DX(デジタルトランスフォーメーション)

今更人に聞けない!企業の業務システムを支える基幹システムとは

システムのイメージ

近頃では、ITを駆使した業務システムや基幹システムというのは企業では当たり前のものとなっていますよね。しかし、実際にそれらがどのようなものであるのかピンときていない人もいるでしょう。

ちなみにこの基幹システムは、本来は業務システムと枝葉のような関係性を持っているのですが、近年導入が進んでいるERPでは考え方の違いからそのようにはなってはいません。しかし業務システムやERPとの違いはわからないですよね。

そこで今回は、そんな人に向けて企業の業務システムを支える基幹システムとは何であるのかや、業務システムや話題となっているERPとの違いについて、また基幹システムの導入を検討している方に向けてどのような企業が導入に向いているのかといったことまで詳しくお話します。

基幹システムとは何か

基幹システムのイメージ

それでは、まずは基幹システムとは何であるのかを説明していきましょう。

基幹システムとは、企業のIT活用の根幹となるシステムを意味するもの。

より具体的には企業が通常行う活動に必要なシステムのことで、以下のような6つの管理などを行うシステムのことです。

  1. 会計管理…会計情報の作成などを行うシステム。
  2. 人事給与…従業員の人事や給料に関する情報管理を行うシステム。これらに関してはどの企業でも必須のものです。
  3. 生産管理…なんらかの製造や販売など、生産に関する管理を行うシステム。
  4. 仕入管理…仕入を適切に管理するシステム、
  5. 販売管理…販売に関する管理を行うシステム、
  6. 在庫管理…在庫の管理を行うシステム

これらが必要になります。

もちろん、これらに関しては企業や業種によって事情が異なりますが、企業のITを駆使した活動においてはこれらが無くてはならないことが理解できるでしょう。

そのため、基幹システムとは現在の企業の活動にはなくてはならないシステムであるのです。

さらに、逆にいえばこの基幹システムとは万が一止まってしまうと企業活動自体がストップしてしまいます。ですから、この基幹システムを「Mission-Critical System」と呼び、基本的には動かし続けることが前提です。

以上が基幹システムとは何であるかについて。

まとめると基幹システムとは企業活動においてなくてはならないシステムです。さらに、基幹システムとは基本的に止めてはいけないシステムでもあります。

これを踏まえて基幹システムと業務システムの違いを説明していきましょう。

基幹システムと業務システムの違い

パソコンのイメージ

基幹システムとは企業活動においてなくてはならないシステムでしたよね。それでは業務システムとの違いとは何でしょうか。

ここではそんな両者の違いを業務システムの基礎から説明していきます。

まず、業務システムとは業務を効率的に行うために利用されるシステム。わかりやすい例では顧客情報の管理を行うシステムや社内で利用されるビジネスチャットなど。

つまり、企業活動を補助するために利用される特定のシステムやツールが当てはまるのです。ちなみにこの言葉以外に情報系システムなどとも呼ばれることがあります。(大別すると業務システム=情報系システム、細かく分類すると個別のものとして分類)

そして、本題の両者の違いですが、明確なものとしてシステムが停止した場合の影響を考えるとわかりやすいでしょう。

上で説明したように基幹システムとは会社の活動自体を左右するものでした。ですから基本的には止められない、止めてはいけないものです。
一方で業務システムの場合はどうでしょうか。こちらの場合何らかの要因で問題が発生しても影響は限定的。

例えば、利用していたビジネスチャットツールが利用できなくなったとしても、メールや電話など他のやり取りを行うことで企業活動自体の継続はできますよね。

したがって、基幹システムと業務システムでは業務に与える影響度という点で明確な違いがあるのです。

また、基幹システムに対しての業務システムということで、基幹システム以外のものを業務システムと区別する場合もあります。ですので、基幹システムかそれ以外のものとざっくりと分けることも可能。

  • 基幹システム:会社にとってなくてはならない基盤的なシステム。停止した場合には業務に大きな影響を与えるシステムのこと。
  • 業務システム:基幹システム以外のシステムを指す。特定の業務などを効率的に行うためのシステムで業務に与える影響が限定的。
これらをみていくと両者は幹と枝、枝と葉のような関係性だといえるでしょう。もちろん、企業の活動においては両者はどちらも重要なものであり、違いはあれど一体のものとみることもできます。

