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人手不足の救世主!?コールセンターにAIを導入するメリットとは

人手不足の救世主!?コールセンターにAIを導入するメリットとは

サービスの変更や解約、問い合わせなどをしたくてコールセンターへ電話をしてみたら、長い間待たされた上に、最終的にはその部署では受け付けてもらえず、たらいまわしになるという経験をお持ちの方もいますよね。

この原因の一つに、コールセンターの業務は多忙かつストレスフルで、常に人手不足であることが挙げられます。さらに少子化が進むことで求人は売り手市場となり、大変な業務であるオペレーターにわざわざ就きたいと思う人は少なくなり、人手不足は加速するでしょう。現在、こういった問題を抱えるコールセンターにAI(人工知能)を導入し、人手不足を解消しようという動きが出てきています。でも、実はコールセンターにAI(人工知能)を人手不足解消だけでなく、実は別のメリットもあるんです。

そこで今回は、コールセンターにAI(人工知能)を導入するメリットについてお伝えしていきます。まず、コールセンターで進む人手不足の原因について見ていきましょう。

コールセンターが人手不足になる原因は、離職率の高さにあった

コールセンターの人手不足のイメージ

主にサービスや商品に対してのクレームを受け付けたり、質問を引き受けるコールセンター。その電話業務は多忙で、さらにクレームを引き受けなくてはならないストレスがあり、離職率の高い職業のうちの一つです。

離職率が高いと、それだけ新人オペレーターの占める割合が高くなり、顧客対応の品質に差が出てしまいます。特にクレームは、対応次第ではさらに顧客を怒らせることになり、そのストレスは多大なものとなりますよね。

そうなることでオペレーターが減り、顧客を待たせたり新人が対応を間違ってしまって、二次クレームが起き、さらにオペレーターがさらされるストレスは増大し、離職していく…。コールセンターの人手不足は、こういった悪循環をはらんでいます。

三輪奈美子
三輪奈美子

私も最近、家電の調子が悪くなってメーカーへ電話しました。すると、受付の対応時間が平日の昼間のみで、当然働きながらだとなかなか電話ができず、やっと電話ができたと思ったら、待ち時間が長いこと長いこと…。さらに最初に対応してくれたオペレーターでは回答が得られず他の人に代わってしまい、同じことを何度も説明するはめになりました…。そのメーカーに対してはニュートラルな感情だったのが、こんなささいなことで、若干マイナスに傾いてしまいました。

このように電話の時間を待たされるだけで、顧客はその会社への評価を下げてしまい、着火しやすい状態になります。そんな中オペレーターが対応を間違ってしまうと、クレームではない要件だったとしても、クレームをつけたくなってしまいますよね。

 

このようなストレスゆえに離職率が高く、常に人手不足のコールセンターですが、AI(人工知能)がその救世主となりそうです。次に、コールセンターに導入されつつあるAI(人工知能)システムの種類をご紹介します。

コールセンターへ導入されつつあるAI(人工知能)の種類

コールセンターのイメージ

事前に顧客から音声で悩みを言ってもらって、振り分けるタイプ

コールセンターに電話をすると、まずは自動音声が「サービス内容の変更については1を押してください」と、問い合わせ内容を振り分けますよね。顧客に番号を押させるこの業務を、AI(人工知能)が行います。

コールセンターへ電話した顧客が問い合わせ内容を話すと、AI(人工知能)が音声を認識。それをテキスト化し、オペレーターへの振り分けを自動で行うものです。

オペレーター対応中に、回答を検索し表示

オペレーターが顧客の問い合わせ内容を聞いている間に、AI(人工知能)もそれを認識し、参考になる資料を検索、表示します。オペレーター自身がデータベースを検索するより迅速なため、顧客を待たせることなく対応が可能です。

こちらはAI(人工知能)が直接顧客対応をするわけではないので、自動音声認識や機械の声が苦手という方の対応も、人間がスムーズに行えます。

事後処理のサポート

顧客との対応が終わった後、オペレーターはすぐに次の電話に出るわけではありません。問い合わせ内容や対応の記録を登録しなくてはならず、特に新人オペレーターだと要約作業に時間がかかってしまいますよね。コールセンターで行われる事後処理をAI(人工知能)にさせることで、オペレーターは短いインターバルのあと、すぐに次の電話に対応可能になります。

