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今すぐ導入したい!介護福祉現場でのAI(人工知能)活用事例

今すぐ導入したい!介護福祉現場でのAI(人工知能)活用事例

接客や農業、医療など、現在さまざまな業界でAI(人工知能)が活躍をみせており、注目を集めています。特に高齢化社会が到来し、これから規模が大きくなっていく業界である介護でのAI(人工知能)の動向について気になりますよね。

介護は現在人手不足が叫ばれていますし、もっともAI(人工知能)の活躍が望まれている業界といっても過言ではありません。歳をとったらいずれ誰もがお世話になる可能性の高いだけあって、介護福祉業界の行く末は多くの人が関心を持つところでしょう。

AI(人工知能)の発展に伴い、現在実際に介護福祉の現場にAI(人工知能)が導入され、活躍している事例が増えてきています。そこで今回は、介護福祉現場でどのようなAI(人工知能)が働いているのか、その活用事例を5つ紹介しましょう。

まず紹介するのは、DRIVEBOSSです。

活用事例①:運転計画を自動作成する「DRIVEBOSS」

運転の計画のイメージ

パナソニックカーエレクトロニクス株式会社が開発した「DRIVEBOSS」は送迎支援サービスで、介護福祉施設の利用者さんの送迎をAI(人工知能)の力によって効率化します。具体的にどうするのかというと、利用者さんごとの状況に対応して送迎計画や送迎ルートを自動的に作成して送迎を効率化するとのこと。手間や負担がかかる送迎業務が効率化されることで、他の業務に割く時間も増え、結果として介護サービス全体の向上につながるでしょう。

またDRIVEBOSSは介護スタッフの送迎業務負担を軽減するだけでなく、介護福祉施設利用者の送迎サービス向上するかもしれません。例えば、介護福祉施設の利用者さんの車いすの利用や直前連絡の要不要、乗り降りに要する時間、利用者間の相性、座席配置に配慮して送迎計画を組むため、利用者さんにとって嬉しい限りですよね。また、車両の位置を施設側のパソコンで把握することができるので、利用者さんの到着時間を知りたい家族にとって便利でしょう。

また、DRIVEBOSSのすごいところは介護スタッフの送迎業務軽減や利用者さんにとって快適な送迎をすることだけではありません。それは「事故抑制」といったサービスです。

事故抑制とは、急加速や急減速、速度超過など、危険な運転に対してカーナビでメッセージを伝え、また、ログを取ることで安全運転評価をすることができるため、即時的な安全性を確保することも、安全性に対して反省をすることもできます。これによって安全な運転ができるようになると、スタッフにとっても利用者さんにとっても負担が減るに違いありません。

次に紹介するのはパルロです。

活用事例②:コミュニケーションを取ってヒトを元気にさせるパルロ

パルロ

富士ソフト株式会社のパルロはコミュニケーションロボットと呼ばれるもので、会話や身振り手振りでヒトとコミュニケーションを取り、介護福祉現場などで活躍するAI(人工知能い)搭載ロボットです。パルロはさまざまなシーン、例えば自宅で使用されることも想定しており、その活用は介護福祉施設に留まりません。パルロにはたくさんの機能がありますが、介護福祉現場で大活躍するのは私たち人との会話とレクリエーションの二つが主になります。

パルロは会話が得意で、話し相手の顔を記憶し、まるで感情認識して人間のように自然な会話を振る舞うことができ、まるで人と会話しているように感じるでしょう。パルロが介護福祉現場で使われるAI(人工知能)技術として優秀なのは、その人の行動や趣向などを記憶していく点です。この機能のおかげで話し相手への理解を深めていき、「最高のともだち」となります。

介護福祉施設の利用者さんなどと一緒に遊ぶAI(人工知能)技術でもあり、レクリエーションを仕切ってくれます。パルロのレクリエーションはレクリエーション介護士が監修したものである上、クイズやゲーム、運動、音楽など、レクリエーションのバリエーションも様々で、質・量ともに充実しているはず。そうなると、充実したレクリエーションによってパルロの利用者の心身の健康増進が期待できますよね。

次に紹介するのは、床ずれ診断くんです。

活用事例③:床ずれの度合いを測る床ずれ診断くん

床ずれのイメージ

寝たきりの状態になると、同じところの皮膚がずっと圧迫されてしまうので皮膚の障害である「床ずれ」が起きやすくなりますよね。介護において問題となる床ずれをAI(人工知能)で対策しようと、開発者は兵庫県朝来市大植病院の中村洪一先生によって開発されたのが床ずれ診断くんというアプリです。

床ずれ診断くんスマホのアプリで、皮膚病変の画像をLINEで送るとAI(人工知能)で分析し、医師への相談を促したりします。床ずれの重症度の区別は素人にはできないですから、手軽に判断を任せられるアプリは役立つはずです。

これまで医療や介護福祉現場で活躍するAI(人工知能)技術は、どちらかといえば医療や介護の従事者の業務の手助けに注目されて作られてきました。しかし、床ずれ診断くんは在宅で介護している家族でも利用できるという点で非常に新しいAI(人工知能)の利用といえるに違いありません。これから介護を行なう家族が簡単に使えるようなAI(人工知能)技術が増えるでしょう。

床ずれ診断くんは、システムの能力を増強し、より多くの事例を学習する目的で、クラウドファンディングを計画しています。より多くの事例を学習することで、よりAI(人工知能)の精度が上がっていくでしょう。

次に紹介するのは、アイオロス・ロボットです。

活用事例④:頼れる自律型人型ロボットのアイオロス・ロボット

アイオロスロボット

アイオロス・ロボットはアメリカのサンフランシスコに拠点を置くアイオロス・ロボティクス社が開発した自律型ロボットで、介護分野で活躍することが期待されています。見た目は人型で、二本のロボットアーム、頭が付いており、下半身はなく、知能や視覚、移動といった様々な機能の実現にAI(人工知能)が用いられています。

アイオロス・ロボットにできることの一つとして、モノの持ち運びがあります。周囲の環境を認識、学習し、二本のアームで2㎏程度までのモノをつかんだり、10kg程度までのモノを持ち上げたりすることができます。モノの持ち運びは介護現場でよくあり、AI(人工知能)によってカバーしてもらえると助かりますよね。

他にも、高齢者の見守りや緊急対応にも役立ち、介護福祉現場で必要とされているさまざまな機能を持ったAI(人工知能)搭載ロボットであり、導入すると業務効率化につながること間違いありません。ちょっと難しい業務をアイオロス・ロボットに任せることで、介護スタッフの負担も軽減されますし、加えて介護福祉施設の利用者さんとのコミュニケーションに時間を割けるので、利用者さんの満足度や心のケアにもつながるでしょう。

最後に紹介するのは、凸版印刷が開発した見守りサービスです。

活用事例⑤:個室内の状況を把握する凸版印刷が開発した見守りサービス

運転を監視するイメージ2018年の介護報酬の改定により、見守り機器を導入すると夜間駐在の人員削減を可能となり、そのため医療機関で見守り機器の需要が増加しました。しかし、ネットワーク通信の利用が多い医療施設内では、電波干渉の観点から、新たな機器の導入に多くの障害が存在していました。そんな中、障害をはねのけるような見守りサービスを凸版印刷が開発し、注目を集めたのです。

凸版印刷はZETAと呼ばれる電波干渉の可能性の少ないネットワークを利用し、電波干渉の問題を解決しました。凸版印刷が開発した見守りサービスはトイレやシャワー室、お風呂などを含む個室におけるサービスで、かつてから見守りが行き届きにくい場所ですよね。この個室内に人感センサーなどを取り付け、センサーで検知した情報をパソコンで管理し、個室の見守りを実現しました。

この介護サービスのどこにAI(人工知能)が使われているかというと、蓄積された緊急時の検知パターンの学習です。学習により、緊急事態の早期発見や個室内でのトラブルに対応できるようになることが期待されます。これで、スタッフの労力も減りますし、利用者さんも安心して過ごせますよね。

 

さて、今回は介護福祉現場でどのようなAI(人工知能)が働いているのか、活用事例を5つ紹介しました。

  • 介護における送迎を安全にすることができる「DRIVEBOSS」
  • コミュニケーションで健康につなげることができる「パルロ」
  • 一般の私たちでも床ずれに気づくことができる「床ずれ診断くん」
  • 介護現場の労働をサポートできる「アイオロス・ロボット」
  • 私たちの目の届きにくいところでもサポートしてくれる「凸版印刷が開発した見守りサービス」

スマホのアプリから、大きな自律型ロボットまで、さまざまなAI(人工知能)技術が介護福祉現場で導入されていましたよね。施設の規模やコストによって、導入できるかは変わってきますが、いずれも導入する価値があるでしょう。この記事を機に、他のスタッフのみなさんと導入を検討してみることをおすすめします。

これからますます介護の需要は高まり、社会に欠かせない存在になってきます。そんな社会に備えて、今のうちにAI(人工知能)を活かしたアプリや機器、サービスを導入しておきましょう。

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