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日本のAI技術は海外に勝てるのか。ガチンコ勝負を検証してみた

チェスのイメージ

日本の技術の高さって日本では感じたことがなくても、海外旅行先などで実感したなんてこと、時々耳にしますよね。

かくいう筆者もヨーロッパ旅行中、日本人というだけで電気配線を見ず知らずのフランス人に頼まれたことがあります。

「あなた日本人でしょ?!簡単にできるんでしょ?!」

ちょっ、、それ違うんですけど。あ、日本人ではあるんですけど。。。

こんな出来事をご紹介できるほどの日本の技術に対する海外からの信頼感、誇りに思うと同時にこれからの未来にも残していきたいですよね。その矛先として、世界各国がしのぎを削る技術開発競争真っ只中の『AI』に着目。日本のAI技術って海外と比較してどうなのでしょう。気になっちゃいますよね。

ここでは日本のAI開発技術の現状を探り、果たしてジャパンメイドのAIは海外ブランドに勝てるのかどうかを検証してみます。

果たしてAIと書かれたフラッグを日本は一番早くゲットできるのか?!ガチンコ三番勝負のはじまりはじまり

一番勝負—AI関連の論文発表数

一番勝負---AI関連の論文発表数

勝負として目に見えるものってなにかしら?と考えた時、研究論文の数ではないかと調べた所、論文発表数の国別ランキングが存在することがわかりました。

この勝負の結果を先にお話してしまうと、日本のAI開発による論文発表数は中国・アメリカ合衆国に続き世界第3位です。まずは日本より上位のこの2大強国を見てみましょう。

1位の中国は、政府が「2030年までにAI技術で世界の主要国に」と強くAIを推しています。また、テンセント・アリババ・百度といった世界的IT企業がAIの技術開発をグイグイ引っぱっています。当然ながら、中国という大きな国土・人口にAI技術の与える経済効果は莫大。中国、気合い入ってますよね。

2位の北米は、中国に研究論文数としてはトップの座を奪われてはいますが、実質的な最大のAI開発国といえるでしょう。なぜなら圧倒的なAI開発企業数を有しているから。さらにその中には誰もが知るIBM・マイクロソフト・グーグル・フェイスブック・アマゾンといった巨大企業がいるのです。ビッグデータのかたまりのような企業ばかりですよね。

ここまでを知ると「日本終わった」と思うかもしれません。しかし、日本はこの2大国に次いで3位なのです。確かに2位と3位間で量的な差は大きいですけど、日本の人口と上位2カ国の人口の差もあるのです。

3位に食い込む日本。決して捨てたもんじゃない。

二番勝負—AI技術開発推進大学ランキング

二番勝負---AI技術開発推進大学ランキングイメージ

ここではAI開発を行う海外の大学VS日本の大学を紹介させてくださいと言いたいのですが、残念ながら全く日本勢の名前が出てこない。悲しいかな勝負にならない状況です。

多分野で広く引用されている論文を発表しているのはダントツでアメリカのマサチューセッツ工科大学で、さらに上位5位を北米の大学が独占。

この情報だけだと北米の大学がトップをひた走っていると考えられますし、実際圧倒的な影響力を世界に与えていることは間違いないのですが論文の引用割合でいうと、アメリカも4位。中国においては論文発表数では1位でもトップテン圏内にも入っていないのです。

論文の数ではその中身の濃さはわからないと理解できます。そしてこの論文引用割合のランキングに日本勢はやはり顔を見せることはありませんでした。危うし日本

三番勝負—AIを支えるスパコン性能対決

三番勝負---AIを支えるスパコン性能対決イメージ

最後に、AI技術を支えるコンピューターの性能について海外勢との戦いを見ていきましょう。

北米のバージニア工科大学が発足させた「Green500」というランキングがあります。別名「スーパーコンピュータの省エネ性能ランキング」と呼ばれるもので、簡単に言うと「電力効率がよく高い性能を有するスパコンの順位」です。

日本のスーパーコンピューターはこのGreen500のトップを独占。しかもトップテン内の半数以上が日本のコンピューターなのです。

すごい、日本。やっとこの言葉が出せました。

勝敗はいかに。ジャパンAIの海外での戦い方は

勝敗はいかに。ジャパンAIの海外での戦い方はイメージ

さて、日本のAI技術開発の現状を海外と比較しながら検証してきました。

・AI関連論文数は3位なれどトップ2と大きく差がある
・AI研究大学の論文引用は海外の大学と比較するとランキング外
・AI開発を支えるコンピューターの性能は世界トップクラス

このガチンコ勝負、勝敗は1勝2敗という結果になりました。

が、ここで「ん?」となった方もいるはず。そうです1・2番の勝負は「ソフトウェア」3番目の勝負は「ハードウェア」についてなのです。

しかも、ソフトウェアについてはアメリカと中国の一騎打ちに付け入る隙もない。

結局の所「日本負けてるヤバイ」ですよね。

確かに日本はアマゾンやグーグル、百度などといった自国産業でのビッグデータを有していません。残念ながらソフト開発について、日本の未来を憂いでしまう結果が多数になってしまいました。

しかし、ここでジャパンメイドのAIは海外勢に比べどのような未来を目指しているのかを紹介させてください。

日本はこれまでもソフトウェア開発よりもハードウェアでの高い信頼と実績で世界から一目置かれる存在でした。冒頭でも触れましたが『日本人=機械に強い人』なんです。これがご先祖様の築き上げた日本ブランドです。

この『ハードウェア技術にからめたAI開発』というところがポイントなんですよね。

日本の政府はロボットに嗅覚センサを搭載し危険な災害現場で人命救助を行うなどといった技術にAIを導入する計画を立てています。さらに予算をさいて、今後AIのソフト開発を支える人材を教育面から創出し、既存のハード面での高い技術と融合させて発展を遂げるという計画を立てています。

また、日本はこれまでも諸外国の生み出したアイデアを発展させ、より良いものを作り出してきましたよね。今後、AI技術で先ゆく海外の技術を応用した新たな技術を生み出すことは充分考えられるのです。

日本のロボット製造技術をAIが支え、AIで作られたロボットがさらにロボットを作る。そのロボットが輸出されAI技術の先進国である海外勢の元に届けられる時、日本は新たなAI技術力を海外から仕入れることができると考えられるのではないでしょうか。

このテーマ「日本のAI技術は海外に勝てるのか。ガチンコ勝負を検証してみた」はもしかするとまだまだ時期尚早なのかも。これからの日本のAI研究を交えたさらなる産業の発展をはらむ日本の未来に、ますます目が離せませんよね。

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