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【2020年版】世界のロボット関連での最新ニュース8選

【2020年版】世界のロボット関連での最新ニュース8選

少し前までは、ロボットといえばものづくりの現場で活躍する産業用ロボットのイメージでしたよね。でも、最近のロボットは最新テクノロジーを備えて日々進化し、公共の場や家庭でも日常的に目にするようになりました。

たとえば、家具など障害物を器用によけて掃除する「ルンバ」や、商業施設や駅などで案内や警備をするセキュリティロボット。モノを拾ってくれたり歩行をアシストする支援ロボット…など。今では、人にとって必要なサポートをしてくれる「サービスロボット」が世界中で活躍しています。

このようにかゆいとところに手が届くロボットが増えて、私たちの生活はびっくりするほど便利になりました。その上、大企業だけでなくベンチャー企業もロボット開発に取り組むようになり、自由な発想の最新ロボットが続々と登場しているのです。

そこで今回は、2020年の世界のロボット関連での最新ニュースと、気になる今後のロボットのトレンドについても予想してお伝えしましょう。

2020年のロボットの最新トレンド

ネットワークのイメージ

まず、2020年にトレンドになるであろうロボットの特徴について解説します。

日本では少子高齢化が進み、労働人口の減少が課題になっていますよね。そこで、人手不足を解決するためのロボットの普及が、今後もますます進むでしょう。特に飲食店では、料理の搬送や下膳がロボットによって自動化されたり、駅や商業施設では「警備ロボット」や「案内ロボット」が活躍します。実際に新宿駅や大阪駅などのターミナル駅では、すでに駅案内ロボットの実証実験が開始されているのだとか。

また、2020年に5G(第5世代モバイル通信システム)の商用化が始まります。注目の5Gには「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」の3つのメリットがありますが、リアルタイムとの時差もなくなり、遠隔地からのロボット操作や制御がよりスムーズになるでしょう。

そこで、ドローンや自動運転ロボット、アバター(分身)ロボットなどは5Gの恩恵を受けて、幅広いビジネス展開が進むと考えられます。

このように、2020年のロボットの最新トレンドは、労働力不足などの「課題解決型ロボット」やドローンやアバター(分身)などの「遠隔操作型ロボット」が挙げられるでしょう。では、次に代表的なトレンドロボットをピックアップしてお伝えします。

ニュースその1:配膳や下膳もおまかせ!ホールで活躍する飲食店向けロボットが続々登場!

飲食のイメージ

飲食業界では、料理を作るたけでなく、できた料理を運び、終わった食器を下げるという仕事も重労働ですよね。そんな飲食店向けに作られたロボットがあります。

自律走行型ロボット「Penny(ペニー)」がウェイトレスとして活躍!

接客係の労力と時間を削減するために作られたのが、自律走行型ロボット「Penny(ペニー)」(ベア・ロボティクス社開発 米国)です。

「Penny」は大人の腰ほどの高さのロボットで、何段かのトレーに料理を乗せて厨房から客のテーブルまで、障害物を除けながら自動走行で運んでくれます。もちろん、食事や休憩もいらないので疲れることがありません。

今のところモノを運ぶだけで、「何にいたしましょうか?」などのコミュニケーションはできませんが、「Penny」のおかげで、接客係が顧客のために使える時間は平均40%長くなり、顧客満足度も増えたとのこと。それに、料理が冷めないうちに「Penny」が素早く運んでくれると、お客さんも待たされることがなく快適ですよね。

現在、米国の「アミーチズ・ピザ」などの飲食店やカジノ、日本や韓国のレストランで活躍中ですが、ソフトバンクからの出資も受けて世界規模での量産を目指しています。

「スマイルロボ」があなたの片付けをお手伝いします!

また、人手不足で食後の下膳まで手が回らないという飲食店も多いでしょう。そこで、開発されたのが「スマイルロボ」です(スマイルロボテックス社開発)。

「スマイルロボ」は、客が食べ終わったテーブルまで自走し、搭載のアーム(腕)でテーブルの上の食器を片付けて所定の場所まで運ぶロボットです。現在は、完全自動化を目指し開発中ですが、アームで食器をつかむ姿は、どこか人間的で親しみが湧きますよね。

ただ、ロボットが食器を片付けるという最新技術は課題も多く、バラバラに置かれた食後の食器の何をつかむべきかを正確に認識して、適切に回収するのが難しいとのこと。でも安全でスピーディーな下膳ができると、お客の回転率が上がり、売り上げもアップするでしょう。

ニュースその2:自律走行と遠隔操作で死角なし⁉最新の警備ロボット事情

セキュリティのイメージ

日本を訪れる外国人観光客は年々増える一方で、セキュリティに対するニーズも高まっていますよね。しかし警備業界も、高齢化や人手不足で十分な人材が確保できない状態です。そこで、駅や空港、商業施設などに続々と警備ロボットが登場しています。

