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今、IoTを入れたシステムが大人気!その仕組みと人気の理由を調査

今、IoTを入れたシステムが大人気!その仕組みと人気の理由を調査

IoT(Internet of Things)は普段何気なく使っている家電や交通機関などにも使われ、すっかり私たちの生活に馴染んでいますよね。例えば外出先から遠隔で自宅のエアコンをオンにして、玄関に近づくとセンサーによって鍵が開くようなスマートハウスや、IoTを取り入れたウェアラブルデバイスによって得た健康データを医師とリアルタイムで共有するなど、便利な技術ですが皆さんも既に使われていたり耳にしたことがあるかもしれません。

そんなIoTの技術は既にあるシステムに取り入れたり、IoTを活用するための新しい技術を開発したりと既に様々な分野で活用されています。IoTを導入したシステムは遠隔からの情報の取得や機械の操作などが可能とし、また集めたデータをAI(人工知能)によって分析することによって顧客のニーズを導き出したりと企業にとって大きなメリットがあります。

そこで今回は、そんなIoTがビジネスや生活の中でどんなシステムと組み合わさり活用されているのかを、実際に導入されている事例を交えてお伝えします

IoTとは

IoTのイメージ

IoTとはInternet of Things直訳でモノのインターネットですが、元々コンピューター同士の繋がりをインターネットと呼んでいました。その繋がりをありとあらゆる「モノ」に広げ、「モノ」と「モノ」そして「人」の全てが繋がるというのがIoT技術です。

現在ではセンサーや機器などの小型化や多くの人がスマートフォンなどの通信機器を持つことによってつながる範囲は広がりました。例えば文房具のペンや家電製品の冷蔵庫などの様々な「モノ」同士が繋がることで、今まで見えなかったデータが見えるようになったり、そのデータを基に新しいシステムやサービスを思いついたりと様々な活用されています。また、公共Wi-Fiなどの充実などの環境面の充実も普及の一助となりました。

IoTとシステムを組み合わせると、何ができるのか

データのイメージ
IoTシステムによってモノ同士が繋がることで、様々な情報のやり取りと処理が可能になりました。例えば、ユーザーが持つ製品から企業が情報を収集できるようになると、その情報を分析しフィードバックすることで新しいアイディアが生まれる助けとなったり、コストカットに活用できます。このようなユーザーと企業との情報のやり取りは昔ではアンケートなど手間も時間もかかるものでしたが、IoTシステムによりその問題は解消されユーザーと企業の双方にメリットが生まれました。

その他に、IoTと監視システムの組み合わせでは機械などを遠隔からの自動監視できます。従来では機械を設置してある場所に人員を送り、機械の状態を目視でチェックする必要がありました。しかしIoTと監視システムを組み合わせることによって、センサーが大量のデータを把握し、そのデータをAI(人工知能)が分析、処理することで遠隔からの自動監視が可能となりました。自動監視によって必要人員が少なく済みます。

IoTシステムの導入事例

データのイメージ
では、IoTシステムを実際に導入した事例について解説しましょう。

産業機械での導入事例

シンガポールの水道事業者であるシンガポール公益事業庁(PUB)は、産業機械メーカーABBのIoTシステムを用いた監視システムのスマートセンサー状態監視ソリューションを導入することによって大幅なコスト削減に成功しました。

急速な成長をするシンガポールの首都では水の需要は高く、水の消費量は1日に4億ガロンを超えます。そして今後の40年間でその消費量は2倍になるとPUBは予測しています。消費量が増えるという事は運用コストと使用エネルギーも増加するので、効率的な運用によるコスト削減はPUBにとって急務でした。

そこでPUBはABBのスマートセンサを既存のモーターとポンプに取り付けてリアルタイムのデータを集ることで、機械のエラーなどの問題解決に役立てました。取り付けたセンサーによって温度や振動数など、様々なデータを監視することで故障の兆候を見逃がしにくくしました。また、何か機械のエラーによるモーターなどが停止してしまった場合もリアルタイムに報告されるデータを分析することによって問題解決にかかる時間の短縮に繋がります。

