AI(人工知能)ニュース

伸び続けるAI(人工知能)市場からわかるこれからの世の中の形とは

AIのイメージ

最近はどこへ行っても何を聞いても、やれAI(人工知能)だディープラーニングだIoTだと騒がしく、自分も少しは勉強しなくちゃ取り残されると不安になりますよね。特にビジネスでは、経営者ならそういうIT技術を取り入れなくちゃと焦りますし、労働者ならAI(人工知能)に仕事を取られるのじゃないかと怖くなるでしょう。

もちろん、IT技術はこれからの社会に益々普及していく重要な要素であり、さまざまなモノがインターネットにつながり、それを「AI」が制御するようになるという「第4次産業革命」を迎えたとも叫ばれています。だからと言って誰もがITの専門家になる必要はありません。むしろ、知識がなくても誰でも先端技術を使えるようにするのが、AI(人工知能)やIoTの役割だと言って良いほどです。

今回は、専門家でない人が不安を解消できる知識を、AI(人工知能)の売れ行きや市場の動向から説明しましょう。

企業への導入が進むAI(人工知能)

市場のイメージ

AI(人工知能)市場に関するさまざまなデータは、民間の調査研究所などから発表されています。一般にはAI(人工知能)という言葉が、かなり曖昧に使われていたり、調査方法や統計処理の方法が各社で違ったりして、単純な比較はできません。しかし、大まかに言うと、

AI(人工知能)市場では特に画像認識AIシステム市場と対話型AIシステム市場の規模拡大が著しい
という点で一致しています。

その理由は、現在注目されているAI(人工知能)技術が、ディープラーニング(深層学習)という技術で、画像解析と言語処理はその得意分野だから、ということもあるのでしょう。

それに加えて、

画像認識AIはカメラを、対話型AIはマイクとスピーカーをコンピュータに接続して、ソフトウェアを導入すれば、比較的低コストで実現できるということもあります。
それに対して、
人間が手でやっている作業をAI(人工知能)に代行させようとすると、手の付いたロボットなどを導入しなければなりません。

個人向けのインテリジェントカメラや、話し掛ければ答えてくれるAIスピーカーなど、個人向けの製品も躍進していますが、国内では、やはり企業への導入が進んでいます。

もちろん効率化のためでもありますが、

少子化にともない予想される、将来の人手不足をAI(人工知能)で補いたいという思惑も大きいと分析できるでしょう。

次に画像認識AIシステム市場と対話型AIシステム市場のそれぞれを見ていきます。

画像認識AIシステム市場

画像のイメージ

ミック経済研究所が2018年7月に発表した資料によると、

2017年度のAI画像認識市場規模は19億100万円。2018年度は対前年比で209.5%の39億8200万円となり、2021年度までには551億円市場になると予測しています。
ミック経済研究所は、
今まで人が目視で行い判断してきた作業や、膨大な時間が必要であった作業の負担を大きく軽減する技術として期待されている
と伝えています。

AI画像認識市場の具体例を挙げましょう。

製造業では

検品・検査工程で利用され、スピード化、人件費の削減がなされ、
また、マーケティングでは、
来店者の属性把握や計数などが自動化されています。
画像に写った対象の分類は、ディープラーニングが最も得意とする分野で、CTスキャンの画像を見て診断を下すなど、医療分野を始め、多様な業種で活用されていますよね。挙動不審者を自動的に見分けるセキュリティシステムなども、よく話題になります。

今後、さらに応用範囲が広がっていくでしょう。

対話型AIシステム市場

AIスピーカーのイメージ

IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社の発表では、

対話型AIシステム市場の2017年の国内規模は、ユーザー支出額ベースで274億7600万円になったと推定しています。そして2017年は、企業による実証実験から実システムへの適用、ソフトウェアへのAI(人工知能)機能の組み込みなどが進んだことにより、対話型AIシステムの市場規模は2016年と比較してほぼ倍増したと推定。さらに、2017年〜2022年の年間平均成長率は60.7%で成長し、2022年には2947億5400万円の規模になるでしょう。

すごいですよね。

ところが、矢野経済研究所が発表した国内の対話型AIシステムの市場規模

2017年は11億円で、今後5年で10倍以上の規模に拡大する見通し。2022年には132億円に達すると予測しています。
ずいぶん少なくなっちゃいました。

これは、調査方法が違う上に、何を持って対話型AIシステム市場とするか、という範囲設定が異なるためです。こちらはハードウェアを含まない、ソフトウェアだけを対象にしています。しかし、いずれの調査でも、今後、対話型AIシステム市場は急拡大するという予測は同じでしょう。

個人向けにはスマートフォンの音声認識機能や、AIスピーカーが普及しています。
企業では、働き方改革をきっかけとした業務の効率化を目的に、接客や問い合わせ対応に対話型AIシステムを活用する動きが広がっています。
今後は、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、多言語対応による接客を目的とした、対話型AIシステムの市場が拡大する見込み。

 

市場のイメージ

AI(人工知能)市場は、

個人向けに劣らず企業向けの規模が大きく、その中心は、画像認識AIシステム市場と対話型AIシステム市場である
ことがわかりました。画像認識AIは
ものの形を見分け分類するので、検品したり、状態を評価したりするのに使え、
対話型AIは
音声を認識して答えてくれ、多言語にも対応するのが主な機能でしょう。
AI(人工知能)の応用範囲は無限ですが、このくらいわかっておけば、当面は充分です。

AI(人工知能)市場の動向を見てわかることは他にもあります。それは「ものすごい勢いでAI(人工知能)が社会の中に入り込んで来ている」ということ。そんなに急がなくても良いのに、経済原理が働いているのでこの流れを止めることは困難です。

良いことも多いでしょうが、困ったこともきっと起こるでしょう。前にも言った通り専門家になる必要はありませんが「それがそこにある」ということは忘れないでAI(人工知能)と向き合っていきましょう。

参照元 AIチャットbotなどの対話型AI市場、倍増成長を続け、2022年には132億円規模に――矢野経済研究所が予測
国内コグニティブ/AIシステム市場予測を発表
AI/ディープラーニングの進展で急拡大する画像認識ソリューション市場―ミック経済研究所

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