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AI運用による自動化に注目!役立つこと、注意することのまとめ

AI運用による自動化に注目!役立つこと、注意することのまとめ

皆さんもamazonを使用していて、なぜ自分が欲しい商品が分かるんだろうと思ったり、提示されたお薦め商品をつい購入してしまった、という経験がありますよね。実は、これはAI(人工知能)による運用自動化によるものなのです、と聞くと驚くでしょう。

少子高齢化による労働人口減少の問題に対しては生産性向上による対応が必要不可欠とされています。この生産性向上の実現手段として、現在最も期待されているのがAI(人工知能)であり、既に様々な業種においてAI(人工知能)による運用自動化の取り組みが行われています。

AI(人工知能)による運用自動化の例としては、先程のようなamazonで有名なレコメンデーションシステムコールセンターやカスタマーサポート自動化を実現するチャットボットなどがあります。

また、チャットボットを活用することによりカスタマーサポートを24時間365日提供することができます。ECサイトは夜間に集中する傾向もあり、チャットボットは顧客満足度向上に極めて有効なツールかもしれません。

そこで今回は、AI(人工知能)による運用自動化の事例として、レコメンデーションシステムとチャットボットをピックアップし、その仕組みと導入時に注意すべき点について一緒に考えてみましょう。

AI(人工知能)を運用自動化に適用するメリット

 

自動化のイメージ

まず最初に、AI(人工知能)を運用自動化に適用するメリットについて確認しておきましょう。

運用自動化の目的は定型作業を機械に代行させることにありますが、AI(人工知能)を運用自動化に適用することによるメリットとしては、機械学習によりデータを解析し、その結果に基づき適切な対応をAI(人工知能)が選択し実行してくれる点にあります。

つまり、あらかじめ指定された定型作業をただ繰り返すだけではなく、AI(人工知能)が状況を学習し、自ら工夫/改善を繰り返してくれる点がメリットとなります。

それでは、AI(人工知能)による運用自動化の適用事例の1つ目であるレコメンデーションシステムについて確認しましょう。

レコメンデーションシステム

レコメンデーションシステムとは、過去の購入履歴よりお薦め商品を提示する機能(コンテンツベース・フィルタリング)、あるいは、似たような好みを持つ他の顧客が購入した商品よりお薦め商品を提示する機能(協調フィルタリング)を提供するもので、amazonでは独自のディープラーニングモデルにより実現しています。

現在、レコメンデーションシステムは動画配信サービスなどのコンテンツビジネスにおいては必須機能となっています。例えば、Netflix視聴者の殆どがオススメ機能より観たい番組を選定し視聴していることが分かっています。

次に、レコメンデーションシステムを実現するツールとして提供されているレコメンドエンジンについて確認しましょう。

レコメンドエンジン

レコメンドエンジンの登場により、比較的安価かつ容易にレコメンデーションシステムを構築することができるようになりました。レコメンドエンジンの主な機能は以下のとおりですが、AI(人工知能)が担当するのはレコメンド機能となります。

  • データベース機能:顧客の行動履歴(サイトへの流入経路/使用キーワードなど)、閲覧履歴(どのコンテンツを見ていたか)、購入履歴などを、後述のレコメンド機能が分析できるように蓄積する機能です。
  • レコメンド機能:データベースに蓄積された顧客の様々な履歴情報を元に、AI(人工知能)がお薦め商品を選定するレコメンドエンジンの主要機能です。
  • ランキング機能:閲覧回数あるいは売れ筋などの各種ランキング情報を自動作成する機能です。
  • メール配信機能:新製品やお薦め商品、売上/閲覧回数についてのランキング情報などをメルマガで配信する機能です。
  • レポート機能:レコメンデーションシステム運営を進めていくうえで欠かせない情報を集計/レポーティングする機能です。例としては顧客ごとの購入単価、製品ごとのクリック率、レコメンド機能の効果測定機能などがあります。

次に、レコメンドエンジンを導入する際に注意すべき点について確認しましょう。

レコメンドエンジン導入時の注意点

レコメンドエンジンはASPサービスとして提供されている製品が殆どで、使用する側としては自らサーバーを構築する必要はありません。費用としては初期費用と月額費用が必要となります。レコメンドエンジン導入時の注意点としては以下があります。

利用目的を明確にしましょう

レコメンドエンジン導入により解決したい課題について整理しましょう。整理することによりレコメンドエンジンに必要となる機能が明確になり、利用開始後に機能不足が判明するといったこともなくなります。なお、サイト内に多くの商品や多くのサービスを持たない場合、アクセス数が1,000未満の場合にはレコメンドエンジンを導入する意味がありません。

