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【Windows・Mac両方解説】Python Anacondaのインストール方法

【Windows・Mac両方解説】Python Anacondaのインストール方法

Pythonを始めたら、いきなり“Anacondaをインストールしてください”と書かれて、Anacondaって何?と疑問に感じますよね。インストールとは一体何をすれば良いのかわからなかったり、無事インストールを終えても、その後出てくるコマンド「conda」に混乱する人も少なくないかもしれません。どうせ使うなら、コマンドの意味についても理解したいでしょう。

また、WindowsだけでなくMacでの環境構築方法も併せてご紹介しますので、Anacondaのインストールを考えている人はこの記事を読むと役立つこと間違いありません。

そこで今回はAnacondaとは何で、どのようにインストールするべきなのか、コマンドの意味の説明に至るまで解説します。では早速見ていきましょう。

Python Anacondaとは

Python Anacondaのイメージ

Python Anacondaとは、Python本体のみならず、データサイエンスや機械学習向けのツールやライブラリをひとまとめにした環境を指します。これを説明するために、まずはPythonについて説明しましょう。

Pythonとはデータサイエンスや機械学習の分野で良く用いられるプログラミング言語です。その特徴として

  • 簡潔な言語仕様
  • ライブラリの豊富さ
  • インタプリタ型言語

などが挙げられます。

特に、簡潔な言語仕様とライブラリの豊富さは、データサイエンスや機械学習をこれから学び始める人には大きなメリット。なぜならデータサイエンス・機械学習のどちらにも言えますが、いずれもPythonという言語以外の知識が問われる分野だからです。ですので、簡単でライブラリが豊富であるという利点を活かして、スムーズに各分野の学習に取り掛かれるでしょう。

しかし、Python本体をインストールしただけでは不完全で、必要なライブラリは、自分で1つずつインストールする必要があります。これが結構手間で、Pythonに加えてライブラリもまとめてインストールしてくれたら、より手軽にPythonを始められるのに・・・となりますよね。

そんなときに役立つのが、Anaconda。先述の通り、Python本体に加えてよく使われるライブラリやツールをまとめてインストールしてくれるパッケージですこのように必要なライブラリやツール、ソフトウェアをまとめてパッケージとして提供する仕組みをディストリビューションと言い、Pythonの解説記事でもときどき登場します。

ではPython Anacondaにはどんなメリットがあるのでしょうか。続いて見ていきましょう。

Python Anacondaでできること

できることのイメージ
Anacondaを導入することで、できることを箇条書きにしてまとめると以下のようになります。

  • 必要最小限のライブラリがインストールできる
  • 必要なツールをインストールできる
  • パッケージ管理コマンド『conda』を使うことができる

ではそれぞれどういう意味なのかを、詳細に見てみましょう。

必要最小限のライブラリがインストールできる

データサイエンスや機械学習を学ぶためには数学は避けては通れず、難解な数式を解くことも少なくありません。しかし、全ての計算式を自分でコーディングしていては時間がいくらあっても足りませんよね。そこでライブラリを頻繁に使います。

特に「numpy」や「pandas」は、Pythonでデータを扱ううえでは必ず使うライブラリです。また、得られた結果を図示するために、「matplotlib」などのグラフ描画ライブラリもよ良く用いられます。

Anacondaをインストールすることで、これらのライブラリをまとめてインストールすることが可能です。

必要なツールをインストールできる

データサイエンスの分野に携わると、「実行結果を保存したい」「この視点から見たデータはどうなるだろう」思って実験してみることや、実験結果をレポートとしてまとめる頻度も多いです。

そんなときに、「Jupyter Notebook」というツールが良く使われています。「Jupyter Notebook」は、プログラムの実行結果や、それに付随する文書及び実行結果をHTML、MarkDown、PDFなど様々な形式で保存可能。

また、IDEである「Spyder」も導入可能です。IDEとはプログラム開発に必要なコーディング・コンパイル・テスト・デバッグといった複数の作業を一つの環境下で実行可能なものこと。「Spyder」は「Jupyter Notebook」とは異なり、少し長いプログラムをコーディングする場合や、デバッグを行う場合はSpyderなどのIDEを使う場合が多いです。

これらのツールも、Anacondaをインストールすれば全て用意されています。

パッケージ管理コマンド「conda」を使うことができる

Anacondaには、ライブラリやツールのインストール・管理を行う為のcondaというコマンドが存在しています。condaを使えば、ライブラリの管理が楽になるでしょう。Anacondaの環境下にライブラリをインストールする場合は、”conda install xx(xxはライブラリ名)”を使います

例えば先程紹介したnumpyをインストールするには、”conda install numpy”というコマンドをコマンドプロンプトやターミナル上にて実行します。

Anacondaをインストールすることでできることは以上です。では実際にインストールに取り掛かりましょう。

Anacondaを使えるようにするための手順

手順のイメージ
Anacondaをインストールする手順は簡単です。

  1. ご自分のPCの空き容量が5GB以上あることを確認する
  2. Anacondaのインストーラを公式ページからダウンロードする
  3. インストーラを実行する
  4. インストールされたAnacondaが正しく動作しているかを確認する

