DX(デジタルトランスフォーメーション)

システム開発の手法「アジャイル開発」とは?その特徴を徹底調査

開発のイメージ

現代のシステム開発ではアジャイル開発が主流になっていますよね。

現在、多くの企業でビジネスのデジタル化を進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)が行われています。

DXとは企業の業務をITツールなどでデジタル化し、デジタル時代のビジネス競争で優位に立つための動き。そしてデジタル時代のビジネスで重要なのが臨機応変で迅速な対応です。

普段、私たちが使用しているWebアプリ・サービスは、次から次へと新しいモノが登場していますよね。

そして新しく登場してきたWebアプリ・サービスは、私たちユーザーにとって利便性がどんどんアップしています。

これはWebアプリ・サービスを提供する企業が社会のデジタル化によって、サイクルが速くなっているユーザーニーズに臨機応変で迅速な対応をしているからです。

そして当然ながら、それらのWebアプリ・サービスのシステム開発でも「臨機応変・迅速な対応」が必須条件になっています。

そこで「臨機応変・迅速な対応」をシステム開発に反映できる手法がアジャイル開発です。

そのアジャイル開発について今回は徹底調査し、その特徴などをお伝えします。

アジャイル開発の⼿法

アジャイル開発のイメージ

アジャイル開発とはシステム開発を行う手法の一つ。

アジャイル開発のもとになる考え方は、2001年に17名の技術者・プログラマーがアメリカのユタ州に集まり提唱しました。そして、それをまとめたものを「アジャイルソフトウェア開発宣言」といいます。

システム開発の基本的な流れは「計画(要件定義)」→「設計」→「実装」→「テスト」です。

そしてアジャイル開発ではシステム開発を小さい機能ごとに「計画(要件定義)」→「設計」→「実装」→「テスト」を繰り返し行い完成させる手法。
アジャイル開発はこの流れを繰り返し行うので反復の意味である「イテレーション」と呼びます。

一つのイテレーションは1週間~2週間ぐらいのスパンで完了し、それを機能ごとにイテレーション2、イテレーション3のように開発を進め、最終的に完成したそれぞれの機能を集めて大きなシステムを形成するのです。

アジャイル開発(アジャイル)って何?特徴やメリットをわかりやすく解説 | お多福ラボ
IT業界では様々な専門用語が次から次へと生まれ、どういう意味かわからない言葉もたくさんありますよね。アジャイル開発(アジャイル)という言葉もその一つとかもしれません。そこで今回はアジャイル開発(アジャイル)とは何なのか?特徴やメリットについてお伝えします。

またアジャイル開発には複数の手法があり、その中の代表的なのが次の3つ。

スクラム

スクラムはアジャイル開発で最も代表的な手法で、「スクラム」の名の通りコミュニケーションを密に取り合い連携して開発を進めます。

エクストリーム・プログラミング(XP)

エクストリーム・プログラミングとは、開発途中での変更や機能追加を想定している手法です。

ユーザー機能駆動開発(FDD)

ユーザー機能駆動開発(Feature Driven Development)は、ユーザーから視て機能価値(feature)、つまり高い品質の機能を重視した開発手法です。

手法に多少の違いはありますが、「素早い」「機敏な」などの意味を持っているアジャイルの名の通り、システム開発をイテレーションごとに進める手法で、短期間での完成をアジャイル開発では可能にします。

アジャイル開発が主流となっている理由

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現在のシステム開発はアジャイル開発が主流になっていますが、以前はウォーターフォール開発と呼ばれる手法が一般的でした。では、なぜシステム開発の主流がウォーターフォール開発からアジャイル開発へと移ったのでしょうか。

ウォーターフォール開発では最初にシステム全体の計画を厳密に行います。
しかし、この方法だとカッチリと計画を組んでいるので開発途中での変更や追加に対応できず、またシステムの完成までにそれなりの期間とコストがかかります。
一方、アジャイル開発は計画をイテレーションごとに大まかに決めて、どんどん開発を進めていく手法です。
大まかに決めているので計画に柔軟性があり途中の変更・追加にも対応でき、そして短期間での完成とコストを抑えられる特徴を持っています。

つまりアジャイル開発の方が現代のシステム開発にマッチしているのです。

冒頭でもお伝えしたように、デジタル時代のビジネス競争では「臨機応変・迅速な対応」が鉄則になっています。

どの分野のビジネスでも一早くトレンドをキャッチして、どのように商品やサービスをリリースしていくかがポイントであり、それはシステム開発でも同じです。

そして、サイクルが速くなっているユーザーニーズの変化や多様化には、融通のきかないウォーターフォール開発では合わなくなりました。

そこでデジタル時代にマッチした「臨機応変・迅速な対応」が可能で、かつ短期間でのリリースと低コストで開発できるアジャイル開発が最適なので主流になったのです。

アジャイル開発の課題点

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現代のユーザーニーズに「臨機応変・迅速な対応」と「短期間での開発・低コスト」を実現できる効果がアジャイル開発にはあります。

しかし現代にマッチしている反面で課題もあり、それは大きく見ると次の2つです。

方向性がぶれやすくなる

最初の計画を大まかに決めることで、開発途中でも柔軟に変更・追加が可能になりますが、ウォーターフォール開発のように厳密に決めていないため、方向性や目的がぶれやすくなります。

これはユーザーニーズを重視することが裏目に出てしまったケースです。

スケジュールのコントロールが難しい

アジャイル開発ではイテレーションごとにスケジュールを設定しますが、ウォーターフォール開発のように全体のスケジュールを最初に設定するわけではありません。

そのため全体のスケジュール管理や開発の進捗状況が把握しづらく、納期に遅れる可能性もあります。

この2つの課題はどちらもアジャイル開発のメリットが裏目に出て課題になっています。上記2点の課題については念頭に置いて開発計画を実行してください。

アジャイル開発の成功例

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これまでに多くの企業や団体でアジャイル開発を使用し、成功をおさめた事例がいくつもあります。

ここでは、その中から有名な成功例を3つ紹介しましょう。

FBI

アメリカ連保捜査局で知られているFBIは、連邦法に違反する捜査や公安情報を収集する機関です。2006年3月にFBIで3万人以上のFBI捜査官・アナリスト・管理職が利用する巨大システム開発が開始しました。

プロジェクト名は「Sentinel(センティネル)」といい、当初はウォーターフォール開発で進められ、完成予定は2009年12月でした。しかし、開発に約500億円を費やし予定が過ぎても完成することなくプロジェクトは中止になったのです。

その後、ウォーターフォール開発からアジャイル開発に手法を変更しプロジェクトは再始動します。

そしてこの決断が功を奏し、開始からわずか12か月で開発が完了し、プロジェクトは成功をおさめたのです。またウォーターフォール開発は人員を400人動員し約500億円を費やしても完成しませんでしたが、アジャイル開発では人員45人で36億円という低コストで済みました。

鹿児島銀行

鹿児島県を拠点にしている鹿児島銀行では、ユーザーが利用できるキャッシュレス決済サービス「Payどん」の開発にアジャイル開発を使用しました。

このサービスは新しく開業した完全キャッシュレス商業施設内の14店舗から開始され、徐々に利用エリアを拡大させています。そして開発プロジェクトのスケジュールは余裕がない状況でした。

そこで用いられたのがアジャイル開発です。

アジャイル開発を用いたことで、必要な機能から開発して後からどんどん追加していくことができ、短期間で適切な時期でのリリースが実現できました。

PayPal

PayPalはアメリカの電子決済サービス企業。

2001年に創業し順調に成長を続けていましたが、2010年ごろから競合他社が増えはじめ競争が激しくなっていました。そしてユーザーニーズへの迅速な対応が必要になり、そのためには従来の方式からの転換が必要でした。

そこでPayPalではアジャイル開発で開発をはじめます。

アジャイル開発の導入によって、ユーザーニーズに応えた製品開発を短期間で実現できるようになり、PayPalの生産性は約29%も向上し競争力を高めることに成功しました。

アジャイル開発を依頼するときの注意点

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アジャイル開発を依頼する際には2つの注意点があります。

一つはアジャイル開発が向いているかどうかです。
アジャイル開発が向いていないのは厳密な計画が必要な場合や、途中で変更・追加が発生しないケースで、例えば企業で使用している基幹システムが当てはまります。

そのためどちらかといえばアジャイル開発を依頼するなら、Webアプリ・サービスなどの開発に向いています。

そして二つ目は発注側も開発に参加することです。

お伝えしてきたように、アジャイル開発は開発途中の変更・追加も視野に入れた手法です。

そのため変更・追加を的確かつスムーズに進めるためには、発注サイドも開発チームの一員として参加することが重要になります。

以上の2点に注意してアジャイル開発を依頼しましょう。

 

会議のイメージ

現代のシステム開発で主流になっているのがアジャイル開発です。

もともとアジャイル開発は、2001年に17名の技術者・プログラマーが提唱した考え方から始まりました。

アジャイル開発ではシステム開発をイテレーション(小さい機能の開発)ごとに「計画(要件定義)」→「設計」→「実装」→「テスト」の流れで繰り返し行い完成させ、それらの機能を集めて大きなシステムを作ります。

そのアジャイル開発で代表的なのが次の3つ。

  • スクラム
  • エクストリーム・プログラミング(XP)
  • ユーザー機能駆動開発(FDD)

従来はウォーターフォール開発が主流でした。

ウォーターフォール開発では最初にシステム全体の計画を厳密に行い開発が進められます。

これに対してアジャイル開発ではイテレーションごとの計画を大まかに決めておくことで柔軟性を持たせ、開発途中での変更・追加を可能にしてあり、ウォーターフォール開発よりも短期間での開発・低コストを実現できます。

そのためデジタル時代に求められる「臨機応変・迅速な対応」がシステムに反映できるので、現在の主流になっているのです。

しかしアジャイル開発は時代にマッチしている一方で、次の2つの課題もはらんでいます。

  1. 方向性がぶれやすくなる
  2. スケジュールのコントロールが難しい

上記の課題に関しては念頭において開発を進めていきましょう。

そして、これまでに多くの企業や団体がアジャイル開発を用いて、紹介した3つの事例のように成功をおさめています。

また事例のようにアジャイル開発で成功するためには次の2点に注意してください。

  • アジャイル開発が向いているかどうか。
  • 発注側も開発に参加する。

今回お伝えしたようにアジャイル開発は、目まぐるしく変化している現代に合ったシステム開発が行えます。

そしてデジタル時代のシステム開発で成功をおさめたいなら、間違いなくアジャイル開発で行うべきでしょう。

【お知らせ】

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