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プログラミング初心者向けにPythonで何ができるかまとめてみた

プログラミング初心者向けにPythonで何ができるかまとめてみた

最近、Pythonというプログラミング言語が話題になっています。Pythonというプログラミング言語を耳にはするけど、Pythonで何ができるの?といった疑問を持つ人も多いですよね。PythonとはAI(人工知能)の開発やデータ分析を行うことができるプログラミング言語です。Pythonは他言語と比べて読み書きが容易という特徴があるとのこと。

しかし、Pythonで具体的に何ができるか知らないと、いざ本腰を入れての学習はできません。実は、Pythonを習得することで、「データサイエンティスト」や「Webアプリケーションのエンジニア」などといった職種を目指すこともできます。Pythonはできることが豊富なため、今後需要が高まるでしょう。

もちろん、この他にもPythonでできることはたくさんあります。そこで今回は、Pythonで何ができるの?という疑問にお答えするべく、Pythonでできることをお伝えしましょう。

最近よく耳にするPythonってどんな言語?

言語のイメージ

Pythonは、オランダ人のグイド・ヴァンロッサムが開発したプログラミング言語で、Pythonという英単語が意味する爬虫類のニシキヘビがPython言語のマスコットやアイコンとして使われています。

Pythonの大きな特徴は、コードの可読性が高く、また書きやすいということ。また、プログラマの作業量は減るがコードの信頼性は保たれることも人気の理由であり、様々な用途で使える汎用の高水準言語です。実際に、プログラム言語別の平均年収ランキングで1位とのこと。

なぜPythonが書きやすいかというと、記述しなければいけないプログラムの量がCやJavaよりも短いからです。Pythonの文法自体が単純で誰が書いても同じようなコードとなるようにデザインされ、Javaの文法であったような、ブレース({}などの波括弧)や、行末のセミコロンは不要です。その代わり、インデント(タブやスペースによる字下げ)によって処理のブロックを判別するような構文規則をとっているので、シンプルなコードになっています。

Pythonはライブラリをはじめとした、専門的なツール群が豊富に用意されており無料で入手できるため、自らの利用用途にあった機能を拡張できます。このためWebアプリケーションやデスクトップアプリケーションなどの開発はもちろん、組み込み用のスクリプトや、各種の自動処理、理工学や統計・解析など、幅広い領域に応用されています。

ライブラリ:ライブラリとは、ある目的のために機能をまとめたパッケージの総称を指す言葉です。Pythonでは、複数の関数をまとめたものをモジュールと呼び、さらに複数のモジュールをまとめたものをパッケージと呼ぶ

次章からは、Pythonで何ができるか見ていきましょう!

Pythonでできることその1:機械学習やAI開発

機械学習のイメージ
Pythonで何ができるか、1つ目は「機械学習やAI開発」です!ディープラーニングや機械学習のプログラム処理には高度な数値計算が必要となるため、その計算ライブラリ(NumPy、Pandas等々)が充実したPythonを用いることが多いです。

そのAI(人工知能)分野に特化した機械学習ライブラリとして、「scikit-learn(サイキットラーン)」があります。現在も世界中のエンジニアや研究者によってライブラリが開発され、データも無料でインストールして用意できるため、初心者でもすぐに機械学習を試せます。

では、「scikit-learn」で実際にどうやって機械学習をおこなっていくか説明しましょう。今回は「scikit-learn」のデータセットにある「手書き数字データセット」を使います。データセットには「手書き数字の画像データ」と、それに対する答えの「数字」が含まれ、訓練データとテストデータに分けます。そして、訓練データを学習してテストデータで評価することで、実行結果が出力されます。こうして、簡単に機械学句集ができました。

この他にも、開発を通してAI(人工知能)分野に強いライブラリは日々研究されて、オープンソースソフトウェアとして公開され、研究・学習コミュニティも盛んになる、このような流れの中でPythonはAI開発に欠かせない開発言語となりました。

Pythonでできることその2:WebサービスやWebアプリケーションの開発

Webのイメージ
Pythonで何ができるか、2つ目は「WebサービスやWebアプリケーションの開発」です!

