DX(デジタルトランスフォーメーション)

今更聞けないERP(統合基幹業務システム)とは?基本や導入方法を解説

ERPのイメージ

これからの時代で企業が業績を向上させていくためにはERPの導入が必須項目ですよね。

2020年に入り日本でも5G通信が開始されAI(人工知能)やIoTなどデジタル技術を本格的に活用できるようになってきました。

ビジネスでもデジタル技術の活用が当たり前の時代に入り、企業でもデジタル時代に合わせた体制刷新が必要になっています。

そのため多くの企業で推し進められているのがDX(デジタル・トランスフォーメーション)。

DXとは企業がデジタル技術を用いてデジタル化を図り、業務の効率化や新たなビジネスモデルを生み出していく考え方のことで、これにより企業はデジタル競争で優位に立つことが可能になります。

そして現在DXによる企業体制の刷新で必須になっているのがERPの導入です。

そこで今回はERPについて基本的な内容やメリット・デメリット、導入方法などについてお伝えします。

ERP(統合基幹業務システム)とは何か

サーバのイメージ

従来型のシステムで業務管理を行っている企業では、会計・販売・在庫購買・生産などの業務を個別にシステム管理していますが、それらを一元化したシステムをERP(統合基幹業務システム)といいます。(※ERPパッケージとも呼ばれています。)
ERPはEnterprise Resource Planningの略で、日本語に訳すと「経営資源計画」という意味。
それは企業活動を統合管理して経営を効率化させるための考え方・手法であり、これをシステムとして実現させたのが統合基幹業務システムのERPです。

ERPは社内の情報を一元管理することで業務の効率化を図り、デジタル時代に求められる迅速かつ臨機応変な体制を実現してくれます。

そして現在、ERPは日本企業にとって必要性が高まっています。

その大きな理由が「2025年の崖」。
2025年の崖とは、2025年以降から起きはじめる巨額の経済損失のことで、その額は2025年以降に毎年最大で12兆円も発生すると予測されています。
その大きな要因になっているのが日本企業のデジタル化の遅れです。

すでに現時点でも日本のデジタル化は出遅れています。スイスのビジネススクールIMDが発表した「デジタル競争力ランキング」では次のような結果がでました。

  • 第1位アメリカ
  • 第2位シンガポール
  • 第3位スウェーデン
    ・・・
  • 第10位韓国
  • 第13位台湾
  • 第22位中国
  • 第23位日本
この結果からも分かるように日本はデジタル化で欧米やアジアの中でも後塵を拝している状況です。

そして情報セキュリティ専門企業のNRIセキュアテクノロジーズが行った「企業における情報セキュリティ実態調査2019」では、次のような調査結果が出ています。

  • アメリカ ・・・85.3%
  • シンガポール・・・85.6%
  • 日本 ・・・39.2%

この調査はDXへの取り組み状況について、「デジタル競争力ランキング」で1位、2位だったアメリカ・シンガポールの企業と日本の企業を対象に行われました。(この調査の対象にアメリカとシンガポールが選ばれた理由が「デジタル競争力ランキング」と関係しているかは不明です。)

結果からはDXを推進している企業がアメリカ・シンガポールで85%を超えているのに対して、日本は39.2%という状況。

この2つの調査結果からも分かるように日本企業のデジタル化が遅れているのは明らかであり、このままでは世界のデジタル競争で脱落し2025年の崖は現実のものになるでしょう。

そのため現在の日本企業にとってDX化は急務であり、デジタル化へ大きく前進させてくれるのがERPの導入なのです。

今注⽬のクラウドERPとは

クラウドERPのイメージ

ERP(統合基幹業務システム)は大きくオンプレミス型とクラウド型に種類が分けられ、中でもクラウド型のクラウドERPに注目が集まっています。

オンプレミス型は自前でシステムサーバやネットワークなどを設備し、その後の保守管理も自社で行っていく方式です。そしてクラウドERPはクラウドサービスで利用します。
クラウドサービスとはインターネット経由で外部のハードウェア(サーバなど)からソフトウェアやデータなどを利用できるサービスで、インターネット環境さえあればどこからでも利用できます。
オンプレミス型の場合は導入コストが高額で運用開始までに時間がかかりますが、クラウドERPは月額数万円から利用でき、オンプレミス型よりも早期の運用開始が可能。

また運用後の保守管理を行う必要がないので業務の負担が軽減できます。そのためERP市場ではクラウドERPの導入が堅調な伸びを見せているのです。

株式会社矢野経済研究所の調査結果では、2018年にERP導入全体のうちクラウドERPが占める割合は28.8%でしたが、2020年に48.4%になり2021年には63.5%まで伸びると予測。

これは現在世界中がコロナ禍である状況の中でリモートワーク・テレワークが広がりはじめ、そこでインターネット環境さえあれば場所を選ばず利用できるクラウドERPの利便性の高さに注目が集まっているからです。

また電子情報技術産業協会(JEITA)はリモートワーク・テレワークなどの「ITリモート市場」が2020年で14.8%に成長し、これから10年間で約4倍にも拡大していくと予測しています。

そのためリモートワーク・テレワークの広がりと同じくして、今後ますますクラウドERPへの注目が高まり導入数も増えていくでしょう。

ERPを導⼊するメリットとデメリット

メリットデメリットのイメージ

これからERPの導入を検討している企業にとって、まず知りたいのはERPのメリット・デメリットではないでしょうか。

ここではERPの主なメリット・デメリットについて紹介します。

ERPのメリット

ERPのメリットは主に3つあります。

  • 社内で分散管理されていたデータを一元管理できる
  • 情報共有が容易になり業務効率が向上し、情報活用が促進する
  • 経営状況が可視化され分かりやすくなり、迅速な意思決定を可能にする
3つの中で重要なメリットは「データの一元管理」。