2本のアームを持つ警備ロボット「ugo(ユーゴー)」があなたの動きをお助け

「ugo(ユーゴー)」(Mira Robotics社開発)は、もともと洗濯物を畳むなど家庭での使用を前提に作られたロボットですが、警備業界の人手不足を受けて、警備に必要な機能を備えて改良されました。

「ugo」の特徴としては2本のアーム(腕)があることですが、それによってモノをつかんだり、アームの先についた指のような部分で、施錠の確認やエレベーターの呼び出しボタンも押すことができます。

それにインターネットによる遠隔操作が可能で、スピーカーを通してロボットの周囲にいる人と会話もできます。海外など、離れた場所からでもしっかり警備ができ安心ですよね。

「ugo」は現在、品川シーズンテラスで実証実験がされていますが、2020年秋にはサービスが展開される予定で、警備業界の期待も高まっています。

「Nimbo(ニンボ)」がセグウェイに乗ってスイスイ移動!

「Nimbo(ニンボ)」は、人が乗って自在に移動できる「セグウェイ」をベースに、自律移動と遠隔操作が可能な警備ロボットです(アメリカのTuring Video社開発)。

特徴としては、日中は人が乗って操縦し移動のためにモビリティとして利用できますが、警備の時は自律的に移動して巡回する二刀流のロボットです。巡回コースはスマートフォンやタブレットのマップ上から指定でき、遠隔地からの操縦やカメラ操作も可能です。それに「セグウェイ」がベースなので、ショッピングモールや空港、工場など広い場所でもスイスイ走れますよね。

「Nimbo」は既に、アメリカのシスコシステムズや中国の大連万達グループが、データセンターやショッピングモールのパトロールに活用しています。

日本では「全日警」が警備業務のオプションの一つとして提供していますが、2020年度300台、2021年度1000台を目指しています。警備業界は過酷で長時間労働も少なくありませんが「Nimbo」なら疲れることなく、24時間しっかり警備してくれるに違いありません。

ニュースその3:5Gの出現でますます進化するドローン

ドローンのイメージ

ドローンといえば、農業や物流、災害、撮影など幅広い産業で活用されていますよね。さらに冒頭でもお伝えした5Gの出現により、ドローンの可能性もますます広がっています。

山岳登山者見守りドローンが登場!

日本では山岳遭難事故が増加傾向ですが、特に長野県は遭難者が多く、災害救助隊の負担も大きくなっています。それに、遭難者の位置確認や現場状況の把握が難しく、救助にも時間がかかっているとのこと。

そこで少しでも短時間で救助できるよう、「5G」を活用したドローンによる山岳登山者見守りの実証実験が行われてます(信州大学や長野県駒ケ根市、KDDI、株式会社プロドローンなど)。

まず、山岳登山者見守りシステムによって遭難者がいる場所を想定し、そこに「5G」タブレット、4Kカメラ、拡声器を搭載したドローンを自律飛行で飛ばします。そして、現場の確認や遭難者の状況を把握して、4Kカメラ映像と拡声器からの呼びかけで遭難者の身体状況などを確認します。その情報から、一番適切な救助方法を判断するのです。

何より「5G」で、遭難者の様子がリアルタイムでわかりますし、4Kカメラの映像も鮮明で状況が把握しやすいので、早期の救助につながりますよね。また、要救助者と対話をしながら救助ができるドローンは、災害の多い日本では活躍の場が多く、これからますます増えていくでしょう。

Uber(ウーバー)のドローンデリバリーの実験が始まる

Uber (米国)といえば、配車アプリやフードデリバリーで有名ですが、ドローンで食事を運ぶ実験も始まっています。

Uberドローンの機体には垂直離着陸に対応した6個のルーターを備えており、往復可能な距離は最大で約29キロ、飛行可能時間は18分程度とされています。それに、大人2人分の食事も十分に運べるとのこと。

しかし、Uberドローンは、レストランから顧客の家まで一気に飛んで行くわけではありません。まず、レストランから特定の場所まで飛行し、地上で待機するドライバーが荷物を受け取って、お客さんの家まで運ぶというルートです。あくまでも、料理を運ぶプロセスを効率化することが目的なので、最後は配達員である人間が責任もって渡すということでしょう。それでも、時間短縮や人手不足解消につながっています。

またアマゾンやグーグルも日本やオーストラリア、フィンランドなどでドローンによる配達実験を始めており、特に離島や山間部の人たちにとっては、実用化が待ち遠しいでしょう。

ただドローン配送では、空中の障害物(鳥やドローン同士)への衝突が最大の課題となっています。しかし5Gによってリモート操縦もよりスムーズになるので、衝突を回避しながらの飛行は十分可能になるかもしれません。ですから、ドローンがあっいう間に荷物を届けてくれる日も近いはずです。

ニュースその4:アバター(分身)ロボット登場で不可能が可能に!

