テクノロジー

NECの「熟練者の意思決定をマネできちゃう」AI技術がすごい!

NECのAIのイメージ

近年、テレビやネットニュースでAI(人工知能)技術の発展がたくさん取り上げられています。そしてIBMのAI(人工知能)Watsonがクイズ王に勝利したり、AppleのsiriのようなAIアシスタントに始まり、ここ数年では病院のCTスキャンの読影にもAI(人工知能)が使われ始めていますよね。

これらの最先端のAI(人工知能)はアメリカのシリコンバレーに腰を置く企業がほとんど。事実、GAFAのような外国企業に比べて、日本におけるAI(人工知能)の研究はまだまだ遅れを取っているのが現状でしょう。

しかし、そのような状況の中で、「熟練者の意図を学習して意思決定を模倣できるAI(人工知能)」を「NEC」が開発し話題になっているのです。

そこで今回は、日本のAI(人工知能)開発の現状と、それを踏まえて、NECがAI(人工知能)を開発する理由やNECのAI(人工知能)についてお伝えします。

AI(人工知能)開発における日本の立ち位置

日本のイメージ

AI(人工知能)に限らずIT産業全体で見ても、日本は世界に比べて非常に遅れています。まず、現状の日本ではAI(人工知能)を開発するベンチャー企業が成長する土台ができていない点が一つの理由です。

Google、Amazon、Facebook、Appleといったシリコンバレーを代表するような企業も元々は学生が作った会社や数人で立ち上げたような企業も多いのですが、このような企業を作るにはまず優秀なエンジニアの確保をしなければなりません。

現実は海外の企業に優秀な人材がどんどん流れています。いかに日本でAI(人工知能)の開発をすることにメリットがあるかをアピールしていく必要があるでしょう。

そしてもう一つの問題が、現状のAI(人工知能)の開発をするためにはGoogleやAppleなどの提供するプラットフォーム上で開発を進める必要があります。簡単に言うとAI(人工知能)を作るための参考書と実験室をこれらのような企業から借りて、開発するよーといった感じです。

こうすることで自前で、AI(人工知能)の細部の開発やアルゴリズムの構成などをする必要がなくなりコストと時間がかからないのです。ですが、プラットフォームを提供してもらって開発している時点でこのような企業に勝つのは難しいですよね。
このような状況も影響しており、日本では海外に肩を並べるようなAI(人工知能)技術を保有している企業は少なく、全体的に遅れています。

しかし、このような中で「NEC」がAI(人工知能)の開発に力を入れているです。それはどのようなAI(人工知能)なのでしょうか。

NECの考える「AI(人工知能)」

AIのイメージ

NECはAI(人工知能)の開発をするうえで「見える化」「分析」「対処」の3つに重点を置いています。

この中でも「見える化」と言うのは、AI(人工知能)が出した答えが、どのようなアルゴリズムで、どのようなデータを用いて出た結果なのかを見えるようにしようと言うもので、主流のAI(人工知能)技術では中身が見えないものが多く、いわゆる「ブラックボックス」と呼ばれる方式。ですから中身を見えるようにして安心と安全を提供するという方針です。

NECは日本企業の中でも歴史が長くAI(人工知能)技術に関する研究資料や実績があるのですが、実に半世紀に及ぶとされています。このように日本企業の中でも豊富な経験と技術力を駆使して「安全なまちづくりや品質管理」「経営判断、新製品開発」といった2つの方向性の元に開発を進めているのです。

これまでどんな取り組みを進めてきたのか

取り組みのイメージ

NECでは、世界No1の制度を誇る顔認証技術を活用した入国審査システムや、人間には察知できない僅かな兆しを発見できるプラント故障予兆検知システム、そして今のAI(人工知能)技術の主流である機械学習を使った高度な需要予測に基づくビルのエネルギー管理システムや小売業の発注システムなど書ききれない数の分野でAI(人工知能)技術を活用した事業を展開しています。

