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画像認識技術でできることってなんだろう?活用事例まとめ【2020年】

画像認識技術でできることってなんだろう?活用事例まとめ【2020年】

画像認識という言葉をなんとなく聞いたことはあるけれど、どのような技術なのかよくわからないという人が多いですよね。画像認識とは画像から、対象物を識別する技術のことです。

そんな画像認識は私たちの身近でも多くのところで活用されています。例えば、多くの人が普段よく利用するスマホや、オフィスビルの入退出管理、工場などの品質検査、道路や橋、トンネル、建物の老朽化具合のチェックなどの保全業務などでも使われています。

また、画像認識の技術は国内はもちろんですが、海外でも様々な分野で活用されています。そのため、画像認識がどんなものなのか、ぜひ知っておきましょう。そこで今回は、この画像認識とはどのような技術なのか、また、この画像認識を使ってどのようなことができるのかということについて解説します。

画像認識ってどんな技術

画像のイメージ
画像認識とは、その画像に写っているものがどのようなものであるかを識別する技術のことを言います。

画像認識は、パターン認識技術の1つであると言われています。パターン認識とは、画像、もしくは音声などの中から、特定の条件を満たすもの、規則性を持つものなどを識別することです。

※画像認識の解説についてはこちらもご覧ください

パターン認識でよく知られているものは、画像の中から文章や文字を識別する「文字認識」、音声が誰のものであるかを識別する「音声認識」、多くの画像の中から特定の顔、特定の動物を探す、特定の人の顔を探す「顔認識」などがあります。

文字認識は、書類、帳票整理などに活用されています。自動的に書かれている文字の情報を読み取り、必要な情報をデータ化することで業務を効率化できるでしょう。音声認識は、スマートスピーカーなどに活用。音声を使って、音楽の再生、停止、天気予報などの情報を検索することも可能です。また、顔認識は、金融機関などで本人確認のために活用されています。ネットバンキングやATMなどに導入され、なりすまし防止に役立つでしょう。

この画像認識は、対象物がどのような物であるかだけでなく、色、数、状態なども認識したり、対象が人物の場合には、年齢、性別なども判断できたりするとのこと。

画像認識はAI(人工知能)によって行われているので人間では処理しきれない量でも、AI(人工知能)であれば処理できるので、最近では普段使っている、会社の入退出管理、ライブ会場での入場などにも使用されるようになりました。

そんな画像認識は、スマホにも使われています。次の項目で解説しましょう。

画像認識はスマホにも使われている!

スマホのイメージ
スマホに使われている画像認識についてですが、スマホのカメラ機能を使って撮影した画像からそれが何かや、関連する情報を得ることができます。「Googleレンズ」は、動物や植物の種類を特定する、周辺のスポットを調べる、街で見かけた気になる洋服などの情報を簡単に調べられるでしょう。わからないものが出てきても、すぐ調べられるのは便利ですよね。

さらに、スマホには「顔認証」も搭載されているものもあります。この顔認証とは、あらかじめ自分の顔を登録するだけでロック画面の解除、もしくはロックをする際にはその登録された顔の人だけが操作が可能になる機能です。これにも画像認識が使われているので、スマホのセキュリティ面でも大きく貢献しているといえるでしょう。

これによって、登録された顔以外の人に、スマホを見られる、勝手に操作をされてしまうなどの被害を防ぐことができます。ロックを解除する際の操作はとても簡単で、スマホに搭載されているカメラを見るだけ。今までロックを解除するのに暗証番号を入力するなどしていましたが、それと比べて手間がかからず、とても簡単ですよね。

※顔認証について、詳しくはこちら

国内の画像認識活用事例3つ

チェックのイメージ

では、国内で画像認識を活用した事例について見ていきましょう。

オフィスでの顔認証

オフィスビルなどで、活用されているのがこの「顔認証」です。顔認証は、あらかじめ登録されている顔の画像データと照合してドアのロックを解除することが可能です。これによって、簡単に入退室管理を行うことができます。

また登録されていない人は、そこに入れないので、部外者の侵入を防ぐことができ、セキュリティ対策として役立つでしょう。

外観検査

工場などの品質検査、品質管理に活用されているのがこの「外観検査」。外観検査では、画像認識によって事前に登録してあるデータと照合して異物や傷などがないかを判断します。

