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Google AI for japanって何?Googleが進める人材育成支援とは

Google AI for japanって何?Googleが進める人材育成支援とは

Googleといえば、検索エンジンで誰もが知っている有名企業ですよね!最近では、AI(人工知能)でコンピューターに「猫」を認識させることに成功し、世界中から注目を浴びたことでも話題にもなりました。これによってディープラーニング(深層学習)が「AI(人工知能)の学習に使える技術」であることを証明したとも言われています。

その後Googleは、ディープラーニングの技術を使って、肺がんなどの診断AI(人工知能)プログラムを開発したり、世界的に必要性が高まっている災害予報…たとえば、台風や洪水がいつどこで、どのくらいの規模で起こるのかなどを正確に予測したり…いろんな分野で、社会課題の解決に取り組み始めました。

そんなAI(人工知能)研究の最先端を走るGoogleが、日本に向けて発表したのが「Google AI for Japan(2019.7.10)なんです。

でも、そもそも「Google AI for Japan」っていったい何をするのでしょうか?簡単に言うと、AI(人工知能)に詳しい人材の育成支援や、AI(人工知能)活用促進をしていくことで、日本におけるビジネスや社会的な問題解決をめざしていくというものです。

ちょっと抽象的ですが興味もわいてきますよね。そこで今回は、「Google AI for Japan」とは何なのか。そして、Googleが進める人材育成支援とはどのようなものなのかを、わかりやすく解説していきます。

「Google AI for Japan」には3つの活動目的がある!

googleのイメージ

近年では日本でも、AI(人工知能)の技術が効果的に活用される事例が増えてきました。たとえば、画像認識による早期の疾患発見で多忙な医師を助けたり、音声認識の技術を使って視聴覚障害者向けのアプリを開発したり…。

それでも、日本は世界的に見て「AI(人工知能)に詳しい人材が不足している!」「ビジネスへのAI(人工知能)導入が遅れている!」と言われているんです。

そこに目をつけたGoogleは、満を持して!?「Google AI for Japan」というプログラムを発表しました(2019.7.10)。

実は「日本には、長年に渡る優れた研究と教育の伝統があり、成長を続ける活発な機械学習コミュニティが存在する」とGoogle AI統括のジェフ・ディーンは語っていますが、これが「Google AI for Japan」を始めるきっかけになっているんです。きっと、日本はもっと成長できる!と期待されているのでしょう。

また、このプログラムには、次の3つの活動目的があげられています。

  • 日本における次世代のAI(人工知能)の人材育成支援
  • ビジネスや社会的な問題解決に向けたAI(人工知能)活用の促進
  • 日本国内のAI(人工知能)研究への貢献

そして、ジェフ・ディーンは上記のうち、「次世代のAI(人工知能)人材育成支援」が最も重要な取り組みだと述べています。そこで次に、Googleが進める「AI(人工知能)の人材育成支援」について、具体的にお話していきましょう。

6人のAI(人工知能)研究者に5万ドルずつの助成金!

助成金のイメージ

まずGoogleは、日本におけるAI(人工知能)研究者を対象に、それぞれ5万ドル(500万円相当)の助成金を提供しました。

気になるAI(人工知能)研究者のメンバーですが…国立情報学研究所の山岸順一氏、京都大学の河原達也氏、東京工業大学の奥村学氏、東京大学の杉山将氏、東北大学の乾健太郎氏、奈良先端科学技術大学院大学の中村哲氏の6人です。

今回選ばれた研究者のテーマは様々で、基礎的な機械学習の研究から、言語分析、音声合成といった応用分野まで含まれています。この取り組みでGoogleは「基礎的なAI(人工知能)の研究が前進することを期待する」と語っています。

このような助成金の支援は2020年にも更新予定があり、また新たなAI(人工知能)の研究者が発掘されるといいですよね。他にもGoogleは多くの学習支援プログラムを展開しています。

Googleが提供する、機械学習トレーニングは大人気!

トレーニングのイメージ

Googleは、上記のような研究支援に加えて、東京大学で情報科学を学ぶ学生にAI(人工知能)の授業を行ったり、技術者向けに機械学習の無償トレーニングプログラム「ML Study Jams」を提供しています。

実はこの「ML Study Jams」が大人気なんです。2019年だけで、4800人を超える日本の技術者が参加しています。

「ML Study Jams」とは、Googleクラウドを使った機械学習やデータ分析の学習プログラムですが、サンプルプログラムも用意されていて、専門的な知識がなくても機械学習トレーニングが無料で進められます。

