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取り組む前に読んでおきたい!アジャイル開発についてがわかる本8選

取り組む前に読んでおきたい!アジャイル開発についてがわかる本8選

今の世の中はデジタル化が進んで、様々な分野において「迅速化」「効率化」が叫ばれていますが、ソフトウェアなどのシステム開発の分野においては極めて顕著になっていますよね。そんな時によく使われる手法が、アジャイル開発です。アジャイル開発とは「細分化した工程を柔軟な意見交換をしながら進めていく手法」のこと。

従来の方式よりも顧客のニーズに応えやすいアジャイル開発ではありますが、お勤めの企業で初めてアジャイル開発に取り組むことになった時「アジャイル開発とは何なのか?」「どんな風に進めていけばいいのか?」といった疑問が出てくるかもしれません。

この記事では、そういった初めてアジャイル開発に取り組むことになる方が抱く疑問をできる限り早く取り除けるような内容や本についてお伝えします。これらを読むことで、アジャイル開発についての基本的な理解から実践へ向けての取り組み方などがスムーズに行えるようになりますので、最後までご覧ください。

そこで今回はアジャイル開発を進めていくための「バイブル」となり得るような「アジャイル開発がわかる本」を段階に分けてお伝えします。

アジャイル開発とは

システムのイメージ

「アジャイル開発」とは「ソフトウェア開発のやり方の1つ」です。そもそもアジャイルの意味するところは「素早い」「俊敏な」ということで、短い開発期間単位でリスクを最小限にするものを意味します。すごく平たくいうと「細かい点で確認しながら開発する」という手法が「アジャイル開発」になります

従来であれば「ヒアリング→設計→作成→テスト→完成」までのプロセスをしっかりと組み立てて作業を行うやり方が主流でした。この作業工程はいわゆる「ウォーターフォール型」と呼ばれ、今どの工程まで進んでいるのかが明確で、しっかりとした設計や作成などが行えるのですが、この型には難点が2つあります。
  1. 決められた枠組みの中で作業を進めていく形になるので、開発途中で生じる細かな追加や変更についての対応が難しく融通が利かない
  2. 仮に5つの工程を順に進めていくとして、4つ目の工程で不具合などが生じて修正を余儀なくされた場合、一旦作業を止めて要因などを調べたりすることから余計な時間と経費が掛かるので後戻りができない

そこで「ある程度の融通が利いて、1つ1つの作業を都度確認しながら行っていく方が良いのでは?」ということから「アジャイル開発」が誕生しました。

アジャイルの開発手法ではヒアリングを経て設計の段階から頻繁に顧客との対話→作業→テスト→対話を繰り返す「イテレーション(反復)」を行います。こうして顧客のニーズを確認し、追加や変更があったとしても柔軟に対応ができることでリアルなニーズに合致したものが出来上がっていくでしょう。

※詳しくはこちらをご覧ください

アジャイル開発(アジャイル)って何?特徴やメリットをわかりやすく解説 | お多福ラボ
IT業界では様々な専門用語が次から次へと生まれ、どういう意味かわからない言葉もたくさんありますよね。アジャイル開発(アジャイル)という言葉もその一つとかもしれません。そこで今回はアジャイル開発(アジャイル)とは何なのか?特徴やメリットについてお伝えします。

アジャイル開発のメリット・デメリットとは?

PDCAのイメージ

それでは、次に「アジャイル開発のメリット・デメリット」についてお伝えします。

アジャイル開発のメリット

アジャイル開発には、3つのメリットが掲げられます。

より顧客のニーズにあったものを作れる

アジャイル開発ではいくつもの小さな段階を踏んで作業を進めます。各段階において仕上がったものを実際に見てあれこれと判断ができ、顧客との確認作業も行っていくので、より顧客のニーズに合ったものを作ることができます。

修正が簡単

段階ごとに確認や判断をしながら作業を進めていく中で不具合が生じても、該当するイテレーションの工数まで戻るだけで済むので、方向転換や軌道修正などが比較的容易にできます。

