昨今のAI(人工知能)や機械学習の目まぐるしい技術の進歩は皆さんもすでにご存じのとおりでしょう。その処理能力は指数関数的に向上しています。学習データをもとにした判断業務や、過去のデータから傾向を予測する処理などは、AI(人工知能)の得意分野として、さまざまなところで活用されていますよね。
一方でいま、AI(人工知能)による画像認識の技術が注目を集めています。AI(人工知能)の処理能力の向上が、画像認識をも可能にさせているのです。そして、AI(人工知能)による画像認識は、すでに私たちの暮らしの中においても大いに活用されています。
そこで今回は、そんないま大注目の技術でもあるAI(人工知能)による画像認識について、その魅力と未来の姿についてご紹介します。
まずは「画像認識」について、ざっくり解説!
AI(人工知能)を用いた画像認識とは、具体的にはどのような技術なのでしょうか。まずは仕組みについて簡単にご紹介しましょう。
もちろん、いきなり画像を見せられて判断できるというわけではありません。画像認識も、他のAI(人工知能)の処理と同様に、学習という概念があります。先ほどの犬や猫を判別する場合であれば、さまざまな犬や猫の画像を大量に学習データとして読み込ませて学習を行います。その結果、しっぽや耳、目の形状などの特徴量データから、それが犬なのか猫なのかを判別できるようになるのです。
AI(人工知能)・ディープラーニングが画像認識に与えた影響
AI(人工知能)による画像認識は、ディープラーニング(深層学習)技術の向上により、近年急激に進化を遂げています。
ディープラーニングの出現で、これまでの通常の機械学習ではなしえなかったより細かい特徴量の抽出と判別が可能になりました。
ディープラーニングが普及するまでは、犬の画像を犬と判断するためには、耳や鼻の形、ひげの本数など犬と判断するための犬の定義を細かくAI(人工知能)に教え込ませる必要がありました。しかし、ディープラーニングでは、大量の画像を学習することで自らがその特徴を認識し、犬かどうかを判断することができるようになったのです。
実際にAI(人工知能)による画像認識事例・サービス
これもAI(人工知能)による画像認識を活用したものです。また、近年企業などでも導入が進んでいるAI-OCR。ここでも手書き文字の認識にAI(人工知能)による画像認識が活躍しています。
もちろん身近な事例だけではありません。
また、防犯の分野でもAI(人工知能)による画像認識は大きく活躍の場を広げようとしています。これまでにも防犯カメラなど画像を用いて防犯に役立てようとする技術は存在していました。
しかし、それらはあくまで後で人間の目で見て確認するためだけのものでした。そこで登場するのがAI(人工知能)です。
でも、AI(人工知能)の画像認識ではまだ誤認識することもある
先ほど、「現在のAI(人工知能)による画像認識の正解率はおおむね95%以上」とご紹介しました。しかしいくら精度が上がったとはいえ、5%近くは誤認識しているとも取れます。
では、いったいどういう場合に誤認識してしまうのでしょうか。
認識されなかった理由は例えば、撮影当日の天候不良であったり、写真の構成の問題。また、トンボの一部分が写っていなかったり、周囲と同化していたりといったものでした。(ある画像では、黄色いシャベルの上にとまったトンボを、シャベルごと認識してしまい、「バナナ」という珍解答もあったようです。)
このように画像認識は決して100%ではありません。
ですが、人間の目も時として節穴です。この誤認識率0.1%を低いとみるか、高いとみるかは意見の分かれるところではないでしょうか。
今後、AI(人工知能)の画像認識でできることは増えるかも
このようにAI(人工知能)による画像認識は、私たちの暮らしのあらゆるところに浸透し始めています。
今回は、今大きな注目を集めているAI(人工知能)による画像認識について詳しくご紹介してきました。
本記事でご紹介したように、AI(人工知能)はまだ決して100%正しく画像認識することはできません。ですが、限りなく人間の目に近づいていることは紛れもない事実です。
人間の目が疲れなどによって正確な判断ができない状況に陥ることがあることを考えると、疲れを知らないAI(人工知能)の画像認識は、もはや人間の目を超えているといえるかもしれません。
ただ人間は、目で見たものから何かを感じ、その感じたものと見たものを総合的に判断して答えを出しています。ですからAI(人工知能)による画像認識がそこまでできるようになった時、AI(人工知能)による画像認識は、本当の意味で「人間の目を超えた」といえるかもしれませんよね。