AI(人工知能)ニュース

こんなところにもAIが!身近な場所で導入されている3の事例

パン屋さんイメージ

「AIを導入しているお店がある」なんて言葉を聞いても、パっと思いつかないし、あっても少ないので、きっと都心や大きな企業で新しいサービスを始めたのだろう。と思ってしまいがちですが、実はそうではないようです。私たちの生活で身近に利用する場所にも、AIを導入し実用しているところが増えてきているようです。場所も、都会とは限りません。

そこで今回は、私たちの日常にある場所で活躍しているAI(人工知能)の導入事例をお伝えしていきます。きっと、こんな場所でも!こんな便利なことがあるんだ!ということが理解でき、AI(人工知能)の見方が変わりますよ。どうぞご覧ください。

 

AIが導入された先は地方のパン屋さん

AIが導入された先は地方のパン屋さん

1つ目にご紹介するAI(人工知能)の導入先は、タイトルにもあるように、なんと、とある道の駅のパン屋さん!「パン屋さんでAIが導入されている」と聞いて、「AIで投資を行なう」とは違った驚き、いやいや、衝撃をうけたのは私だけでしょうか?どこか相反する2つの関係性にAI(人工知能)という言葉にもですが、導入しようと思ったパン屋さんの方にも興味がわきますよね。それでは、そのストーリーをご紹介していきます。

パン屋さんにあるAIマシンの名前は「BakeryScan」(ベーカリースキャン)。AI(人工知能)が導入されたパン屋専用のレジです。今、実際にBakeryScanのサイトを見られた方はおられますか?このサイト、これまた「AI(人工知能) 」という言葉とはどこか遠い、安心感や丸みを感じるサイトなのです。一体どんな方が、どんな想いで開発され誕生したんだろうと、ますます興味が沸いてきますね。

BakeryScan開発がはじまったキッカケ

それでは、その本題に入って参ります。AIが導入されたBakeryScanの開発が始まったのは2008年のことだそうです。きっかけは、兵庫県のパン店の社長さまから相談を受けたことでした。その相談内容は「人手不足」。”人が足りなくて、外国のスタッフを雇おうと思うのだけれど、経験の浅い外国スタッフでもレジ打ちや接客ができるようなシステムを作ってほしい”という依頼でした。

みなさん、パン屋のレジ打ちの大変さを知っていますか?パン屋のパンは袋に入っていないため、バーコードや値札がありません。なので、パンとメニューを覚えて、その金額や商品名をレジに打っていくという…。普通のレジよりも断然覚えることの多い職業なのです。

日本国民の私たちでさえ高度そうなレジ打ちを、文化や言葉の違う外国の方に覚えてもらうというのは、考えただけでも難易度が高そうですね。そうそう、そのパン屋さんのレジ打ちは、人間だけが難しいと感じるものではありませんでした。AI(人工知能)導入レジを作るにあたっても大変な苦労があったようです。

課題と向き合う苦戦の日々

普段パンを口にする私たちも知っている通り、パン屋のパンは、同じような見た目のパンでも別の種類だったり、同じ種類のパンでも形が微妙に違ったりしていますよね。人が作る手作りのパンというのは、やはり毎回ちょっとずつ形が変わります。多数のデータを基に動いていくAI(人工知能)なので、その微妙な違いを正確に認識させる精度を高めることは大変なことで、第一課題でした。

そして、課題は続きます。その中でも、最後まで研究者たちを悩ませた課題がありました。それは、お客様のパンの置き方によって、2つのパンがくっついた状態で認識されるといったものでした。

その誤認識を正確に認識させるためには、スタッフがパンを動かして再撮影を行なう必要があります。しかし、お客さまにとったら、そのパンは口にするもの。誤認識の度に何度も購入予定のパンを触られたらいい気分ではありません。といって、認識しやすいように、わざわざ感覚をあけて並べてくれたりもしません。

そして、あれやこれやと開発をはじめてから、約6年の日々が経っていきました…… しかし、いくら研究を重ねて1つ1つの精度を高めても、最後のこの課題は解決できず、何回に1回かは2つのパンがくっついて認識されてしまうという問題は続いたのです。

BakeryScanがついに完成

しかし、そんな中でAI導入パン屋専用レジ「BakeryScan」はついに完成しました。さて、最後の問題はどのように解決されたのでしょう。その最後の一打を打ったのは、このマシンを開発した株式会社BRAINの社長さんでした。そしてその方法はというとーーー なんと「開き直り」でした。「間違えたらお店のスタッフがデータを修正すればいいではないか!」との発想です。なるほど、AI(人工知能)と二人三脚でレジを行っていこうということですね。

そもそもこの製品が開発されたキッカケは、「経験の浅い外国のスタッフでもレジや接客ができる方法はないか」というものが始まりです。「間違ったものは修正する」それくらいのことならできそうですよね。という訳で、無事にAIはパン屋に導入され、活躍しています。

BakeryScanのニーズと効果

といっても、このレジ。「ベテランスタッフのいるパン屋さん」では全く人気がないようです。それもそうですよね。できる人がいるお店に、わざわざ導入する必要がないですもんね。”人手が足りなくて困っている”という店舗のニーズに、AI導入パン屋専用レジBakeryScanは、ぴったり合致したのでした。

このレジは、その他にも様々な効果をもたらしてくれているようです。パン屋さんでは、新人アルバイトの学生さんに商品一覧表を渡し『家で覚えてきてね』と言ったら、次から来なくなってしまった…。なんてことはよくあることです。

