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今後、運動やイベントがより楽しくなる!スポーツ×DXの事例まとめ

今後、運動やイベントがより楽しくなる!スポーツ×DXの事例まとめ

最近は年を追うごとにスポーツの楽しみ方が多様化していますよね。とくにスポーツをする側も観る側も、デジタルの力で従来とはまったく違ったアプローチができる、スポーツのDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。

例えば、膨大なビッグデータを活用して新たな戦略を立てたり、AI(人工知能)がトレーニングメニューを作成できるようになりました。また、AR(拡張現実)を使えばスタンドに居ながら手元のスマホでさまざまな角度のカメラ映像をスイッチングしたり、ゲーム中の選手の情報をリアルタイムに確認できます。するとスポーツをするときのモチベーションがグンとアップするうえ、観戦がよりエキサイティングなものとなり、従来のスポーツとは別世界が開けますよね。

この記事を読めば、スポーツのDX(デジタルトランスフォーメーション)について詳しく理解できるので、スポーツやイベントの次世代型の楽しみ方が変わるに違いありません。

そこで今回は、スポーツにDXを導入するメリットや事例、さらにスポーツの今後についてお伝えします。

スポーツにDXを導入するとはどういうことか

デジタルのイメージ

デジタルを積極的に活用してスポーツを「する」「観る」「支える」という3つの観点から新たな価値を創造すべく再定義する動きが、スポーツのDX(デジタルトランスフォーメーション)です。スポーツにDXを導入するとどうなるのか、それぞれの観点から具体的に見ていきましょう。

「する」立場のDX

「する」立場のDXとは、スポーツをする人がデジタル技術を取り入れて従来とは大きく異なる運動やトレーニングをおこなうことです。例えば、スクワットトレーニングは足腰や体幹を鍛えるトレーニングとして人気がありますよね。しかし、スクワットを「正しくできていますか?」と訊かれる自信がない方も多いかもしれません。

スクワットは、単純で道具もなしにできる動作だからこそ、その人の癖が顕著に現れます。そばにコーチがいるわけでなく、自分はこれで良いと思い込んで続けるので修正機会もありません。もちろん的を外したやり方では成果も出ませんよね。

そこで、ネクストシステムのアプリ「家トレ」を使うと、AI(人工知能)がトレーニング状況を自動撮影のうえ分析し、姿勢の崩れや膝の曲げ具合についてリアルタイムで修正指示をしてくれます。AI(人工知能)から客観的に指導されると、思わぬ癖や思い込みに気づけ、一人でも確実に効果につながるトレーニングが行えるでしょう。しかも長期間継続すれば、その差はとても大きくなるに違いありません。これが「する」立場のDX(デジタルトランスフォーメーション)の大変身近な例です。

またラグビー日本代表チームが、ワールドカップで歴史上の大勝利を収めたのも、ビッグデータを駆使したトレーニングと緻密な戦略の賜物といわれます。日本代表の勝因の一つにスクラムの強さが挙げられますが、これは練習中にドローンで空中から撮影して修正点を分析できたためです。またチーム専属のデータアナリストが各選手の弱点やミスをデータ分析し、結果をコーチに提供することで効率の良い的を射た練習ができました。

今やスポーツ界のトップ争いは、競技種目に関係なくデジタル情報による戦いという側面が強く、その意味でもDX(デジタルトランスフォーメーション)の役割は見過ごせません。

「観る」立場のDX

スポーツにおいては「観る」ことも大きな楽しみの一つですよね。高速で大容量の移動通信システム5Gにより、観る楽しみにも革新が生まれています。

例えば、VR(仮想現実)を使って、会場に行かずとも自宅で臨場感あふれる立体映像がリアルタイムで観戦可能。しかも離れた友人と一緒に画面上のアバターを通して隣どうしで観戦、ハイタッチもできます。観たい場面のスロー再生や好きな選手だけを追尾するというファンとしては願ってもない楽しみ方もでき、普通に家や会場で観戦するのとは、まったく異なる面白さや興奮が味わえるでしょう。

「支える」立場のDX

ビッグデータやAI(人工知能)を使って、チームの戦力強化や観客の利便性を陰で支えるDXも見逃してはなりません。例えば、生観戦で必要なチケットはいざ現場で出そうとするとすぐに見つからないとか忘れることもありますよね。ところが予約する際にスマホで顔認証を済ませておくと、当日はチケットを忘れてもそのまま顔パスで入場できる技術(試験段階)があります。急用で一旦会場を出た後の再入場も顔パス、会場内の売店での買い物も顔認証だけで決済可能です。しかも、マスクをしたままで認証できるレベルにまで精度があがっているのだとか。

