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スポーツジムもIoTで効率化を進めよう!フィットネス系のDXとは

スポーツジムもIoTで効率化を進めよう!フィットネス系のDXとは

運動不足になると、体重の増加や体力の衰えが気になりますよね。そうなると、筋肉をつけたり減量のために、スポーツジムやフィットネスクラブに通う人も多いはず。

そんなスポーツジムやフィットネスクラブでも、最近ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が導入されつつあります。DXとは、新しいデジタル技術を活用したて製品やサービスの変革を指しますが、そもそも体を鍛えることを目的としたアナログ的なスポーツジムとデジタルとは、かけ離れたイメージがあるかもしれません。

でもデジタル化によって、今まで不便だと感じていたことが解消されたり、新しいサービスが追加されれば、スポーツジムへの満足度が高まり継続へのモチベーションも上がるでしょう。この記事では、DXにより進化しつつあるスポーツジムをご紹介するので、これからのジムのあり方について学べるに違いありません。ぜひ、DXによって変わる今後のフィットネス業界についても一緒に考えましょう。

そこで今回は、スポーツジムではどんな技術やツールでDXを進めているのか、それによりどんなメリットがあるのか、実際の事例を交えてお伝えします。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

スポーツジムのイメージ

最初に、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何かを説明します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、「進化するITテクノロジーが、人々の生活をより良いものへと変化させる」というものです。もともとは2004年にスウェーデンのウメオ大学教授、エリック・ストルターマン氏によって提唱されました。

その後、日本でも経済産業省が推奨してDXへの関心度が高まりました。ちなみに、日本においては次のような概念が一般的です。

「DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、AI(人工知能)やIoTなど最新のデジタル技術を活用して、ビジネスモデルを変革しながら新しい価値を生み出し、競争上の優位な立場を確立すること。」

つまり、DXとは単にAI(人工知能)やIoTなどを導入することではなく、それによって製品やサービスをより良いものにして、日々の生活をあらゆる面で豊かにすることを指します。

こうしてみると、DXは何だか難しそうに感じますよね。しかし、コンサートや新幹線のチケットをオンライン上で購入できたり、銀行に出向かなくても取引できるインターネットバンキングなどはDXの身近な例でしょう。

このように、私たちの生活に徐々に浸透しつつあるDXですが、導入のメリット・デメリットについても次で見ていきましょう。

DXのメリット・デメリット

デジタルのイメージ

DXを進めれば、以下のようなメリットが得られます。

メリット1:働き方改革が実現する

デジタル化によって作業を自動化すれば、単純な人的ミスが減り、業務の生産性や正確性が向上します。これにより業務が効率化され、従業員の定時退社も実現するでしょう。

メリット2:新しい製品やサービスを開発できる

クラウドやAI(人工知能)、IoTなど様々なテクノロジーを組み合わせて、大量の情報を収集することで、新規事業や新サービスの開発もスムーズに進みます。日本ではUberEatsが良い例で、オンライン決算による利便性と、食事を気軽に届けてもらうという新しい体験が急成長につながっています。

メリット3:市場の変化に対応しやすくなる

特に日本では、台風などの自然災害が多く市場の予測が難しいため、企業は市場変化に合わせた柔軟な対応が求められます。DXを実現すれば、すべてがデジタル上で取引できるので、サービス内容や提供方法など変化に適応しやすくなります。

メリット4:競争優位性を高める

日本では、DXを進めていない企業がまだ多くあります。そんな中で、DXを実現してビジネスモデルを変革させれば、他の企業に対して優位性を担保できるでしょう。

しかし、DXには以下のようなデメリットもあります。

デメリット1:効果が出るまでに時間やコストがかかる

DXを導入しても、結果が出るまでに3年~5年程度かかると言われています。しかもその間、資金や人材、モノへの投資が必要となるので、長期的目線で予算計画を立てる必要があります。

デメリット2:既存システムからの移行が難しい

DXは全社を挙げて取り組むことが大前提なので、社内の全データを統一する必要があります。そのため、既存システムから新しいシステムへ移行する場合、作業内容などが大きく変わり、社内から反発を買うことも少なくありません。そうならないためにも、DXの目的をよく説明し、社内全体で取り組める体制づくりが求められます。

ここまでDXについてお伝えしましたが、スポーツジムでもこのようなDXが実現できるのかを次で考えましょう。

スポーツジムでもDXできるの?