ムダを省ける

短期間(1~2週間)の開発サイクルを繰り返し行っていくので、時間などのコストを効率化して抑えられて早い段階でムダを省くことができます。

アジャイル開発のデメリット

しかしながら、アジャイル開発にもデメリットはあります。

全体の工数の見積もりがしにくい

短期間での開発について修正などを繰り返し行うことから、1つの工程が完了するまでの工数が想定しにくく、全体として完成までの工程数がどのくらいになるのかが見積もりにくくなります。

本来の目的からブレる可能性がある

顧客との間で都度確認して追加や変更に対応することで「おおよその仕様」を決めた段階で作業を進めていくことになるので、ヒアリング当初に確認し合った目的からブレが生じやすくなる可能性があります。

スケジュール管理が難しい

要件ごとにスケジュール管理をしていくことに加え、常に修正などを行っていくため各々の工程での進捗状況などの把握が難しく、結果的に全体の管理が難しくなってしまいます。

アジャイル開発のいろはがわかる本

本のイメージ

では、その理解をさらに深めていくために「基本の基」となる「いろは」の部分をわかりやすく解説している本をお伝えします。

いちばんやさしいアジャイル開発の教本

まず1冊目は「いちばんやさしいアジャイル開発の教本」(インプレス)。この本の最大の特徴は「読んだその日から取り組めるくらいにわかりやすく解説されている」ように、実際に開発が初めての方でもわかるように書かれています。

「アジャイル開発とは何か」「なぜアジャイル開発が必要なのか」という内容から理解を深め、実践に向けての手法などが説明されています。アジャイル開発を進めていく上での振り返りなども行えますから、知識習得するなら読みましょう。

わかりやすいアジャイル開発の教科書

2冊目は「わかりやすいアジャイル開発の教科書」(Sbクリエイティブ)。

この本は定番ですが、「モノを作るということは、価値があるものを人が作る」というアジャイルの基本的な考え方からその背景に到るまでの内容が丁寧に書かれています。

アジャイルを通じてシステム開発に携わるすべての人々に知っておくべきことが網羅されています。これ一冊でアジャイル開発の手法が自然と身につくでしょう。

この2冊をしっかりと読んでおくことで、アジャイル開発についての基礎知識が得られ、実践に向けての準備は万端になるに違いありません。

アジャイル開発の進め方がわかる本3選

順番のイメージ

アジャイルのいろはがわかったら、今度は「それをどう活かすか」って考えますよね。そこで「アジャイル開発の進め方」についてわかりやすく解説している本についてお伝えします。

みんなでアジャイル

まず1冊目は「みんなでアジャイル」(オライリー・ジャパン)です。

この本には、アジャイル開発は顧客を含めた「総合」かつ「相互」の情報共有によって進めていくチームプレーが重要であること、アジャイル開発における原則(顧客よりスタート、早期協力、不確実性の計画)について素早く実践できる方法がしっかりと書かれています。

さらに、上手くいかない場合の対応法なども解説されているので、アジャイル開発に携わるならぜひ読みましょう。

SCRUM BOOT CAMP THE BOOKスクラムチームではじめるアジャイル開発

2冊目は定番である、「SCRUM BOOT CAMP THE BOOKスクラムチームではじめるアジャイル開発」(翔永社)です。

この本の最大の特徴は、スクラム開発の概要と実際に開発を行う時の障害や陥りやすい点などを時系列で各章ごとにマンガを交えながら解説しているので読みやすいことにあります。アジャイルワークの基本手法である「スクラム」に関する知識が、この本を読むことで一通り揃う内容になっているので、実践を始めようとする方には必見です。

スモール・リーダーシップ

3冊目は「スモール・リーダーシップ」(翔永社)です。少人数・小規模のチームで1つ1つの作業を行っていく「アジャイル」において、顧客を含めた相互の関係性の良し悪しは、円滑にアジャイルを進めていく上ではキーポイントです。

著者の体験や経験などのエピソードをベースとして交えながら、開発を進めていく上でのチーム間のコミュニケーションにおいて「思いを言語化する」「間違いを認める謙虚さ」「自分の心の揺れ動きに気づくこと」が基本であると書かれています。

そしてそのことをふまえ、メンバーの個々の実力や行動力をしっかりと促し、決して停滞や後退をすることなく「経験として培う」ための術がわかりやすく書かれています。アジャイルをより円滑に回していくためにはぜひとも読みましょう。

アジャイル開発でマネージメントをする時に読みたい本3選

マネジメントのイメージ

経営管理、組織管理というものが上手くいかないことにはうまく行きませんよね。そんな「アジャイル開発でマネージメントをする時に読んでおきたい本」を3冊お伝えします。

アジャイル開発とスクラム

まず1冊目は「アジャイル開発とスクラム」(翔永社)になります。スクラムの概論を前半部分で押さえながら、大手企業において実際に取り組まれている開発の事例を紹介。当事者のインタビューや対談などが盛り込まれています。

この本の最大の特徴は「事例を多く含んでいて、実践向きで理解が深まること」です。専門用語が多くて取っ付きにくい部分も、事例を含めて説明されているので読む進めていくにつれて理解が深まるでしょう。

顧客から技術、経営に到る流れのすべてをつなぐマネージメント理論がわかりやすくまとめられている一冊です。

アジャイル開発マネジメントクイックガイド

2冊目は「アジャイル開発マネジメントクイックガイド」(技術評論社)です。

この本はマネージメントのみならず、アジャイル開発に関する概念や実際に使用するツールなどにおいても端的にまとめられているので、全体の流れなどが比較的スムーズに入って来るでしょう。

そして、この本の最大の特徴は「解説書の中では群を抜いて厚みが少ない」点です。アジャイル開発のマネージメントをする上でのポイントをコンパクトにまとめたハンディタイプの解説書になっているので、いつでもどこでも「学び」が得られますので、忙しい方でさっと要点をつかみたい方にはおすすめです。

図解で分かるアジャイル・プロジェクトマネジメント

3冊目は「図解で分かるアジャイル・プロジェクトマネジメント」(株式会社SCC)。この本は、アメリカにある「PMBOK」なるプロジェクトマネージメントの世界標準であるところの最高責任者がまとめ上げた本です。

欧米や日本におけるアジャイルに関する事例を2年に亘り研究した結果、導き出された成功するためのマネージメント手法を一部「物語風」にアレンジして著されています。また、この本はアジャイル開発だけでなく「スクラム」においても分かりやすく解説されているので、マネージメントにチャレンジしてみようとする方は必須の一冊です。

さて、今回はアジャイル開発を進めていくための「バイブル」となり得るような「アジャイル開発がわかる本」を段階に分けてお伝えしました。

アジャイルとは従来の「ウォーターフォール型」とは違って「細かく確認しながら開発する方法」です。

アジャイル開発のメリットとデメリットをまとめると、このようになります。

<メリット>

  1. 各段階において仕上がったものを実際に見てあれこれと判断ができるので、顧客のニーズに合ったものを作ることができる
  2. 不具合が生じても該当するイテレーションの工数まで戻るだけで済むので、方向転換や軌道修正などが比較的容易にできる
  3. 短期間(1~2週間)の開発サイクルを繰り返し行っていくので、早い段階でムダを省くことができて時間などのコストを抑えられる

<デメリット>

  1. 短期間での開発を繰り返し行うことから、全体として完成までの工程数がどのくらいになるのかが見積もりにくい
  2. 都度確認して追加や変更に対応することで「おおよその仕様」を決めた段階で作業を進めていくことになるので、ヒアリング当初の目的からブレが生じやすい
  3. 要件ごとにスケジュール管理をしていくので、各々の工程での管理が難しく、結果的に全体の管理が難しくなる

そして、アジャイル開発がわかる本として、以下の8冊をお伝えしました。

  • いちばんやさしいアジャイル開発の教本
  • わかりやすいアジャイル開発の教科書
  • みんなでアジャイル
  • SCRUM BOOT CAMP THE BOOKスクラムチームではじめるアジャイル開発
  • スモール・リーダーシップ
  • アジャイル開発とスクラム
  • アジャイル開発マネジメントクイックガイド
  • 図解で分かるアジャイル・プロジェクトマネジメント

アジャイル開発をしっかりと理解し、実践を積んでいきながら取り組みましょう!

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