それに、講座に通う必要もなく自分のペースで学習できるので便利ですよね。また、初心者向け、中級、応用コースと分かれていて自分に合ったレベルを選ぶことができます。

たとえば、初心者向けコースには、

  • QMLで分類モデルを使用して訪問者の購入を予測する
  • BigQuery ML予測モデルによるタクシー運賃の予測、、、、、

など6つの「ラボ」が用意されています。そして、指定された「ラボ」の中から4つを修了すると、Googleの機械学習プラットフォーム「TensorFlow(テンサーフロー)」のロゴ入りTシャツがもらえ、ちょっとした励みにもなるんです。

*QMLとはJavaScriptをベースとしたユーザインタフェースに関わるプログラム言語。*BigQuery MLとはGoogleのデータウェアハウスであるBigQuery上で、より容易に機械学習を実装するためのプログラム言語

今まで機械学習に興味を持っていても、使うきっかけがなかったり、基礎は知っているけれど応用事例も試してみたいと思っている方におすすめです。また、このほか機械学習に特化したイベント「Google Developers ML Summit」(2019.3.20)も、六本木ヒルズで行われました。

他にもGoogleは、「TensorFlow」「Cloud ML」「ML Kit」「Actions on Google」など、機械学習に役立つツールやデータを数多く提供していますが、ご存知のように日本ではまだまだ普及が遅れているのが現実です。

そのため「Google Developers ML Summit」では、それぞれのツールを使ったわかりやすい事例紹介があり、機械学習をより身近に感じることができるんです。きっとAI(人工知能)開発者のスキルアップにもつながるでしょう。

また、Googleは未来のAI(人工知能)人材育成にも取り組んでいます。

Googleは子供たちのプログラミング教育にも参入!

子供のプログラミングイメージ

日本でも2020年度から、小学校におけるプログラミング教育が必修化されることは多くの方がご存知でしょう。これで、日本のIT人材も増える!と安心したいところですが戸惑っているのは教員たちです。なぜなら、指導方法がわからない、ソフトや人材も足らない…と多くの問題を抱えているんです。

そこで、文部科学省と総務省、経済産業省は、2019年9月を「未来の学び プログラミング教育推進月間」と設定。企業と学校が連携して「プログラミングが社会でどう活用されているか」などが学べる機会を作りました。

その取り組みにGoogleも参加し、教員たちがどのようにAI(人工知能)やプログラミングを教えていけばいいのか、具体的な授業方法や教材などを無料で公開しています。

興味深いのは、ただ教材を提供するのではなく「Google AI for Japan」の目的である、「AI(人工知能)を利用して日本の社会的な課題解決を目指していく」というところです。

まず大切なのは、身の回りの多くのもの(家電や自動車など)にAI(人工知能)が使われていて、それがどのような仕組みで動いているのかを、子供たち自身がしっかりと知ることですよね。

そのためにGoogleは、AI(人工知能)の活用事例をビデオにまとめたり、画像認識・音声認識の体験アプリなどを提供をしています。

また、身近にある社会問題の見つけ方、情報の収集、分析、プログラミング体験まで、くわしい指導案を作って教員たちの授業を助けています。

何よりも、子供たちがAI(人工知能)を使うことで、世の中の不便さがこんなに解消されるんだ!という気づきにつながっていくといいですよね。

GoogleのAI取り組みまとめ

さて今回は「Google AI for Japan」とは何なのか、そしてGoogleが進める人材育成支援について解説してきました。

「Google AI for Japan」とは、

  1. 次世代のAI(人工知能)に詳しい人材の育成支援、
  2. ビジネスや社会的な問題解決に向けたAI(人工知能)活用の促進、
  3. 日本国内のAI(人工知能)研究への貢献

この3つを目的としたプログラムです。中でも一番重要視されている、「AI(人工知能)人材の育成支援」に今回はスポットを当てて説明してきました。

Googleが提供する機械学習のトレーニングプログラム「ML Study Jams」を体験して、機械学習を身近に感じられるようになると、日本でもAI(人工知能)に詳しい人材がもっと増えていくでしょう。

またGoogleは人材の育成支援だけでなく、日本企業のAI(人工知能)活用の支援もしています。

たとえば福島県南相馬市は、テクノロジー企業のエアロセンス株式会社と協力して、ドローンを使って除染作業を支援する取り組みを行っています。そして、放射能汚染されたガレキの仮置き場を空撮して、ガレキを被うシートの破れを見つけるという点検作業に、Googleの機械学習プラットフォーム「TensorFlow」を利用した画像認識技術を取り入れているんです。

このように、GoogleはAI(人工知能)技術をビジネスの課題に活用したい日本企業と連携して、今後も社会課題を解決していく!と表明しています。日本にとっては心強いですよね。

また「Google AI for Japan」の影響を受けた若い世代も、AI(人工知能)の技術をどんどん取り入れて、日本の未来を明るくしてくれるでしょう。

<参考サイト>

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