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AI(人工知能)で業務を効率化!物流業界の自動検品システム事例

AI(人工知能)で業務を効率化!物流業界の自動検品システム事例

近年、物流業界は通信販売の需要が高まり、人手が足りないことから働く環境の改善活動に注目が高まっていますよね。

そのような中、物流業界における業務改善として自動検品システムの導入に注目が集めています。日本の製品は高品質であるがゆえ、検品作業が必要不可欠。その検品作業は非常に手間がかかり、この工程を削減できるとすれば非常に魅力的に違いありません。

とはいえ、今まで人の目や手で確認してきた検品作業を一気に自動化するのは不安でしょう。この記事では、人が検品するよりも早く、そして正確に作業をする自動検品システムについて詳しく解説します。検品を効率化させたいなら、ぜひ検討しましょう。

それでは今回は、物流業界の業務を効率化させるべくAI(人工知能)技術で自動検品システムを導入した場合、どれだけ効率化できるのか、事例を踏まえて解説します。

自動検品システムとは何か

チェックのイメージ

自動検品システムはAI(人工知能)や画像検知、IoT技術と言った最先端技術を導入することで、人の目や手を介さず自動で検品するシステムのことです。

検品作業は、本来手作業で行っていました。それは、検品での確認作業は非常に複雑で人が判断しながら品質を確認することが当たり前だったからです。それにもかかわらず、検品作業は製品の品質を高めるために必ず必要な工程で、最も負担がかかるでしょう。それゆえに、決して手を抜けません。従来、検品作業は目視なので、検品ミスや検品レベルのムラが発生しますよね。

そこで最先端技術を用いて、この工程を省力化、また無人化できれば、物流業界における工程で最大の効率化を図ることができます。また自動検品システムであれば、その検品の品質レベルのムラがなくなり、場合によっては検品ミス0と言う、大きな効果を得られる可能性があります。

もしかしたら物流業界における自動検品システム導入は、必要不可欠な未来も近いかもしれません。

自動検品システム事例その1:一流外車メーカーで採用される自動検品システム(アウディ)

アウディの車のイメージ

最初に、一流外車メーカーのアウディのプレス工場で品質を高めるために採用されているAI(人工知能)技術が搭載された自動検品システムの事例を紹介します。

従来、出来上がった自動車部品は全て人による検品を行っていました。なぜなら、アウディが提供する車のデザインが年々複雑化しており、人の目でしか対応できなかったためです。しかし、より効率的に生産を進めるため、AI(人工知能)を活用した自動検品システムを導入しました。

その自動検品システムでは、プレス加工において金属板に発生するクラックを画像認識し自動でマーキングします。また、AI(人工知能)の誕生により、複雑な形状にも対応できる機械学習機能が付いたことにより、検品精度を高めるだけでなく、年々移り変わる世間のニーズに応えるべく洗練されたボディデザインにも対応できる自動検品システムが実現されました。

この事例はAI(人工知能)技術の誕生により、機械が検知できる範囲が広がっている証明になりました。

自動検品システム事例その2:AI(人工知能)画像認識技術を用いた自動検品システム(NTTロジスコ)

機械のイメージ

大手企業NTTの物流部門を担うNTTロジスコにて、AI(人工知能)画像認識技術を用いた自動検品システムが導入されました。

作業内容としては企業の3R活動の一環として撤去及び回収した無線LANやWi-Fi機器と言ったレンタル通信機器を再利用可能とするための仕分け作業を行っています。

もともとラインで流れる商品のバーコードや製品コードを画像として検知し、瞬時に物を判断、そして仕分け作業をします。今までで人の目で確認を行い、商品を仕分ける検品作業は簡単なものではなく、人が行う作業であるゆえにミスも発生することが課題でした。

そこで、AI(人工知能)画像認識技術を活用して自動検品を導入しました。これにより、そんな状況が一変、結果として検品ミス0%、そして一人あたりの処理台数に関して生産性60%UPへとつながり大きな貢献となりました。

自動検品システム事例その3:バーコードなしで検品できる自動検品システム(ヤマトホールディングス)

荷物のイメージ

大手物流会社ヤマトホールディングスの倉庫は、出荷検品業務を行うラインにて画像認識技術を活用した自動検品システムを導入しました。

そのシステムは、顧客から出荷指示を受けた商品を作業員が準備する際、その商品が類似品ではないか、誤出荷ではないかを確認するシステムです。具体的な検品内容は商品の画像瞬時に捉え、あらかじめ登録した画像と差異がないかだけでなく重量も同時に確認します。