社内データや業務を一元管理することで情報共有が容易になり、その他のメリットである業務の効率化・情報活用の促進・経営状況の可視化・迅速な意思決定が行えるなどの派生効果を生みます。

そしてこれらのメリットによって、デジタル競争で必要な迅速かつ臨機応変な企業体制が実現できるのです。

そのためERPの実力を最大限引き出している大きなメリットは「データの一元管理」だといえます。

ERPのデメリット

ERPのデメリットには「導入と運用のために必要なコスト」や「セキュリティリスク」など、複数のデメリットがあります。
中でも重視しなければならないデメリットが「ERP選定の難しさ」です。

現在ERPはさまざまな種類が提供されており、ピンポイントで自社に適したERPを選定するのは難しい面があります。しかし選ぶERPによって運用の成功を左右するのでとても重要なポイント。

そこで次はその辺りも踏まえてERPを導入する手順について紹介しましょう。

ERPを導⼊するための⼿順

導入を考える人のイメージ

ERPの導入は主に次の手順で行っていきます。

手順1 導入体制を整える

ERP導入を成功させるため最初に行うのが導入体制の構築です。

まず各部署から担当者を選任してプロジェクトチームを結成しましょう。

プロジェクトチームの役割はERP導入の実現に向けて手法やルールを具体的に取決め、経営陣や各部署間の連携と調整を行い、全社を巻き込んだ導入体制を整えて導入を推進していきます。

手順2 現状の課題を洗い出し、導入目的を明確にする

導入目的を明確化するためには、まず現状を分析して課題を抽出しそこから導入目的を導き出します。

ERP導入の成功とは目的が達成されたかどうかで判断されます。そのため導入目的の明確化はERP導入プロジェクトの指標となるので重要です。

手順3 ERPを選定する

手順2で行った結果をもとにして、自社の導入目的に合ったERPを選定します。

この選定では次のポイントを参考に選びましょう。

  • 予算内に収まること
  • 機能のカスタマイズ性、もしくは追加機能の有無
  • セキュリティが万全である
  • サポート体制が充実している

「ERPのデメリット」でお伝えしたようにERPの選定は難しいです。

しかし手順2で細かく現状を分析して導入目的を明確にすれば方向性が決まり、4つの選定ポイントを踏まえれば自社に適したERPを絞りやすくなります。
どのERPを選ぶかが運用の成功を左右します。そのため手順2・手順3は慎重に行いましょう。

手順4 導入に向けた準備する

導入するERPを選定できたら、導入準備をはじめます。

ERPの運用開始直後には現場の混乱が予想されるので、各部署との調整を行い導入実行日までのスケジュールを立て公開します。

そして運用のためのマニュアル作成やトレーニング・研修を実施し、導入実行に向けて準備を整えましょう。

手順5 ERP導入の実行

導入時に不具合が出る場合があるので、事前に対処法を周知しておきましょう。

今回紹介したのは基本的なERPの導入手順です。そのためこれを参考に自社に適した手順を考案してみましょう。

ERPを導⼊した後に注意すること

注意のイメージ

ERPを導入した後の注意点は、ERPの導入が終わればプロジェクトも終了するわけではないことです。

先ほども申し上げたようにERP導入の成功は掲げた目的が達成されたかどうか。そのためERPの運用開始が本当のスタートになります。
そして運用後に行っていただきたいのが、定期的な評価と見直しです。

導入目的を達成できたとしても、それを維持するためや向上させるためには必要な作業なので行ってください。

 

システムのイメージ

従来では会計・販売・在庫購買・生産などを個別にシステム管理するのが当たり前でしたが、それらを一元管理することで業務の効率化を図れるシステムがERP(統合基幹業務システム)です。

ERPはデジタル競争で必要になる迅速かつ臨機応変な企業体制を実現してくれます。

ERPの種類にはオンプレミス型とクラウド型があり、中でもクラウド型のクラウドERPに注目が集まっています。

その理由は現在のコロナ禍でリモートワーク・テレワークの広がりとともに、インターネット環境さえあれば場所を選ばず利用できる利便性の高さがあるからです。

そのためこれから、ますますクラウドERPの導入数が増えていくでしょう。

そしてERPの導入にはメリット・デメリットがあります。

メリットの中で一番重要なのが「データが一元管理できる」です。

ERPはこれまで分散管理されていたデータを一元管理することで情報共有が容易にし、業務の効率化・情報活用の促進・経営状況の可視化・迅速な意思決定が行えるなどの派生メリットを生み、デジタル競争に通用する企業体制へと刷新してくれます。

またデメリットは「ERP選定の難しさ」が大きなポイントで、選ぶERPによって運用の成功が左右されるので注視が必要です。

そしてERPの主な導入手順は次の通りです。

◎手順1 導入体制を整える
◎手順2 現状の課題を洗い出し、導入目的を明確にする
◎手順3 ERPを選定する
◎手順4 導入に向けた準備する
◎手順5 ERP導入の実行

この中で特に手順2・手順3はデメリットの「ERP選定の難しさ」を抑え、運用の成功を左右するほど重要なので慎重に行いましょう。

導入が終わると運用開始がERPの本当のスタートです。

運用後に導入目的を達成しても、それを維持・向上させるために定期的な評価と見直しを行いましょう。

これから企業にとってERPは必要不可欠になってきています。

その大きな理由は、これから本格的になるデジタル競争で優位に立つために大きな役割を担ってくれるからです。

ERPの導入が行われていない企業はまだまだ多いですが、デジタル競争で勝ち残るためにも早期のERP導入を実現しましょう。

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