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まだ完璧じゃない!AI(人工知能)チャットボットの最大の欠点とは

chatbotのイメージ

何の違和感もなくAI(人工知能)が搭載されたチャットボットと会話し、情報を得たり悩みを解決したりすることができる…まるでSF映画のようですが、そんな未来は案外すぐ近くかもしれません。

実は現在、多くの人はすでにAI(人工知能)と会話をしているのです。誰もが一度は、Appleのsiriや、Googleアシスタント、アマゾンのアレクサを使用したことがあるのではないでしょうか。それらもAIチャットボットの一種です。また、Web上のカスタマーサービスとして、通販業界大手のロハコがすでにAI(人工知能)チャットボットを使用し、成果を上げています。

現在さまざまな企業が取り入れようとしているチャットボットですが、まだ欠点があるのも事実です。そこでこの記事では、AI(人工知能)を使ったチャットボットのメリットとデメリットについてご紹介します。

そもそもチャットボットとは

chatbotのイメージそもそもチャットボットとは、チャット(会話)とボット(ロボット)を掛け合わせた単語で、人間とロボットが会話をするシステムのことを指します。

チャットボットには大きく分けて2種類があります。

1つ目は一問一答形式のもので、あらかじめ相手の質問を想定し、その回答を用意しておきます。比較的安価で手軽に始められるタイプですが、面白みに欠け拡張性もないのが欠点で、設定していない質問には答えることができません。

このタイプにはAI(人工知能)が使われておらず、チャットボットは用意されたシナリオ通りに回答するのみです。

もう一つはAI(人工知能)搭載型のチャットボットで、会話をAI(人工知能)が自動的に学習し、相手の質問を分析することで回答を導き出します。appleのsiriや、Googleアシスタント、アマゾンのアレクサはこのタイプです。導入にはコストも手間もかかりますが、AI(人工知能)が自動的に学習し、ユーザーが必要としている回答を導き出すことができます。

現在各企業がこのAI(人工知能)型のチャットボットに注目しており、AIに学習させることでよりきめ細やかにユーザーの要求に応えようとしています。

では次に、AI(人工知能)を使ったチャットボットのメリットについてお伝えします。

AI(人工知能)チャットボットのメリット

多くの企業がチャットボットを導入しようとしている背景には、企業にとってもユーザーにとっても多くのメリットがあることが挙げられます。それらのメリットについて説明しましょう。

AI(人工知能)チャットボットのメリット1|24時間365日対応可能

24時間対応できるイメージチャットボットは、24時間365日対応可能です。

企業に質問やクレームをしたくても、営業時間外で対応してもらえない場合がありますよね。その点、企業がチャットボットを導入していればユーザーは時間も曜日も気にすることなく質問をすることができます。一方企業にとってはユーザーの満足度向上の施策につながりますし、夜間や休日にカスタマーサービスを置く必要がなく、コストカットにもつながるというわけです。

AI(人工知能)チャットボットのメリット2|同時に何人も利用可能

複数人で対応できるイメージ電話での対応だと、一人のオペレーターに付き一人の消費者しか対応ができません。同時にたくさんの問い合わせを受けるためには、サポートセンターに多くの人員を割く必要があり人件費がかかりますよね。

しかしチャットボットなら同時に何人でも対応が可能なので、企業にとっては人件費削減につながりますし、ユーザー側からすると順番を待つ必要がなくなるのでこちらもメリットと言えます。

これらの2点は、大手の通販会社ロハコのお客様サポートが有名です。ロハコのお客様サポートは、会話形式で尋ねるだけでマナミさんという女性キャラクターが質問に答えてくれます。ユーザーは「よくある質問」から自分にあった質問リンクを探す必要はないですし、わざわざメールをしてその返事を待つ必要もありません。

このマナミさんはかなり出来が良く、ユーザーのちょっとした疑問にならたいてい答えてくれます。「配送料を知りたい」などと話しかけると分かりやすく解説してくれますし、「ありがとう」などのちょっとした会話もこなしてくれるので、AI(人工知能)との会話を楽しむことができます。

AI(人工知能)チャットボットのメリット3|ユーザーが使い慣れたプラットフォームを使用するためハードルが低い

ハードルが低いイメージAI(人工知能)チャットボットの多くは、FacebookやLINEなど誰もが使ったことのあるメッセンジャーアプリを介して利用することができます。使い慣れたLINEなどで企業と会話ができるので、ユーザーは新しいアプリをダウンロードする必要もなく、簡単に問い合わせをすることが可能です

