DX(デジタルトランスフォーメーション)

検品業務でのDXソリューション!画像認識を使った作業効率化とは

検品業務でのDXソリューション!画像認識を使った作業効率化とは

もの作りの現場である工場では、必ず検品作業がありますよね。そこで活躍するツールとしてAI(人工知能)による画像認識が急激に普及しています。AI(人工知能)の画像認識は、出荷前の最終工程ですべての完成品を画像に取り込んでキズや不純物、不良品などを検出するために活用します。

検品で画像認識を使えば、従来手間と時間がかかっていた検品作業が短縮されるため、作業効率が大幅にアップします。この記事を読めば、画像認識を活用した作業についてお伝えするので、検品作業のさらなる効率化に役立つに違いありません。

そこで今回は、従来の検品作業と画像認識の違い、画像認識の仕組みやメリット・デメリット、さらに画像認識による検品作業の将来について、お伝えします

従来の検品業務の問題とは

目視でのチェックのイメージ

従来の検品業務は、目視や手作業で一つ一つ人が行ったり属人的な方法が主でした。人が行う場合は、時間も手間もかかるうえ、長時間の検品は疲労により精度が落ちたり、見落としのリスクが生じます。くわえて、スキルによって精度にばらつきが起きやすいのも問題でした。

そうした中、検品で画像処理の技術が使われるようになりました。しかし画像処理は、人が画像のノイズ除去、コントラスト強調などの処理をし、色や形から特徴量の抽出を行い、最後に形状検査で異常の有無を判定する、という複雑な工程を踏む必要があります。このアルゴリズムの開発と作成は、キャリアを積んだエンジニアでないとできないため、非常に時間とコストを要します。それでも、人が特徴量の抽出を行うと情報が欠落することもあり、検出ミスや曖昧な画像は認識不可という問題を抱えていました。

このような背景があり、効率化のためにも製造業の多くが、検出精度が高く、しかも多くの人手を必要としないシンプルな検品ツールの登場を心待ちにしていたのです。

画像認識を活用した場合の検品業務とは

画像認識のイメージ
この流れで開発、導入されたのが、AI(人工知能)による画像認識技術。AI(人工知能)のディープラーニングは、撮影した大量の製品画像の特徴点を自動抽出し、瞬時に異常がないかを判別します。

メーカーにとって不良品を出荷することは決して許されず、時に命取りとなります。製造の最終プロセスの検品では、おびただしい数の中からたとえわずかであっても不具合のある製品はすべて取り除かねばなりません。よって従来の検品業務とは一線を画した画像認識が開発、実装されるようになったのです。

その活用範囲は実に広く、目視では分からないネジやボルトの微細なキズ、髪の毛や糸くずなどの小さな不純物などを検出できるようになりました。従来の検品技術とは異なり、ほぼ100%に近い精度の高さを誇るため、多くの製造業のDXに役立てられています。

そもそも画像認識ってどんな仕組み?

ディープラーニングのイメージ

AI(人工知能)の画像認識は、人の脳の機能を模したニューラルネットワークが基盤となっています。ニューラルとは、「神経系」を意味します。人の脳内では、ニューロン(神経細胞)が送る電気信号である情報をニューロン同士をつなぐシナプス(神経回路網)が仲介しています。このシナプスの強さが情報の伝わりやすさと比例する仕組みになっています。

この仕組みをベースとしたディープラーニングが画像認識に活用されています。ディープラーニングは、深層学習ともいいニューロンに匹敵する多層のノードをシナプスに匹敵するエッジが結び、莫大な情報をパターン化して処理する仕組みのことを指します。ノードを幾重にも重なるように(深層)を増やしたため、情報分析能力が飛躍的に向上し、複雑な情報にも対応できるようになりました。

この機能により、AI(人工知能)の画像認識で多いときは何千万~何億枚という膨大な画像データを読み込ませると、人が手を出さずとも特徴量を自動抽出してパターン化できるようになりました。

これは、人が同じ様な(動物や風景など)画像やシーンを何度も見ていると、自然とその特徴を捉えて記憶できるようになるのと似ていますよね。よって例えば、多くの犬の画像を画像認識を使って読み込ませると特徴を自動でパターン化し、多くの動物の画像から犬だけを抽出することができます。また、多くの犬の画像から特定犬種のチワワだけを選びだすことも可能です。この機能は、異常な特徴を持つ製品だけをはじくという検品作業にはうってつけです。

しかもAI(人工知能)の画像認識は、回を重ねるごとに精度が増すので、使えば使うほど、さらに高度な認識能力を発揮します。よって、異常を見つける検品にとってはまさにピッタリとも言えるでしょう。

