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システム開発を外注するなら知っておこう!開発工程・モデルとは

システム開発を外注するなら知っておこう!開発工程・モデルとは

ITエンジニアについて興味があったり、システム開発を外注する場合でも、システム開発に関連する言葉は何を意味するのかわかりにくいですよね。システム開発をすれば、時間や人的コストを削減して業務を効率化できます。

システム開発の工程とは、システム開発におけるレシピのようなものです。実際の現場では計画的にシステム開発を進めるために、原則として開発工程をもとに進めます。工程は、計画通りに進めるには必要不可欠なものです。とはいえ、システム開発とは具体的にどんなことをするのか、工程とはどんなことが必要なのか、わからない方も多いでしょう。

そこで今回はシステム開発とは具体的にどんなことをするのか、システム開発の工程、モデル、外注する際の企業の選び方をわかりやすくお伝えします。それでは早速、その中身を見ていきましょう。

システム開発とは具体的にどんなことをするのか

ITのイメージ

システム開発とは、IT技術を用いて時間や手間を削減する業務の効率化を図る仕組みを開発することを意味します。開発したシステムは、社内で使われたり、あるいはシステムとして提供されたりすることもあります。これが具体的にどういうことなのか、説明しましょう。

例えば、在庫管理を人間がしようとした場合、多くの時間、ものを数える人手が必要になりますよね。この場合、時間的コストや人的コストが多くかかってしまいます。また、工場などでは高所からの落下やものが崩れてきたりと怪我をするリスクもあります。
そこで、この作業をIT技術を用いて効率化をはかります。この時に作るのがシステムです。例えば在庫管理システムの場合、在庫がいつ、どこに、何個あるか分かるようになっています。このようなシステム開発によって、時間的コストや人的コストだけでなく、ヒューマンエラーを削減できます。

しかし、システム開発にかかる費用は安価ではありません。システムは開発規模にもよりますが、小規模でも数万円〜数百万円規模になってしまい、大きい開発規模になると数千万〜数億円になることもあります。システム開発はなぜ高いのか、それはシステムが出来上がるまでにかかる人件費の積み上げで決まるからです。そのため、コストバランスを慎重に検討しましょう。

システム開発の工程を詳しく解説

順番のイメージ

システム開発の工程は大きく分けて、1.要件定義→2.基本設計→3.詳細設計→4.プログラミング→5.テスト→6.リリース→7.運用・保守に分けられます。それについて、詳しく説明していきます。

1. 要件定義とは、顧客とヒアリング・情報収集を行い、どんなシステムを望んでいるのかを把握することです。顧客の現状とニーズを分析し課題を設定したうえで、その課題を解決するためのシステムの全体像を設計し、セールスエンジニアがシステムや技術、ソフトウェアについて顧客に分かりやすく説明するために行います。

2. 基本設計とは、要件定義書を顧客と共有し、開発するシステムの機能を決定することをいいます。プロジェクトマネージャーがプロジェクトを管理し、目標達成を意識しながらスケジュール管理をします。この時にユーザー目線でデザインや機能の優先順位を設計し、長く使ってもらえる設計をすることが重要。なぜなら、高機能のシステムを構築してもユーザーに使ってもらえなければ無駄になってしまうからです。

3. 詳細設計とは、基本設計をもとにシステムエンジニアが外部設計で要求されている動作を実現するために、システム仕様書を作成することを言います。詳細設計ではシステムエンジニアからプログラマーへの指示書にもなるため、どのパートはどのようなソースコードで書くのかという適切な指示の表現力が必要になります。

4. プログラミングとは、システム仕様書に沿ってプログラムを完成させることです。プログラマーがシステム仕様書で要求された動作を実現するためにプログラミングを行います。正確かつ素早い、効率的なソースコードが書ければコードのクオリティが高くなるでしょう。腕がいいプログラマーの特徴としては正確に動作する、無駄がなくシンプルである、保守性が高いという点があります。

5. テストとは、書かれたソースコードが正確に動作するかをテストすることです。システムエンジニアが実施し、不具合があれば都度修正し、要求された動作を行うよう、完全に不具合がなくなるまで何度もテストを行います。

6. リリースとは、システムエンジニアが新たに開発したシステムに切り替える作業のことをいいます。リリースには2パターンあり、一気に切り替える一斉移行と順次切り替える順次移行があります。一斉移行とは連休や週末に旧システムを停止して完全に移行させることです。また順次移行とは、システムを別の系統に切り替えた後で移行させることです。

7. 運用・保守とは、システム納品後も不具合や修正、機能の追加に対応する必要があります。これを運用・保守といいます。主にシステム運用保守エンジニアがトラブルを未然に防いだり、システム障害が発生した場合の対応を行います。

システム開発のモデル「ウォーターフォール開発」とは

滝のイメージ

ウォーターフォール開発とは、初めにプロジェクトの要件定義や設計を細かく決めてからシステム開発の工程を進める古典的な開発方法です。ウォーターフォールという名前は、「滝(Waterfall)のように落下するが如く開発が進む」ことから付けられました。

ウォーターフォール型の開発手順はシステムの機能や細かい仕様を全て決めてから開発を始めます。その後、一つ一つの工程を完了させながら行う流れです。前の工程には戻らないことを前提に開発するのが特徴です。

メリットとして、進行計画に余裕を持たせやすい・予算が立てやすいといったものがあります。開発開始の段階で作業量を把握できているため、人員の確保、スケジュールの管理ができます。また、何を作りたいかが明確なため仕様書に沿ったものを予定通りに作られる分、クライアントに安心感を与えられるでしょう。