レコメンドエンジンの選定は慎重に

ECサイトで使用しているツールやアプリケーションとレコメンドエンジンとの相性について事前に確認しましょう。例えば、あなたのサイトで使用しているショッピングカートASPが、導入予定のレコメンドエンジンに対応していない場合もあります。

導入には1ヶ月程度かかります

レコメンドエンジンを導入したいサイトの構造について事前にレコメンドエンジン提供会社に調査してもらう必要があり、1ヶ月程度はかかります。余裕を持って準備を進めましょう。

それでは、AI(人工知能)による運用自動化の適用事例の2つ目であるチャットボットについて確認しましょう。

チャットボット適用事例

チャットボットのイメージ

チャットボットの普及が予想されているのがコールセンターやカスタマーサポートです。会話の範囲がコールセンターやカスタマーサポートを提供している企業の商品/サポートの内容に限定されるため、チャットボット開発の難易度は比較的(他のAI(人工知能)による運用自動化に比較すると)低いとされています。

ここでは、チャットボットの活用事例を2件紹介します。

事例1)三井住友銀行

IBMのWatsonをコールセンター業務に適用し、電話問い合わせ内容をリアルタイムでテキスト化のうえ回答候補をオペレータに提示することにより迅速かつ正確な回答が可能となりました。

事例2)大手通販会社

KDDI Evolvaが提供するチャットボットをカストマーサポートに適用することにより顧客からの問い合わせの約4割をAI(人工知能)が回答可能となり、その分、スタッフは人手が必要な回答に注力することにより、顧客対応品質の向上を実現しました。

それでは次に、チャットボットの仕組みについて確認しましょう。

チャットボットの仕組み

チャットボットの仕組みとしては、AI(人工知能)が質問の音声を解析し、データベースより抽出した回答情報を元に回答メッセージを作成し提供する、という手順となります。

会話ログをできるだけ大量に蓄積すること、更に会話ログをAI(人工知能)で解析することにより、人間の会話に近づけることができます。

最後に、チャットボットを導入する際に注意すべき点について確認しましょう。

チャットボット導入時の注意点

チャットボット導入時の注意点としては以下があります。

利用目的を明確にしましょう

レコメンドエンジンの場合と同様に、チャットボット導入により解決したい課題について整理しましょう。特に現在のコールセンターあるいはカスタマーサポート業務フローの、どの部分をチャットボットで自動化したいのかを整理しましょう。

AI(人工知能)は非常に便利な道具ですが、今のところ全てをAI(人工知能)に任せることはできません。顧客対応において、人間が電話対応しなければならないケースはまだまだ存在します。AI(人工知能)に任せる部分と人間が対応する部分とをしっかり整理しておく必要があります。

応答シナリオが重要です

完成度の低い応答シナリオからは精度の低いチャットボットしか生まれません。現時点ではAI(人工知能)が常に正しい応答ができる、ということはありません。応答内容の作成をAI(人工知能)だけに頼るのはリスクが高すぎます。

応答シナリオ作成支援サービスを提供しているチャットボット提供会社もありますので、サービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

以上、今回はAI(人工知能)による運用自動化の事例として、レコメンデーションシステムとチャットボットをピックアップし、その仕組みと導入時に注意すべき点について一緒に考えてきました。

(レコメンデーションシステム)
仕組み:データベースに蓄積された顧客の様々な履歴情報を元に、AI(人工知能)がお薦め商品を選定
注意点:レコメンドエンジンに必要となる機能の洗い出しと、現在サイトで使用しているツール/アプリとレコメンドエンジンとの相性確認が必要

(チャットボット)
仕組み:AI(人工知能)が音声の質問内容を解析し、データベースより回答情報抽出し回答メッセージを作成
注意点:応答シナリオをしっかり作ること。また、AI(人工知能)と人間の役割設計が必要

AI(人工知能)は様々な分野において、高度な専門知識を持つ人間の専門家と互角あるいはそれ以上の能力を持てるようになったため、何でもAI(人工知能)で解決できると誤解されてしまいがちですが、現在のAI(人工知能)は万能ではありません。

例えば、私たちは他人との会話において言葉だけでなく、相手の表情や仕草からも相手の気持ちを理解できますが、このように私たちが無意識に対応できることが、現在のAI(人工知能)にとっては極めて難しい作業となってしまう場合があります。このため、AI(人工知能)による運用自動化において、当面の間は人間とAI(人工知能)の役割分担が必要な状況が続くと考えられます。AI(人工知能)の運用自動化によって私たちとうまく役割分担が出来るようになるといいですよね。

参照元 Amazonでのレコメンド生成における深層学習とAWS利用について
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