検品業務で画像認識を活用するメリット

効率のイメージ

では、検品業務で画像認識を使うメリットについて解説します。

メリット1:「検品ミスが減る」

検品における画像認識の精度は、ほぼ100%です。ある冷凍食品メーカーでは、画像認識導入により、月10件ほど発生していた出荷ミスがゼロになりました。この精度の高さは従来の検品業務と比べて格段の差があるため、大幅に検品ミスを減らすことができます。

メリット2:「作業効率が向上する」

画像認識の検品スピードは、わずか数秒のため、人が行っていた従来の検品作業と比べると格段に速くなります。あるプレス加工企業では、画像認識を活用することで検査の作業時間が40%も削減できました。この差はとても大きいですよね。

メリット3:「人件費が削減できる」

画像認識による検品は、人材不足解消にも大いに寄与します。人が一つ一つ行っていた検品作業がすべて自動化されるので、人員を大幅に減らすことができ、人件コストの削減が実現できます。あるEC企業は画像認識導入で20%の人権コスト削減に成功しました。

メリット4:「取引先からの信頼度が高まる」

画像認識の活用によって検品ミスがなくなると、取引先からの信頼度が改善されます。不良品検出の精度が上がり、出荷ミスの減少が続けば、他社からの引き合いも増え、製品の採用率が高まることで業績アップにもつながるでしょう。

検品業務で画像認識を活用する場合のデメリット

セキュリティのイメージ
一方で、検品業務で画像認識を使う際にはいくつかデメリットがあります。それについて解説しましょう。

デメリット1:「導入コストがかかる」

検品業務で画像認識を行うためには、専用のコンピュータやソフト、カメラなどの導入コストがかかります。検品の内容や規模にもよりますが、少なくとも数十万円は見込んでおく必要があるでしょう。

デメリット2:「人材の確保が必要になる」

画像認識は、AI(人工知能)に画像を読み込ませて学習させる必要があります。また、その学習結果が目的にかなっているかの検証も必要です。そのため、画像認識のためのソフトやハードを使いこなせるIT人材の確保が必要です。この場合は社内で自在を育てるか外部から採用するなどの対策が必要となるでしょう。

デメリット3:「情報漏洩リスクがある」

画像認識は、膨大なデータを処理するため、その保管先としてオンプレミスかクラウドで外部委託することになります。とくにクラウドの場合は、情報漏洩のリスクが高まるため、あまりコストを惜しまず優秀なベンダーを選択することが大切です。

検品×画像認識で今後業務はどう変わっていくのか

デジタル化のイメージ

ミンク経済研究所の予測によると、AI(人工知能)による画像認識の市場は、2018年に53億円だったものが、年平均成長率95.1%により2023年には1500億円に達するといわれています。自動車や電車の自動運転技術、ビルや住宅、街中のセキュリティ、スーパーなど小売店のマーケティング、インフラの点検業務など、画像認識を活用する企業や自治体は続々と増えています。

もちろん工場や倉庫の検品業務も莫大で、その量は年々増加する一方のため、DXの推進が必要です。それを後押しする存在として画像認識の重要度は増していくに違いありません。

まとめ
さて今回は、従来の検品作業と画像認識の違い、画像認識の仕組みやメリット・デメリット、さらに画像認識による検品作業の将来について、お伝えしました。

従来の検品業務は、目視や人による画像処理が主な方法でした。とくに画像処理は人が画像から特徴量を抽出してアルゴリズムを作成する手間が大変ですが、その割に検出ミスや曖昧な画像が判別できないなどの問題がありました。

その点、AI(人工知能)の画像認識は、ディープラーン二ングにより大量の画像を読み込み、特徴量を自動抽出できるため、人が手を出さずとも細やかな画像判定が可能です。また回を重ねる度に精度が上がって行く点も従来にはなかった画期的な機能です。

画像認識のメリットは、「検品ミスが減る」「作業効率が向上する」「人件費が削減できる」「取引先からの信頼度が高まる」の4点です。一方デメリットは、「導入コストがかかる」「人材の確保が必要になる」「情報漏洩リスクがある」の3点です。

画像認識の需要は、増加の一途をたどっており、自動運転や顔認証など、全世界的に注目を浴びています。そのため、画像認識による検品作業もますまず精度が上がり、DXの一種として今後のさらなる発展が期待されます。国内にも画像認識の世界的企業が複数存在するため、さらに秀逸な日本発の検品業務サービスの登場が待たれるに違いありません。

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