Webアプリとは、インターネット上で行われるアプリケーションサービスのことです。Google PlayやAppleストアでダウンロードするアプリケーションを「ネイティブアプリ」あるいは「アプリ」と呼ぶのに対して、インターネット上で実行されるプログラムを「Webアプリ」と呼んでいます。

Pythonで作られた代表的なWebアプリケーションを取り上げましょう。

  • YouTube(動画共有アプリケーション)
  • Spotify(音楽配信サービス)
  • Instagram(写真共有アプリケーション)
  • Pinterest(写真共有アプリケーション)
  • Dropbox(オンラインストレージサービス)
  • Evernote(個人用ドキュメント管理アプリケーション)

Pythonでのアプリ制作はテンプレートを用いて、自分好みにカスタマイズするだけでWebアプリを開発できます。

また、Pythonでは開発に便利なWebアプリケーションフレームワークが充実しています。代表的なフレームワークは「Django」や「Flask」。「Django」はデータ定義から自動的に画面を作成する機能があり、ログイン機能やユーザー管理機能も用意され、必要な機能が全て含まれたフルスタックフレームワークです。

「Flask」は多くの機能を自分で実装して開発する必要があるため、要件に応じて細かなカスタマイズが可能です。「Django」と比べて軽量で簡単なWebアプリを作成することに向いており、小規模開発向けのマイクロフレームワークとなっています。「Flask」はシンプルな機能しか搭載していないため、学習時間が少なく、時間をかけずにWebアプリを開発できるでしょう。

自分が使っているWebアプリがPythonを使って作られていると知ると、よりPythonが身近に感じられますよね。あなたもPythonを習得することで、自分でWebサービスを自分で開発できるようになるかもしれません!

Pythonでできることその3:データ処理と分析の自動化

データのイメージ
Pythonで何ができるか、3つ目は「データ処理と分析の自動化」です!PythonはExcelの代わりにデータ処理と分析を自動化できるので、何度も行う作業はPythonで自動化して、業務を効率化しましょう。

ただし、PythonではExcelでデータ入力したり、コピぺしたりする作業を自動化できますが、Excel内でできる作業ならVBAを利用した方が良いです。Pythonでできることは、Web上のデータをExcelに転記したり、逆にExcelからWebに転記したりすること。これによってブラウザや他のアプリとの連携を自動化でき、作業を効率化できるでしょう。

また、PythonにはOpenPyXLというライブラリがあり、これを使えば資料や請求書を自動で作成できます。以下のようなコマンドを用いて、Excelファイルの読み込み、Excelファイルの保存を行えます。

「読み込み」wb = openpyxl.load_workbook(“Sample.xlsx”)
「保存」wb.save(“Sample.xlsx”)

これらのコマンドを使用することで、様々な作業を自動化できます。

さらにExcelだけでなく、WordやPDFの操作を自動化できます。PythonのPython-docxというライブラリを使うことで、自動で画像の挿入をしたり、Wordに書かれた文章の内容を自動で取得したり、色々なことが自動でできます。python-docxをインストールすれば、以下のようなコマンドを用いることでwordの操作をすることができます

【新規作成】document = Document() #新規作成
【保存】document.save(‘任意のファイル名.docx’)

PythonのSeleniumというライブラリを使えば、ブラウザを自動で操作できます。例えば、「.get(URL)」コマンドでURLを開く、「.click()」コマンドでクリックを行えるので、効率化できます。他にもブラウザを立ち上げたり、自動でクリックしたりすることができるので、これを応用すれば一気にできることの幅が広がるでしょう。

この他にもPythonで数値計算やデータ操作を行うためのライブラリとしてはNumpyやPandas、Scipyが用意されています。他にも簡易分析では「pivottablejs」や「collections」、グラフ描画では「matplotlib」といった豊富なライブラリがあります。

Pythonでできることその4:Webページからの情報収集の自動化

ショッピングのイメージ
Pythonで何ができるか、4つ目は「Webページからの情報収集を自動化」すること。PythonではWebページから自動で情報収集してエクセルなどのデータに出力するスクレイピングができます。PyhonにはWebサイトから情報を取得するライブラリが搭載されていますので、スクレイピングを使えば、Amazonの気になる商品の価格を監視して、価格が下がった時にメールで通知するようなツールを作成できます。

また、株式投資で過去の株価データを取り込み、グラフ化することもPythonを使うとほんの十数行のプログラミングでできます。これを手作業で行おうとすると、Webサイトにアクセスする→該当する箇所をメモしてエクセルに貼り付けるをひたすら繰り返し、そのあと集めたデータを整理してグラフ化しないといけません。手作業でやるのはとても面倒くさい作業ですよね。

このように他の言語では数百行にも及んでしまう動作が、Pythonでは十数行で実現できてしまうのも、Pythonの大きな特徴の一つであり、プログラミング初心者の方にも取っつきやすい理由でもあります。

さらに、自分で定期的にWebサイトを訪れなくても自分の得たい情報を自動で収集できるでしょう。Pythonでスクレイピングを行う際に使われるライブラリには、「requests」と「BeautifulSoup」があります。「Requests」でWebサイトからHTMLのソースコードを取得します。「BeautifulSoup」では取得したソースコードからテキストを解析してプログラムで扱いやすいデータに変換します。こうしてWebから情報を取得できますが、Webサイトによってはスクレイピング禁止している場合もありますので注意しましょう。

Pythonでできることその5:ブロックチェーンやフィンテック技術の開発

お金のイメージ

Pythonで何ができるか、5つ目は「ブロックチェーンやフィンテック技術の開発」です!

ブロックチェーンは、仮想通貨であるBitcoinにも使われている技術です。ブロックチェーンは分散型取引台帳とも呼ばれ、仮想通貨の取引履歴を分散してユーザー同士で管理する仕組みです。

ブロックチェーンでは、発生した取引の記録を「ブロック」と呼ばれる記録の塊に記録します。各ブロックには取引の記録と1つ前に生成されたブロックの内容のハッシュ値などを格納します。(ハッシュ値とは、データから別の値を求めるための関数のこと)

生成されたブロックが、時系列に沿ってつながっていくデータ構造が、まさにブロックチェーンと呼ばれる理由です。ハッシュ値は前のブロックのデータ内容が少しでも変更されると全く異なる値となるため、連なるハッシュ値を全て変更しなければならず改ざんが困難となります。

そこで、Pythonにはハッシュ値を計算するモジュールが用意されているのでブロックチェーンの実装に使われています。

フィンテックは金融と技術を合わせた言葉です。金融機関が公開しているAPIを利用して、個人でもサービスの開発ができます。例えばZaifという仮想通貨取引所が提供しているAPIとPythonを組み合わせると、仮想通貨自動取引Botを作成できます。botを使うことで刻々と変化する仮想通貨のチャートに張り付く必要がなくなるでしょう。

ちなみにAPIとはアプリケーションの一部を外部に向けて公開することにより、第三者が外部から呼び出して利用できるものです。こういった公開されているAPIをPythonで呼び出すことによって新たな機能を追加し、簡単に自分のサービスの質をあげられるのは、とても便利ですよね!

Pythonを学ぶにはどうしたらいいのか

勉強のイメージ
Pythonを学ぶ方法はたくさんありますが、初心者にオススメなのは書籍で学ぶ・差もしくはプログラミングの学習サイトで学ぶ方法です。

Pythonを学ぶのに役立つサイトはいくつも存在します。有名なサイトをご紹介しましょう。

  • Progate(プロゲート):スライド形式で学ぶことができ、その場で実践しながら学ぶことができる。プログラミング経験の少ない初心者の方におすすめ
  • ドットインストール:3分の動画で学ぶことができ、飽きずに気軽に取り組むことができます。気軽に取り組みたい方におすすめ
  • Paizaラーニング: 3分前後の動画で学ぶことができる。Python以外にも学べる言語の種類が多い。どんどん問題を解きたい人におすすめ
  • Udemy:登録しても月額料金が一切かからず、勉強したいときに動画教材を購入できる

ぜひ、それぞれの学習スタイルに合わせて選択しましょう。

しかし、これらの教材はあくまで導入の導入です。Pythonでやりたいことは人それぞれあるので、アプリを作りたい人はアプリに特化した学習を、AI(人工知能)を開発したい人はAI(人工知能)に特化した学習をしていく必要があります。土台を固めた後は、参考書やその他の学習コンテンツを用いて学習しましょう!

またPythonを身につけようとするならば、一つでもいいので、自分で作成することが大切です。プログラミングの勉強を始めるときに、環境構築でつまずくことが多いですが、Pythonの場合は、Web上で開発できる、環境が用意されており、始めるハードルは低いでしょう。初心者の方でも気軽に始めることができるに違いありません。

まとめ
さて今回は、主に「Pythonとは何か」、「Pythonで何ができるか」、「Pythonの学習方法」についてお伝えしました。Pythonとは文法が単純化された初心者に易しい言語でありながら、豊富なライブラリがあり多領域において用いられている言語です。

Pythonで何ができるかというと以下の5つとなります。

  • 機械学習やAI開発
  • WebサービスやWebアプリケーションの開発
  • データ処理と分析の自動化
  • Webページからの情報収集を自動化
  • ブロックチェーンやフィンテック技術の開発

初心者がPythonを学ぶには「Progate」や「Paizaラーニング」、「ドットインストール」、「Udemy」がおすすめです。初級から上級までレベルを上げていきながら学習ができて、自分のPCに環境を構築することなく手軽に始められます。

Pythonは、ライブラリが数多く準備されているので、簡単なプログラミングで多くのことが実現できます。これまで他の言語を学習してつまずいたことのある人、Pythonなら習得できるかもしれません。

また、これからの時代、プログラミング言語はIT技術者でなくとも使えるようにしましょう。プログラミングを身につけることによって、論理的な思考が身についたり、独立して個人でも稼いだりできます。まずは気軽な気持ちでプログラミング学習を始めましょう。

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