「ハイ、メルセデス」と呼びかければ、車がさまざまな要望を聞いてくれる、そんなテレビCMを見ると、AI(人工知能)搭載車に憧れてしまいますよね。
こちらはメルセデスベンツの新型Aクラスに搭載されている「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」の機能です。
車と会話をするなんて、未来を舞台にしたフィクションには出てきますが、ついに現実のものとなって販売されています。そこでこの記事では、MBUXの機能と、実際にAI(人工知能)搭載車と会話をしながら運転をしたら、どんなドライブになるのかをご紹介します。
まずは、CMでおなじみの「ハイ、メルセデス」の機能について詳しく見ていきましょう。
「ハイ、メルセデス」でできること
カーナビの操作や音楽の再生、エアコンの調整など、運転中にやりたいことはさまざまありますよね。しかし運転中の操作は危険ですから、赤信号で止まったスキに、ささっとやる必要があります。
でも特にカーナビは、目的地の入力や検索などステップが多く、なかなかやりきれないし、それが慣れない土地だとさらに困る!
そこで便利なのが音声での操作ですが、AI(人工知能)搭載車、メルセデスベンツでは実際にどのようなことができるのかをご紹介します。
雑音がある車内でも、音声の聞き取り精度はバッチリ
音楽やテレビを流していなくても、車の中はエンジン音や風を切る音、アスファルトタイヤを切りつける音、窓を開けていれば外の音など、さまざまな雑音がありますよね。
MBUXは、音声認識技術のトップランナーであるアメリカのニュアンス・コミュニケーションズ社の技術を使うことで、Siriなどと同じような感覚で使えます。
車内って、案外色々な音がしますよね。私はいつも後部座席に座って、運転席の夫と話をするんですが、雑音が多すぎてほとんど会話になっていません(笑)。なので、聞き取り精度って大切!
自然な会話で大丈夫!ボイスコマンドを覚える必要はない
音声で操作できるカーナビはいくつかありますが、メルセデスベンツのAI(人工知能)搭載車は「自然な会話」をきちんと聞き取り、ユーザーの要望に応えてくれます。
音声操作の場合は、コマンド式が多く、それらをユーザーがあらかじめ覚える必要があります。
結局手で操作をしてしまったら本末転倒ですし、危険が伴います。
しかしMBUXは、自然な会話で、ユーザーの指令に応えてくれます。「ちょっと暑いんだけど」でエアコンを操作して、「明日、雨降るかな」で天気を教えてくれます。
コマンドって忘れがちだから、これは嬉しい!
AI(人工知能)がユーザーの好みを覚える
この機能は、AI(人工知能)搭載車の醍醐味と言っていいでしょう。AI(人工知能)がユーザーの行動を予測して、通勤路などいつも通る道に車が入ると、よくいくお店をおすすめ目的地にしてくれたり、渋滞を予測してくれます。
AI(人工知能)が車でよく行く場所を覚えてくれたり、渋滞状況を事前にお知らせしてくれるのはいいですよね。便利な上に、自分のことを知っていてくれる嬉しさもある!