これが可能になれば、入場がスムーズで便利なだけでなく、接触も最小限で済むため次世代型の安全対策にもなるでしょう。

このように「する」「観る」「支える」のそれぞれのDX(デジタルトランスフォーメーション)が進むとスポーツに対する価値観や楽しみ方が大きく変わるので、今までにないアプローチができるに違いありません。

スポーツにDXを導入するメリット

スポーツのイメージ
スポーツにDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入すると、「パフォーマンスが向上する」「興奮度・感激度が向上する」「安全性やお得感が向上する」という3つのメリットがあります。それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

メリット1「パフォーマンスが向上する」

デジタルの力を活用すると、さまざまな競技でパフォーマンスの向上がはかれます。例えば体操にAI(人工知能)を使うと、高得点が得られる姿勢や技が可視化でき自分の演技の減点ポイントが浮き彫りになります。コーチでは指導しきれないポイントに気づけるので、そこを修正することでパフォーマンスが向上し確実に得点アップが狙えるでしょう。

さらに審査員によるミスジャッジや不公平な判定が問題になることがありますが、この技術を使うことで、プロの審査員でも気づけない客観的な加点・減点ポイントが明確になるため、現状の問題解決に役立つに違いありません。

メリット2「モチベーション・興奮度・感激度が向上する」

スポーツにDXを導入するとパフォーマンスが向上するので、さらに上を目指そうとするモチベーションの向上につながります。また観戦の際も、ただ座席に座っているだけだと自分目線でしかゲームが観られず、テレビでも表示される画面以外は一切観ることができません。

ところが、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を使えば、自宅に居ながら臨場感あふれるゲームが楽しめ、会場でスマホ画面から遠くの見えない選手のプレーをアップで見られたり、複数のカメラ映像に自由に切り替えることも可能。同じ試合を何倍も楽しめるでしょう。

メリット3「安全性やお得感が向上する」

近年、プロスポーツを中心に各種イベントでダイナミックプライシングというチケット代金の変動システムが導入されるようになりました。チケットの販売状況をデータ分析し、売れ行きが悪いと分かるとその日のチケット代金をタイミングを見計らって割引します。逆に人気があり過ぎる試合は一部の座席のチケットを値上げ。すると売れ行きの悪い日にも客が流れて入場者数が平準化できます。

この手法でプロ野球・楽天球団が、成績が最下位の年でも入場者数は歴代2位という好結果で収益を伸ばしました。このように、デジタルの力でお得感を演出すると予想外の結果を導き出せるというメリットがあります。

また試合会場への入場の際もわざわざチケットを出すのは面倒ですし、接触を気にしながらお金を出して買い物するのも気を遣いますよね。しかし、顔認識機能を活用すれば入場の際の接触をなくし、場内での買い物もキャッシュレスになり手続きがスムーズに。待ち時間が短縮できるうえ安全性が向上するためメリットも大きいでしょう。

それでは、ここからスポーツにDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入した事例を3つ紹介しましょう。

スポーツにDXを導入した事例:スマートシューズで走行スタイルの客観視に成功

走るイメージ
自分が走ったり歩いている姿は、あまりに当たり前の動作のため良いか悪いかよく分からないですよね。

ところがアシックスが開発したスマートシューズ「EVORIDE ORPHE」なら、靴底にセンサーを組み込み、機械学習により独自の分析アルゴリズムで走り方をタイプ分けしたり改善ポイントを自動算出のうえ音声でアドバイスまでうけられます。着地パターンやプロネーション(着地時にかかとがどれ位内側に傾くか)、接地時間、ストライド(歩幅の大きさ)、ピッチ(1分間の歩数)、着地衝撃など、人の目や感覚では判別できない繊細なデータを可視化します。

これによりベテラン走者でも、「右足に負担がかかりすぎている」「足裏全体で着地して走っていると思っていたが踵を使い過ぎていた」など自分では気づかない点がリアルに判明します。音声でアドバイスを聞けると孤独なランニングでもモチベーションが上がり、走行フォームを修正するとアドバイス内容も変化する点も達成感が味わえて新鮮なのだとか。余計な負荷がかかっていることがわかれば怪我リスクも軽減できるので、選手生命を延ばせるなどメリットは大きいですよね。

スポーツにDXを導入した事例:スポーツ支援プロジェクトフォームで熟練指導者のメソッドのシステム化に成功

サッカーのイメージ
多くのスポーツ競技で、せっかく良い指導者がいてもそのノウハウが継承されないという共通の問題点があります。とくに団体競技では選手の数やレベル、役割が多様化、複雑化する傾向が強く、必勝法のマニュアル化が非常に難しいです。

そこで、NECは元サッカー日本代表監督・岡田武史氏、慶応義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科と共同で「OKADA METHOD」というスポーツ支援プロジェクトフォームを開発。岡田氏が持つ貴重なチーム・選手の育成メソッドにくわえ、心技体の視点をデジタルコンテンツにして、トレーニングの計画・実行・評価・分析というPDCAサイクルを見える化して、チームや個人に多角的なアプローチが可能なプラットフォームを作りました。

スポーツは生身の肉体を使って行うため、技術面やフィジカルの使い方には感覚的であいまいな面があります。よってその内容を正確に言語化、可視化して、属人化せず誰もがわかるように伝えるのは至難の技でしょう。そこをデジタルの力で見事に継承可能なかたちに落とし込んだのが、このプロジェクトフォームです。

サッカーに限らず他のスポーツでも活用できるシステムのため、活用が進めばプロからアマチュアまで多くのチームでDXが進み、パフォーマンスの向上が期待できます。

スポーツにDXを導入した事例:AR(拡張現実)でピッチ観戦・グルメ配達も可能に

会場のイメージ
KDDI株式会社は、サッカー競技場で第5世代移動通信システム5Gを活用した次世代型の観戦体験を演出しています。観客は専用タブレットをピッチに向けるとAR(拡張現実)によって画面上にグランドを模したピッチを表示。すると会場内の7つのカメラから好きなアングルの映像を選択し、座席から遠くて見えにくいプレーを目の前で観られます。さらにシュート数やゴール数、選手やチームごとのスタッツも同画面で確認可能。

また、試合前には勝敗やスタッツを予想するゲームやハーフタイムにはタブレットのピッチでボールをシュートして他の観客と競い、成績優秀者には景品をプレゼントというエンタメ要素も加味されています。タブレットから会場内のお店に時間を指定してグルメ配達もオーダーできるので、今までにないエキサイティングで便利な観戦ができるに違いありません。

スポーツの今後

賑やかなイメージ

スポーツ庁の試算では、ITを活用したスポーツテック市場は、今後年間1兆円規模に成長していくと予想されています。内閣府は「日本オープンイノベーション大賞 スポーツ庁長官賞」を設け、スポーツ界の発展に寄与しそうな先導・独創性の高い取り組みに注目しています。これに電通が主催する「SPORTS TECH TOKYO」が選ばれましたが、ここには世界33か国のスタートアップ約300社が応募。それ以外にも約200の個人・団体が参画し、これを伊藤忠商事やソフトバンク株式会社が後援しました。

これを見ても国や大手企業がスポーツ界のビジネスとしての将来性に大いに期待している姿勢がうかがえます。その中心には、間違いなくDX(デジタルトランスフォーメーション)があると言っても過言ではありません。

デジタル技術を使ったスポーツの魅力に惹かれてスポーツ人口が増加し、それを観賞するファンが増え、さらにそれを支える画期的なサービスが提供されていくことで、スポーツ界発展の好循環が生まれれば、スポーツの将来が非常に明るいに違いありません。「する」にせよ「観る」にせよ「支える」にせよ、スポーツのDX(デジタルトランスフォーメーション)の動きに参加しながら今後の動向を見守っていきましょう。

まとめ

さて、今回はスポーツにDXを導入するメリットや事例、さらにスポーツの今後についてお伝えしました。

デジタルテクノロジーを積極的に活用してスポーツを「する」「観る」「支える」という3つの観点から新たな局面に向かってステップアップさせる動きが、スポーツのDX(デジタルトランスフォーメーション)です。

スポーツにDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入すると、「パフォーマンスが向上する」「興奮度・感激度が向上する」「安全性やお得感が向上する」という3つのメリットがあります。

アシックスのスマートシューズやNECのスポーツ支援プロジェクトフォームなどは、DXによるパフォーマンス向上に大いに役立つでしょう。また、KDDI株式会社のAR(拡張現実)を使った観戦サービスも、「観る」楽しみに大きな風穴を開けたといえます。

政府もビジネス界も今後のスポーツ発展に力を入れているなか、DX(デジタルトランスフォーメーション)が果たす役割ははかりしれません。デジタル技術のイノベーションにより「する」「観る」「支える」の好循環が生まれれば、スポーツ界の未来がどんどん明るくなります。ぜひ、今後の動きに期待しましょう。

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