これまで出荷検品業務は全て人による目視で行っていました。しかし、画像検知できるようになり、作業工数が大きく削減。数名で行っていた検品作業を省けたので、物流全体コストの約3割を削減できました。

自動検品システム事例その4:ソーラーパネルの部材製造メーカーの自動検品システム(サカタ製作所)

ソーラーパネルのイメージ

ソーラーパネルの取り付け治具製造メーカーであるサカタ製作所は製品の品質向上、顧客からの信頼UPを目指し、自動検品システムを導入しました。

従来の検品作業が非常に手間がかかるもので、作業工程を解説すると人が製品の組立を行ってから検品作業を実施するという内容でした。検品作業はボルトの長さや組立不良がないかにスポットライトが当てられており、複数人でのチェック体制を取っていたが、不良品を100%排除できないので、問題となっていました。これだと、手間がかかるけど検品精度も不十分だと課題が残りますよね。

そこで自動検品システムを導入しつつ、製品の組立をロボットによる作業、そしてAI(人工知能)による良品かどうかの判定を自動化、今まで多数の工程がかかっていた検品作業を全自動化させました。

その結果、検品精度が100%になったほか、人の手を介さないことから大きな改善へとつながりました。

自動検品システム事例その5:多品目の検品を実現させる自動検品システム(九州オルガン針)

ミシンのイメージ

工業用ミシン針の製造メーカー九州オルガン針はAI(人工知能)による自動検品システムを導入しました。九州オルガン針は約100種類の品目を保有し、1日あたり70万本の製造を行います。

多品種で多数の製造を行う場合、検品作業が非常に手間がかかります。そこでAI(人工知能)による自動検査システムによって、人の検品だと検品精度のバラつき、検品漏れを完全になくすことを目指しました。

AI(人工知能)による自動検品システムで業務効率化を図った結果、人との目視検査と比較し、約2倍の検品スピードで行えるようになりましたました。また検品の精度も上がり、不良品の混入はなくなりました。非常に細かい検品作業ゆえに人の手を介さず検品を自動化できたのは大きな業務改善へとつながったと言えるでしょう。

自動検品システムを導入する場合の注意点

コストのイメージ

自動検品システムは非常に便利なものですが、導入の際には注意しなければならない点があるので、それを詳しく解説します。

自動検品システムの導入はコストがかかる

自動検品システムはAI(人工知能)技術などの搭載が必要なため、大きなイニシャルコストが発生します。またそれだけでなく定期的なメンテナンス費用も発生するため、システム導入の効果はありますが、その際に発生する大きなコストの覚悟が必要でしょう。

多品種の検査はコストが跳ね上がる

自動検品システムは検品するためのデータをあらかじめ登録しておくことが必要です。つまり、事前にプログラムされたものしか検品できません。

検品する対象が多品目、多品種となってくると、その分、識別に必要なデータ処理や登録にて費用がかさばるでしょう。自社の検品対象がどの範囲までになるのか、商品のラインナップ数などをしっかりと把握した上、自動検品システムを導入した方が良いのか、吟味しましょう。

まとめ
さて今回、物流業界の業務を効率化させるべくAI(人工知能)技術で自動検品システムを導入した場合、どれだけ効率化できるのか、事例を踏まえて解説しました。

それでは内容を振り返りましょう。

  • 自動検品システムはAI(人工知能)や画像検知、IoT技術と言った最先端技術を導入することで、人の目や手を介さず自動で検品するシステムのこと
  • 自動検品システム事例として、複雑なデザインでも検品するアウディで、AI(人工知能)画像認識技術を用いた自動検品システムの導入で検品ミス0%、生産性60%アップしたNTTロジスコ、物流コストを3割減を実現させたヤマトホールディングス、ソーラーパネルの検品精度100%を誇るサカタ製作所、細かい針の検品にも効果的多品目の検品を実現させる九州オルガンがある
  • 自動検品システムを導入する場合の注意点として、自動検品システムの導入はコストがかかる、多品種の検査はコストが跳ね上がるがある

自動検品システムの導入事例からも読み取れるようにシステムを導入することで大きな改善へとつながります。日本で売られる商品の品質は海外のレベルと比較し、高いものと位置付けられています。それは製造の際の品質管理レベルが高いことが起因していますが、何より検品作業が行き届いています。

この検品作業が人への負担を大きくしているとも言えるので、将来的に自動検品システムが普及すれば自ずと負担は激減するに違いありません。

一刻も早く、日本の物流業界における自動検品システムを導入しましょう。

【お知らせ】

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