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AI(人工知能)が英検を自動採点、これからの英語の試験はこう変わる

英語クイズ

私たちにとって、英語の検定試験といえば英検、もはや説明が不要なぐらい有名な資格で、英語が好きな人や得意な人はもちろん、これから英語の学力を伸ばしたいと思う人にとっても有効な勉強方法の1つですよね。みなさんの中でも学生の時に英検の資格取得のために一生懸命に勉強をした人も多いのではないでしょうか。

それぐらいメジャーな英検ですが、近ごろ将来に向けて変化をしつつあります。日本英語検定協会の発表によると、英語の資格として長い歴史を持つが英検が、2019年から採点にAI(人工知能)を導入するということになりました。

この歴史ある英検が、なぜAI(人工知能)の採点を導入を決定したのか、どうやら、これから先の大学入試制度にも関わっているというのです。これから英検の資格取得を目指すみなさんや、受験生のお子様を持つ保護者の方々にとってかなり気になる話題ですよね。

そこで今回は、英検がAI採点を導入するななど、AIが英語の試験にどのように変革をもたらすのか大学入試制度改革の内容にも触れながら解説をいたします。

アルファベット活版

増えた英検のラインナップ

英検は、私たちにとってメジャーな資格ですが、これだけメジャーになった原因の1つに、試験の受けやすさが挙げられます。もちろん、個人で試験を申し込むこともできますが、学校や塾でも積極的に試験の申し込みを受け付けており、団体で受験するケースをよく見かけます。(ちなみに団体受験をすると受験料が少しだけ割安になります。)

そして英検の資格は、試験同様にメジャーで有効性は大きいと言え、大学入試の判定項目として利用されたり、就職においても立派に履歴書に書ける資格として通用します。

ここで、英検の試験内容についても触れておきましょう。基本的には、英語を読む書く聞く話すといった4技能が求められ、4級以下は筆記試験のみ、3級以上となれば筆記試験(一次試験)に合格した後に、面接(二次試験)があり、英語に関する総合力が求められます。

一次試験の筆記では、読む・書く・聞く力が求められますが、解答方法はマークシート記述式の問題が出題されます。そして、二次試験の面接では、聞く力に加え話す力が求められ、試験官から英語で質問されたことを、英語で答える必要があります。

そして今年に入って、コンピュータ上で受験するタイプの英検が登場しました。その名も英検CBT®︎(Computer Based Testing)、試験会場に設置されているパソコンで受験するスタイルです。この英検CBTも従来の英検と同様に、読む・書く・聞く・話すといった4技能が求められており、「書く」がパソコンのキーボードを「打つ」に変わったものの、英語に必要な4技能は以前と変わりません。しかも、今まで2日間かけて行われていた試験が、1日で全ての試験が完了するようになりました。

AIが採点する英語検定試験

それでは、実際にAI(人工知能)は英検の採点のどの範囲に導入されるのでしょうか。

英検自動採点導入範囲

従来型の英検では1級、準1級、2級、準2級、3級のライティング、スピーキングは4級、5級で導入し、随時1級、準1級、2級、準2級、3級にも導入していく予定です。
ちなみに、リーディングとリスニングの筆記試験はマークシートでの解答となっており、すでに機械的に採点を行っているため、今回のAI(人工知能)の導入により、ほとんどの採点が自動化されることになります。

参照元 日本英語検定協会プレスリリース

このように、AI(人工知能)が英語の採点をする様になってきた背景には、日本の大学入試制度が大きく変わることが関連しています。ニュースなどの報道で、既にご存知の方もいるかと思いますが、この大学入試制度改革と英検の関連について次節で解説しましょう。

大学入試制度改革で入試はどう変わる?

文部科学省は、2020年に大学入学共通テストと称して、これまでの大学入試センター試験の内容をを大きく変えると発表しました。これまでのセンター試験ではマークシート方式の問題のみでしたが、新制度では記述式の問題も出題されます。例えば数学の問題では、答えが合っているだけでは正解にならず、途中の計算式も採点され、受験生の多様な能力を求めるようになります。

そして、この制度により一番大きく変わるのが英語の試験なのです。これまでのセンター試験では、聞く、読む、書く能力が求められ、リスニングや文法、長文読解などの問題をマークシートで解答していましたが、新制度ではなんとスピーキングが課されることになりました。具体的な採点方法は明らかになっていませんが、受験生は英語でSiriに話しかけるような感じでスピーキングテストを受けることになります。

さらに、英語の入試制度改革はとどまることを知らず、外部の資格検定試験の受験結果を提出すれば、英語の試験は免除されるというのです。この外部のテストの中に、AI(人工知能)が採点をする英検が含まれているのです。英検の他にもTOEFLやケンブリッジ英語検定、GTECなどが含まれる予定です。

さらに驚くことに、これらの民間試験であるレベル以上のスコアを取ると、大学入学共通テストの英語の試験は満点と認定されるのです。これら民間のテストは年に複数回受験することができるため、当然試験を受ける受験生が殺到すると予想されます。そして、今回の英検のAI(人工知能)採点の導入は、受験者が大量に増えることを見越してとったアクションということが言えます。

英語テキスト

人間と比べて遜色ない採点結果

では、肝心のAI(人工知能)の英語採点の実力はどうなのでしょうか。日本英語検定協会は、これまでに複数のAI(人工知能)サービス事業者とAI(人工知能)の英語の採点について共同研究を進めてきました。その結果、スピーキングテストとライティングテストの採点において、人の手を介した通常採点と遜色のない結果が出たため、2019年度から通常採点に加え、AI(人工知能)による自動採点を並行的に導入していく予定です。

その結果、AI(人工知能)の英語検定の自動採点のメリットとして、

  • 採点の24時間稼働化
  • 採点制度の向上
  • 採点期間の短縮
  • 採点者の負担軽減

などの効果があげられ、今後受験生が飛躍的に増えていくための対策が取られているのです。

Let's talk in English!

今回は、AIが英語試験の採点をすると称して、英検の新制度や大学入試制度改革について解説してまいりました。人生の大きな分岐点の1つである大学受験の仕組みが、ここ1、2年で大きく変わろうとしていますが、そのために、AI(人工知能)は英語の採点の分野にまで活動の範囲を広げ、人間をサポートするようになってきています。今後もますます活動範囲を広げるのAI(人工知能)の動きから目が離せませんね。

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