これらの監視作業の効率化によってPUBは必要な人員と書類仕事の削減に成功しました。

医療での導入事例

その他の事例としては医療、介護用ベッドで有名なパラマウントベッド株式会社がIoTを活用したスマートベッドシステムがあります。これは患者が寝ているベッドにセンサーなどの各種情報機器を取り付けることで、リアルタイムで患者の心拍数や呼吸数、睡眠の質など様々な状態を観測できます。また身体に直接取り付ける機器がないので患者への負担も低くなりました。

このスマートベッドシステムは2019年4月から社会医療法人祐愛会 織田病院が導入し、業務の効率化と共に患者の安全性を高めることに成功しました。

ひとりの患者に対して医師や看護師などの多職種が対応する病院では、情報の共有はとても重要ですよね。刻一刻と変わる状況の中で患者の体調などの情報の齟齬は重大な問題を招きかねません。そのため、スムーズな情報共有の手段としてスマートベッドシステムを導入しました。

このスマートベッドシステムではベッドに内蔵された各種センサーが患者の状態を検知し、ベッドサイドに設置された端末へのバイタルサインの自動入力、体温などの各種データを表示することでスムーズな情報共有を可能にしました。また、患者の近くに居ない場合でもベッドに内蔵されたセンサーから集められた情報をナースステーションに設置したモニターに表示することで遠隔から患者の容態を確認できるため、業務の効率化もできました。更には電子カルテやナースコールなどの既存のシステムと連携することによってより多くの情報を一元的に扱えるので、適切な診療を受けやすくなるでしょう。

在庫管理での導入事例

棚卸などの在庫管理は、手間も時間もかかって面倒ですよね。そんな不満を解消するスマートマットクラウドというサービスを、株式会社スマートショッピングが行っています。棚卸や発注などの在庫管理を自動化するこのサービスは、スマートマットというIoTを使ったデバイスに在庫を載せることで、重さから在庫数の変動を検知し、自動的に発注まで行うというシステムです。

このスマートマットを使うことで、兵庫県の液体洗浄装置の製造と販売を手掛ける株式会社アメロイドでは在庫管理の効率化に成功しました。

同社では、製品の製造時に必要な部品が数多く必要となるために、在庫管理に手間がかかるという課題を抱えていました。そんな中で出荷数と入庫数から導き出す理論在庫数ではなく、重量から実個数を把握するスマートマットは棚卸を大幅に効率化することで、従業員の負担が減りその他の重要な業務へと時間を割けるようになりました。

また、在庫が一定数を下回った際に自動的に在庫を発注するシステムを利用することで、発注指示を疑似的な生産指示へと応用し、関連部署へ自動で生産指示を出すシステムを構築しました。これにより社内のコミュニケーションコストの削減に貢献しています。

その他に、支店から本社への消耗品の発注作業をIoTを使ったシステムの特徴である遠隔での情報取得を活用し、本社側で支店の在庫管理をし、一括で発注することで発注コストを抑えるという取り組みも予定しています。

IoTシステムの課題

ネットワークのイメージ
既に様々な場面で活用されているIoTシステムですが、比較的新しい技術なのでまだまだ課題も存在します。その代表的なふたつ課題がセキュリティとインタネットキャパシティです。

セキュリティの課題

まず、IoTが抱えるセキュリティの課題についてですが、企業が持つ顧客情報や社内機密などの重要な情報は当然、第三者に見られてしまうようなことがあってはいけません。IoT機器の増加によってモノ同士の繋がりが増えると、必然的に悪意ある第三者から攻撃を受ける対象も増えてしまいます。また、IoTシステムによって自動化されるものが増えた場合も人の目が届きにくくなるという点もあります。