安全を守るため、”あえてしない”という安心設計
ドアウインドウの開閉やシートの角度操作、エンジンの停止なども音声で出来たら便利ですよね。しかしこれらは”あえて”できないようになっています。
なぜかというと、意図せず音声操作をしてしまったら危険な場面があるためです。例えば走行中に、
なんて会話をしたとたんに、「メルセデス、シートを倒して」に反応して突然に運転席のシートが倒れたら危険ですよね。ドアウインドウやエンジンも同様です。
そのような危険を回避するために、運転中に起こったら危険なことは、あえて音声で操作ができないようになっています。
車の運転中というのは、ちょっとした誤作動が命にかかわりますもんね。うちのスマホのGoogleさんも、お呼びでないのに急に反応して、何かを検索し始めるときがあるから、音声認識で何でもできてしまうと危険なのかも。
メルセデスの機能をご紹介しましたが、MBUXはストレスなく音声を認識してくれて、AI(人工知能)がユーザーの好みを覚えてくれるために、まるで車が相棒になったかのようですよね。危険なことは、あえて音声操作ができないようになっているために、安心です。
次に、実際にAI(人工知能)搭載車でお出かけをしたらどんな展開になるのかを、妄想をしてみましょう。
もしAI(人工知能)搭載車のメルセデスベンツでお出かけしたら
さて、すぐにでもベンツを買って、このAI(人工知能)機能を試したいところですが、お値段340万円ほど(公式ページより)。すぐに買うのは難しいので、妄想でベンツお出かけしてみましょう。
ここでは私と息子の二人で、土地勘のない義実家へ行くとしましょうか。
ハイ、メルセデス。おじいちゃんの家まで行きたい
すでに義実家は登録されているので、カーナビが正しくルートを検索します。
さあさっそく、音楽を聴きましょう。ここは、息子も楽しめるように、アニメの曲を頼みたいところです。
ハイ、メルセデス。アニメのプレイリストをかけて。
ご機嫌な音楽が流れてきましたが、車内は少し寒く感じます。
ハイ、メルセデス。寒いよ。
メルセデスは、すっと温度をあげてくれます。これで安心です。と思ったら、息子がトイレに行きたいと言い始めました、私はこのあたりに土地勘がなく、最寄りのコンビニはどこなのかわかりません。メルセデスに聞いてみましょう。
ハイ、メルセデス。近くのコンビニ教えて。
さすがは賢いAI(人工知能)搭載車、そつなくコンビニを紹介してくれます。案外近くにあるようで、一安心です。
ドライブもいい感じに軌道に乗ってきたので、AI(人工知能)搭載車と少し雑談をしてみましょう。私は小さい頃に見た海外ドラマ「ナイトライダー」が大好きで、いつかあんなテクノロジーが身近になるといいなと思っていたのです。
ハイ、メルセデス。お寿司は好き?
しかしメルセデスはむっつりと黙り込んだまま。そう、今のところ、MBUXは雑談を取り次いでくれません。黙々と自分に課せられた業務のみを遂行する、寡黙な執事なのです。
それはそれで、カッコいいですよね。
代わりに息子が「お寿司好きー」と答えてくれました。義実家に着くのはあと1時間くらいのようですから、お昼を取ってしまいましょう。
ハイ、メルセデス。お寿司が食べたいな。
同じお寿司の話題でも、「食べたいな」と言えば、メルセデスは反応し、いくつかピックアップしてくれます。息子が大好きな回転寿司に決め、ナビをお願いしました。
お腹いっぱいお寿司を食べて、途中ガソリンを入れたりしながら、MBUXのおかげで無事義実家に到着です。
ありがとう、メルセデス。
さて、AI(人工知能)搭載車、メルセデスベンツの会話システム(MBUX)についてご紹介しました。こちらの機能について、ざっとおさらいしてみましょう。
- 雑音がある車内でも、音声の聞き取り精度はバッチリ
- 自然な会話で大丈夫!ボイスコマンドを覚える必要はない
- AI(人工知能)がユーザーの好みを覚える
- 安全を守るため、”あえてしない”という安心設計
特に、自然な会話で聞き取ってくれるところ、ユーザーの好みなどを覚えてくれる点が、さすがAI(人工知能)搭載車といった印象でしたよね。それだけでなく、安心・安全のきちんと考えられているところが優秀です!
カーナビの操作やエアコンの調整など、運転中にしたいけれどできないことは意外と多いので、音声認識をしてくれる車というのは、とても嬉しいですよね。未来を感じさせてくれるAI(人工知能)搭載車に、今後も注目していきましょう。
コメントをどうぞ
運転中にレストランの予約と、メニューの予約も出来るといいですね、ゴルフの予約とか、メルセデスベンツ考えようかな?
わかりやすい解説ですが、念のため。掲載されている画像のメルセデスはMBUX非搭載です。(その他の画像はメルセデスですらありません)
ご指摘ありがとうございます!イメージとして車の写真を挿入しましたが、確かに誤解を与えてしまいかねないですよね。注意書きを入れさせていただきました。