AIとは何か

今さら聞けない、機械学習とAIの違いって?

書棚で学習2

近ごろ、テレビやネット上などいたるところで機械学習AI(人工知能)という情報をよく耳にしますよね。これまでは、まだまだ未来の技術と思われてきた機械学習やAI(人工知能)なのですが、今ではすっかり私たちの生活に役立っていると言えるでしょう。

例えば、スマホのアプリが、
機械学習によって株価の変動を予測します。
と言ってみたり、

AI(人工知能)があなた好みのご飯を炊きあげます
と言ってみたり、

日々進化するAI(人工知能)のおかげで、私たちの生活も日々便利になってきています。このように、AI(人工知能)のおかげで生活が便利になってきているのは分かるのですが、実際に、機械学習とかAI(人工知能)について、皆さんはどこまでご存知ですか?

特に「機械学習とAI(人工知能)って何が違うの?」と聞かれても、詳しく説明できる人は限られているのではないでしょうか。そこで今回は、基本中の基本である、機械学習とAI(人工知能)の違いについて解説いたします。

本で学習

AI(人工知能)の定義とは

そもそも、AI(人工知能)とはAIは、Artificial(=人工的な) Intelligence(=知能、知能)の略語で、人間のような知能を持つものを人間の手で作るということです。

そして実際に、コンピュータというデバイスを使ってAI(人工知能)を実現しているのです。逆に言うと、AI(人工知能)は人工の知能であれば何でもよく、必ずしもコンピュータである必要はありません。極端な例にはなりますが、人間のような知能さえ持っていれば、焼きたてのパンをAI(人工知能)と呼ぶことができるのです。

少し話がそれてしまいましたが、「AI(人工知能)とは何か?」についてマジメに答えると、コンピュータに人間の知能を身につけさせるための研究と言うことができるでしょう。

AI(人工知能)の鍛え方

先ほどご紹介したように、コンピュータに人間の知能を身につけさせるのが、AI(人工知能)ですが、ではどのようにしてコンピュータに知識を与えているのでしょう。答えはとてもシンプル、AI(人工知能)に多くの知識や経験を覚えさせるということです。

1950年代から始まったAI(人工知能)の研究ですが、このシンプルな命題は、現在に至るまで変わらず研究が続けられております。

研究開始当初は、コンピュータの記憶領域やネットワークが発達しておらず、人間の知能として必要とされる情報量を蓄えることができませんでした。その結果、迷路や数学の定理の証明など、シンプルな問題を解くことができるレベルにとどまり第一次AI(人工知能)ブームを終えることとなりました。

その後、1980年代に第二次AI(人工知能)ブームが到来し、コンピュータの性能が上がりさらに多くの知識を蓄えることができるようになり、多くの知識を詰め込んだコンピュータが推論をするという、専門家のように振る舞うレベルにまで達しました。

そして2000年代から現在まで続く第三次AI(人工知能)ブームは、ネットワーク技術の発展が大きく寄与しています。携帯電話などのモバイル技術の発展により、AI(人工知能)は場所を選ばずデータを集められるようになり、その収集したデータは、ネットワークを経由してクラウド上に置くため、AI(人工知能)自体が大きな記憶容量を持つ必要がなくなりました。

その結果、AI(人工知能)はいつでもどこでもデータを集めてクラウド上に保存し、保存したデータをスムーズに使うことができるようになりました。この莫大に集まったデータ、いわゆるビッグデータによって今のブームが成り立っていると言えます。

ビッグデータが機械学習を生み出した

ここでやっと、機械学習とAI(人工知能)の違いについて触れることにします。多くの知識が集まれば集まるほど、人工知能の精度は上がると考えることができますが、はたして、このままデータが増え続け、ビッグデータがさらにビッグになり続けたらどうなるでしょうか。

確かに、データ量が増えればそれに比例してAI(人工知能)のレベルを上げることができますが、第一次、第二次AI(人工知能)ブームのように、人間が多くのデータを整理して、コンピュータに理解できるような形に変換して与えることは実際のところ不可能と言えるでしょう。

ここで登場するのが、本題である機械学習です。人間の手に負えなくなった膨大なデータを、AI(人工知能)自らデータを取得して学習すること、これが機械学習とばれるものなのです。

初期のAI(人工知能)は、人間が答えを与えてコンピュータに知識を覚えさせていましたが、機械学習は今までのAI(人工知能)の学習方法とは違い、AI自身が知識を獲得することを呼びます。もはや人間の手を介さずにAI(人工知能)が知識をえるという事になります。いかがでしょうか、機械学習とAI(人工知能)の違いがお分かりいただけたでしょうか。

積んだ本で学習

機械学習のバリエーション

機械学習とAI(人工知能)の違いをお分かりいただいたところで、機械学習の仕組みについて解説いたします。

機械学習の基本的な考え方は、AI(人工知能)が多くのデータを反復的に学習して、そのデータのパターンを見つけ出すことです。例えば、AI(人工知能)が「りんご」を理解しようとした時は、

  • 色 (赤)
  • 形 (丸に近い)
  • 大きさ (手のひらにのるサイズ)

などといったデータを学習していくのです。これは、人間が物の色や形を覚えていくことと同じ動きです。つまり、AI(人工知能)は人間の脳に知識を蓄える方法と同様の方法で知識を増やしているのです。

さらに機械学習には次のように3つの種類があります。

  1. 教師あり学習とは
    教師(人間)があらかじめデータとパターンを紐付けします。
    AI(人工知能)が新しい情報を判別するときには、このデータとパターンの紐づけから答えを導き出します。
    教師あり学習が使われるケースは、過去のデータから将来的に発生しそうな事象を導き出す時に使用されます。

    具体例 天気予報

    → 過去の気象情報からどのような天候になるかを予想

  2. 教師なし学習とは
    与えられたパターンや規則性を、AI(人工知能)自らが見つけ出す方法です。
    取り込んだデータの分布状況を学習し、新しいデータがどのグループに近いかを判別することで、判別の精度を上げることができ、おすすめ商品を紹介する「レコメンド機能」など、正解・不正解のない判断を必要とするときに使われます

    具体例 ネット通販サイト

    → その人に合ったおすすめ機能を予測

  3. 強化学習とは
    どのような行動をとれば最大限の報酬がもらえるかを学習していく方法です。
    次にとるべき行動の選択肢が無数にあり、どれを選べば良いか分からない状況で判断を下す方法として使用されます。

    囲碁・将棋のAI

    → 無限に近い手の中から最も勝利につながる可能性が高い手を選択

書棚で学習

今回は、機械学習とAI(人工知能)の違いと題して、AIの歴史や学習方法について解説してまいりました。初期のAI(人工知能)は親鳥が小鳥に餌を与えるように、人間がAI(人工知能)に知識を与えていましたが、機械学習ではこれまでのAI(人工知能)の学習方法とは違い、人間の手をほとんど必要とせずに、自らビッグデータを活用し学習するようになりました。

このような機械学習がさらに発展すると、AI(人工知能)は人間の気がつかなかった問題点や解決方法を発見してくれる可能性が大いに高まります。今後さらなる発展をすることが期待されているAI(人工知能)から目が離せないですよね。

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました