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無人コンビニが「24時間営業問題」解決の決め手となるワケ

コンビニを制する

年中無休で私たちの欲しいところにいてくれるコンビニ食品だけではなく雑貨医薬品チケットの購入公共料金の支払いなど、生活の全てをカバーできるぐらいの守備範囲を持っており、今や私たちの生活には欠かすことのできない存在ですよね。

コンビニを展開する各社はお互いライバルであり、それぞれがオリジナリティを出すために新たなサービスを開発し、それをまた他社が追随するというバトルを繰り返しています。その結果、100円でおいしいコーヒーが飲めるという恩恵を消費者に与えることができました。筆者も夏になると毎日のようにコンビニでアイスコーヒーを買ってしまう1人です。

しかし、そんなコンビニが大きな時代のうねりに直面しているという話を耳にするようになりました。昨今の人手不足の影響から、コンビニ=24時間という方程式が崩れてきているのです。

24時間営業をしたくても人がいない、だから開けられない。
じゃあ、ここは無人コンビニしかないでしょ?

そこで今回は、人手不足解消のための救世主となるべく、無人コンビニについて解説してまいります。

セブンイレブン駐車場

コンビニ=24時間は、いつからなのか

まずは、コンビニ登場から無人コンビニに至る歴史について説明します。日本にコンビニエンスストアが誕生したのが1970年代前半ですが、コンビニが登場するまでの毎日のお買い物スタイルは、スーパーマーケット商店街八百屋さんお肉屋さんお豆腐屋さんといった商店が中心でした。そして、大体夜の7時か8時、遅くても9時になるとお店が閉まるというのが普通でした。ですので、もし買い忘れた場合は明日の9時の開店まで待つしかありません。

筆者が子供の頃、次の日学校に新しい方眼ノートを持っていく必要がある時は、文房具屋さんが閉まるまでに買いに行く必要がありますが、文房具屋さんは特に閉まる時間が早く、チャンスは限られています。当然、家に帰って連絡帳をすぐに開くような優良児ではないので、方眼ノートをゲットできるか否かは、自分の記憶力と自己コントロール力だけが頼りです。ただし、学校から帰ってきた子供の頭の中身は、友達と遊ぶ事と好きなテレビを見る事で埋め尽くされ、方眼ノートはおろか、連絡帳を開くという選択肢は全く残されていません。

遊び疲れて日もどっぷり暮れた時に悲劇は訪れ、連絡帳に書かれた「方眼ノート」の文字に血の気を失います。
あぁ、ヤバい
もうどうすることもできません。この瞬間、早々と次の日の忘れ物が確定となり、授業が始まるまでの間は刑の執行を待つ気持ちになります。

そして、このような悲劇的な小学生を助けるべく?夜遅くまで開いているコンビニが増えてきたのが1980年代です。

特に、コンビニ大手のセブンイレブンは、文字通り朝7時から夜11時まで店をオープンし、店の名前とオープン時間が一致するインパクトで消費者にも認知されるようになり、店舗数をグングン伸ばし、これまでの店舗の営業時間の常識を崩し始めました。

このような変遷を経て、消費者のメリットのためにコンビニは営業時間を広げ、最終的には24時間営業となったのです。

昔のコンビニ?

成長し続けてきたコンビニ

さらに、コンビニで売っている商品についても解説しましょう。初期のコンビニが扱う商品数は消して多くなく、食料品お弁当が中心で、ちょうど駅の売店のような品揃えと同等のものでした。

今では当たり前のラインナップになっているお酒タバコ栄養ドリンクなどは、コンビニ初期の時代には販売されていませんでした。これには日本の小売業に関わる法律が関係しており、お酒やタバコ、薬品類の販売は許可が必要となっています。例えば、お酒の販売には過去には厳しい規制があり、半径○km以内に酒類販売店があってはならないという規制がありました。

しかし、時代の流れとともにこのような規制は徐々に緩和され、コンビニでもお酒やタバコ、薬品類だけではなく、公共料金の支払い、チケットの購入まで成長を続けてきてきました。

このように、これだけなんでも商品が揃うと当然人は集まり、出す店出す店がヒットし、店員に深夜手当ての給与を支払っても24時間営業することにメリットがあり、ますますコンビニは伸びてきました。その結果、全国のコンビニエンスストアの数は5万店を超えるようになりました。

