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ついに整体にもDXの波が来た!デジタルによって起きた革命とは

ついに整体にもDXの波が来た!デジタルによって起きた革命とは

最近は、デジタルとの関連が薄いと考えられる業界にまでDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が押し寄せていますよね。その一つに整体があります。従来の整体といえば、IT機器というよりは施術者の知見による見立てと手先感覚に頼ったアナログ的な施術が当たり前でした。

ところが、整体もデジタルを取り入れると、患者さんの身体の細かなゆがみまでを数値化、可視化でき、その人に合ったリハビリやトレーニング法まで提案します。よってより正確で踏み込んだ治療が可能になりました。さらに未来の姿勢予測まで行うため、患者さんへの説得力が増して施術への信頼が深まり、不調改善率や客単価がアップしたという導入事例も多く見られます。

この記事を読めば、整体のDX(デジタルトランスフォーメーション)について理解できるので、デジタル化による今後の施術効果の改善や収益アップに大いに役立つに違いありません。

そこで今回は、整体にDXを導入する理由や具体的な事例、整体にDXの導入を考えたときに、まずやるべきことや整体の今後についてお伝えします。

整体にDXが導入されるとはどういうことか

整体のイメージ

整体のDX(デジタルトランスフォーメーション)は、デジタル技術を活用して患者さんの状態を可視化、数値化するだけでなく、その情報をコンピュータシステムと一元管理するなどして、施術の質や文化を変革させることです。

その代表例として画像診断があります。画像診断は、まずタブレットで患者さんの身体を撮影するところから始まります。従来のようにマーカーを体に貼ったり、専用のカメラやモニターも一切必要ありません。(なかにはパソコンと専用カメラを使うシステムもあります)

患者さんの正面や横からの全身画像をタブレット(またはスマホ)で撮影すると早ければ数秒~数十秒のうちにAI(人工知能)などの姿勢分析ツールにより身体のゆがみや関節の可動域などを数値化します。通常、施術の際に患者さんの痛みやしびれの原因がわかってもそれを客観的に説明するのは意外と難しいですよね。患者さんにすれば身体の中が直接見えるわけでなく、説明が専門的すぎて本人に伝わりにくければ納得感は得られません。

ところがデジタルによる姿勢分析システムなら、施術者の主観や経験の長短に関わらず測定データの可視化により、どこが悪いかは一目瞭然、客観的な説明が可能です。さらにその分析結果に対してどのような治療やリハビリ、トレー二ングが必要かも具体的に提示します。しかもそのまま治療せずに過ごした未来の姿勢予想まで可視化するため、患者さんにとってもより納得して治療を受けられるでしょう。

それにコンピュータには、施術内容やデータを確実に保存できるうえ、従来のように保管場所も必要ありません。SNSなどを使ってデータやトレーニング法をシェアできるので、院内以外での患者さんのフォローにも有効です。

このように整体にDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入すると、治療の中身やプロセスが大きく変化し、治療効果アップやリピート率の向上が期待できるに違いありません。

今、整体にDXを導入する理由

画像による診断のイメージ
続いて、今、整体にDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入する必要がある理由について詳しく解説しましょう。

ライバルに負けずに生き残るため

今や整体は決して珍しい存在ではありません。厚労省の統計によると全国の整体院、整骨院、鍼灸院などの数は、13万か所を超え、全コンビニ店舗数の2倍を優に上回ります。しかしその一方で、倒産件数が増えているのも事実です。

地域にもよりますが、総じて整体院の数は飽和状態で、この厳しい状況のなか生き残っていくためには一人でも多くの患者さんから選ばれて信頼される質の高い施術を提供するほかありません。その方法の一つとして、整体へのDX(デジタルトランスフォーメーション)による患者さんへの新たなアプローチが有効です。

患者さんの納得感を得るため

患者さんのなかには同じ痛みや苦しみを何年も抱えていたり、複数の整体院を転々としていまだに解決の糸口が見えず、深刻に悩んでいる人もいるでしょう。もう治ることはないとあきらめて冷めている人もいるかもしれませんよね。

