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検品での画像認識技術はこんなにも進化!その導入事例をまとめてみた

検品での画像認識技術はこんなにも進化︕その導⼊事例をまとめてみた

さまざまな分野の検品業務でAI(人工知能)を搭載した画像認識技術が導入されていますよね。

AI(人工知能)技術の進歩で画像認識技術が普及し、私たちも触れる機会が多くなりました。中でも画像認識技術が使用されている一番身近なものといえばスマートフォンです。

例えば日本で人気の高いiPhoneではiPhone Xシリーズから、初めてAI(人工知能)搭載の画像認識技術を用いた顔認証が搭載されました。またGoogleの画像検索機能を使えば、スマートフォンで撮影した画像をインターネットで検索することができ、漢字を撮影してその意味を検索するアプリもあります。

このようにAI(人工知能)を搭載した画像認識技術は意外と身近な存在です。

そして現在の画像認識技術の精度は高く、人間よりも正確な画像判断が期待できます。そのためさまざまな分野の業務でも活用が進んでおり、そのうちの一つが検品業務。

今回は検品業務で画像認識技術がどのような役割を担っているのかを事例とともにお伝えしましょう。

そもそも検品とは

検品のイメージ

検品業務についてある程度お察しがつくでしょうが、商品や製品を市場へ出す前に検査して規定を満たしていない不良品を取り除く作業です。
例えば何らかの製品を製造する工場では、製造後に必ず不良品が混ざっていないかの検品を行って納品しています。そして納品先でも入庫する際に、発注した仕様通りに製品が製造されているかの確認で検品が行われます。

ではなぜ検品が必要なのでしょうか。

たまに自動車のリコールをニュースで耳にすることがありますよね。自動車のリコールはすでに販売されている自動車の部品などに欠陥が見つかり、それを無料でメーカーが修理することです。
つまりリコールに至る原因の一つは、検品で引っかからなかった部品の不良によるもの。
また同じような事例として、水虫薬へ睡眠剤が混入していたことが問題になってニュースで大きく取り上げられました。

このように自動車部品の不良は大きな交通事故を引き起こすことが考えられ、水虫薬の件は使用した方が体調不良を訴え、中には亡くなった方もいらっしゃいます。

どのような商品や製品でも不良品が出回ってしまうと、このような最悪のケースになることが十分に予想でき、そこまで至らなくても製造や販売を行っている企業にとって、不良品が市場で発見されたら信用問題にかかわるので検品はとても重要な作業なのです。

検品業務に画像認識技術が使われた理由とは

画像認識のイメージ

これまで検品業務は従業員によって行われていました。

検品の業務内容とは主に規定通りの大きさ・容量・重さなどを満たしているかなどと、外観に汚れや欠損がないかを目視で確認します。

そして近年はAI(人工知能)技術が進化して、それを応用した画像認識技術が検品業務の目視に導入され、次のような改善がもたらされました。

検品の精度向上

人手による検品作業はどうしても不良品を見逃してしまうことがあります。

しかしAI(人工知能)を搭載した画像認識技術では、人よりも高い精度で不良品の検出が可能です。
また現在のAI(人工知能)では、AI(人工知能)自身が学習していくディープラーニング技術が使用されているので、検品作業を行えば行うほど精度を向上させていきます。

人手不足の解消

現在、さまざまな分野で人手不足になっていますよね。そこで検品業務に画像認識技術を導入することは人材不足の解決策になり、従業員の負担軽減やコスト削減につなげられます。

検品作業の効率化

画像認識技術を用いた検品業務は人よりも正確でスピーディーに行えるので、作業の効率化が図れます。

では実際に検品業務でAI(人工知能)を搭載した画像認識技術はどのような働きをしているのかについて、これから3社の事例を紹介していきましょう。

検品業務に画像認識を使った事例︓アサヒビール

検品業務に画像認識を使った事例︓アサヒビール

「アサヒスーパードライ」で有名なアサヒビールは、2019年に輸入ワインの検品にAI(人工知能)搭載の画像認識技術を用いた中味自動検査機を開発しました。

ワインの目視による検品はビンのラベルの間から異物の混入を確認する作業です。そのため熟練レベルのスキルが求められ、なお検品を行う従業員には高い負荷がかかる仕事でした。
そこにAI(人工知能)を搭載した画像認識技術で行う中味自動検査機を開発したことで、これまで難しかった微小な異物も発見できるようになり検品精度を向上させています。

またビンの形状・赤ワイン・白ワインの種類をデータ登録して、最適なパターンを適用した検品が可能です。

検品業務に画像認識を使った事例︓キューピー

検品業務に画像認識を使った事例︓キューピー

キューピーマヨネーズでおなじみのキューピー株式会社は、日本を代表する食品メーカーです。

そのキューピーでは「1日100万個以上のポテトをさばく検査ロボット」を開発しました。

キューピーが製造している離乳食の材料には1日に100万個以上もポテトを角切りにカットして使用しており、そのカットしたポテトの中には変色したものが混じっていることがあります。

