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3分でわかるシンギュラリティの基本!もうすぐやってくるSFの世界

シンギュラリティのイメージ

ディープラーニングを核とするAI(人工知能)技術の発展は、非常に目まぐるしいものですよね。 そして、それとともに「シンギュラリティ」という言葉がいま注目を集めています。

「いつかは人間の知能を凌駕するような能力を持ったAI(人工知能)が登場して、人間が淘汰されてしまうのではないか」という懸念は、AI(人工知能)の発展と常に隣り合わせのテーマと言えるのではないでしょうか。

ですから、人びとがこのテーマに向き合おうとしたとき、カギとなるのが他でもなく「シンギュラリティ」なのです。いつかは訪れるであろう、AI(人工知能)と人類が対等に向き合う日。その日のために今何ができるのでしょう。

そこで今回は、「シンギュラリティ」とは何なのか、なぜ今注目されているのかについて紹介するとともに、これからのAI(人工知能)と人間のあり方についてお話します。

いまさら聞けない?「シンギュラリティ」っていったい何なの

シンギュラリティとはのイメージ

「シンギュラリティ」という言葉、いつもAI(人工知能)に関心をもって情報を収集している方であれば、耳にしたことがあるという方もいらっしゃるでしょう。でも、日常的にはあまり使うことのない言葉ですよね。

「シンギュラリティ」を日本語に言い換えると「技術的特異点」。「日本語にするとさらに訳がわからなくなった」という方、安心してください。「シンギュラリティ」自体はそれほど難しい概念ではありません。

端的にいうとシンギュラリティとは、AI(人工知能)が発達を続けていき、いつか人間の知能を超える能力を持つことによって、人間社会に大きな変化をもたらすという概念を表す言葉で、AI(人工知能)研究の世界的権威、アメリカのレイ・カーツワイル博士が2005年に著書「ポスト・ヒューマンの誕生~コンピュータが人類の知性を超えるとき」で提唱しました。

「シンギュラリティ」はいつ?生きてる間にやってくる?

シンギュラリティのイメージ

それでは、シンギュラリティはいつやってくるのでしょうか。

AI(人工知能)が人間の知能を超えるなんて、まだまだ先のことだろうと思う一方で、ここ数年のディープラーニングの急激な発達などAI(人工知能)をとりまく環境の目まぐるしい変化を目の当たりにすると、そう遠い未来のことでもない気がしますよね。

レイ・カーツワイル博士によると、シンギュラリティは2045年に訪れるとされています。意外に早いと感じるか、遅いと感じるかは人それぞれかもしれません。

しかし、今世紀中ごろには「その時」がやってくると考えられているのです。もしもこの予測のとおりとなれば、21世紀初頭のAI(人工知能)の技術水準からすると、たった半世紀の進歩としては驚異的なものと言えるのではないでしょうか。

ちなみに、このレイ・カーツワイル博士の予測、2005年時点でのものではあるのですが、彼はWi-Fi、4G、5Gといったネットワークの発達やスマートフォンの普及、VRの台頭など、2010年代のIT技術の発展をほぼ誤差なく予測しています。

ですから、2045年のシンギュラリティも、早まることはあるにせよ遅くともこの年までには必ずやってくるであろう、というのが大筋の見方なのです。

「シンギュラリティ」そのとき…何が起こるのか

未来のイメージ

2045年にはやってくるというシンギュラリティ。「いつ人類を超えるAI(人工知能)が現れてもおかしくない」という状況はすぐそこまで来ているかもしれません。

では、シンギュラリティを迎えるといったい何が起こるというのでしょうか。SF映画などでは、高度化したAI(人工知能)が暴走をはじめて人間が手を付けられなくなり、やがて世界はAI(人工知能)に乗っ取られて人類は滅亡…といったような展開をよく目にします。

さすがに人類滅亡は行き過ぎかもしれませんが、AI(人工知能)の活動に対して人間が関与できなくなる、ということは懸念のひとつとして想定しておいてもよいでしょう。

実はシンギュラリティの概念には、「AI(人工知能)が人類を超える」ことがもたらす、もうひとつの大きな変化の側面が含まれています。それは、AI(人工知能)が自らを進化・改良させ、AI(人工知能)がAI(人工知能)を生み出すことが可能になるということ。

AI(人工知能)が人類を超えれば、理論的には人間ができることはすべてAI(人工知能)にできてしまうわけですから、当然AI(人工知能)がAI(人工知能)を生み出すことだってできてしまうということなのです。

いつの日かシンギュラリティを迎えることになれば、「AI(人工知能)が人類最後の発明品」となってしまうとも考えられています。AI(人工知能)さえいれば、あとは「彼ら」がすべて発明してくれるのですから。そして、その後の技術の進歩はすべてAI(人工知能)次第。誰にも予測不可能な時代が訪れるかもしれません。

AI(人工知能)は敵?味方? SF映画的発想に見るAI(人工知能)と人間の関わり合いとは

人間とAIのイメージ

いつの日か必ずやってくるであろうシンギュラリティ。では、実際にAI(人工知能)が人類の知能を超え、自らの進化を司るようになったとき、AI(人工知能)と人間の関係とはいったいどのようなものになるのでしょうか。

2016年に日本でも公開された映画「オートマタ」は、ロボットが自ら進化をはじめたとき何が起きるのか?がリアルに描かれたSFサスペンス作品です。物語の時代設定も2044年と、まさに「シンギュラリティ」が題材となっています。
この作品内で、「オートマタ」と呼ばれる人工知能搭載ロボットには、「生命体に危害を加えてはいけない」、「ロボット自身で修理・改造をしてはいけない」という2つのプロトコルが設定されています。しかし、このうち2つ目のプロトコルが解除され、ロボット自身が自ら改造を施し進化を遂げているという事実が発覚するところから物語は展開していきます。
この映画での設定に見られるように、AI(人工知能)が自ら進化しようとする行動を抑制することは、人類とAI(人工知能)とが共存するうえでの「安全装置」として欠かせないことなのではないでしょうか。

すべての能力、権限をAI(人工知能)に与えるということは、利便性を追い求め続ければ必ず行き着く到達点。しかしそれは、人類にとって実は好ましくないことなのかもしれません。なぜならば、AI(人工知能)の思考が人間の手を離れて独り歩きした瞬間、人間の生命や財産の安全が保障できなくなってしまうからです。

シンギュラリティには2つの未来がある

二つの未来のイメージ

現時点で予測されているシンギュラリティは、大きく二つの道に分かれるといわれています。それが、「強いシンギュラリティ」と「弱いシンギュラリティ」。

「強いシンギュラリティ」とは、前述のようにAI(人工知能)が人類を凌駕する存在となり、AI(人工知能)が人類にとっての「最後の発明」となる未来。
一方の「弱いシンギュラリティ」は、AI(人工知能)と人類がお互いの不完全な部分を補完し合いながら共存し、AI(人工知能)と人類の双方がより理想的な進化を遂げていくというものです。つまり、AI(人工知能)が決して全知全能の存在ではないという未来ですよね。

これから先2045年のシンギュラリティまでの間に、いつか必ずAI(人工知能)の進化がどちらの道を辿るのかを左右する分岐点が訪れるでしょう。究極の便利さを追求し続ける先にAI(人工知能)の司る世界が待っているのか、AI(人工知能)と人類が助け合って生きる理想的な共存世界が到来するのか、いまここで結論を出すことはできません。

しかし、それを選択するのが紛れもなく「私たち」であることには疑いの余地はないでしょう。

 

シンギュラリティのイメージ

今回は、近い将来いつか必ずやってくるであろう「シンギュラリティ」の真実についてお伝えしてきました。

レイ・カーツワイル博士の予測によると、2045年前後には訪れるとされているシンギュラリティ。そのとき、AI(人工知能)と人類がどのような関係性を築いているのか、現段階で予測することは困難です。その答えは、「プレ・シンギュラリティ」と呼ばれる現在から2045年までの20数年間、私たちがAI(人工知能)に対し何を求め、どのような存在意義を見出すのかによって決まってくるのではないでしょうか。

私たちひとり一人がよりよい判断・選択をするためにも、シンギュラリティがいつくるか、本当に来るのかと不安になるよりも、まずはAI(人工知能)や機械学習に対する理解・知識を深めておくことが賢明ですよね。

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