スポーツのイメージ

スポーツジムで大切なのは、顧客に満足してもらいながら長期的に通える環境づくりです。しかし、スポーツジムの利用者は、通い始めこそモチベーションが高くても、長く通ううちに「行くのがめんどう」とモチベーションが下がる人も少なくありません。

こうした利用者のモチベーションを維持するには、人の力だけでは限界があります。なので、スポーツジムのDX化を図り、利用者が通いたくなるしくみをつくる必要があります。
たとえば、AI(人工知能)を搭載したトレーニング機器を導入すれば、自分のトレーニングデータが可視化され蓄積されます。これにより、筋トレの効果が目に見えるだけでなく、効果が表れない人には、マシンの負荷が足らないなど原因が明らかになります。なので、「もう少し頑張ろう!」と前向きになれるでしょう。

また、せっかくスポーツジムに行っても、混雑してお目当てのマシーンが使えなかったり、マシーンの使い方がわからないこともありますよね。でも、スマホアプリなどを活用すれば、施設の混雑状況やトレーニング機器の効果的な使い方もすぐに表示され、通いやすい雰囲気づくりができます。

こうしたデジタル化が進めば、施設スタッフの仕事も効率化され、空いた時間に顧客と丁寧なコミュニケーションが取れるでしょう。さらに、デジタル化で得たデータはスポーツジムにとっては宝の山です。改善すべきことが見えてきて、今後の利用者サービスの向上につながります。

このように、スポーツジムも様々な角度からデジタル化を進めればDXが実現し、利用者にとっても運営側にとっても、たくさんのメリットが得られるに違いありません。

フィットネス系のDX事例

フィットネスのイメージ

それでは、実際にスポーツジムにDXを取り入れた事例をご紹介しましょう。

予約システム導入で会員の悩みを解消!

スポーツジムの入会手続きや各種予約は、利用者にとっては煩わしいですよね。施設スタッフも電話応対などで、業務が中断されることも多いでしょう。そこで開発されたのが予約システムの「hacomono」です。

hacomonoなら、予約や決済がオンライン上で完了するので、利用者が直接店に出向く必要がない上、電話や紙による手続きが効率化されるので、スタッフの業務も削減されます。しかも、利用者ごとに配布されるQRコードを示せば、そのまま入館できるのでフロント業務も不要になります。

実際に、総合フィットネスクラブ「スポーツクラブNAS」では、hacomonoによる予約システムを導入しています。スポーツクラブNASでは、「スタジオレッスンに参加したくても、定員制により来館するまで参加できるかわからない」、「常連さんが場所を確保して新しい会員が入りづらい」などの課題がありました。

しかしhacomonoを導入したところ、予約の空き状況が一目でわかり、誰でもどこからでも予約可能になったので、皆が平等にレッスンに参加できるようになりました。それに、予約済なら並ぶ必要もないので安心して来館できますよね。

さらに、施設側もhacomonoから得たデータにより、プログラム別の人気度や年齢層などを集計して、今後のプログラム構成に役立てています。

トレーニング内容を可視化してジムに通うモチベーションをアップ!

スポーツジムのマシントレーニングは、一人で集中して黙々と行う人が多いですよね。でも、通うことに何らかの価値がなければ継続にはつながりにくいでしょう。

そこで「Studio TRIVE」(株式会社HGプランニング運営)は、トレーニングの価値や効果を高めるために「Advagym(アドバジム)」を導入し、会員がどこにいても施設と繋がるしくみをつくりました。

Advagymとはフィトネス施設のITサービスですが、会員だけでなく運営側にとっても様々なメリットをもたらすアプリです。たとえば、会員はマシンに設置した専用センサーに、Advagymアプリをダウンロードしたスマホをかざすだけで、トレーニング内容を自動で記録できます。自分のスマホにも運動履歴が残せるので、目標を設定したり自分の成長も可視化でき、トレーニングへのモチベーションが上がるでしょう。それに、Advagymは既存マシンにも対応できるので、施設にとっても導入しやすいのが特徴です。

またAdvagymには、マシンの使い方や海外インストラクターのトレーニング動画も配信されるので、スタッフがいなくても自分のペースでトレーニングができます。その分、「Studio TRIVE」ではパーソナルトレーニングを重視して、Advagymから最新プログラムやコメントを配信するなど、会員一人ひとりとのコミュニケーションを深めています。

このように「Studio TRIVE」では、他のジムとの差別化を図ることで、Advagym導入後のアプリ登録会員は数日で110名に。今後は、Advagymのプッシュ通知で、トレーニングメニューなどメリットある情報を会員に配信して、ジムに足を運ぶきっかけをつくるのだとか。

いつでもどこでも、スポーツジムのトレーニング習慣をサポート!

リモートワークが進む中、自宅でもジム感覚で体を動かしたい人は多いですよね。そんな人のために、「ルネサンススポーツクラブ」では「BeatFit for Gym」を導入。「BeatFit for Gym」とは、どこでも運動習慣が身に付くスポーツジム会員向けのアプリです。

もともとフィトネスアプリとして利用されていた「BeatFit」は、筋トレ、ヨガ、ランニングマシン、ウオーキングなど12ジャンル650以上のクラスから、会員が自宅でも行えるコンテンツを提供していました。また、初心者にもわかりやすいガイドで、1回3分からとちょっとしたすきま時間にも使えるので、ジムに行けなくても無理なく運動習慣が身に付きます。

「BeatFit for Gym」は、この「BeatFit」コンテンツに加えて、会員向けの限定コンテンツ配信やイベントも実施。さらに、テレワークの合間に体験できるマインドフルネスや、睡眠前の瞑想コンテンツなども充実しているので、メンタル面のサポートもできます。