この課題を解決するために注目されているのが真性乱数発生器です。現在パソコンやサーバーのセキュリティで主流となっているのはコンピューター内での計算による疑似乱数生成器を使った暗号化です。例えるのなら乱数生成器で作られた乱数は鍵として機能し、その鍵をかけることで情報を暗号化します。そのため、IoTのシステムを使う場合はこのようなシステムを使いましょう。

ネットワークキャパシティの課題

もうひとつの課題としてはネットワークキャパシティについてです。IoTシステムによってネットワーク上を行き交う情報が増えるとネットワークに負荷がかかり、モノ同士のやり取りに遅延が発生する可能性があります。そうなると機械のリアルタイム監視やスムーズな情報共有が必要な現場で大きな問題が発生してしまうでしょう。

このネットワークに掛かる負荷を減らす方法として注目されているのがエッジコンピューティングです。エッジコンピューティングとは末端(エッジ)の機器に情報を処理する機能を持たせ、処理を分散させることでネットワーク上でのやり取りする情報を減らすという手法です。それぞれのIoT機器自体が情報のフィルタリングなどの処理を行うことで、送信するデータ量を小さくすることができるのでネットワークへ掛かる負荷を減らすと共に通信コストも下げる可能性もあるとのこと。

今後、IoTシステムはどうなるか

ネットワークのイメージ
先ほど事例であげたように既に様々な場面で活用されているIoTシステムですが、今後のIoTシステムについてお伝えします。

今後IoTシステムの更なる発展は確実で、企業における業務の効率化や自動化はますます進むでしょう。様々な場所、モノにセンサーが組み込まれデータを集め、その集めたデータを分析処理する仕組み、そうして洗練された情報を活かすアイディア、このみっつの要素がそれぞれ精度を上げてより良くなることで今後、今までにないビジネスに発展する可能性もあります。

業務の効率化や自動化によって今まで人間が行っていた煩雑な業務が減り、企画立案などのよりクリエイティブな業務に集中できます。さらにIoTシステムの機能向上によって、今まで以上に精度の高い情報が集まり、新しいアイディアが生まれるなどの相乗効果も期待されます。

IoTシステムと人、それぞれの長所を活かした経営戦略がこれからの未来では大事になるでしょう。

さて、今回はIoTシステムについてお伝えしました。

IoTシステムとは「モノ」と「モノ」と「人」がインターネットにより繋がる技術であり、それによって様々な情報のやり取りや分析、更には処理まで行えます。シンガポール公益事業庁が行う水道事業では産業機械メーカーABBが開発したスマートセンサで機械のあらゆるデータを分析することで業務の効率化を図り、社会医療法人祐愛会 織田病院では株式会社パラマウントベッドのスマートベッドシステムを使い、スムーズな情報共有と業務効率化によって患者の安心、安全への貢献を実現しました。また、体洗浄装置の製造と販売を手掛ける株式会社アメロイドは株式会社スマートショッピングが提供するスマートマットクラウドサービスで在庫管理の効率化と自動発注システムを応用して関係部署への生産指示の自動化に成功しています。

また、それらのIoTを使ったシステムにはIoTによってネットワークに繋がることが多くなるため、悪意ある第三者から攻撃を受ける可能性も増えてしまい、また、IoTシステムを組み込んだ機器が多くなることで増大する通信量によってネットワークが圧迫されてしまうというセキュリティとネットワークキャパシティのふたつの課題があります。

そして今後IoTシステムの更なる発展は確実で、それによっておこる様々な業務の効率化や自動化はコスト削減や生産性向上に繋がります。そうすることでできたヒューマンリソースをよりクリエイティブな業務に集中させることできるので、企業にとっては大きなメリットになるでしょう。今後のIoTシステムのさらなる活躍と発展が楽しみですよね。

さて、当メディア(AIZINE)の開発会社お多福ラボではAI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)を用いた業務支援を行っています。IoTのシステムを導入しようかと考えていたり、少しでも気になる方は、ぜひご相談ください。

AI(人工知能)/DX(デジタルトランスフォーメーション)開発のお多福ラボ

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