ERPを導入するなら、知っておきたい点

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ERPは「ヒト・モノ・金・情報」といった経営資源を効率的に管理するツール。最近は中小企業の導入例も増えてきました。

でもシステム導入にはそれなりのコストがかかります。ちょっと心の準備が必要ですよね。ここではERPを導入する前に知っておきたいことをご説明しましょう。

ERPの種類

ERPを「機能や組み込み方」でわけると大きく3種類になります。

  • 統合型:企業内の各データを統合して管理
  • コンポーネントタイプ:既存の業務システムに組み合わせて拡張
  • 業務ソフト型:特定分野のみを組み込んだタイプ
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一般的なERPのイメージは統合型です。

また、ERPを「導入形態」でわけると次の2種類にわけられます。

  • オンプレミス型:自社内にシステムを構築して自ら運用
  • クラウド型:クラウド上に構築されたERP

【オンプレミス型】

従来からあるタイプで、カスタマイズしやすくセキュリティ面でも優れていますが、費用が大きくなるのがデメリット。

【クラウド型】

場所を選ばずに使用することができ、環境構築が簡単、初期費用が抑えられる、などのメリットがあります。逆にカスタマイズしにくいのとセキュリティ面に心配が残るのがデメリット。

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最近はクラウド型が増えてきています。

ERP導入時に注意すること

ERP導入時に注意するポイントをまとめると次のとおり。

  • 導入目的を明確にし、長期的な視点で選ぶ
  • 自社の規模や業種にあった形態のERPを選ぶ
  • 操作性
  • セキュリティ対策

最も大切なのは、現在の改善ポイントを洗い出して課題解決に適したERPを選ぶこと。費用対効果があるかどうかも十分検討してから導入しましょう。

ERPについてもっと詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

 

今回は製造現場で大切な役割を果たす「生産管理」について、その課題と解決法について解説しました。

生産管理の仕事は「生産のコントロール」だけではなく、利益拡大を目指して「お金のコントロール」も必要。しかし全てを管理しようとすると業務内容が幅広くなり、顧客の要望や製造現場、目標数字の間で調整が難しくなります。

ちょっと負担が大きすぎますよね。そんな問題を解決できるのが生産管理システム(ERP)で、最近は中小企業も導入が進んでいます。生産管理システム(ERP)を導入すると次のようなメリットが。

  • 製造:過剰在庫が減り、注文が増えても対応が可能に。
  • 営業:顧客に納期をタイムリーに回答できるので、受注件数アップ。
  • 経営陣:勘や経験に頼るのではなく、データをもとに経営判断ができる。デジタル化により人件費の削減も。

このように、生産管理をERPによって管理すると社内全体が業務効率化でき、しいては業績アップにつながります。

政府もデジタル化に向かって意欲的で、補助金などの支援策も打ち出している昨今。この先厳しい競争に打ち勝っていくには、業務効率化が必須です。

あなたの会社にぴったりな生産管理システム(ERP)を見つけ出して、明るい未来を手に入れましょう。

【お知らせ】

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