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AI作曲は主流になる?人工知能が作る音楽の現状と未来とは

AI作曲は主流になる?人工知能が作る音楽の現状と未来とは

AI(人工知能)は膨大なデータを元に何かを作り上げる、いわゆる模倣は得意とされてきましたが、一方で創作的な活動、ゼロから創り上げる活動は苦手といわれてきました。しかし、実はAI(人工知能)が創造的な活動である作曲をする時代になってきたと聞くと、驚きですよね。

AI(人工知能)の作曲は、人間にしかできないと考えられてきた創作活動をするAI(人工知能)の技術になります。そのため、音楽業界のみならず、AI(人工知能)業界全体で非常に注目を集めているAI(人工知能)の技術の一つといっても過言ではありません。

そんなAI(人工知能)作曲とは一体どんな技術なのか、今後主流になっていくのか、気になる点がいっぱいあるでしょう。そこで今回は、AI(人工知能)によって作られていく音楽の新たな世界についてお伝えします。

AI(人工知能)作曲とは

譜面のイメージ
まずはAI(人工知能)が作曲をする仕組みについて解説しましょう。

そもそも音楽はメロディとハーモニーとリズムの3要素で構成されており、これらの要素を元に作曲します。メロディは音の高さの上下によって成り立ち、音楽全体の流れを作り出す要素、ハーモニーは音同士を同時に重ねることによって形成され、メロディにボリュームを与える要素、リズムは楽曲に統一感を与えるための時間パターンのまとまりである要素です。この3要素を決めること、すなわち頭に浮かんだ音を固めて楽譜に起こすことが作曲へとつながります。

さて、AI(人工知能)が作曲するとなると、大量の譜面をAI(人工知能)に読み込ませて学習させることが必要です。大量の譜面を読み込ませることでメロディの進行やハーモニーの組み合わせ、リズムのパターンなどを学び、例えばこの音が来たら次はこの音だ、というパターンを見極めることがAI(人工知能)にできるようになります。そして、AI(人工知能)に音を提示してやることで、学習結果から作曲をおこなう、というのがAI(人工知能)作曲の一般的な流れです。

AI(人工知能)作曲の流れについて、ここまで説明してきました。次にAI(人工知能)が作曲する実例を紹介します。

AI(人工知能)が作曲する実例

クラシック音楽のイメージ
AI(人工知能)作曲の実例として、モーツァルトの新曲を作り出すというプロジェクトがあります。これは日本HP社の全面協力の元、3人のクリエイターと18人の高校生が協力して、AI(人工知能)を筆頭とした最先端のテクノロジーを用いて現代にモーツァルトを復活させる、というものです。

このプロジェクトではAI(人工知能)にモーツァルトの楽曲を何千回と学習させ、AI(人工知能)に作曲させます。完成した楽曲はモーツァルトのものとは少し趣向の異なるものと感じさせるかもしれないものでした。しかし、現代音楽では聴けないメロディラインを作ることには成功したこと、あえて違和感を生じさせることでモーツァルトを現代風にアレンジする狙いがあったこと、から、このプロジェクトは全体的に成功した、とクリエイターは考えました。

他にも、世界最初の全曲AI(人工知能)が作曲した音楽アルバムである「I Am AI」も。アルバムを作成したタリン・サザン(Taryn Southern)さんは当時全く作曲できなかったのですが、AI(人工知能)作曲ソフトを駆使して楽曲作りをおこない、「I Am AI」を完成させました。

さて、AI(人工知能)で作曲するといっても音楽知識は必要だと思われるかもしれません。実はそういったことはなく、音楽知識がなくてもAI(人工知能)で作曲ができてしまいます!そのことについて、次で解説しましょう。

音楽知識がなくてもAI(人工知能)で作曲できる

機械が作曲するイメージ
音楽知識がなくても、雰囲気やコンセプトを伝えればAI(人工知能)が自動的に作曲してくれるソフトが存在し、これを使うことでどんな人でも作曲が可能です!