これから先、生活で使うような身近なモノにもAI(人工知能)技術が導入される(IoT)未来が予測されていますから、そのなかでNECのAI(人工知能)技術が今後どのように活躍していくか楽しみですよね。

・熟練者の意図を学習し、意思決定を模倣するAI技術を開発

ここまでNECがAI(人工知能)技術の開発に力を入れてきていたことはお伝えした通りです。

そして、2019年7月に「熟練者の過去の行動履歴データから、卓越した認知・判断に基づく意図を意思決定モデルとして学習し、高度なスキルが要求される業務を大幅に効率化する」AI(人工知能)を開発したとNECが発表しました。

この技術は、これまで技術者が意思決定モデルの構築を自動化します。

人では熟練者と初心者の判断能力は必ず違いますが、しかし、人ではこのような熟練者の意思決定を定式化するには時間と経験を要し、容易ではありません。しかし、NECのこのAI(人工知能)はそれができるのです。この技術は主に二つの領域に対して適用が可能。

一つは「RPA(Robotic Process Automation)を適用できない複雑な意思決定を必要とする業務領域」です。例えば経験を積み交渉術を学んでいく必要のある営業職やプラント運転などが含まれます。

もう一つが「人の判断・動作を物理的に再現する領域」に用いることができます。近年、話題になっている自動運転技術への応用で、2019年現在では世界中の企業が「システムがすべての運転操作をコントロールし、ドライバーはシステムが要請した場合のみ関与する」自動運転レベル3を実現させるために開発を行っています。全段階で5段階に別れています。レベル4になると、もし事故が起こった時の責任は全て機械がもつというもの。

そして最後に「ロボット制御」。

今の車製造の工場など大半の製造業ではいかにロボット化するかが生き残れるかどうかの重要な鍵となっており、このNECのAI(人工知能)を用いることで経験豊富な熟練者と同等レベルの意思決定を10倍以上のスピードで実現できます。

このような世界レベルの技術に肩を並べられるのは日本企業でも多くありません。そして、今後、熟練者への負荷が高い様々な業務への適用を進め、人とパートナーとなりうるAI(人工知能)の開発にNECは取り組んでいくと発表しています。

今後ともシリコンバレーの企業らに負けないように頑張って欲しいですよね。

 

AIのイメージ

今回はNECのAI(人工知能)技術についてお話ししました。今回お伝えしたことをまとめると以下の通り。

・AI(人工知能)開発では日本は海外に大きな遅れを取っている。
・NECのAI(人工知能)は人間には難しい熟練者の意思決定の真似をできる。
・複雑な作業を行う工場にも導入できる
・自動運転技術にも応用でき、将来性がある
・NECはAI(人工知能)が人間を支えられるパートナーとして開発を進めている

ここまでお伝えしてきた通り、AI(人工知能)の開発においては世界に大きな遅れを取っているのが日本の現状です。

そのなかでもNECのAI(人工知能)は世界の企業と競う力を持っています。AI(人工知能)といっても何に使うかによって仕様も大きく変わりますが、このNECのAI(人工知能)は熟練者の意思決定を模倣することができ、さらに営業のような仕事も分析力を使って行えるのも強みでしょう。

今後、完全自動運転を達成したり、人がする必要があるとされている危険な仕事をAI(人工知能)が肩代わりをする時代がきた時に、それを作ったのは日本企業だと胸を張って言える未来が来るといいですよね。そのためにはAI(人工知能)を毛嫌いせず、この産業を成長させていく土台を作っていく必要があります。

ですから、日本のAI(人工知能)産業が成長していくには何をする必要があるかを考えてみることで、私たちが未来を変えていきましょう。

参照元
熟練者の意図を学習し、意思決定を模倣するAI技術を開発
NECが考える「AI」とは
未来IT図鑑 これからのAIビジネス 著)谷田 部卓

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