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AI(人工知能)が人格を持つなんて嫌だ!反対意見をまとめてみた

AI(人工知能)が人格を持つなんて嫌だ!反対意見をまとめてみた

人間のみが持つとされる人格、あるいは人権や人間らしさ、思想、感情、心といったものは多くの人にとって特別な価値を持っていますよね。しかし、実は人間だけでなく、人間を模した多種多様なAI(人工知能)やロボットが人格を持つ日も近いと言われているんです。まるでアトムやドラえもんの世界が将来的にやってくるかと思うと期待で胸が膨らむ人もいれば、反対にAI(人工知能)やロボットに人格を付与することに対して、抵抗感や嫌悪感を持つ方も多いと感じます。

実際、AI(人工知能)やロボットが人格を持つことに、面白いじゃないか!と賛成の意見も見られれば、いや、ダメだ!という反対意見も散見されます。読者の皆様の中にも、AI(人工知能)やロボットが人格を持つことに前向きな考えを示す方もいれば、抵抗感や嫌悪感を持たれる方も少なくないでしょう。

そこで今回は、散見されるAI(人工知能)やロボットが人格を持つことへの反対意見をお伝えします。まずは、有名ブロガーのちきりん氏が行なったアンケートの結果からみられる、AI(人工知能)やロボットが人格を持つことへの不安についてです。

アンケートでわかった、AI(人工知能)が人格をもつ不安材料

不安のイメージ

社会派ブロガー・紀行文筆家のちきりん氏がAI(人工知能)について取ったアンケートのうち、「高度な人工知能が開発されることに関して、不安に思うことは何ですか?」という質問の自由回答欄にて、人格を持つことに対する不安が見られました。内容を4つ抜粋して解説していきます。

「自我が生じた場合、人間には理解でも共感もできないおそれがあること」

確かに人間とAI(人工知能)は違うわけですから、人格を持ったときに人間とは一線を画した自我が生じる恐れがあるでしょう。そのときに、双方歩み寄れるかというと難しい部分があるかもしれません。

「人工知能を持ったロボットが自宅にあった場合、どの時点で廃棄するのか、あるいは感情の面からいって、廃棄することは可能なのか」

AI(人工知能)が人格を持ちえたときに、故障や「飽きた」などの理由で、果たしてそれをポイッと捨てることができるかといえば、感情面でも倫理面でも悩ましいところになってしまうでしょう。ロボットの廃棄について心理的・道徳的負担を強いられるのは抵抗がありますよね。

「コンピュータと人間の区別がつかなくなる」

人間を人間足らしめるのは人格といってもいいですから、AI(人工知能)が人格を持つということは人間という存在を揺るがすものになり得るでしょう。人間だから人格を持つのか、人格を持つから人間なのか、果たしてどっちがどっちなのか、まるで哲学的な問いが浮かんでしまいますよね。

「人間が人間で有ることに悲観的になる(人間からロボットへ転換したいと願う人が増える)」

ロボットの方が人間より高機能な部分もあるため、AI(人工知能)が人格を持つことで、人間の粗がAI(人工知能)にバレてしまうこともないとはいえません。そうなると、人間をやめてロボットになりたい!という人が増える恐れもあります。人間よりもロボットの方が多い世界はユートピアなのかディストピアなのか、気になるところですよね。

このように、AI(人工知能)が人格を持つことに対して、いくつかの不安が見られます。さらにこれらの一般的な不安以外にも、法律面で人格を付与することが問題となることがあります。次に、それらについて説明しましょう。

批判的意見の出たAI(人工知能)への電子人格の付与

法律のイメージ

昨年、EUがAI(人工知能)やロボットに対してelectronic person、すなわち電子人格という法的な地位を与えるべきという議論、そして提言がなされました。この提言に対し、14か国の150人以上の専門家が批判的な公開書簡に署名し、AI(人工知能)やロボットに対して広義の人格を付与することに反対がなされたのです。

AI(人工知能)やロボットに電子人格を付与する背景には、責任の所在をはっきりさせたいというニーズがあります。というのも、例えば自動運転機能付きの自動車や工場で利用されているAI(人工知能)やロボットが事故を起こしてしまった場合に、どのような対応を取るべきか、責任の所在は製造者なのか、持ち主なのか、AI(人工知能)やロボットなのか、どこに求めたらいいのかはっきりとしないという問題があるのです。これからAI(人工知能)の技術は様々なところで応用されて便利な世の中になっていく一方で、事故が増えていくことも容易に想像できますよね。

そこで提案されたのがAI(人工知能)やロボットに電子人格を付与しよう、ということでした。なぜなら、AI(人工知能)やロボットに電子人格を付与することで、責任がAI(人工知能)やロボットに与えられるのではないかと考えられたからです。人格を与える、といっても法律上の人格ですし、人間と同等の権利をもつ人格としてではなく法人格に近いものをEUの議会では想定していたそうです。

これに対して専門家が責任の不透明化になると反対意見を示しました。AI(人工知能)やロボットに責任が宿るとなると、実際にそれを製造したり運用したりした、製造者や持ち主の責任が不透明になるという懸念から批判的な立場をとっているそうです。

結局、AI(人工知能)やロボットに電子人格を付与するか否かについての結論はまだ出ていません。また自動車メーカーは2020年までに自動運転車実用化をめざしていますが、それまでに電子人格付与に関する課題は解決するのかどうか、気になるところですよね。

人格のイメージ
さて、今回はAI(人工知能)やロボットが人格を持つことへの反対意見をお伝えしました。

AI(人工知能)やロボットに人格を付与するに当たって出てくる一般的な不安として、自我を持ったAI(人工知能)やロボットが人間とは異なる感性をもつかもしれない、AI(人工知能)やロボットとサヨナラをするタイミングがわからなかったり倫理的にも感情的にもできなかったりするかもしれない、人間との区別ができなくなる、人間が人間であることに悲観的になる、といった4つを今回は列挙しました。感情的な部分を揺さぶられる不安や、具体的な問題として立ちはだかるであろうことに対する不安など、一口に不安といっても人によって思うことは様々ですよね。

一方で、法律的にAI(人工知能)やロボットに人格を持たせようという動きがEUにあり、それに対して反対意見があることをお伝えしました。法的にAI(人工知能)やロボットに人格を持たせることは事故の責任などをAI(人格)やロボットに帰することとなり、製造者などの責任がうやむやになってしまうのではないかというのが懸念材料でした。法律の問題というと直ちに私たちに直結するものではないと感じるかもしれませんが、これからAI(人工知能)がますます発展して、広く使われるようになったときに事故にあう、あるいは事故を起こしてしまうかもしれないと考えると、そう遠くに感じてはいけない問題かもしれません。

今回はAI(人工知能)が人格を持つことに対する反対意見をお伝えしたので、不安な気持ちが残ってしまうかもしれません。しかしAI(人工知能)の発展は人類に豊かさをもたらし、より楽しく生活できるようになるはずです。一番大切なのは、AI(人工知能)との上手な付き合い方ではないでしょうか。

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