こちらに関しては現在導入が進んでいるERPがそれをまさに体現しています。そこで今度は基幹システムとERPの違いとは何であるのかをみていきましょう。

基幹システムとERPの違いとは

システムを使うイメージ
ERPとは正式には「統合基幹業務システム」(Enterprise Resource Planning)と呼ばれるものであり、元は在庫管理の手法であったものを経営規模まで拡大したものです。
そして、大きな特徴なのが名前にもあるように、これまで説明してきた基幹システムと営業システムを統合したことにあります。
つまり、既存のシステムが基幹システムと営業システムを並列的、もしくは個別に使っていたのに対して、ERPは基幹システム+営業システムの形で扱っているということ。
ちなみに両者のシステムを統合しているためERPは基幹システムの一種として分類可能です。

さらに、この特徴は基幹システムとERPとの間に以下のような違いをもたらしています。

システムが成り立っている形が異なっている

上の説明にもあるように、ERPは基幹システムと営業システムを統合したシステムなのですが、統合によって既存の基幹システムとはシステムが成り立っている形が異なっています。

具体的には基幹システムでは会計管理システムなどがそれぞれ独自、もしくは複数で成り立っているのに対して、ERPではシステムを統合しているのですべてを一元管理しているのです。
ですから、ERPではデータベース1つだけでシステムが成り立っています。

なお、これにはデータの入力作業などに掛かる時間の短縮や機器の更新が容易になるメリットなどがあり、扱う情報が増えている今日ではERPの方が魅力的。

ERPではデータを経営に生かすことができる

また、ERPでは一元管理を行っているのでデータを経営に生かすことができます。

これは既存の基幹システムでは入力されたデータは部署ごとのデータで完結するのに対して、ERPでは入力されたデータが紐づけされることでさまざまな部署で連携を行えるため。
これによって経営者は経営に必要なデータを容易に把握できるようになります。もちろんこの経営に必要なデータはリアルタイムで共有可能なのでスピーディさもあり。

このように、ERPなら企業の現状を把握した上で市場に適した行動を即座にとれるので、既存の基幹システムとは対応力において大きな違いを持つことになります。

以上が基幹システムとERPの違いです。

やはりこれほどまでにERPの導入が進んでいるのは既存の基幹システム比べて複数のメリットを持っていることが大きいのでしょう。

基幹システムの導入に向いている企業とは

企業のイメージ

それではERPを含む基幹システムの導入に向いている企業について説明していきましょう。

これまでの説明では、企業にとって基幹システムとは現状無くてはならないものであるのは理解できましたよね。そのため、みなさんの中にはこの基幹システムを導入したいと思っている人もいるでしょう。

ですが、その際には企業がERPなどの基幹システムの導入に向いている企業なのか判断する必要があります。

そこで、基幹システムの導入に向いている企業がどんなものであるのかを以下で説明していきましょう。

業務や経営を効率化したい企業

まず、業務や経営を効率化したい企業には基幹システムが向いてます。

これまで説明したように、ERPに代表される基幹システムであればアナログな時間のかかる手法での処理から、即座に情報を連携できるデジタルの処理へと転換が可能です。

これによってそれぞれの部署で働く人にとってはこれまで行ってきた業務を効率化し、より注力したい業務に集中できます。

もちろん、経営者にとっては企業内の情報を的確に把握できるので、結果として経営の効率化にも繋がっていくでしょう。

グローバルに展開している企業

次に、グローバルに展開している企業にも基幹システムは向いています。

こちらについては、日本国内でのシステムとそれ以外の国でのシステムの違いによって、コストがかさむなどして効率が下がっていると考えられる場合に効果的です。

やはり共通のシステムを利用した方が運用やセキュリティにかかるコストは下がりますよね。ですから、グローバルに展開していることで既存のシステムではコストがかかっているのなら、新しい基幹システムの導入を検討してみるのがよいでしょう。

システムを効率的に構築したい企業

さらに、システムを効率的に構築したい企業にも基幹システムは向いています。

例えば、企業の規模によっては親会社と子会社、グループ企業という括りがありますが、この際に情報を一元管理したい場合などでは2層型の基幹システムの導入がうってつけです。

