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AI導入で弁護士という仕事がなくなったとき、私たちに及ぶ影響とは

弁護士のイメージ

英国オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン博士が発表した論文によると、近い将来に702の職業がコンピュータ(すなわちAI(人工知能))に取って代わられるとされ、また野村総合研究所の調査研究結果では日本の労働人口の約半数が技術的にはAI(人工知能)などによって代替される可能性があるとされました。これらのニュースはメディアなどでも大きく報道されましたよね。

ですが、AI(人工知能)に奪われる仕事は、検品や書類作成などの単純作業ばかりだから、まさか、弁護士のような高度な知識や判断を必要とする職業がAI(人工知能)に取って代わられる可能性があるなんて、夢にも思いませんよね。

AI(人工知能)が弁護士の仕事をするようになったら、どんな世の中になってしまうのだろう?そんな不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、現にアメリカなどでは弁護士の一部の業務をAI(人工知能)が代替しているという例もあるのです。

そこで今回は、AI(人工知能)への代替が進む弁護士の仕事と、その先の未来に私たちに及ぶ影響についてお伝えしましょう。

AI(人工知能)化の進む弁護士のお仕事 その実態はいかに

裁判のイメージ

ドラマや映画などでも題材として取り上げられることの多い弁護士のお仕事。わかってるようで意外にわかってないかもしれませんよね。

そこで、弁護士の業務内容というのをざっくりかいつまんでみますと…

  1. 依頼者とのヒアリング(要望や不満を聞き取る)
  2. 依頼者から聞き取った話を整理する
  3. 法律を確認し、事実を法的に組み立てる
  4. 損害賠償額を決定する
  5. そのほか(契約書文面の精査、新製品などが法的に問題がないかをチェック)

はい、もちろん人間が相手のお仕事ですから高度な判断や豊富な知識・経験が必要となりますが、やっていること自体は極めて原理的で決して華やかなものではないという印象を持った方もいるでしょう。

基本的には、弁護士のお仕事のインプットといえばクライアントからの依頼や要望です。もちろん、依頼者の状況を判断しつつ、その依頼や要望に取り組んでいかなければならないわけ。

ですから、弁護士のお仕事が簡単にAI(人工知能)に代替されることは現段階では考えにくいです。

でもだからといって何も変わらないわけではありません。

たとえば、前述の「3法律を確認し、事実を法的に組み立てる」や「4損害賠償額を決定する」の業務をクローズアップしてみましょう。

「3法律を確認し、事実を法的に組み立てる」は、法律という一種のデータベースをもとに事実を論理的に組み立てていく作業、「4損害賠償額を決定する」は「3法律を確認し、事実を法的に組み立てる」や過去の判例など(これもデータベースと言えるでしょう)から判断して損害賠償額を決定する作業です。

これらは、データウェアハウスなど大量のデータが整備されている環境さえあれば、AI(人工知能)がもっとも得意な分野のひとつであるといえます。

過去の判例と照らし合わせる作業や、その判例から損害賠償額を決定することはこれまで弁護士が担ってきましたが、極めて異例なケースを除けば同じような事例が過去にも多く存在しているわけですから、その判断は弁護士からAI(人工知能)へと代替されていくことは自然な流れであるといえるかもしれません。

とりわけ交通事故などの案件では、前例が非常に多くAI(人工知能)が扱いやすい部類だといえそうです。

一方5の「契約書文面の精査、新製品などが法的に問題がないかをチェック」のようなお仕事ではどうでしょうか。

これも基本的には、対象となる契約書や新製品の仕様書などを、法律と突き合せたり、過去に作成・発行された契約書や仕様書などのデータとを突き合せる作業となるので、突合ポイント等を学習することができれば、AI(人工知能)にも十分に担うことができる作業です。

ここまで、弁護士の仕事へのAI(人工知能)の進出という問題の現状と今後の展望について見てきましたが、ここで最もカギとなるファクターが登場してきました。皆さんはきっともうお気づきですよね。…そうです、データウェアハウスの存在。

もしもあなたが弁護士事務所を営んでいたとして、法律の情報や過去の判例などの情報がすべて紙媒体で蓄積されていたとしたらどうでしょう。どんなに優秀なAI(人工知能)がいたとしても、これでは到底太刀打ちなどできません。もう、人海戦術でファイルに閉じた書類を日夜めくり続けるという苦行のような時間が待っているだけです。

反対に、もしこれらの情報が体系的にデータベースという形で整備された構造化データであったならどうでしょう。優秀なAI(人工知能)が即座に情報を解析し、的確な判断を提示してくれます。見事に苦行回避です!

