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結局人工知能って何?AIについて知りたい人にオススメの本3つ

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「AI(人工知能)について何が何だかわからない!」このように思う方もいますよね。

AI(人工知能)は今最もホットな話題の一つで、ニュースや新聞、雑誌など多くのメディアでこの言葉を見ない日はないかもしれません。

そしてそのAI(人工知能)の開発や導入が進むことによって社会がどうなるか。これについて極端な脅威論から楽観論まで溢れており、わけがわからなくなっているというのが正直なところ。

そこで今回は、AI(人工知能)がどんなものか、全体的な概要を押さえたものから、肯定と否定の両面から問題提起を見るものや、足元から捉えるものとそれぞれ違った切り口のものまで、AI(人工知能)を知るのにおすすめの本を3つご紹介しましょう。

AI(人工知能)の基本を押さえる本

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それでは1冊目の全体的な概要を押さえたものから。

初めに紹介する本は「人工知能は人間を超えるか」です。

著者の松尾豊さんはAI(人工知能)についての研究の第一人者の一人で、現在の実力や状況、可能性について正しく理解してもらうことを意図して書いています。

松尾さんは、AI(人工知能)についてメディアで幅広く紹介されているものの情報が雑多となり、AI(人工知能)が混乱の原因になっているのを憂慮しています。

その混乱というのは例えば、それは既に実現しているもの、これから実現できそうなもの、何がどれだけ画期的なのかがわかりにくいということ。

皆さんもAI(人工知能)というものがわかりづらいと感じているでしょう。

ですから松尾さんは一番初めの前提として、人間の脳の全ての活動はコンピューターで再現するのは可能ではあるものの「人間の知能を理解し完全に再現した」AI(人工知能)はまだ存在していないと言及しています。

その上で、現在AI(人工知能)と言われているものはいくつかのレベルに分類できるとし、それを会社に例えると「言われたことだけをやるアルバイト」「多くのルールを理解し判断する一般社員」「チェック項目に従って業務をよくする課長」「チェック項目まで自分で見つけるマネージャー」の4つです。

このようにして見ると家電製品などで言われるAI(人工知能)は、最近開発された新しい技術なのかあくまでマーケティングのために言っているだけなのか判別する一つのきっかけになるでしょう。

また、4つのレベルについて解説した後、AI(人工知能)がどの時期にどのような発見や開発が進んだかの説明があります。AI(人工知能)についての研究が盛んになり、今のように注目されたことは過去に2回ありました。

これらの説明を通して現在 AI(人工知能)が抱えている課題が明らかにしています。そしてその課題とは何か。このAI(人工知能)課題の結論を述べると「どこに注目しどの情報を得ればいいか」を自力で判断するのが難しいということ。

それができるようになればAI(人工知能)は人間のように「概念」を学ぶことができ、それを基に自ら学び活用できるようになると主張しています。

その他にも、ディープラーニングの登場により大きな壁を突破できるかもしれないことやそして最後に今後の展望についても述べられていたりと、AI(人工知能)について説明された本がたくさんある中で、基本的な内容を体系的に押さえるのであればこの本が最適でしょう。

人工知能は人間を超えるか

AI(人工知能)を肯定と否定の両面から問題提起を見る本

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ところで、テレビや新聞などを見ているとAI(人工知能)について肯定的な意見と否定的な意見で極端に分かれていてどれを信用すればわからないと感じる方は多いのではないでしょうか。

そのような方におすすめするAI(人工知能)についての本は「AIは人間の仕事を奪うのか?」です。

この本はITmediaというウェブ媒体で連載されていた「新説・人工知能に関する12の誤解」というものに加筆や修正を加え書籍化したもの。

この本を通して、ビジネスに留まらず働き方、政府の役割、法律、倫理、教育、社会にAI(人工知能)がどのように影響を与えるかの論点が明らかになります。

どちらかに偏っていない「中庸」の言説がないことを憂慮し、私達が片面的にしか理解できていないということをわかってもらえるよう工夫されています。

具体的には、先程挙げた項目についての肯定的な意見と否定的な意見の両方を取り上げています。あえて両方の立場を出すことでこのような見方もできるという説明の仕方。これは結論として述べるのではなく問題提起という形をとっているのです。

各章で提示された話題についてまとめの欄が設けられているのであまり時間のない方でも要点を把握しやすくなっています。

AI(人工知能)について両方の立場から理解したい方、極端な論調に振り回されないための軸を持ちたいという方には大変役に立つでしょう。

AIは人間の仕事を奪うのか?~人工知能を理解する7つの問題

足元からAI(人工知能)を捉えてみる本

子供が本を読むイメージ

ところで、AI(人工知能)について見たり考えたりする中で、逆に私達はどうすればAI(人工知能)に仕事を取られないか気になるという方は多いのではないでしょうか。

そのような方におすすめしたい本は「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」です。

著者は新井紀子さん。以前話題になった「ロボットは東大に入れるか」ということで「東ロボくん」という言葉を聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれません。新井さんはそのプロジェクトディレクターです。

新井さんはAI(人工知能)はあくまで計算機という域を出ることはなく、人間の仕事を全て奪ったり神になるなどの言説はあり得ないと断言しています。

しかし、奪われる仕事は少なくないだろうと指摘しています。具体的な根拠として、東ロボくんは執筆時の時点で大学の模擬試験で偏差値はMARCHレベルに届いており、人間のライバルになる可能性は十分にあるのです。

ですから本書では、東ロボくんが生まれるまでの経緯や執筆時の状況、AI(人工知能)についての歴史に触れています。また、今のAI(人工知能)の技術では計算をしたり物を覚えるのは余裕であるのに対し、文章の意味を理解するのが苦手という考察をしています。

そして新井さんが主張している最大のポイントは、今のAI(人工知能)と中高生の弱点は類似しているという点。この本では今の中高生は暗記や計算はできても教科書の文章ですら理解できていないと警鐘を鳴らしているのです。

それは、AI(人工知能)にできない仕事は人間にも苦手である可能性があることを意味しています。想定される最悪のシナリオは、市場では人が不足しているのにAI(人工知能)に仕事を奪われた人が失業したままであったり、最低賃金仕事をかけもちせざるを得ないという恐慌状態になること。

なぜこのような考察に至ったのか、この経緯について中高生に実際に行った読解力調査の例題や回答、正解率を通して詳しく説明しているので、事態の深刻さを実感を持って理解することができます。

AI(人工知能)について足元の問題から捉えてみたい方にはこれからやるべきことについて大きな道標となるでしょう。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

 

読むイメージ

今回は、AIについてのオススメの本を3つご紹介しました。どの本も読めばAI(人工知能)について見方が変わりますよね。

ここまでで挙げた本の概要をみることで私達はAI(人工知能)について片面的に捉えがちであったと感じたでしょう。

「人工知能は人間を超えるか」や「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」からわかるAI(人工知能)が抱えている課題とは「どこに注目しどの情報を得ればいいか」を自分で把握することと、「文章の意味を理解するのが難しい」ことです。

一方で、私達が抱えている課題はAI(人工知能)と同じく「文章を正確に理解すること」。

また、「AIは人間の仕事を奪うのか?」を通してAI(人工知能)について様々な論点についての問題提起を読むことで、極端な論説に惑わされなくなっていくでしょう。

今回ご紹介した3冊を読んで、AI(人工知能)について正しく知り、共存していく方法を模索していけるといいですよね。

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