そこでDX(デジタルトランスフォーメーション)により痛みや苦しみの原因を可視化、数値化すれば、今まで診断できなかった原因を発見できるかもしれません。デジタルの力で全く新たな角度から光を照らすことは、多くの患者さんに大きな希望を与え、まさに患者さんの人生においては大きな変化が起きるしょう。

説明がしやすくなるため

データが目の前にあると、症状や治療法の説明も非常にしやすくなります。そもそも施術者によってコミュニケーション力や会話力はまちまち。説明がうまく伝わらなければ患者さんのモチベーションは上がらず、通院が途絶えることもありますよね。しかし、原因が客観視できれば自信をもって施術できるだけでなく、同じデータを見ながら互いに共感しあって前向きに治療に専念できるはずです。

これにより、ベテランと新人による治療内容の格差が解消し、上質なレベルでの平準化が可能です。するとリピート率が向上し、自由診療や単価の高い施術コースへの需要も高まって治療効果が上がり、収益もアップするに違いありません。

働き方改革が進むため

多くの姿勢分析システムは、電子カルテと連動しています。電子カルテを活用すれば短時間で入力が済み、カルテを探す手間もなくなるので、より治療に専念できます。くわえて無駄な労働時間を削減、働き方改革も推進可能に。施術する側が疲労すると治療にも悪影響を及ぼします。スタッフ全員が健全な状態で患者さんを迎えるためにもDX(デジタルトランスフォーメーション)が必要です。

整体にDXを導入した事例

マッサージのイメージ

続いて、実際に整体にDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入した事例を紹介しましょう。

DXの導入で患者さんのモチベーションとリピート率が向上

愛知県刈谷市の鍼灸整体院「そら」では、常々患者さんから自分の姿勢を「目に見えるかたちで説明して欲しい」との要望がありました。ただ口であなたの姿勢はこうですよ、と説明しても今一つ実感が得られないことはよくありますよね。そこで株式会社Sapeetの「シセイカルテ」を導入しました。

まずたった数秒でAI(人工知能)による分析結果が表示され、測定データを図表や患者さんに見立てた3Dアバターでわかりやすく説明すると、患者さんのニーズにもピッタリはまって強い納得感が得られたとのこと。さらにシセイカルテを使うことでコミュニケーションが深まり、患者さんが訴えていた以外の症状で悩んでいることが判明してより踏み込んだ施術が実現しました。

結果として患者さんからの信頼度が以前に比べて格段にアップ、リピート率も目に見えて向上しました。今回、シセイカルテがきっかけで患者さんとの距離がグッと縮まりメンタルの改善にアプローチできる意義はとても大きいと証明されました。

DX導入で診療時間が短縮し客単価がアップ

石川県野々市市の石川たなごころ整体院では、以前より鏡を使って患者さんの身体のゆがみを検査していましたが、今一つ納得してもらえないというのが課題でした。納得感が薄いとその後の治療へのモチベーションも上がりませんよね。そこで株式会社ジースポートの姿勢分析ツール「ゆがみーる」を導入。

ゆがみーるを使うとビジュアルでわかりやすくポイントを伝えられるので、患者さんの納得度が上がりました。姿勢の状態をAI(人工知能)が点数化、測定結果をチャート表示、筋肉の状態を色分けでCG表示したり推奨トレーニングも提案できるようになります

そのお蔭で提案することを素直に受け入れられることが増え、単価の高い自費メニューも勧めやすくなり、より踏み込んだ治療を行うことで不調改善率も向上しました。結果として最低7回以上のリピート率が90.5%に達し、売上げアップ、経営の安定につながっています。

整体にDXの導入を考えたときに、まずやるべきこと

デジタルの整体のイメージ
さて次は、実際に整体にDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入する場合に、まずやるべきことは何か、について具体的に説明しましょう。

目的を明確にする

DXはただやみ雲に導入すればよいというものではありません。導入前に、変革した後の姿を具体的にイメージし、そこに確実にアプローチする姿勢が不可欠です。何のために、なぜ導入するのか、目的と理由を明確にしましょう。

例えば、SNSやLINEを使って患者さんとやり取りし、自宅でのトレーニングをサポートする方法もあります。すると少し良くなったからと通院をやめてしまう患者さんをとりこぼさずに済むかもしれません。