特に有名なのは、ヤマト運輸が展開するLINEでの問い合わせサービスです。使い慣れたLINEで「再配達依頼」とヤマト運輸に問いかけると、送り状NO(ナンバー)を尋ねられます。それに対して送り状NOを伝えれば、日時の変更などが可能になります。

わざわざインターネットブラウザを開き、「ヤマト運輸 送り状NO」と検索し、出てきた検索結果から該当ページを選び、入力フォームに送り状NOを入力する必要がないのです。もちろん不在票にある番号まで電話をして、忙しそうにしている担当者に送り状NOを告げる必要もありません。

このように、企業にとってはコストカットとユーザー満足度につながるメリットが挙げられますし、コストカットは最終的に値下げやサービス向上などのメリットとして消費者に返ってきます。

ユーザーにとっても時間や曜日を気にすることなく問い合わせができサポートセンターの順番待ちをすることなく、使い慣れたプラットフォームで気軽に質問することができるので、メリットは大きいといえるでしょう。

メリットばかりに思えるチャットボットですが、実はまだまだ欠点と言える部分もあるんです。続いては、チャットボットの欠点についてご説明しましょう。

AI(人工知能)チャットボットの欠点

多くの企業が導入しようとしているチャットボットですが、まだ新しいサービスのため、欠点も多く挙げられます。

AI(人工知能)チャットボットの欠点1|導入費と管理費がかかる

コストがかかるイメージこれは主に企業にとっての欠点と言えます。一問一答型のチャットボットでしたら比較的安価で構築することができますが、AI(人工知能)型のチャットボットだと、かなりの導入費と管理費がかかります。「初期導入費と月々の管理費」と、AI(人工知能)型チャットボットを導入することで得られる「コストカット」を天秤にかけたうえで、導入するかどうかを考えなくてはなりません。

AI(人工知能)チャットボットの欠点2|問題が解決できない

問題が解決できないイメージAI(人工知能)は、ユーザーの要求に対する”答え”を持っていれば、見事に返すことができます。その場合はユーザーの問題は解決し、満足度に貢献できます。

しかし、ユーザーの質問の意図が分からない場合や、質問に対する”答え”を知らなければ、答えようがありません。siriやGoogleアシスタントに話しかけても、とんちんかんな答えが返ってきたり、そもそも話しかけた内容を聞き取ってもらえなかったりすることがありますよね。

お遊びで話しかけているのならいいのですが、「妹に電話をして」などのはっきりした要求があった場合、チャットボットが意図を理解してくれないと不満が残ることになります。

AI(人工知能)チャットボットの欠点3|結局人の手を借りる

人間の手を借りるイメージ先ほど紹介したロハコのマナミさんにも、もちろん解決できない問題があります。その場合はサービスデスクへの電話番号が紹介され、つまり最終的には人の手を借りていることになります。もちろん大幅な人件費カットには寄与していますが、人の手を一切借りずに全ての問題を解決にまで導くのは、現状では難しいようです

このようにAI(人工知能)チャットボットにはいくつかの欠点がありますが、問題が解決できないときは人の手を借りざるを得ない所が、AI(人工知能)チャットボットの最大の欠点と言えるでしょう。

まとめ

要点をまとめるイメージ今回は、AI(人工知能)チャットボットのメリットと欠点についてご紹介しました。

AI(人工知能)チャットボットのメリットは、

  • 24時間365日対応可能
  • 同時に何人も利用可能
  • ユーザーが使い慣れたプラットフォームを使用するためハードルが低い

の3点でした。こちらは企業側にもユーザー側にもたくさんのメリットをもたらしてくれます。

一方で欠点はというと、

  • コストがかかる
  • 問題が解決できない
  • 結局人の手を借りることになるかも

の3点です。特にユーザー側としては「問題が解決できない」ことが、企業側としては「結局、人の手を借りることになる」というものが大きな欠点となってしまいます。

このように多くのメリットと同時に欠点も持っているAI(人工知能)チャットボットですが、将来必ず欠点を克服した状態で私たちに身近な存在となるでしょう。ちなみに、チャットボットの種類や社会にもたらす可能性については下記の記事でもご紹介しています。

人間との会話を重ねれば重ねるほど、AI(人工知能)は場数をこなし賢くなっていきます。近い未来、AI(人工知能)とスムーズに会話をこなす場面が、あちこちで見られるかもしれませんよね。

<引用元>
チャットボット(Chatbot)とは【人工知能との関係、開発の方法】
これだけ読めばチャットボットのすべてが分かる

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