こちらは親会社がメインの基幹システムを導入し、それ以外には業態に合わせた基幹システムを導入する方法。この方法であれば効率を上げながら、親会社はしっかりと子会社とグループ会社の情報を把握していくことが可能です。

ちなみにこの方法は上のグローバル企業などでも利用可能な方法であり、最近ではこちらを採用している企業も増えています。

以上が基幹システムの導入に向いている企業について。あくまでもこれらは一例ですが、もしこれらに当てはまっているのなら導入を検討してみてください。

ただし、基幹システムを導入する場合にはいくつか注意点もあります。

基幹システムを導入する場合の注意点

注意のイメージ

それでは、基幹システムを導入する場合に注意してほしい点について説明していきましょう。

基幹システムは計画的に導入する

まず、基幹システムは計画的に導入するようにしましょう。

具体的にはどのような目的でどのように業務を効率化していくのかを把握した上で、社内で検討を行っていくことから始めてください。

なお、基幹システムは長期間利用するのが前提であるので、導入後の環境なども加味しながら長いスパンでみていくとよいでしょう。

リスク面やコスト面での対処を行う

次に、基幹システムの導入にはリスク面やコスト面での対処をしっかりと行っていくのが大切です。

具体的にはセキュリティの面での問題や災害の発生によってシステムが止まらないのかといったこと。または基幹システムの導入にどれくらいの費用や、運用コストがかかっていくのかという点などをしっかりと把握していきましょう。

そして、それが適切なのかをしっかりと検討してください。

適した基幹システムを導入する

さらに、適した基幹システムを導入するのが大切です。

具体的には、導入する基幹システムがみなさんの働く企業の業態にあった基幹システムであるのかや、どの程度カスタマイズが可能であるかなど確認していきましょう。

こちらについてのアドバイスとしては、基幹システム導入の計画を行っていく中で、企業の業務の課題と導入する基幹システムに求める機能から検討を行っていけば答えはみつかります。

以上が基幹システムを導入する場合の注意点です。

これらをしっかりと理解し、基幹システムとは何であるのかを認識しながら基幹システムの導入を検討していきましょう。そうすれば企業の業務を改善できるでしょう。

 

システムのイメージ

それでは最後に、今回は基幹システムについてお話しました。これらをまとめると以下のとおり。

  • 基幹システムとは企業活動においてなくてはならないシステムである
  • 基幹システムと業務システムにはシステムが停止した場合の影響度に違いがある
  • 基幹システムとERPではシステムが成り立っている形などに違いがある
  • 基幹システムとは業務や経営を効率化したい企業などに導入するのがよい
  • 基幹システムを導入する場合にはリスク面などで注意が必要である

そして、これらに加えて知ってほしいことがあります。それは基幹システムの型式についてです。実はERPなどの基幹システムは以下のような型式で導入されています。

  • オンプレミス型
  • クラウド型
オンプレミス型は自社内に基幹システムのサーバーなどを置く方法です。こちらはセキュリティ面や自由度の高さなどにメリットを持つ一方で、費用面やコストなどにデメリットを持つ型式。
次に、クラウド型はネットワークを介して自社外のサーバーから基幹システムを利用する方法です。導入時の費用面やサーバーの管理面などにメリットを持っていますが、社外サーバーの利用によるリスクやネット環境が必要であるなどのデメリットを持っている型式。

基幹システムには基本的にこれらの型式があるのですが、今いったようなメリットやデメリットをそれぞれ持っています。

ですから実際に基幹システムの導入を検討する場合には、この基幹システムの型式についても留意する必要があるのです。

基幹システムを導入するならこれらの点も理解して正しい選択をおこなってください。

そうすればきっと、企業にぴったりの基幹システムを導入することができ、業務効率を改善、さらに企業活動の活性化に繋がるでしょう。

【お知らせ】

当メディア(AIZINE)を運営しているAI(人工知能)/DX(デジタルトランスフォーメーション)開発会社お多福ラボでは「福をふりまく」をミッションに、スピード、提案内容、価格、全てにおいて期待を上回り、徹底的な顧客志向で小規模から大規模ソリューションまで幅広く対応しています。

御社の悩みを強みに変える仕組みづくりのお手伝いを致しますので、ぜひご相談ください。

お多福ラボコーポレートサイトへのバナー

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました