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スキルアップに最適!Pythonの資格試験の問題・難易度を徹底解説

スキルアップに最適!Pythonの資格試験の問題・難易度を徹底解説

さまざまな手段がありますが、自分のPythonスキルを証明するものの一つに資格がありますよね。Pythonの資格を持っておけば社内評価も上がるし、転職に有利になる可能性が高いので取れるものならば資格は取っておき、エンジニアとしてスキルアップしていきたいでしょう。

しかし、Pythonの資格ってどんなものがあるんだろう?と、意外と知らないかもしれません。IT系で有名どころで基本情報技術者試験や応用情報技術者試験があるけれども、Pythonの資格ってそもそもあるの、もしあるなら、どんな知識が必要になって来るの?と気になって来るはず。

そこで、今回はPythonの資格にどのようなものがあり、試験内容はどんなものなのか、その対策などを徹底的に解説します。まずは、Pythonの資格にどのようなものがあるのか概要についてです。

Pythonの試験とは?どんな内容が問われるの?

勉強するイメージ

Pythonの資格は海外にいくつかありますが、現在日本が実施しているのは「Python 3 エンジニア認定基礎試験」「Python認定インテグレーター制度」になります。また、まだ試験段階ですがPythonの中でもデータ分析の技術の証明となる「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」という試験も実施されています。

それぞれの資格の目的と試験内容の概要は以下の通りです。

  • 「Python 3 エンジニア認定基礎試験」:Pythonの基礎知識を持っていることを保証する資格。試験内容はPythonの環境構築や文法が中心。
  • 「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」:Pythonを使ってデータ分析ができることを保証する資格。試験内容は数学、文法、ライブラリ(便利なプログラムのセット)の扱い方が中心。
  • 「Python認定インテグレーター制度」:技術支援やマーケティング支援を受けるためのPythonが使えることができることの証明になる資格。「Python 3 エンジニア認定基礎試験」合格者数に応じて受けられる支援などグレードが変わる。

上記3つの資格を実施しているのは一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会という法人です。実際に名前の通りPythonのエンジニアの育成やPythonの普及に向けて活動している団体で、2016年6月29日に設立されました。

※こちらの記事も参考になります

続いて、次の章から3つの資格についてそれぞれ解説していきます。

Pythonの資格試験その1「Python 3 エンジニア認定基礎試験」の問題の内容・難易度

基礎的な知識のイメージ

まずは「Python 3 エンジニア認定基礎試験」という資格について解説します。「Python 3 エンジニア認定基礎試験」はPythonの基礎知識に関して与えられる資格で、2019年12月現在の試験概要は次の通りです。

受験日:通年

試験センター:全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター

試験名:Python 3 エンジニア認定基礎試験(英名:Python 3 Certified Engineer Basic Examination)

資格名:Python 3 エンジニア認定基礎試験合格者(英名:Python 3 Basic Grammar Certification)

概要:文法基礎を問う試験

問題数:40問(すべて選択問題)

試験時間:60分

合格ライン:正答率70%

受験料:1万円(税別)学割5000円(税別)

(引用:一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会-基礎試験より

2019年12月現在の出題範囲はオライリー・ジャパンの「Pythonチュートリア〜ル 第3版」の掲載内容(14章まで)に加えて一般的知識が問われます。

食欲をそそってみようか(出題数:1)

Pythonインタープリタの使い方(出題数:1)

気楽な入門編(出題数:6)

制御構造ツール(出題数:9)

データ構造(出題数:7)

モジュール(出題数:2)

入出力(出題数:1)

エラーと例外(出題数:4)

クラス(出題数:2)

標準ライブラリめぐり(出題数:4)

標準ライブラリめぐり-PartⅡ(出題数:1)

仮想環境とパッケージ(出題数:1)

次はなに?(出題数:0)

対話環境での入力行編集とヒストリ置換(出題数:1)

(引用:一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会-基礎試験より

傾向として、「気楽な入門編」「制御構造ツール」「エラーと例外」「標準ライブラリめぐり」の出題数が多いですよね。出題される問題は、「Pythonにおけるタブ補完について正しいものを選択肢から選びなさい。」といったようなPythonを使った応用問題が出てきます。これらの範囲をしっかり勉強することがPythonの資格の一つである「Python 3 エンジニア認定基礎試験」合格への近道へとなるでしょう。

「Python 3 エンジニア認定基礎試験」の難易度ですが、2017年4月の時点で受験者数1273名、合格者数は989名(合格率:約78%)とそれほど難易度は高くはありません。試験時間は60分と一見短いですが、受験者いわく何度も見直しが可能なくらい時間に余裕があるとか。つまり「Python3 エンジニア認定基礎試験」は試験による選別というよりも、Pythonの理解力を問う傾向にある資格であるためこのような難易度になっていると考えられます。

Pythonの資格試験その2「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」の問題の内容・難易度

分析のイメージ
次に「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」という資格について解説します。「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」はPythonのデータ分析に関する資格です。既にベータ試験は実施されましたが、本試験は2020年春から実施する予定で、2019年12月現在の試験概要は以下の通りになります。

受験日:2020年春から実施予定(通年受験を実施)

試験センター:全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター

試験名:Python 3 エンジニア認定データ分析試験

概要:Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法を問う試験

問題数:40問(すべて選択問題)

合格ライン:正答率70%

受験料:1万円(税別)学割5000円(税別)

(引用:一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会-データ分析試験より

2019年12月現在の出題範囲は翔泳社「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」から以下のとおりになります。

データエンジニアの役割(問題数:2)

Pythonと環境

実行環境構築(問題数:1)

Pythonの基礎(問題数:3)

Jupyter Notebook(問題数:1)