その一方で、要件定義や設計を決めてから着手するため、開発開始までの時間がかかってしまいます。また、開発期間が長期化しやすいため、品質の高さや安定性と引き換えに、時間が犠牲になりやすい開発方法です。

さらにウォーターフォール開発では開発途中での仕様変更や追加対応が困難な点があるため、仕様の漏れや変更要求があった場合は追加料金が発生してしまうデメリットがあります。計画通りに進行することは稀ですが、コストや労力を捻出できない場合は仕様を変更せずに完成することもあります。これを防ぐために最初の仕様で工程をしっかり決めましょう。

システム開発モデル「アジャイル開発」とは

少しずつ進めるイメージ
アジャイルという単語には「素早い」「機敏な」という意味があります。また「頭の回転が早い」というニュアンスが含まれています。これが転じて、アジャイル開発は「計画→設計→実装→テスト」といった機能単位の小さいサイクルで繰り返すシステム開発のことを指します。

アジャイル開発はウォーターフォール開発とは反対に、前の工程に戻ることを前提に開発を行います。短期間でシステム開発ができ、臨機応変に計画を変更できるので、現在では主流となっています。

アジャイル開発は優先度の高い要件から順に開発を進めるため、素早くリリースできます。「プロジェクトは変化する」という前提で進められているため、仕様変更に強いというメリットがあります。

システム開発を外注する際の企業の選び方

企業のイメージ
システム開発を外注する際に、「相手はプロなのだから大丈夫」という発注者の思い込みはやめましょう。実際に多くの企業が外注で失敗しています。そこで、システム開発を外注する企業の選び方として3つあげます。

1つ目は予算が合うかです。何をするにもお金の面は重要になってきますよね。予算を知るにはシステム開発における相場観を身につける必要があります。

予算・期間の打ち合わせを徹底して、満足のいく成果物を納品してもらえるようお互い円満な関係を築きましょう。ただし、外注をする際に安さで選ぶのは避けた方が無難。コストが安いということはエンジニアの技術力が低いという場合があります。

2つ目は開発会社と自社の必要とするシステムが一致しているかどうかです。WEB上で多くの開発会社を調べることができるので、得意分野やどのような実績があるかを見るのも大切です。過去に信頼できる会社との取引実績を持っていれば安心できます。自社は、的外れなものが納品されないよう依頼したいものが開発会社の得意分野なのかを見極める必要がります。

そして3つ目は、やはりコミュニケーションがしっかりとれる企業を選ぶことです。こまめな打ち合わせや変更点の連絡等がある企業を選ぶとよいでしょう。認識のズレによる時間・費用の無駄をなくすためにも何度も打ち合わせ、擦り合わせを行う企業でないとスムーズに進めることは困難です。担当者との相性を重要視することで開発がスムーズに進み、満足のいく成果物を納品してもらえる、そんなサイクルが出来ます。

システム開発を外注する時に知っておくポイント

外注のイメージ
システム開発を外注する場合、依頼した後は完成を待つだけと思っている依頼者もいますよね。しかし、外注したからとはいえ、丸投げはよくありません。というのも、相手はプロだからとはいえ発注者の考えをすべて理解していないからです。

実際には発注者にはいくつかやるべきことがあります。

  • 提案依頼書の作成…提案依頼書はプロジェクトの目的や達成したい目標などを記載した資料です。これをもとに外注先は提案書を作成します。
  • 要件定義の確認…要件定義は実際に要求されたことが満たされているかを確認します。
  • プロトタイプの確認…要件定義をもとに設計されたプロトタイプを確認します。
  • 受け入れテスト…納品前のテストで、実際に要件定義が満たされているかを確認します。

上記のように、依頼者と外注先が互いに作業しています。意見の食い違いがあればすぐに修正するなど、しっかり確認する必要があるでしょう。

 

さて今回はシステム開発とはどんなことをするのか、システム開発の工程、外注する際の企業の選び方についてお伝えしました。

最後に簡単にまとめていきましょう。

  1. システム開発とはIT技術を用いて時間や手間を削減し、業務の効率化を図る仕組みを意味する
  2. システム開発における工程とは、顧客とのヒアリングから設計、作成、テストを行い、顧客が満足するものを納品した後も修正を行う、この一通りの作業のこと
  3. ウォーターフォール開発は一通りの作業を順番に開発していく方法。アジャイル開発は優先順位の高い部分から開発できる方法
  4. 外注する際、気を付けることは予算、技術力、コミュニケーション能力の3つ。見積もりの安さだけで選ぶのはおすすめしない
  5. システム開発を外注する際には、開発会社と自社のニーズが一致しているかを見極める

IT技術の多様化によって、今後システム開発の需要は伸びるといわれています。その分野の専門家に開発を依頼できるというのがシステム開発を外注するメリットといえます。ただし、だからと言って丸投げするのではなく、依頼者と外注先でコミュニケーションをとることが不可欠です。

システム開発を専門会社に外注すれば、経験や知識を豊富に持っているため、技術力には信頼がおけ、安心して開発を任せられるでしょう。ぜひ、より良いシステムの開発を依頼しましょう。当メディア(AIZINE)の運営会社お多福ラボでも、システム開発を行っています。もちろん、初めて外注する方でも大丈夫なようにしっかりサポートしますので、まずはこちらからご相談ください。

AI(人工知能)/DX(デジタルトランスフォーメーション)開発のお多福ラボ

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