現代社会における技術の発展としてAI(人工知能)やIoT、ロボット技術が誕生して大きな進歩を辿っています。
ビジネスの世界においては、それらの技術を駆使することで大きな変革を起こせるDX(デジタル・トランスフォーメーション)が注目を浴びています。実は皆さんもよくご存知のAmazon、Microsoft、メルカリなどはDX(デジタル・トランスフォーメーション)の導入で大きな成功を掴んでいるとのこと。
そんなDX(デジタル・トランスフォーメーション)導入して成功すれば、会社を大きく成長させられるかもしれません。そうなると、DX(デジタル・トランスフォーメーション)について興味がわきますよね。
そこで今回は、ビジネスの世界で注目を浴びているDX(デジタル・トランスフォーメーション)の基本をまとめて紹介します。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)はずばりどんな意味か
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とはAI(人工知能)やIoT技術と言った最先端技術を活用し、新たなサービスやビジネスモデルを展開、コスト削減、業績UPなどを試みる施策を指します。
つまり、DX(デジタル・トランスフォーメーション)は単純にAI(人工知能)やIoT技術を便利なシステムだから、また他社で成功した事例だからと言って安易に取り入れられるような施策ではありません。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)をもっと詳しく説明
ここでDX(デジタル・トランスフォーメーション)の知識を深めるために、その歴史を含めてもっと詳しく説明します。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の発祥は2004年にスウェーデンのウメオ大学で働く教授が「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と唱え、その概念が誕生しました。
そしてその動きから様々な国の企業がDX(デジタル・トランスフォーメーション)の導入を試みはじめ、一流企業での成功事例が生み出されたのです。
我が国、日本では2018年に経済産業省が「DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進ガイドライン」を用意することで、国がDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推奨しています。
日本国内における前向きなIT投資を行う会社は少なく、このままでは海外企業との競争力を落としてしまう可能性があるため、このDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進ガイドラインが生まれました。
「DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進ガイドライン」とはDX(デジタル・トランスフォーメーション)の実現とデジタル技術導入にあたり経営者が抑えるべき事項を明確にしたものです。この内容については後ほど解説します。
そもそもなぜDX(デジタル・トランスフォーメーション)なのか
DX(デジタル・トランスフォーメーション)がなぜここまで注目されているのかと言うと、大企業でのDX(デジタル・トランスフォーメーション)の導入で成功の印象が大きいですが、他にも大きな理由があります。
特にAmazonがDX(デジタル・トランスフォーメーション)の導入で構築したワンクリックで商品を購入できるシステムでもわかるように今までにないスピード感、革新的なサービスに太刀打ちしていくには革新的な方法で対応するしかありません。
また市場で求められるレベルや内容が変われば、もちろん企業の戦略や組織のあり方にも変化や革新がなければいけないでしょう。そこでDX(デジタル・トランスフォーメーション)の登場です。最先端のデジタル技術を駆使することで、これからの企業競争に勝ち残れる可能性を見いだせるに違いありません。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の事例
それでは、次にDX(デジタル・トランスフォーメーション)の成功事例をピックアップします。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の事例「モバイルアプリで販売促進を実現させたスターバックス」
世界規模でコーヒーのチェーン店を展開するスターバックスはモバイルアプリ「Starbucks Rewards」の導入によってDX(デジタル・トランスフォーメーション)を成功させました。
これによりどんどんと蓄積されたデータが強化学習システムにより顧客のニーズを的確に把握し、最適な提案を行うので、営業や宣伝部門の作業効率が劇的にUPしました。実際に、2019年にアプリを導入し前年比約10%の売上増となったとのこと。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の導入で、さらなるスターバックスファンの増加、集客率UPなど効果を上げていると言えるでしょう。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の事例「RPAを導入した日本通運」
物流業界最大手の日本通運はRPAを積極的に導入することで大きな業務改善を実現させました。
日本通運はRPA導入前、単純作業、事務処理などは社員や派遣社員に対応させており、繁忙期には業務が膨れ上がり残業が目立つなんて問題を抱えていました。
しかしRPAの導入により、発注業務や支払業務の自動化を進め、2018年から1年程度の導入実績としてはロボットを100台程度導入し、年間60,751時間の業務時間削減を実現。
さらに今後の展開として2021年度末までには投資額数100億円相当を見込み、累計500台のロボットを導入、そして業務における作業時間を100万時間削減することを目標に掲げています。
それだけの時間を削減できれば将来的な人口減少、人材の確保の対策としても効果がありますよね。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)のメリット・デメリット
それでは実際にDX(デジタル・トランスフォーメーション)を導入することで、どのようなメリット、またデメリットがあるのか説明します。
導入した際に大きなメリットが期待できる反面デメリットも付いて回るため、どちらもしっかりと理解した上、進めましょう。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)を導入することのメリット
DX(デジタル・トランスフォーメーション)を導入するメリットとして、次のようなことが挙げられます。