先ほど登場した「I Am AI」ではAmper Musicという自動作曲ソフトが使われました。Amper Musicでは曲のジャンル、雰囲気、長さを指示するだけで学習したデータからAI(人工知能)が自動で作曲を行ないます。音楽知識はないけれど作曲をしてみたい人にとっては便利な時代ですよね。

東京大学で開発されたOrpheusは歌詞からメロディを開発し、なんと作曲に当たってイントネーションから歌いやすさを考慮してくれるとのこと。これは歌詞に自分の創造の余地があるため、作っている感がより一層増しますよね。他にも、より人間の感情をダイレクトに作曲で表現するために、脳波を読み取り自動作曲するAI(人工知能)を大阪大学COI(Center of Innovation)が発表しています。

このように、雰囲気を指定したり、歌詞を読み取らせたり、脳波を用いたりしてAI(人工知能)作曲が可能な時代となっていて、新たな可能性が広がるでしょう。

ここで気になるのがAI(人工知能)作曲はどれほど普及するのかということ。続いて、今後AI(人工知能)作曲が主流になるのか解説していきます。

AI(人工知能)作曲は今後主流になるのか

曲のイメージ
現時点ではAI(人工知能)作曲は人間のそれに勝るとはいえないレベルで、まだまだ主流になるとは言いがたいでしょう。というのも、AI(人工知能)作曲は学習に使った、これまで世に出ているデータをもとにおこなわれているため独自性が低いという点があり、また単調なメロディになってしまいがちという欠点があるためです。また、専門化目線ではセオリーに沿わない楽譜となっているため、現在の音楽界基準ではクオリティが決して高いものではありません。

しかし、それはAI(人工知能)作曲が現在まだ発展途上にあるからともいえ、今後人間と遜色ない作曲ができる可能性も秘めています。BGM的な活用程度に留まるとされているAI(人工知能)作曲ですが、これからますます成長し、人々が楽しく、ときには悲しくのめり込むような曲を書くまでになるかもしれません。誰が書いたのかという著作権の問題などは残されますが、もしAI(人工知能)作曲が当たり前となったら、私たちの生活が豊かになること間違いありませんよね。

※こちらにもそんな未来をご紹介しています

さて、AI(人工知能)作曲が主流となるかもしれない世界で困るかもしれないのが、プロの人間の作曲家たちでしょう。最後に、今後プロの作曲家が活躍するために、どのようなことが求められるのかお伝えします。

今後作曲家が活躍するためには

作曲家のイメージ
今後AI(人工知能)作曲が盛んになると、プロの作曲家の仕事が無くなってしまうのでは、と不安になりますよね。AI(人工知能)作曲ツールでよりクオリティの高い作曲が可能となると、たくさんアマチュアの作曲家が活躍できるようになり、たくさんの曲が世に出てくることになり、音楽を享受する側にとってはありがたい限りです。一方で、プロの作曲家の市場価値が相対的に下がり、簡単に素早く作曲するAI(人工知能)作曲が重宝される世界も予想されます。

これからプロの作曲家が活躍していくためには、AI(人工知能)との競争ではなく、共生が求められるでしょう。そもそも、作曲活動は作曲に関する知識や技法だけでなく、作り手の感性を頼りにおこないます。AI(人工知能)作曲で仕上がったものに、感性豊かなプロの作曲家が手を加えることで、より素晴らしい曲が世に出るかもしれませんし、そもそもAI(人工知能)作曲の時点で作曲家の感性を埋め込むことができて良い曲が書けるようになるかもしれません。

技術の発展に伴い、人間のライフスタイルや仕事内容が変わってくるのは必然です。AI(人工知能)作曲が広まった世界では、AI(人工知能)とどう戦うか、ではなく新たな技術を使ってより良いものを作るにはどうしたら良いのか、を考えていくことがプロの作曲家が活躍するに当たって重要なこととなるでしょう。

まとめ

さて、今回はAI(人工知能)によって作られていく作曲の新たな世界についてお伝えしていきました。AI(人工知能)は私たちの生活を豊かにする可能性のあるものでもあり、プロの作曲家にとっては転換点でもありました。

AI(人工知能)は大量の譜面を読み込ませることにより実現し、メロディの進行やハーモニーの組み合わせ、リズムのパターンなどを学びます。学習したAI(人工知能)を使うことによって音はもちろんのこと雰囲気、歌詞や脳波を元に音楽知識がある人でもない人でも作曲をおこなうことができます。知識があまりないアマチュアでも作曲ができるので、聴ける音楽の種類が増えたり、趣味の幅が広がったりしますよね。

これまで、モーツァルトの新譜を作ったり、AI(人工知能)だけで音楽アルバムを作ったりと、AI(人工知能)作曲にさまざまな試みがなされてきました。AI(人工知能)作曲は注目を集めている技術でもあるので、これからより一層面白い試みがなされること間違いないでしょう。

AI(人工知能)作曲はこれからもどんどん進歩していき、私たちの生活に当たり前のものとなるかもしれません。それは豊かなことでもありますが、プロの作曲家にとっては生き方を考え直さなければならないとき。プロの作曲家とAI(人工知能)とのコラボレーションに注目していきたいところです。

音楽は人間の生活を楽しくさせる大切な娯楽の一つですよね。AI(人工知能)作曲のこれからをが楽しみにしましょう!

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