レポート

AIチャットボットが阪急電鉄のホームページに登場!その実力とは?

宝塚バージョン宝塚線先頭

近ごろホームページを見ていると、画面の端っこの方から「ご質問にお答えします」といったメッセージとともに、チャット用のウィンドウがポコっと飛び出してくることがあります。そこで質問すると、オススメの商品を教えてくれたりするので、商品選びが楽になりますよね。

このチャットを支えている技術はAIチャットボットといわれ、AI(人工知能)が会話を代行します。仕組みとしては、会話情報をデータベースに蓄積させ、ユーザからの問い合わせに自動で返答するものです。シンプルな質問であれば、ほぼ間違いなくお客様を案内することができる程度にまで技術が進化しています。

そんな中、阪急電鉄のホームページにAI(人工知能)チャットボットが登場!というニュースを聞きつけました。電車マニアで特に関西の鉄道事情に詳しい私としては、早速ホームページをチェックせずにいられません。

今回は、我らが阪急電鉄のAIチャットボットにあらゆる角度から質問を投げつけ、AIチャットボットの実力を検証しようという内容でお送りします。

阪急電車はじめて物語

まずはざっとご紹介から、阪急電鉄とは大阪梅田から神戸京都宝塚を結ぶ鉄道を運営する鉄道会社です。阪急電鉄が走るこの京阪神エリアは、JRや阪神、京阪など他社の私鉄路線が並走し、ライバルが数多く存在する激戦区なのです。その中でもひときわハイソサエティで上品なブランドイメージを持つのが阪急電鉄なのです。ですので、昔も今も阪急沿線に住むことはある種のステータスと言え、「家は阪急○○です」「ええとこ住んでるやん」となります。

阪急電鉄は「はじめて」がたくさんある会社です。創始者の小林一三氏は、鉄道を利用した日本で初めてとなるようなビジネスモデルを多く作った人なのです。今では当たり前の風景となっている駅ビルは、阪急電鉄が初めて導入したと言われており、神戸線・宝塚線・京都線のターミナル駅である梅田駅に直結する形で阪急百貨店をつくり、アクセスの良さから各地域からお客さんが集まりました。これにより「阪急電車に乗って買い物に出かける」ようになり、他の鉄道会社もそのビジネスモデルを取り入れ、ターミナル駅には大きな商業施設ができるようになりました。

また、100年以上の歴史を持つ宝塚歌劇団も阪急電鉄が深く関わっています。当時は特に目立った観光資源のない宝塚に温泉施設を作り、「阪急電車に乗って温泉に出かける」ビジネスモデルを初めて作り出しました。さらに、温泉客のための余興として、女性だけで構成される劇団を発足したのが宝塚歌劇団の始まりなのです。ちなみに宝塚歌劇団のメンバーは阪急電鉄の職員です。

これ以外にも、田園地帯であった沿線の宅地を開発し住宅を販売するのですが、サラリーマンでも家が買えるように日本で初めての割賦販売(ローン)を導入したのも阪急電鉄です。

このように阪急電鉄は、今では当たり前となっているビジネスモデルを数多く作り出したはじめてがたくさんの企業なのです。

宝塚バージョン宝塚線側面

AIチャットボットに終電を聞いてみた

阪急に対してずいぶん熱くなり、前置きが長くなりましたが、本題のAIチャットボットをチェックしてみましょう。

阪急HPトップ

阪急電鉄のトップ画面には、運行状況やダイヤ検索など、鉄道会社として必要な情報が目に飛び込んできます。そして、画面の下の方に目をやると、阪急電鉄の制帽をかぶった女性オペレーターの姿が!「阪急電鉄チャットサービス チャットはこちら」とあるではないですか。どうやらここがAIチャットボットの入り口みたいです。

阪急電鉄のAIチャットボットが開きました。

チャットボット01

まず最初に、よくある質問カテゴリーが表示されており、ダイヤ情報駅情報はAIチャットボットに質問せずとも、リンクをタップすれば情報を検索できることが分かります。
試しに「ダイヤ」をタップします。

チャットボット02

「時刻表を見たい」を選択

チャットボット03

「駅情報」から駅の時刻を検索するように促されます。チャット上では具体的な駅名を選択するところまでは行っていませんね。
ウォーミングアップはさておき、実際にAIチャットボットに質問をしてみます。

チャットボット04

まずはチャット画面から梅田駅の終電の時間を聞いてみます。梅田駅は神戸線宝塚線京都線と3路線ありますが、どの線を提案してくれるのでしょうか?

チャットボット05

終電の時間を調べたい」が質問内容に該当します

チャットボット06

駅情報」から検索するように促されました。質問した内容に対して、AIチャットボットは該当する項目を案内する橋渡し役といったイメージですね。

続けて、AIチャットボットにコインロッカーについて聞いてみます。

チャットボット07

これもやはり、該当する項目を案内してくれます。正しくガイドしてくれていますが、正直ちょっと物足りないかも。。

では次に、落とし物を拾った場合はどうなるでしょうか?

チャットボット08

う〜ん、模範解答!
落とし物を拾った小学生に声をかけるとしたら、この回答しかありませんね!

最後にちょっとだけ、AIチャットボットさんのお名前を聞いてみました。

チャットボット09

う〜ん…、なんともつれない。
AIチャットボットのお名前を聞きたかったのに。。駅改札の名前だなんて。。。
なんて仕事に忠実なんでしょう!

今回は、AIチャットボットの実力検証として、阪急電鉄のホームページに登場したAIチャットボットをレポートいたしました。

今は試験運用中ですので、痒いところに手が届かない時もありますが、質問に対して間違ったガイドはほぼなかったので、まずは合格点といったところでしょうか。

このAIチャットボットの動きとしては、質問した内容に該当するホームページ状の情報を提案するスタイルだと言えます。ですので、AIチャットボットのキャラの名前など、阪急電鉄のホームページに乗っていない情報について質問しても、うまく返答が返ってきません。

あくまで個人的な意見ですが、イチ早くこのキャラの名前などの情報を定義していただき、少し情緒的な会話ができると嬉しいと思いますね。

電車マニアとして、阪急電車ファンとして、AIチャットボットの更なるバージョンアップを期待します!

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