ルネサンススポーツクラブでは、こうした「BeatFit for Gym」を利用して、日常生活に溶け込む形で会員の健康維持を後押ししています。さらに「BeatFit for Gym」を活用すれば、会員がジムにいない時間でも接点を持てるので、解約兆候を見つけやすくなり、トレーニングの継続を促すことも可能になりました。

ここまで、スポーツジムのDX事例をご紹介しましたが、他の業界でも新しいテクノロジー技術を使って様々なDXを進めています。そこで次に、スポーツジムでも実用できそうなDXがあるかを考えましょう。

その他スポーツジムで活用できそうなDXとは

予約のイメージ

このところホテルや飛行機などは、季節やイベントによって価格が異なる価格変動制を取り入れるところも増えています。確かに、空いている時に利用すれば安くなるというしくみは消費者を引き付けますよね。

さらに、最近では、AI(人工知能)などを使って需要予測を行い、より高頻度に価格を変える動きが広がっています。

ですから、月額料金が決まっているスポーツジムでも、混雑する時間帯は価格を上げ、利用者が少ない時間帯には価格を下げるなどのしくみを取り入れれば、DXにつながるでしょう。

たとえば、過去のデータからAI(人工知能)に来館者を予測させ、需要と供給に合う価格を曜日や時間帯別に細かく設定します。そうすれば、決まった時間帯に人が集中することが少なくなり、会員のストレスも軽減されるに違いありません。

それに、入館時にQRコードで読み取ると1時間あたりの料金が表示されるなど、目に見える形で様々な工夫を行えば、安価で利用できた日は得した気分になりますよね。さらに施設側も、常に収益を最大化できる価格を表示できるので、安定した経営が見込まれます。

この他にも、まだ誰も思いつかない技術でスポーツジムのDXが実現するかもしれません。

スポーツジムなどフィットネス系のDXの今後

トレーニングのイメージ

では最後に、スポーツジムやフィトネスクラブのDXは、これからどのように進化するのか考えましょう。

健康志向の高まりとともに、今後スポーツジムの会員はますます増加すると予想されます。それにともない、スポーツジムのデジタル化も進み、AI(人工知能)など最新テクノロジーを活用する場面は増えるでしょう。

たとえば、受付業務や基本的な作業などはAI(人工知能)に任せれば、人はパーソナルトレーニングなど、対人スキルが必要な部分でもっと活躍できるに違いありません。「今日は頑張ってますね」など、トレーナーから直接声をかけられるだけでも、前向きになれますよね。

その一方で、自宅でのトレーニングは、AI(人工知能)がサポートする時代になるかもしれません。

実際に中国では、自宅にいながら正確な指導が受けられる家庭用「スマートAIフィットネスミラー」が登場しています。これは、等身大の鏡面ディスプレイにインストラクターの動画と自分の全身を映し出して、自分のフォームを確認するというもの。

代表的な機能はバーチャルインストラクターです。これは、フィットネスミラーに組み込まれた3Dディープラーニングカメラが、リアルタイムでユーザーの全身3D運動データをキャプチャし、フォームが正確かどうかを指摘してくれます。システムには1500以上の練習モードがあるので、ユーザーはAI(人工知能)インストラクターからアドバイスを受けながら、正しいフォームを学べます。まさに、スポーツジムが自宅にあるような感覚ですよね。

このようにスポーツジムのDXによって、将来は、自宅にいる会員にもジムと同じクオリティでトレーニングの提供が可能になるかもしれません。トレーニング方法が多様化する中、スポーツジムのDXはますます注目されるでしょう。

まとめ

さて今回は、スポーツジムやフィトネスクラブで進むDXの事例をお伝えしました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、AI(人工知能)やIoTなど最新のデジタル技術を活用して、製品やサービスをより良いものにしながら日々の生活を豊かに変えることです。

ですから、スポーツジムでも、最新のテクノロジーを活用して利用者の利便性を高めれば、顧客満足度が高まりモチベーションも上がるでしょう。さらに、集めた顧客データをうまく活用すれば、利用者ニーズに沿った新しいサービスも打ち出せます。

今回は、実際にスポーツジムが行うDXとして、以下のような事例をご紹介しました。

  • 予約システム「hacomono」の導入で、会員の悩みを解消した「スポーツクラブNAS」
  • トレーニング内容を可視化する「Advagym(アドバジム)」アプリの活用で、会員のモチベーションをアップさせる「Studio TRIVE」
  • どこでも使える「BeatFit for Gym」の導入で、ジムのトレーニングを習慣化させる「ルネサンススポーツクラブ」

ここでご紹介したDX事例はほんの一部ですが、今後もスポーツジムのDXはますます進むと予想されます。そして、AI(人工知能)がジムの受付代行したり、バーチャルインストラクターとなって、自宅でのトレーニングサポートをする日も近いでしょう。

これからは、消費者ニーズの多様化とともにジムの利用方法も大きく変わるかもしれません。しかし、スポーツジムのデジタル化を進めていれば、どんな変化にもすぐに対応でき、新しいサービスを展開できるに違いありません。

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