しかし、順風満帆のコンビニにも人手不足による逆風が吹き始めるのです。

コンビニの24時間営業問題とは

ここで、コンビニ店舗の運営方式は、大きく分けて2つ、直営フランチャイズに分けられます。フランチャイズとは、オーナーが所有する店がコンビニの加盟店となりコンビニ本部と契約をします。コンビニ本部からは商品販売ノウハウなど、コンビニを運営していく上で必要なものを供給します。このようにして、それぞれオーナーが異なる店舗であっても、本部からの指示で各店同じようなクオリティの店舗を展開することができます。そして、24時間営業というクオリティも本部からの指示で成り立っているのです。

しかし、人手不足で深夜の従業員を確保できないオーナーたち間で、コンビニ本部に対して24時間営業の取りやめを行う動きが出てきました。さらに、経済産業省も24時間営業などの労働時間の改善「店舗の置かれた環境に応じて柔軟な経営を認める」とコメントし、コンビニの大手も対応を迫られる必要があります。

このように、24時間営業が当然と言われてきたコンビニの流れが、今後は軟化し様々な営業時間帯のコンビニが増えると予想されています。

コンビニで買い物する女性

無人コンビニが24時間問題を解決できるのか

さて、人手不足を解決する手段として期待されている無人コンビについてフォーカスを当ててみましょう。まずは、海外の無人コンビニの実証実験について触れましょう。スマートフォンを使った電子決済の先進国である中国では、スマホを使った無人コンビにの決済が主流です。すでに多くの決済が電子化されている中国では、無人コンビの実証実験のレベルはとっくに越え、多くの本物の無人コンビニが営業を行なっております
一方、日本でもスーパーのセルフレジ、ユニクロGUのセルフレジのように半自動化された無人レジが少しずつ増えており、こういった決済技術の進化が無人コンビニの実現性を高めています。そんな中、コンビニ大手のローソンが無人コンビニの実証実験を始めま話題になっております。
<ローソンニュースリリースによる実験概要>
・実験店舗:2店舗(フランチャイズ加盟店を含む)を予定
・実験期間:2019年7月頃~数ヶ月間を予定
・無人営業時間:0時~5時
・販売・取り扱い不可:たばこ、酒類、カウンターフーズ、切手類、値引きクーポン券、収納代行・チケット等のサービス全般
・決済方法:「ローソンスマホレジ」、「完全セルフレジ」
・入店管理方法:ローソンアプリによる認証(途中から顔認証システムの導入も検討)
この実証実験は、深夜時間帯のローソンを無人コンビニ化するものです。どうしても人の介在が必要な商品(お酒やタバコ、切手類)については、販売をしないという明確な切り分けを行っているところが特徴と言えるでしょう。
無人コンビニの利用は、予めスマホアプリに個人情報と決済情報を登録し、入店時にアプリによる本人認証がする必要がありますが、入店後は無人コンビに内で自由に商品を選び、セルフレジにで決済を済ませます。
このように、普通のコンビニと同様、無人コンビニでも普通に買い物をすることが可能となりますが、深夜時間帯はお酒などの販売がなく、昼間とは品揃えが異なるので多少の注意が必要です。とは言え、無人コンビニの質としては、まずまずではないでしょうか。実際に、深夜コンビニの人手不足の解決策として、この無人コンビニは十分にあり得る方法であると感じました。
コンビニの棚
今回は、無人コンビニが24時間問題を解決すると称して、日本のコンビニの歴史や無人コンビニの実証実験についてご紹介いたしました。全国のコンビニが無人コンビニ化にはもう少し時間がかかりそうですが、着実に無人化への道を辿っていると言えるでしょう。
これからの課題は、昼間の営業時間と同様のサービス、つまりこれまで人が介在していたコンビニサービスを自動化や無人化ができると、無人コンビニへのブレークスルーとなります。もう一つ、無人コンビニのメリットは、なんと言ってもレジに長い行列を待たなくても良いということも考えられます。
無人コンビニの実現までもう一歩、1日も早く、このような快適なコンビニが登場して欲しいものですね。
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