なお、Anacondaそのものの容量は約3.0GBなのですが、ここでは余裕を持って5GB用意しましょう。プログラム展開時に一時ファイルを生成しますので、ギリギリの容量だとインストールに失敗する場合があります。

また、WindowsとMacで少し異なる部分があります。次の項目からは、それぞれの環境でインストール方法を紹介します。

【Windows編】Anacondaのインストール方法

Windowsのイメージ
まずはPCの空き容量を確認しましょう。AnacondaをCドライブに入れる場合、空き容量は、エクスプローラからWindows(C:)をクリックして、右クリック→プロパティから確認可能です。

続いて、ご自身のPC環境を確認しましょう。Windowsマークをクリックした後に、設定→システム→バージョン情報→“システムの種類”からご自身のPC環境を確認してください。すると、画面には32/64Bitのいずれかが記載されています。その後、ご自分のOSに合わせたインストーラをダウンロードしてください。

ダウンロード完了後、インストーラを起動しましょう。全て英語で記載されていますが、手順に沿うだけですので問題ありません。まずは“Next”を押します。その後License Agreementにて、“I Agree”を押して進みます。次も“Just me”で問題ありません。

続いてどこにAnacondaをインストールするかを問われますので、希望の場所を指定してください。特に気にならない方はそのまま“Next”を押します。

次に、環境変数のPATHにPythonのパスを追加するかどうかを問われます。突然どうすれば良いのか、少し迷いますよね。ここは最初ですので、デフォルトのままでも大丈夫です。最後に“Install”を押すことで、WindowsでのAnaconda設定が完了します。

【Mac編】Anacondaのインストール方法

Macのイメージ
Windowsに同じく、Macでもまずは空き容量が5GB以上あることを確認しましょう。左上のアップルマークから、“このMacについて”を開いた後に、“ストレージ”タブをクリックすることで空き容量が確認可能です。

その後、インストーラをダウンロードするのですが、Macの場合は“64-Bit Graphical Installer”と“64-Bits Command Line Installer”の2つの選択肢が用意されています。ここでは“64-Bit Graphical Installer”を選びダウンロードします。

その後、インストーラを起動しますと、“Anaconda3のインストール”ウィンドウが起動します。Windowsの場合とほぼ同様の内容で進行してください。特に理由がない限り、デフォルトのチェックボックスをいじる必要はありません。

最後にPyCharm IDEをインストールするかを問われるので必要に応じて選択してください。PyCharm IDEはJetBrain社という企業が出している高機能なIDEです。

PyCharmにはWeb開発関連のプラグインが多く付属しているので、データサイエンスだけでなく、将来はWeb開発まで行いたい!という方は、PyCharmが適しています。無料版と有料版がありますが、Web系に興味がないなら有料版を導入するメリットは特にありませんので無料版で十分です。

最後に、“続ける”を実行すればMacでのAnaconda導入は完了です。

Anacondaをインストールしたら、次に確認すべきこと

確認するイメージ
Anacondaをインストールすることで、Pythonの環境構築はほぼ完了しました。本当にAnacondaが入っているのか不安になりますよね。では、試しにPythonを実行しましょう。

Windowsの方は、”windows+R”から”cmd”を入力してコマンドプロンプトを起動、Macの方はターミナルを起動してみてください。その後、それぞれの画面に“python — version”を入力してEnterを押しましょう。すると、コマンドプロンプト/ターミナルの黒い画面に、Anaconda経由でインストールしたPythonのバージョン情報が表示されます。

続いて、現在インストールされているライブラリ一覧を取得しましょう。コマンドプロンプト/ターミナルから、”conda list”を実行します。すると、インストールされているライブラリ一覧が表示されます。

ちなみに、インストールされているライブラリの中に、自分が使いたいものが存在しているかを確認するためには、”conda list xx(xxはライブラリ名)”を実行すれば確認可能です。試しにnumpyがインストールされているかを確認するために、“conda list numpy”を実行しましょう。

最後に、ライブラリのインストール方法について確認します。既に紹介しましたが、”conda install xx(xxはライブラリ名)”でインストール可能です。では、同じくnumpyについて実行してみます。”conda install numpy”を実行しましょう。既にインストールされている場合は、”# All requested packages already installed”が表示されます。もし、インストールされていない場合は、”xxxx y/n?”が表示されます。Yを押すと、インストールが実行されます。

まとめ
さて、今回はAnacondaについてと、そのインストール方法について解説ご紹介しました。

Anacondaとは、Python本体のみならず、データサイエンスや機械学習向けのツールやライブラリをひとまとめにした環境です。Anacondaをインストールすることで、煩わしいライブラリやツールのインストールを一括で行うことができます。また、condaコマンドを使えるようになりますので、必要に応じてライブラリの追加も可能です。インストール方法は簡単で、Anaconda公式サイトからご自身の環境に応じたインストーラをダウンロードして、実行するだけです。インストール後には、Anacondaが正常に機能しているかを、”conda list”や、”python –version”を使って確認しましょう。

Anacondaをインストールすることで、わずらわしい手順をスキップしてPythonの学習そのものに時間を割くことが可能となります。これから膨大な量のプログラムを書いていくうえで、導入部分を簡潔に終わらせられるのは大きなメリットですよね。ぜひ、プログラムの広大な世界に踏み出す一歩を踏み出しましょう。

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