ロボットのイメージ

アバターロボットというのは人が遠隔地から操作をするロボットのことですが、人はその場所に行かなくても、ロボットを通していろんな体験が可能になります。そんな夢のような最新の技術を備えたロボットは、2020年には続々と実用化されています。

コミュニケーションアバター「newme(ニューミー)」が人間みたいに会話できる!

「newme(ニューミー)」は、ANAホールディングスから発表された最新のコミュニケーション型ロボットです。「newme」には、操作する人の顔などを映すタブレット大の画面が、上部に顔のようについていて、腕こそありませんが移動させたり首の向きを変えることもできます。

また、パソコンやスマートフォンなどから「newme」にアクセスすると、カメラのライブ映像から商品を見たり、マイクを通して店員と会話をしたり…自宅にいながらにしてショッピングが楽しめます。それに、病室から水族館や美術館なども見学できるので、外出をあきらめていた人でもリアルな体験ができますよね。

分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」があなたの寂しさを解消します!

分身ロボットというくらいですからロボットが腕が動いたり、移動したり、操作する人が、まるでその中にいるような感覚になることを期待しますよね。「Orihime(オリヒメ)」はまさにそんなロボットで、離れた場所からロボット内臓カメラで周囲を見たり、マイクとスピーカーを通じて会話もできます。

この「OriHime」はオリィ研究所の吉藤氏が、外出が困難な人が感じる「孤独」を解消するための手段として発案したロボットです。今まで引きこもりがちだった病気や障害を持つ人が、自宅から遠隔操作でカフェの接客などの「仕事」ができれば、自分の役割ができて生きがいにもなるでしょう。

それに、2020年には分身ロボットが接客するカフェを常設するとのことで、ロボットを介して活動の幅が広がる人も増えるに違いありません。

このようにロボットは5Gなど最新の技術を取り入れながら、どんどん進化していますが、今後はどのような次世代ロボットが出現するのか解説しました。

今後のロボットのトレンドも予想!

補助的なロボットのイメージ

IoTやAI(人工知能)の技術により、産業用ロボットや警備、掃除などを行うサービスロボットはどんどん登場しています。でも、今後はAI(人工知能)を活用しない「人間の持つ能力で動かすロボット」が登場するでしょう。

その名も「念じれば動くロボット!」。これは、「BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)」という最新技術を使って、ロボット機器を脳で操作して動かすというものです。まさにアニメやSF映画の世界の到来ですよね。

たとえば、腕の機能を失った人が手を動かす時に脳が出す信号を検出し、それをコンピューターのプログラムが解読することで、念じた通りに、体に付けた人工のアームが動くというしくみです。また、健常者でも両手がふさがっている時に「持ちたい」と念じると、「第3の手」であるロボットアームが思い通りに動くような「お手伝いアーム」も実証中です。

この「BMI」を使ったロボット実験は米国のみならず、すでに日本でも大阪大学、慶応義塾大学、本田技研工業など多くの機関で実施されています。

もし「BMI」が実用化されるようになれば今後、ルンバなどの掃除ロボットも念じれば動くようになるかもしれません。それに、念じた通りに動いてくれるロボットが登場すれば、棚からモノをとってくれたり、車いすを押してくれたり…障害者でも健常者と同じような生活が可能になるでしょう。人に寄り添い、人に優しいロボットとして実用化されると嬉しいですよね。

まとめさて今回は、2020年の世界のロボット関連での最新ニュースを選んでお伝えし、今後のロボットのトレンドについても予測しました。

少子高齢化による労働力不足が問題となっている日本ですが、今後はそのような「社会課題を解決するロボット」や、2020年に解禁される5Gの影響を受けて「ドローン」や「アバターロボット」もトレンドになると考えられます。

そして、注目したロボット関連の最新ニュース4選をまとめてみました。

  • 飲食店のホールで接客係をするロボット:自律走行型ロボット「Penny(ペニー)」、食器を自動回収する「スマイルロボ」
  • 自律走行と遠隔操作ができる警備ロボット:2本のアームを持つ警備ロボット「ugo(ユーゴー)」、セグウェイ型警備ロボット「Nimbo(ニンボ)」
  • 5Gの出現で進化するドローン:山岳登山者見守りドローン、Uber(ウーバー)のドローンデリバリー
  • 不可能を可能にするアバターロボットや分身ロボット:コミュニケーションアバター「newme(ニューミー)」、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」

このように、今まで「あれば便利だなあ」と思われていたロボットが、続々と登場しています。

また、今後は人間の脳波を利用して「念じるだけで動くロボット」も実用化されるでしょう。そして、ロボットは私たちの生活をあらゆる分野で助けてくれるだけでなく、人間の新しい可能性も引き出してくれるに違いありません。もうそこまで来ている「ロボットと共存する社会」を考えるとワクワクしますよね。

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