これからの弁護士ってどうなるのか

六法のイメージ

ここまで、弁護士のお仕事のうちAI(人工知能)が代替できる可能性のある業務にどのようなものがあるのかについてお話してきました。

それでは、仕事が少なくなった弁護士の人たちはいったいどうするのでしょう。空いた時間で事務所の1階にラーメン屋でも開くのでしょうか。もちろんそんなチャレンジ精神の旺盛な弁護士がいないとも言い切れませんが…

これは弁護士に限らず他の業種、例えば製造業などにおいてもAI(人工知能)が仕事を代替し始めたときに当てはまることではありますが、「上流(設計・開発)」→「下流(製造・検査)」→「上流(最終検査・分析)」という業務の流れがあった場合、下流工程をAI(人工知能)が担い、人間は上流工程に注力することで、より機能性が高く品質の高い安全なものを作り出すというのが一般的な考え方ですよね。

弁護士においても「依頼者とのヒアリング(上流)」→「案件の整理・法律、判例との照合(下流)」→「最終的な精査(上流)」と考えると、先ほどお話しした内容とも合致していることがわかります。

では、弁護士の仕事はなくなる?

法律のイメージ

今、弁護士ドットコムが「交通事故過失割合チャットボット」というサービスを提供しています。

チャットボットでAI(人工知能)と会話することで、交通事故の過失割合を判定してしまうサービスで、まだ質問の選択肢や分岐が複雑化しておらず、比較的な単純な事故にしか対応できませんが、今後ボットが高度化すれば、交通事故の案件に関してはある程度弁護士に代わってAI(人工知能)が担うことができるのではないでしょうか。

もちろん、AI(人工知能)が人類の知能を超えるとされるシンギュラリティのころには、すべての案件・事件は弁護士ではなくAI(人工知能)が担当することになっているかもしれませんが。

AI(人工知能)弁護士の登場が私たちにもたらすものは

AIに頼るイメージ

それではようやく本題です。(遅いっ!)

AI(人工知能)が弁護士の仕事を代替するようになると、前述した345といった業務はすべて「作業」となり、AI(人工知能)の守備範囲となるということはすでにお分かりですよね。

そうなると、どの弁護士に依頼したところでこの「作業」品質は大差がありません。つまり誰に依頼しても大して変わらなくなる、ということが想像されます。

何かを生業としている人であれば必ず、同業他社との間に「差別化」を図ろうとするのが逃れられない性です。それはきっと弁護士でも然りでしょう。

AI(人工知能)で画一化された下流の作業、差別化できるのは上流の作業である、依頼者からのヒアリングやヒアリングをもとにした話の組み立てです。

どのように差別化するかは各弁護士次第でしょうが、やはりより依頼者に親身になって案件に取り組んだり、+αの成果を出すような展開に持っていくなど、弁護士としての全体な質の向上が図られるのではないかという期待はできるでしょう。

 

弁護士がいそうな部屋のイメージ

今回は、弁護士の仕事にAI(人工知能)が導入されたとき、私たちの暮らしにどのような影響が及ぶかについてお話しました。

弁護士のお仕事も、すべてが一斉に取り替わることは現実的には考えられませんが、下流の作業から少しずつ弁護士の仕事がAI(人工知能)へ代替していくのは今後避けられない流れとなってくることでしょう。

もちろん、能力の高い優秀な弁護士の先生方はたくさんいらっしゃいます。そういった先生方が下流の単純作業をAI(人工知能)におまかせして、より依頼者に寄り添って高い成果を上げる、という人間が得意とする部分の品質を上げることで、AI(人工知能)-弁護士‐依頼者の三者がWin-Win-Winの関係になることが望ましいです。

ですから、AI(人工知能)が導入されることで、きっと全体な弁護士の質の向上が図られます。私たちは、悲観的な心配などせずに、AI(人工知能)で働き方が変わることを見守っていきましょう。

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