品質に問題はありませんが、ユーザーにとっては不安要素なので、それを取り除くためこれまで従業員が目視で検品を行っていました。

しかし従業員によって検品精度にバラツキがあることと、長時間にわたって膨大な量を検品しなければならないので従業員へかかる大きな負担の解消が課題でした。
そこでAI(人工知能)による画像認識技術を搭載した検品システムを開発して導入すると、従来よりも検品精度と作業速度の向上を実現し、従業員への負担軽減にもつなげられました。

検品業務に画像認識を使った事例︓武蔵精密工業

検品業務に画像認識を使った事例︓武蔵精密工業

武蔵精密工業は自動車のエンジン部品などを製造しているメーカーです。

その武蔵精密工業では従業員によって製造した部品の検品業務を行っています。

しかし検品業務の内容は不良発生率が0.002%で1/50,000を見つけだす難しい作業です。そのためベテランでないとバラツキが出る作業なので難しく、従業員にとって高負荷作業になっていることが課題でした。

そこでAIによる画像認識技術を用いて良品データをもとに不良品の検出システムを開発します。

現在のところは試験運用の段階ですが、検品精度は従業員と同等レベルを実現。しかし検品時間がベテランクラスよりも若干かかっており、現在も更なる精度向上を目指して開発を進めています。

検品業務で画像認識を使った技術を使う際に気をつけるポイント

ポイントのイメージ

現在、AI(人工知能)は最先端テクノロジーとしてさまざまな分野で普及が進行中です。

そして今回お伝えしている検品業務でもAI(人工知能)を搭載した画像認識技術が応用され、事例で紹介した企業のように検品精度の向上と、そのほかの課題解決のため導入する企業が増えています。

しかし検品業務に画像認識技術を使用するにあたり、気をつけていただきたいポイントがあります。

それは導入した後の定期的なメンテナンスや再学習・再調整です。

AI(人工知能)による画像認識技術は不良品を取り除くために、コンピュータが良品もしくは不良品の画像を学習することでシステムを構築します。

ただAI(人工知能)には「やってみるまで分からない」特徴があり、まず試験運用を行って正しく検品できているかの確認が必要です。
そして運用開始してからも精度を高められる可能性もあるので、導入後のメンテナンスや再学習・再調整はとても重要なので怠らず取り組みましょう。
このように検品業務にAI(人工知能)を搭載した画像認識技術を使用するなら、AI(人工知能)の特徴を理解して使用してください。

 

画像認識のイメージ

検品とは商品や製品が市場に出る前に検査して不良品を取り除く作業です。

これは不良品が市場に出ることで消費者が損害を受けないためと、製造や販売を行う企業にとっては信用にかかわる問題になるので検品業務はとても重要です。

従来から検品は企業の従業員が行っており、主に大きさ・容量・重さなどが規定を満たしているか、外観は目視で汚れや欠損がないかを確認します。

そして近年はAI(人工知能)の画像認識技術を応用したシステムを目視に導入して、主に3つの改善や向上がもたらされています。

  • 検品の精度向上
  • 人手不足の解消
  • 検品作業の効率化

ただし、AI(人工知能)を搭載した画像認識技術を使用する際に気をつけて欲しいことがあります。

それはAI(人工知能)の特徴を理解して、運用を開始してからも定期的なメンテナンスや再学習・再調整を実施していくことです。これは安全な商品や製品の供給を実現するためには、必須項目なので怠らず行っていきましょう。

検品とは一般消費者が安心して購入した商品や製品を使用するために欠かせない重要な作業です。そしてその検品業務にこれからAI(人工知能)を搭載した画像認識技術が普及し精度を高めていくことは、企業と消費者にとって大きなメリットだといえるでしょう。

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参考元
検品 - KANTSU
検品とは?検品の重要性と外注するメリットについて – DM Watch
検品とは?検品の重要性やアウトソーシングするメリットについてご紹介 – S-POOL
車のリコールの意味とは。対象車の検索・情報の調べ方や、車検はどうなる? – ZURICH
睡眠剤混入水虫薬、死亡2人に 患者全員に慰謝料30万円 – ヤフーニュース
最先端の画像判定技術とは?メリットや導入事例・将来性を解説 – 日本サポートシステム株式会社
画像認識AIは製造業にどのようなメリットをもたらすのか – デジタルトランスフォーメーションチャンネル
検品作業の課題と作業効率化で実現できること – ERPNAVI
検品の仕事内容とは?仕事に向いている人や働くメリットを紹介! – GROP
業界・業種別 画像認識AIの導入活用事例5選!企業の課題と導入効果まとめ – AIsmiley
匠の技をAIへ継承する、検査用画像認識システムがすごい – AIsmiley
製造業に必須!検査・検品作業で活用広がる画像認識技術×AI – AIsmiley
キユーピー 食品検査にディープラーニング 競合にも売る太っ腹 – 日経クロストレンド
【2020年版】課題から探すAI・機械学習の最新事例52選 – 宙畑
ギア部品の検品をAIで自動化、武蔵精密工業が自社内で試験運用へ – MONOist
AIへの取り組み – MUSASHI
AIのメリットやデメリットとは。課題やポイントも含めご紹介 – Laboro
カメラによる外観検査のメリット・デメリット – AIsmiley
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