AIとは何か

誰かに聞かれる前にそっと学んでおこう!超初心者のためのAI入門

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AI(人工知能)の入門知識をそっと学んでおきたい。このように思う方もいますよね。でもAI(人工知能)と言う言葉を毎日のように聞くものの敷居が高く感じてしまうのではないでしょうか。

最初にあげる前提として「人間のように頭を使った活動の一面を真似した技術」もAI(人工知能)と呼ばれていますが「知能の原理を全て解明し再現」までにはまだ至っていません。

どうしてそれがまだできていないのか、実現に向け今までどのように研究開発が進んできたのかがAI(人工知能)の入門者が学ぶ上でのポイントになります。これがわかればAI(人工知能)について聞かれた時に答えるべき最低限の内容がわかるでしょう。

それでは、AI(人工知能)の歴史を交えつつAI(人工知能)についてお話します。

まずはAI(人工知能)という言葉が初めて使われたダートマス会議というワークショップから順を追ってお伝えしましょう。

伝説のダートマス会議と第一次AIブーム

会議のイメージ

AI(人工知能)の入門ということで押さえておきたいのは、この言葉が生まれたのは60年以上も前のことで、過去に2回ブームがあったということです。

AI(人工知能)という言葉が誕生したのは1956年に行われたダートマス会議というワークショップから。

この時、人間のように考える機械として定義されました。これは世界初の汎用電子式コンピューターであるENIAC(エニアック)が誕生し10年経った頃だったのが背景にあります。計算力を目の当たりにしコンピューターがいつか人間の能力を大きく上回ることになるだろうと考えたのです。

この時期で中心的な役割を果たしたのは「推論・探索」で、どちらの用語も処理内容として類似しています。

AI(人工知能)の入門としてわかりやすい例は迷路です。この迷路は、私達が解く時はどのように進むかなぞりながらゴールを目指していることでしょう。しかしコンピューターでは別のアプローチを取ります。スタートやゴール、分岐点や行き止まりといった重要な場所に頂点と文字を与えるのです。すると、どの文字に行くとどの文字に行けるか、先へ進めなくなってしまうかを場合分けして行きます。

これを「探索木」と言い、この「探索木」の場合分けする際に一つの選択肢をとことん突き詰め行き詰まったところで次の選択肢を試す「深さ優先探索」複数の選択肢を一通り見てからさらに次の選択肢を見ていく「幅優先探索」という二つのアプローチがあります。

「深さ優先探索」であれば、うまく行かなければ別の選択肢にリセットすればいいのでメモリは必要ない一方で、正解が見つかるまで時間がかかる場合があり、そして「幅優先探索」だと、早く確実に正解を見つけられますが記憶しなくてはいけない量が多くなるので負担が大きくなってしまうのです。

これら両方の良さを引き出したり特殊な状況での解き方などよりよくするための研究は今も続いています。

そして、この探索木を応用することで迷路やパズルを解く、囲碁やチェスで勝つことができるようになったのが第一次AIブームです。

ここでポイントとなるのは明確なルールがあるような限定された状況であれば良いということでした。しかし病気の治療法や会社の業績を上げる方法といった現実的な問題を解くのは難しいと結論づけられ「冬の時代」と呼ばれるブームの冷めた時期に入ってしまいます。

知識の問題と第二次AIブーム

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AI(人工知能)は、1970年代に一度下火になったものの80年代に再び注目されるようになりました。

さて、AI(人工知能)の入門者の方はどうやって「冬の時代」を乗り越えたのか気になることでしょう。ここで突破口となったのは「知識」

AI(人工知能)に医者や弁護士などの代わりをさせるのであれば、専門的な知識を大量に入れることで各分野の課題を解決できるのではないかという考えに至ったのです。

そうすれば第一次AIブームで到達できなかった現実的な問題の壁を乗り越えることできます。

このAI(人工知能)の入門で押さえておきたいのは「エキスパートシステム」。特定の分野の知識を入れ推論させることで専門家のように振る舞うことのできるプログラムで、今回は1970年代初めに開発されたMYCIN(マイシン)をご紹介しましょう。