それでは次に、コールセンターにAI(人工知能)を導入するメリットを見ていきましょう。

AI(人工知能)を導入するメリット

コールセンターに導入されるAIのイメージ

コールセンターにAI(人工知能)を導入するメリットは、主に3つ挙げられます。

  1. オペレーターの時間と精神負担軽減
  2. 事後処理にかかる時間を短縮
  3. 新人教育の簡略化

コールセンターにAI(人工知能)を導入するメリット1:オペレーターの時間と精神負担軽減

オペレーターへの負担となっているのは、クレーム対応のストレスを除けば、多岐にわたる質問に対する答えを検索し提示することです。

オペレーターが顧客を対応している間に、その会話を聞き取ったAI(人工知能)がFAQを検索、表示することで、顧客を待たせることなく対応が可能です。オペレーター自身は、AI(人工知能)が表示した中から顧客に最適な回答をすればいいので、自分自身で検索する手間が省けます。

二次クレームの多くは、顧客のニーズにこたえきれなかったことや、顧客を待たせてしまったことで起きます。そういった潜在的なクレームをわざわざ掘り起こすことがないため、オペレーターの時間的な負担だけではなく、精神的な負担を軽減することができます。

コールセンターにAI(人工知能)を導入するメリット2:事後処理にかかる時間を短縮

もう一つ、オペレーターの負担になっているのが、電話が終わった後の事後処理です。

コールセンターに事後処理サポートタイプのAI(人工知能)を導入すれば、煩雑な事後処理も、簡略化することができます。AI(人工知能)が会話内容や、顧客の感情の動きまでを読み取りテキスト化、オペレーターは少ない時間で会話内容を要約でき、次の電話を取る準備をすることができます。

コールセンターにAI(人工知能)を導入するメリット3:新人教育の簡略化

離職率の高いコールセンター業務は、常に新人がおり、新人教育にコストを持っていかれています。新人が慣れないうちは、後ろに先輩がついて、あれこれと世話を焼かなくてはなりませんよね。その期間が長ければ長いほど効率は悪く、また人数が割かれることで顧客を待たせることになり、二次クレームにつながります。

しかし、コールセンターに、情報の検索や事後処理をサポートしてくれるAI(人工知能)を導入すれば、新人でもスムーズに情報を顧客に伝えることができ、事後処理も楽になります。また、新人は早くひとり立ちができるようになり、業務の効率がアップします。

これら3つのメリットは、すべてがコスト削減へとつながっています。顧客を待たせず、最適な回答をすることで顧客満足度が上がり、オペレーターの精神的負担を軽減。ストレスが減ったオペレーターが業務を続けることでベテランオペレーターが増え、コストのかかる新人教育をする必要がなくなります。さらに顧客対応品質が底上げされ、会社のイメージアップにつながるのです。

三輪奈美子
三輪奈美子

このように、コールセンターにAI(人工知能)を導入することで、さまざまなメリットが受けられます。

電話のイメージ

さて、今回はコールセンターにAI(人工知能)を導入することで得られるメリット3つをお伝えしました。

  1. オペレーターの時間と精神負担軽減
  2. 事後処理にかかる時間を短縮
  3. 新人教育の簡略化

コールセンターにAI(人工知能)を導入するというと、Siriのように機械的な受け答えしかできないオペレーターが、たまにとんちんかんな答えを導き出してうんざりするという場面が想像できますが、なにもすべてをAI(人工知能)に任せることはありません。つまり、クレームや操作説明、サービスの変更や解約においては不要になります。基本的には人間の受け答えは人間が行ったほうが好感度はあがりますし、相手の顔が見えない電話ならなおさらですよね。

多岐にわたる質問と、それに対する模範解答の検索、および事後処理はAI(人工知能)に任せることで、人は人と対話することに集中できます。
三輪奈美子
三輪奈美子

コールセンターの業務は、AI(人工知能)が発展しても、そのすべてを置き換えるのは難しいと考えられます。特に高ぶる感情がぶつけられるクレームは、人間の心の機微がわかる人間がケアしたほうが良いでしょう。

AI(人工知能)が得意な、情報の検索や会話のテキスト化などはAI(人工知能)にさせる分担作業こそが、コールセンターの人手不足を解消するカギとなるかもしれません。

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