数学の基礎

数式を読むための基礎知識(問題数:1)

線形代数(問題数:2)

基礎解析(問題数:1)

確立と統計(問題数:2)

ライブラリによる分析実践

Nympy(問題数:6)

pandas(問題数:7)

Matplotlib(問題数:6)

scikit-learn(問題数:8)

応用 データ収集と加工(問題数:0)

(引用:一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会-データ分析試験より

データ分析の試験なだけあって、後半の「ライブラリによる分析実践」から多く問題が出題されていますよね。この章をしっかりと準備すれば、Pythonの資格である「Python 3 エンジニア認定基礎試験」合格へとぐっと近づくでしょう。また、「Python 3 エンジニア認定基礎試験」とは異なり、数学的知識をがっつり問う問題も出題されます。

もちろん、まだ本試験が実施されていないので「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」の正確な難易度は不明ですが、「Python 3 エンジニア認定基礎試験」よりは難易度が高いだろうと予想されています。ベータ試験受験者によれば「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」をしっかりと読めば十分合格できると感じ、試験時間的な余裕もあるとのことです。

Pythonの資格試験その3「Python認定インテグレーター制度」の問題の内容・難易度

企業のイメージ
最後に「Python認定インテグレーター制度」という資格について解説します。

現在、AI(人工知能)やビッグデータといった技術の普及に伴い、新規参入企業に対して、技術やマーケティングの支援の必要性が生じています。そのため「Python認定エンジニア基礎試験」合格者を育成している企業をインテグレーター(企画、構築、運用などの業務を一括して請け負う企業)とし、技術やマーケティングの支援をしようと「Python認定インテグレーター制度」が始まりました。前述の2つの試験とは異なり、個人ではなく企業に与えられる資格です。

「Python認定インテグレーター制度」にはプラチナ認定インテグレーター、ゴールド認定インテグレーター、シルバー認定インテグレーター、ブロンズ認定インテグレーターが存在します。これらのランクは「Python認定エンジニア基礎試験」合格者の数に応じて変動します。

受けられる支援の中には、技術展望、技術業界動向や人材育成方法などの知見を口頭で行う「技術会議」やセミナー集客、キャンペーン集客をFacebookにて支援する「マーケティング支援」、一回一時間程度のセミナー講師の派遣などがあります。それぞれのランクと支援の違いは、以下のようになります。

プラチナランク

企業内での認定エンジニア数:30名年会費:20万円認定プレート:ありWebの企業名の掲載:あり技術会議:年間1回2時間までマーケティング支援:年間4回までセミナー講師派遣:1回3万円+交通費実費
ゴールドランク

企業内での認定エンジニア数:3名年会費:20万円認定プレート:ありWebの企業名の掲載:あり

技術会議:年間1回2時間までマーケティング支援:年間4回まで

セミナー講師派遣:1回3万円+交通費実費

シルバーランク

企業内での認定企業内でのエンジニア数:2名年会費:10万円認定プレート:ありWebの企業名の掲載:あり技術会議:初年度1回1時間までマーケティング支援:初年度のみ2回まで

セミナー講師派遣:1回3万円+交通費実費

ブロンズランク

認定企業内でのエンジニア数:1名

年会費:無料

認定プレート:なし

Webの企業名の掲載:あり

技術会議:なし

マーケティング支援:なし

セミナー講師派遣:1回3万円+交通費実費

一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会-認定インテグレーターよりい一部引用

Pythonの資格試験に合格するためには「Python3チュートリアル」を読もう!

本のイメージ
現在既に実施されているPythonの資格である「Python 3 エンジニア認定基礎試験」に合格するためには、「Python3チュートリアル」を読むことが確実で最短であること間違いありません。というのも、「Python 3 エンジニア認定基礎試験」は「Python3チュートリアル」を元に出題範囲が決められているからです。出題範囲を決めている教科書があるなら、それを読まない手はないですよね。

「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」では別の書籍を元に出題範囲を決めていますが、それでも「Python3チュートリアル」を読みましょう。というのも、名前の通り「Python3チュートリアル」はPythonのチュートリアルであり、Pythonの基礎身に付けるにあたって有用な一冊だからです。「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」を読むに当たって事前に「Python3チュートリアル」を読んでおくと勉強しやすいかもしれません。

まとめ
さて、今回はPythonの資格にどのようなものがあり、どのような資格なのか徹底的に解説しました。実施予定のものも含め、日本の一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施しているPythonの資格には次の3つがありましたよね。

  • 「Python 3 エンジニア認定基礎試験」
  • 「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」
  • 「Python認定インテグレーター制度」

「Python 3 エンジニア認定基礎試験」は文法の基礎を問う試験で、Pythonの登竜門的資格といえるでしょう。出題範囲はオライリー・ジャパンの「Pythonチュートリアル」から決められており、「Pythonチュートリアル」の熟読がカギを握ります。

「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」はPythonを使ってデータ分析をするための基礎や方法を問う試験で、データ分析を専門に扱うエンジニアとしてはぜひとも取っておきたいですよね。翔泳社「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」が出題範囲となっており、「Pythonチュートリアル」や「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」を読んでおくと合格に近づくでしょう。

「Python認定インテグレーター制度」は企業向けのPythonの資格で、技術やマーケティングの支援を受けることができる資格です。「Python 3 エンジニア認定基礎試験」合格者数に応じてプラチナ認定インテグレーター、ゴールド認定インテグレーター、シルバー認定インテグレーター、ブロンズ認定インテグレーターがあり、それぞれ受けられる待遇が異なります。

AI(人工知能)が活躍する現代において、これらPythonの資格を見過ごすことはできません。Pythonのエンジニアである、あるいは目指しているならば、資格の取得を目指してみましょう!

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