このMYCINは、血液疾患で伝染性のあるものに罹った患者を診断し、適切な抗生物質を処方するように設計されています。ルールは500も設けられており質問に答えると感染したものと適切な薬の選択を行うことができ、専門医の正確さである80パーセントには届きませんでしたが、69パーセントまで届き当時としては大変健闘しました。

しかしこの「エキスパートシステム」では課題が二つ課題がありました。一つ目は専門家から知識を仕入れるのにコストがかかり処理が大変だったこと。そしてもう一つは「常識レベルの知識」の問題でこれが大きな壁となっていたことです。

具体的に説明をするため医者を例にしましょう。

診察を受ける時、曖昧な症状が出てきて、明確な専門知識だけで当てはめるのが難しい場合ってありますよね。この時、体の構造など人間であれば誰でも共有できる知識がないと判断が難しくなってしまうのです。
このような「常識」の問題を解決するためにどのように表現すればコンピューターが処理しやすくなるかの研究が行われました。しかし知識を記述する難しさがわかり、どのように記述するかそのものの研究もされ、さらに難しさを痛感することになりました。

知識を入れるためには専門知識だけでなく私達が無意識のうちに共有している常識も入れなくてはならない。その負担が非常に大きくAI(人工知能)の実現は現実的でないという悲観的な見方が広がり、こうして二度目の「冬の時代」を迎えたのです。

機械学習とディープラーニングの第三次AIブーム

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こうした2回の冬の時代を乗り越え到来した第三次AIブームが今私たちがいる時代になります。

「意味」を扱うというコンピューターの課題による閉塞感の中で発達したのが「機械学習」。AI(人工知能)の入門者で聞いたことのある方もいらっしゃるでしょう。

機械学習はAI(人工知能)自身が学習するというもの。

私達はものを分けるとき「これは◯◯か」などで認識をしたり判断したりしますよね。これを「イエス・ノー問題」と言い、機械学習ではコンピューターが多くのデータをもとに学習をし、新しいデータを渡された時も自動的に分けられるようになります。

その際に「入力」と「正しい分け方」を事前に用意して正しく判別できるようにすることを「教師あり学習」と言うのです。一方で「入力」だけを与えその中から法則性などを見出させるのを「教師なし学習」と言います。

この、機械学習での課題は「入力」をする際にどこに目をつけさせるかを人間がうまく設計しなくてはならないということでした。

しかしこの壁の突破口となっているのが「ディープラーニング」です。

この用語もAI(人工知能)の入門にあたりよく見かける言葉で、このディープラーニングデータをもとにどこに目をつけるのかでコンピューターが自ら答えを見いだします。

例えば、手書きの数字を見て何であるか推測させるプログラムを作るとしましょう。ここでは入力と出力の結果を全く同じ数字にします。そこから入力と出力の間にあるコンピューターの思考過程そのものを新たに入力と出力の結果にしていきます。それを何回も繰り返し学習させることをディープラーニングと言うのです。
具体的な実例では、2012年にはグーグルの研究者らが猫認識を行った話をしましょう。この猫認識は動画サイトから大量の画像を取得しそれを入力としています。そして、ディープラーニングを繰り返すことによって模様から形、そしてその数といった重視すべき特徴を把握し「人間の顔」や「猫の顔」と言う概念を得ることになったのです。

 

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以上、AI(人工知能)についてお話ししました。このようにAI(人工知能)の歴史は長く人間のできることに少しずつ近づいていますよね。

今回はAI(人工知能)をそっと学びたい方に向け入門レベルの内容を3回にわたるブームとその時盛んになった研究内容をもとに解説してきました。

プロセスとして、第一次AIブームの頃にAI(人工知能)という言葉が生まれ迷路やパズルなど特定の状況下での問題を解けるようになりました。第二次AIブームでは、知識をインプットすることにより専門家に近づけることができるように。そして現在の第三次AIブームでは、機械学習とディープラーニングによってコンピューターが自ら学習したり、AI(人工知能)が人間に近づく上で課題となっていた常識や概念の壁を破りつつあります。

このようにAI(人工知能)は少しずつ発展していったのです。これで、今回お話したAI(人工知能)を知っておくと突然「AI(人工知能)って何?」と言われても説明できますよね。そして、今回のAI(人工知能)の入門からさらにステップアップして、知識を深めていきましょう。

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