従来の目視検査では見逃してしまいがちな、傷や異物なども発見できることから注目されている技術です。

保全業務への活用

建物、トンネル、道路、橋などの劣化具合を調査するためにも、画像認識は活用されています。

今までは、目視検査や技術者の経験などに頼っていた部分が多いことが課題でした。しかし画像認識を導入することによって、劣化具合を数値化できるようになり、不具合なども検出しやすくなっています。つまり画像認識を活用することで、作業員の危険リスクを下げることができ、また負担も減らせるのが魅力。

海外の画像認識活用事例2つ

犯罪のイメージ

では、その一方で海外ではどんな活用がされているのかについてお伝えします。

犯罪対策

画像認識は様々な分野で活用されていますが、海外で多く活用されているのが犯罪対策。防犯カメラや監視カメラの映像とデータベースに登録されている犯罪者と照合して、犯罪対策として活用されています。

実際に、中国ではこの技術によってすでに5000人~1万人以上の逃走犯の逮捕に貢献しています。また、アメリカでも活用され、民間の監視カメラや防犯カメラの映像を警察が確認できるようになっています。とくに、犯罪の多い地域では夜間などにこの映像を使って犯罪が起こっていないかをチェックできます。

駅や空港など人の多い場所などでも、指名手配犯や捜索願の出されている人などを特定できます。犯人を迅速に逮捕する、もしくは犯罪を未然に防ぐためには有効であるに違いありません。

医療分野での活用

海外では、画像認識の技術を医療分野でも活用しています。例えば、レントゲン画像やCT画像などを自動で判断して医師の診断のサポートを行っています。

ドイツのメルゲントハイム糖尿病センターでは、失明の主な原因と言われている、糖尿病網膜症の発見に貢献しています。これまでに、糖尿病網膜症の症例を約10%発見するという効果を上げています。また、アメリカ、ニューヨークメモリアルスローンケタリングがんセンターでは、AI(人工知能)に多くの症例を学習させて、がんの早期発見などに貢献しています。

これによって、今まで人間の目では発見しづらかった病気などの発見できるようになりました。この技術を活用することによって、病気の早期発見、早期治療ができるのはもちろん、医師の負担も軽減しています。

画像認識の今後とは

自動運転のイメージ
画像認識の今後についてですが、ますます様々な分野で重要な役割を果たすかもしれません。

とくに、AI(人工知能)による画像認識の活躍が期待されるのが「自動運転」です。画像認識によって、歩行者の検出、標識の認識、車線逸脱防止が可能となります。このように、自動運転が可能となれば、交通事故が大幅に減るでしょう。

また、医療での分野でも活躍が期待されています。例えば、医師が画像や映像を見ながら、手術ロボットを操作して手術を行うことなどが期待されています。これにより、遠隔地の患者でも手術を行えます。オンライン診療なら、遠隔地の患者と医師が直接会わなくても診察や治療ができるようになる、病院などの待ち時間を短縮するメリットがあります。

他にも、翻訳などの分野にも大きな期待がされています。契約書などに書かれている言語を画像認識によって瞬時に解析できるようになれば、業務の負担も減りますし、国内だけでなく世界中の人と取引ができるようになるでしょう。

今までは、言語が壁になっていたということも画像認識で、その壁を壊すことができます。このように、画像認識は今よりも様々な分野で活躍してより私たちの身近なものになっているかもしれません。

まとめ
さて今回は、画像認識について解説しました。

画像認識は簡単に言うと画像から、対象物を識別する技術のことです。この技術は、スマホ、外観検査、保全業務、犯罪対策、医療など色々な分野で活用されています。画像認識には今までは、人間の目ではチェックしきれない、もしくは見落としてしまっていた部分もカバーしてくれるというメリットがあります。

さらに、画像認識は今後は自動運転などの分野でも活躍が期待されています。画像認識という技術はとても私達の暮らし、未来に大切な技術です。画像認識の進化によって、防犯、保全、医療などあらゆる安全性を高められるかもしれません。画像認識の技術が発展すれば、新しい未来が切り開かれるので、今後に期待しましょう。

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