このAIレジの導入は、こういった教育の難しさも解消できるようになりました。そして、ベテランスタッフさんにもよい効果が。

忙しくレジに行列が続く日には、たとえベテランスタッフでも、ストレスが溜まるもの。そんな日でも、代行してくれるAI導入レジBakeryScanがあると、余裕が生まれました。その余裕は、接客の質も向上にもつながり、お客さまにもよい印象をあたえます。導入したお店の人からは、こういった様々な感謝の声が届いているようです。これは、まさにAI(人工知能)と人間の共存ですね。心が温まります。

AIはラーメン店にも導入が進みます

AIはラーメン店にも導入が進みます

さて、次のAI(人工知能)導入先はラーメン店!今回はレジではなく、愛嬌タップリの接客ロボットSoraくんをご紹介します。このAI(人工知能)接客ロボットSoraくんは、来店されたお客さまに「いらっしゃいませ」と声をかけます。まぁまぁこのくらいのことであれば、もう想定できることですよね。

しかし、この接客ロボットSoraくん、それだけでは終わりません。「いらっしゃいませ」と言われたお客さまがSoraくんに顔を向けると、内蔵されているカメラで顔認証を行って、お客さまの選別をしてくれるんです。でも、これくらいであれば、何回か来店すれば、飽きられてしまいそう。

Soraくんのサービスのうれしいところ

Soraくんが実力を発揮するのはここからで、お客さまが3回目に来店された時です。(このサービスはお店によってことなりますが、)このSoraくん3回目の来店ごとに、サービスクーポンを発行してくれるのです。顔をみせれば勝手に発行してくれる。これはうれしいサービスですね。ショップカードを持ち歩いたり、アプリをわざわざ見せる必要もありません。

他にもこんなサービスも。Soraくんは、お客さまの年齢やこれまで食べたメニューのデータを持っているので、お客様の年齢に合わせたメニューの提案や、まだ食べたことのない新しいメニューやおすすめを紹介してくれます。「こんな食べ方おいしいよ」などと食べ方のアドバイスなんかもしながら、おもてなしサービスを行ってくれるんです。お店の看板ロボット!もう、立派なスタッフの一員ですよね。

AI導入ロボットSoraくんの仕組み

仕組みはこうです。このサービスを有効的に利用するには、事前に専用のアプリをダウンロードし、自分の顔や年齢などの情報を登録する必要があります。データがあってのAIロボット。少々手間も必要ですが、よく行くお店や、また行きたいと思うお店であれば、”クーポン”などのお得があるなら、利用しちゃいそうですよね。

このような光景は、これからの時代当たり前になってくるのかもしれません。

子供の世界、幼稚園にもAIロボットペッパーくんが仲間入り

子供の世界、幼稚園にもAIロボットペッパーくんが仲間入り

そして最後にご紹介する場所は、幼稚園。前回、子供のAI学習についても特集しました。

見ていただくと分かるのですが、AI(人工知能)の導入は子供の世界にもどんどん進出しています。また、AI時代に対する教育の対応も進んでいます。このAIロボットペッパーくんを導入した幼稚園もその一例です。この幼稚園がAI(人工知能)を導入を考えたきっかけは、まさに、2020年に論理的思考を育てるためのプログラミンク教育が、小中学校に組み込まれることを見通してのことでした。

見ていくと、AI(人工知能)ロボットを導入するにあたって、とても真剣に考えておられました。実際にAIロボットを導入している学校を見学し、これは幼児教育にも有効的だ!と実感できたことから、導入を決断されたようです。少しでも早くコンピューター教材に触れる機会を増やしてあげたいと考えたのです。先を見据えた教育です。

AIロボットペッパーくんと子供たちの関係

そして、幼稚園には新しい仲間ペッパーくんが導入されました。ペッパーくんは、子供たちにクイズを出したり、コミュニケーションを取って馴染んでいきました。そして、子供たちもペッパーくんを先生兼お友達のように接していきます。中には他のお友達とは馴染みにくい子供が、ペッパーくんとならコミュニケーションがとれるという子供も出てきたようです。子供たちはAI(人工知能)ロボットペッパーくんを、人とは違った愛着を持って認識していっているとのことでした。

こうやって、AI(人工知能)なんて言葉を知らないうちから、身近にAIと慣れ親しむ。大人の言葉で言えば「使いこなす能力」なんて言葉になりそうですが、きっと子供はそんな感覚ではないはずです。

その感覚を海外旅行で例えると

年代や人によってその解釈は異なると思いますが。60代以上の方からすれば、海外旅行なんて、そんなに身近なものではなかったはず。でも、30代以下いや、もしかしたら40代の方でも、海外旅行はそんなに遠いものではありません。そして、その価値も、身近であればあるほど「高価なもの」「すごいもの」「難しいもの」というハードルの高さを感じなくなるものです。今回の幼稚園の事例などは、そういった感覚を子供に教えてあげれるものなのではないでしょうか。

人の想いがAIの世界をつくる

人の想いがAIの世界をつくる

さて、今回ご紹介した3つの事例を通して、AIが私たちの生活に自然に溶け込んでいる様子が想像できたのではないでしょうか。そして、AIを導入した先では、スタッフや関わる人たちに喜ばれている様子も伺えましたよね。

そして、AI(人工知能)が導入される背景には、「人手不足」を解決しようという企業の想いであったり、「子供たちの時代対策」といった、教育者の想いであったりと、誰かの想いがありました。そして、その人たちの生活(仕事)に違和感なく利用してもらえるか、馴染んでいけるか。といった、人に役立てる精神も存在していました。一見、AI(人工知能)というと機械的で、クールなもののように感じますが、人の優しさ、コミュニケーションがあるからこそ、これからまた進化し、私たちの生活に入ってくるようになるのかもしれませんよね。

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