また初診の予約段階で事前に画像を送ってもらい、診察時にはデータをそろえたうえで対応する、というやり方も斬新でしょう。初めの丁寧な対応に好印象を抱き、納得もできたとなるとリピーターとなって長期間通院してもらえる確率が高まります。

同じシステムでも使い方によって効果に雲泥の差が生まれます。その明暗は業者ではなく、あくまで自分が握っているという認識をしっかり持ちましょう。

各社のシステムや機能を比較する

整体のDXに使うシステムはさまざまな業者が開発しています。導入目的が明確になったら、その目的や理由にかなうツールを探しましょう。その際のポイントは、操作性の良さと性能と価格です。操作が複雑だとかえって時間が取られて治療時間が奪われます。レイアウトがごちゃごちゃして複雑すぎると、とくに高齢者からは敬遠されるかもしれません。場所も手間も最小限で済み、なおかつ患者さんへの訴求力がある予算に見合ったシステムを探しましょう。

治療内容の整合性や相性を確認する

整体にDXを導入すると、患者さんによっては施術内容やトレーニングががらりと変わることがあります。また複数のスタッフがいる場合、全員がそのシステムを上手く活用できることも重要でしょう。システムで推奨されるトレーニングが自分たちの今までの治療とあまりにかけ離れていると、かえって不自然かもしれません。

さらにスタッフなのなかにその内容に納得がいかない人がいると一体感にも欠けるでしょう。院内の矛盾や不協和音は、必ず患者さんにも何らかのかたちで伝わってしまいますよね。

善は急げ、で焦って導入するのではなく、導入後の治療風景を想像し、スタッフのコンセンサスも得られる最適なDXを目指すことが何より大切です。

整体の今後

コミュニケーションのイメージ
AI(人工知能)の本格的な普及により、将来的に今ある多くの仕事が消滅すると危惧されています。その数値は50%とも90%とも予測されていますが、こと整体については必ずしも当てはまりません。

たしかに的を射たデジタル化を推進すれば、治療環境や経営状態は大幅に改善できるでしょう。しかし、一人一人の患者さんの痛みや苦しみに寄り添う姿勢や知識と経験の積み重ねにより洗練された施術テクニックは、機械がそう簡単にまねできるものではないです。

今後、高齢化は年を追うごとに加速するうえ、時代によって疾患にも変化が生じるかもしれません。しかし、整体への潜在需要は確実に増えます。よってDXを導入しながらも常に研究心を持ち、患者さんが何を欲しているかをリアルに追究していくことが、これからの整体に望まれる姿勢でしょう。特に今こそが、整体にDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入するまたとないチャンスに違いありません。

まとめ

さて今回は、整体にDXを導入する理由や具体的な事例、整体にDXの導入を考えたときに、まずやるべきことや整体の今後についてお伝えしました。

整体にDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入すると、例えばAI(人工知能)による画像診断で、身体の細かなゆがみを数値化でき、その症状に合ったリハビリやトレーニング法を推奨ので、より質の高い治療ができます。また、アバターを使うなどして未来の姿勢予測まで可能なため、患者さんへの説得力が強化、リピート率や売上向上にも寄与するでしょう。

今、整体にDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入が必要なのは、「ライバルに負けずに生き残るため」「患者さんの納得感を得るため」「説明がしやすくなるため」「働き方改革が進むため」という4つの理由からです。そして現に、「そら」や「石川たなごころ」のように、DX(デジタルトランスフォーメーション)を導入して客単価やリピート率が目に見えて向上した例も数多くあります。

実際に整体にDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入する際は、その目的を明確にし、各社のシステムや機能を比較、さらに治療内容の整合性や相性も確認する必要があるでしょう。

今後AI(人工知能)が本格的に普及すると、今ある仕事の多くが消滅すると言われています。しかし、整体師の患者さんの痛みや苦しみに寄り添う姿勢や知識と経験の積み重ねにより洗練された技は、そう簡単に機械がまねできるものではありません。よって高齢化が加速するなか、時代のニーズをとらえて研究を重ねながらDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入していけば、今後の整体への需要はますます高まっていくに違いありません。

ところで、当メディア(AIZINE)の運営会社であるお多福ラボでは、AI(人工知能)を使った姿勢評価AI「Posen」を開発しています。整体のDXについて興味がある方は、こちらからご覧ください。

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