効率性・生産性・精度の向上
デジタルを導入することで、これまで分散していたワークフローを統合しタスクを自動化できます。優先度や重要度が高いタスクに集中することで業務効率化UPするでしょう。
市場の変化に柔軟な対応ができる
例えば多くの業界で市場の変化やこれまでと違ったビジネスのスタイルに変化したときでも、デジタルを導入すればITツールなどの活用がすぐにできるため業務への影響が少なくなります。このため、世の中の変化にも対応しやすくなるでしょう。
新商品・サービスの開発につながる
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の目指すところはIT技術の駆使ではなく、それらをうまく活用し新しいサービス、商品、ビジネススタイルを生み出すことです。このためデジタルを導入すれば、デジタルを使った新しいビジネスへ参加しやすくなるに違いありません。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)を導入することのデメリット
一方、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を導入するデメリットも解説します。
コストがかかり、すぐには効果がでない
DX(デジタル・トランスフォーメーション)ではIT技術など大掛かりな投資が必要かつ、すぐに結果がでないため、長期的な資金の用意が必要です。
既存システムからの移行困難
既存のシステムと新しく導入するシステムが連携されていない場合は、社内システムを全て統一しないといけない観点から、システムを導入する場合は一から始めるつもりでないといけません。したがって、かなりの労力がかかる可能性があります。
片手間でできるプロジェクトではない
DX(デジタル・トランスフォーメーション)導入プロジェクトは組織体制を変革しないといけないのでどこかの部署が片手間でできる仕事ではありません。専属のIT技術など詳しい人材を集め、取り掛かることが重要となります。
これからDX(デジタル・トランスフォーメーション)を取り組むには
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の施策がうまく行けば企業に大きな利益を期待できるでしょう。とはいえ、どうやって導入すれば良いのか気になりますよね。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)を円滑に導入するにあたり経済産業省が導入手順を開示しています。それでは取り組み方について説明しましょう。
ビジョンを共有する
デジタル技術で何をするのか、どの様な効果を狙うのか明確にし社内共有します。DX(デジタル・トランスフォーメーション)は会社の組織全体に浸透しないと単なる新しい技術を取り込んだだけになるため、社内全体に情報共有し、そのプロジェクトの意味合いを理解しないといけません。
経営トップ層を巻き込む
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の成功には組織全体の行動が伴うことが必要です。つまり経営トップ自身がプロジェクトの理解をすることが必須。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)のように組織体制の変革となると必ず反対意見が発生します。それに打ち勝つには経営トップがプロジェクトの舵を取り引っ張っていかなければ解決しないでしょう。
マインドセットをする
行動した内容に対し評価を行い、随時、軌道修正が必要になります。継続的に取り組むための意識付けを社員全員理解させましょう。
体制とKPIの構築する
まずKPIとはKey Performance Indicatorの略で、重要経営指標と訳されます。KPIは目標に対してどの様な状況なのか判断するための指標。
つまり、まずはプロジェクトの舵取り部署を決定し、DX(デジタル・トランスフォーメーション)導入のための具体的な指標作成します。
評価と意思決定、予算と配分を決める
プロジェクトの展望、そしてその評価を行い、今後の活動に対しての意思決定、そして予算などを取り決める。
人材育成と確保する
プロジェクトを実施するには専属の専門分野に強い人材が必要となります。つまり取り入れる予定の技術に精通する人材の確保が必要となるでしょう。
また新たなデジタル人材を確保することは非常に難しいため、社員の育成も欠かすことはできません。社員育成のための研修や業務フローの作成も必要になってくるため、舵を取るデジタル人材確保はかなり重要な事項です。
以上、DX(デジタル・トランスフォーメーション)は企業にとって大きなメリットとなる可能性があるため、その分、長期的で、細かな対応が必要となります。DX(デジタル・トランスフォーメーション)導入にあたり順だって進めることが、結果として企業全体がプロジェクトを理解し行動に移せ、成功への近道になるでしょう。
さて今回は、ビジネスの世界で注目を浴びているDX(デジタル・トランスフォーメーション)の基本をまとめて紹介しました。
内容を振り返りましょう。
- DX(デジタル・トランスフォーメーション)とはAI(人工知能)やIoT技術と言った最先端技術を活用し、新たなサービスやビジネスモデルを展開、コスト削減、業績UPなどを試みる施策のこと
- DX(デジタル・トランスフォーメーション)実行の際はデジタル技術の導入を円滑に受け入れることができる組織体制を同時に準備できていることも必須
- DX(デジタル・トランスフォーメーション)が注目されるのは、近年、AI(人工知能)やIoTと言った技術の進歩に伴い、市場と企業競争のあり方に変化が生じたため
- DX(デジタル・トランスフォーメーション)の事例「モバイルアプリで販売促進を実現させたスターバックス」「RPAを積極導入した日本通運」などがある
- DX(デジタル・トランスフォーメーション)を導入することのメリットは、効率性・生産性・精度の向上したり、市場の変化に柔軟な対応ができ、新商品・サービスの開発につながること、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を導入することのデメリットはコストや労力かかり、すぐには効果がでないこと
- DX(デジタル・トランスフォーメーション)の取り組み方として、社内全体にプロジェクトのビジョンを共有し理解を得つつ、優秀な人材を確保し、目標を明確にして進める
日本国内が抱える問題である少子高齢化、人材不足などは企業にとっても避けられない問題ですよね。その問題に対し、先を見据えて向き合っている企業こそDX(デジタル・トランスフォーメーション)導入にいち早く動き出すに違いありません。
もしかすると、近い将来あなたの身近なところででDX(デジタル・トランスフォーメーション)導入されるかもしれません。